「将来のために投資をしたいけど、もしかしたら証券口座を開設できないかもしれない」あなたはそんな心配、していませんか?
証券口座を開設するためには、証券会社の審査を受けなければなりません。審査基準に適していない人は、当然証券口座を開設できません。
この記事では、証券口座開設の審査基準や審査基準に適さない人、証券口座の選び方などを解説しています。
記事を読めば、あなたが審査基準に適しているかが分かり、自信をもって投資活動を始められます。ぜひ最後までご覧ください。
アイキャッチ画像出典:https://pixabay.com/ja/photos/%e6%a0%aa%e5%bc%8f-%e5%8f%96%e5%bc%95-%e9%87%91%e8%9e%8d-%e3%83%95%e3%82%a1%e3%82%a4%e3%83%8a%e3%83%b3%e3%82%b9-2463798/
証券口座開設に審査がある理由
証券口座を開設するためには、証券会社の審査を受けなければいけません。審査がある理由は主に2つ、「犯罪の防止」と「顧客資産の保護のためです」
とくに「顧客資産の保護」については、顧客が大きな損失を被るのを防ぐことを目的としています。
株式投資は元本保証がありません。一日に動く値幅の上限・下限を制限した値幅制限はありますが、それでも多額の資金を失うリスクがあります。
そのため審査を通して顧客の投資経験の確認や、証券取引がリスクを伴うもであることの注意喚起を行うのです。いずれも、顧客が資産を大幅に減らさなための配慮なのです。
【開設できる?できない?】証券口座開設の審査基準
投資を行うためには証券口座が必要になります。証券口座とは、投資信託や株式売買に必要な口座のことです。
証券会社では、審査基準に従って口座開設の審査を行います。審査基準は各証券会社が、独自に設定している項目もあるので注意が必要です
多くの証券会社は審査基準を公表していません。ここでは審査でチェックされる項目について、大まかに説明します。
- 全証券会社に共通の審査基準
- 大部分の証券会社に共通の審査基準
- 独自の審査基準
全証券会社に共通の審査基準
ここでは全証券会社に共通する、証券口座開設の審査基準を見ていきます。
- 反社会勢力の関係者ではないか。
- 本人からの申し込みか。
- 余剰資金・収入があるか
反社会勢力の関係者は、口座開設ができません。その理由はマネーロンダリングや詐欺などの犯罪に、悪用されるのを防ぐためです。
マネー・ローンダリング(Money Laundering:資金洗浄)とは、一般に、犯罪によって得た収益を、その出所や真の所有者が分からないようにして、捜査機関等による収益の発見や検挙等を逃れようとする行為を言います。
出典:JAFIC(警察庁 犯罪収益移転防止対策室)
また相場の意図的な操縦やなりすましなどの犯罪を防止するため、必ず本人確認書類の提出を求められます
ネット証券会社は、余剰資金や収入を見ています。投資は場合によっては損をするもの。損失によって、生活ができなくなる可能性がある人は審査を通りません。
大部分の証券会社に共通の審査基準
以下にあげる審査基準は証券会社のすべてではありませんが、ほとんどの証券会社に共通するものです。
- 金融商品取引業者の役員、従業員でないか
- 日本に住んでいるか
金融商品取引業者の役員やその従業員は、証券口座が開けません。一般の顧客に比べて、有益な情報が得やすく有利な立場にあるため、公正ではないという理由です。
また多くの証券会社は、日本国内に居住していることを条件としています。
中には居住していなくても、証券口座を開設できる場合もあります。しかし居住する国独自の制限があるため、居住先の証券会社を利用した方が良いと言えるでしょう。
独自の審査基準
証券会社は、その会社独自の審査基準があります。独自の審査基準として以下のものが挙げられます。
- 勤務先
- 年齢(満20歳以上であることなど)
- 金融商品のリスクいついての理解
勤務先については前述のとおり、金融機関に勤めている方は証券口座を開設できません。また世帯主が他の証券会社に勤めている場合も、断られる可能性があります。
証券会社によっては、年齢制限を設けている場合があります。満20歳以上やなかには70歳までと、上限を設けている所もあります。未成年の場合は親権者が代理として、開設可能なところもあります。
投資にはリスクがつきものです。顧客が大幅に資産を失わないように、しっかりと投資のリスクを理解しているかをみています。そのため投資の経験を確認する証券会社も、存在します。
証券口座の開設ができない人
