「ニホントカゲの赤ちゃんは飼育したことがないから餌の上げ方や飼い方が分からない」「どんな設備を整えてあげれば、ニホントカゲが幸せに育ってくれるのかな」と悩んでいませんか?
庭や山の中など様々な所を探して、やっと見つけたニホントカゲの赤ちゃん。ですが、実際に赤ちゃんに餌をあげるのが上手くいかなくて、病気になってしまっては赤ちゃんが可哀そうですよね。
そこで、この記事では、ニホントカゲの赤ちゃんを飼ったことがない方に向けて、赤ちゃんが幸せに過ごせるように餌の上げ方や必要な設備、生態についてご紹介をしていきます。
餌や設備のご紹介をする