証券口座を開設するには、証券口座開設の審査を受けなければなりません。
しかし中には、証券口座開設の審査に通らない、または通らない可能性がある人がいます。
- 確実に審査に通らない人
- 審査に通らない可能性が高い人
確実に審査に通らない人
暴力団員とその関係者、国際テロリストなどの反社会的勢力の関係者は審査を通りません。
理由はマネーロンダリングや振り込め詐欺で、銀行口座や証券口座を利用するケースが増えたことがあげられます。反社会勢力であると判明した場合、即座に口座が凍結されます。
審査に通らない可能性が高い人
金融取引業者の役員や従業員、銀行・保険会社の従業員は、審査に通らない可能性があります。
金融商品取引業者とは、証券会社やFX専業会社、投資助言会社のことです。また、一部の不動産会社や貿易会社なども含まれます。
内閣府令では金融商品取引業者の役員・従業員の、禁止行為を決めています。職務上顧客より有利に情報を得やすく、公正ではないということで禁止されているのです。
「個人である金融商品取引業者又は金融商品取引業者等の役員(役員が法人であるときは、その職務を行うべき社員を含む。)若しくは使用人が、自己の職務上の地位を利用して、顧客の有価証券の売買その他の取引等に係る注文の動向その他職務上知り得た特別の情報に基づいて、又は専ら投機的利益の追求を目的として有価証券の売買その他の取引等をする行為」
出典:金融商品取引業等に関する内閣府令 第117条第12号。
借金があったら証券口座は開設できない?
証券会社は余剰資産と収入を確認します。多くの借金があると、場合によっては審査が通らない可能性があります。しかし少額の借金なら問題ないでしょう。
証券会社のなかには、個人信用情報機関に登録していない所もあるようです。そのようなところは信用情報を確認できません。
個人信用情報機関に登録していない証券会社なら、借金や破産歴があっても開設できる可能性があります。
信用情報機関とは、クレジットやローンの契約、借金、債務整理といった個人信用情報を掲載する期間です。
信用情報機関は以下の3つがあります。加盟会員の検索もできますので、気になる方は調べてみてください。
証券会社の審査に落ちた場合でも、信用情報に影響はありません。証券口座開設を申し込むだけなら無料です。
審査に通るかを気にするよりも、一度証券口座開設を申し込んでみてはどうでしょうか。
証券口座の選び方
無事に審査を通ると、証券口座が開設します。ですが、どの証券会社を選べばいいのでしょうか?証券会社はいろいろあり、また証券会社によって購入できる金融商品や、手数料が違います。
ここでは自分に合った証券会社を選ぶポイントを解説します。ぜひ証券会社を選ぶヒントにしてください。
- 手数料、取引コスト
- 取扱商品数
- 投資情報の量
手数料、取引コスト
手数料については各証券会社、さまざまに設定しています。担当者をつけて手厚いサービスを提供している総合証券は、手数料が高くなります。
反対に自分自身で取引をすすめるネット証券では、手数料は安めに設定されています。
取扱商品数
株式の種類は多種多様ですが、証券会社によって取り扱う銘柄が違います。外国株の取り扱いがない証券会社もあるので、注意が必要です。
自分が購入したい商品があるなら、その商品を取り扱っているか確認しましょう。
投資情報の量
ネット証券では、店舗型証券のように担当者がつきません。そのため、投資情報の量が特に重要になります。
例えばSBI証券や楽天証券では、会社四季報が無料で閲覧できます。またネットオンラインセミナーやプロが作成するマーケットレポートなどを、用意している証券会社もあります。
投資判断は自分で行うため、どれだけ情報提供してくれるかは重要ポイントとなります。
総合証券とネット証券違い
証券会社には、総合証券とネット証券があります。総合証券は店舗をもち、担当者と対面で取引するのが主になります。
ネット証券は店舗をもたず、インターネット等で取引する会社です。その他の違いは、以下のようになります。
- 銘柄選定、売買のタイミングを自分で考える
- 手数料が総合証券の5分の1~10分の1
- 自分のペースで投資ができる
- 自分自身で情報を集めなければならない
- 担当者がつき、投資に関するアドバイスがもらえる
- 大きな変動があれば担当者が知らせてくれる
- 株式や投資信託以外の資産運用もアドバイスしてくれる、
- 手数料はネット証券より高め
ネット証券と総合証券、どちらもメリット・デメリットがあります。二つの違いをしっかり把握して、自分に合った証券会社を見つけましょう。
口座開設の審査に必要な書類!これがないと開設できない!
証券口座を開設するさいには、本人確書類以外にも以下にあげるものが必要になります。
開設の申し込みをする前に、必要な書類をそろえておきましょう。
- マイナンバー確認書類
- 本人確認書類
- 印鑑
- 本人名義の金融機関口座
マイナンバーは、通知カードやマイナンバーの記載がある住民票の写しでも可能です(ただし発行した日から6か月以内のもの)
本人確認書類とは以下のものが、相当します。本人確認証として利用できる書類は、各証券会社で異なりますので確認が必要です。
- 運転免許証
- マイナンバーカード
- パスポート(条件有り)
- 在留カード
- 住民基本台帳カード(顔写真付き)
- 特別永住者証明書
- (平成24年4月1日以降に交付された)「運転経歴証明書」
- 各種福祉手帳(身体障害者手帳など)
- 官公庁から発行・発給された書類で官公庁が顔写真を貼付したもの(本人が提示した場合のみ)
印鑑は実印や銀行印でなくてもかまいません。またネットで証券口座を開設するときは、印鑑は不要です。手間を減らしたいなら、ネットでの証券口座開設をおすすめします。
証券口座開設の審査日数比較
ほとんどの証券会社は審査にかかる詳細な日数を公表していませんが、大まかな目安はWebサイト等で公表しています。
最短即日から数日で審査が終わるところがほとんどです。おおよその目安で申し込みましょう。大まかな審査日数は以下の通りです。
証券会社 | ネット申し込み | 郵送での申し込み |
SBI証券 | 最短で翌営業日 | 10日ほど |
楽天証券 | 通常1~3営業日 | 非対応 |
LINE証券 | 最短翌営業日 | 非対応 |
マネックス証券 | 最短で翌営業日 | 1週間程度 |
SMBC日興証券 | 最短当日 | 最短9日 |
GMOクリック証券 | 最短2営業日 | 非対応 |
DMM.com証券 | 最短当日 | 5日程度 |
松井証券 | 最短3日 | 最短1週間 |
ネット申し込みの場合、最短当日から数日で開設できるところが多いです。郵送の場合、5日~10日ほどかかります。すぐに証券取引を始めたい人は、Webで申し込んだ方がいいでしょう。
「証券口座開設ができない!」よくある質問3つ
証券口座を利用するには、証券会社の審査基準をクリアしないといけません。
しかし「証券会社を利用したくても、審査に通るか不安」「審査に落ちたらどうなるの」と心配している人もいるでしょう。
ここでは各証券会社に寄せられる、審査基準に関するよくある質問を3つまとめてみました。
- 審査に落ちた理由を知りたい
- 審査に落ちたが再申し込みできるの?
- 審査に落ちたらどうしたらいいの?
審査に落ちた理由を知りたい
証券口座開設の審査に落ちた場合は、その理由を明確には教えてくれません。
しかしSBI証券や楽天証券は例外的に、審査基準を公表しています。特に楽天証券の場合審査に落ちた理由をメールで知らせてくれますよ。
審査に落ちたが、再申し込みできるの?
証券口座開設の審査に落ちた場合でも、再び申し込むことは可能です。
年収や就業形態、金融資産などで落ちたと思われる場合は、改善してから再度申し込みましょう。
審査に落ちたらどうしたらいいの?
証券口座開設の審査に落ちても、クレジットカードのように信用情報には影響しません。また、ブラックリストのようなものもありません。
審査基準は、証券会社によってちがいます。一つの証券会社の審査に落ちても、他の証券会社では問題ない場合もあります。気にせずに、他の証券会社に申し込んでみましょう。
【まとめ】証券口座開設できない!それ本当?まずは申し込みを
証券口座を開設するためには、各証券会社の審査を受けなければなりません。審査は主に、以下の二つの目的で行われます。
- 犯罪の防止
- 顧客資産の保護のため
反社会的勢力にかかわる人だけでなく、金融商品取引業者の役員、従業員もまた、証券口座の開設ができません。金融商品取引業の関係者は有益な情報が得やすいため、公正ではないという判断です。
審査基準に適しているかどうか知りたいなら、審査基準を公表している会社に申し込んでみるのも一つの手です。楽天証券は審査に通らなかった場合、理由をメールで教えてくれますよ。
また証券口座の審査に落ちても、クレジットカードのように信用情報に悪い影響はありません。審査は各証券会社で違いもあるので、一度落ちたら他の証券会社に申し込んでみましょう。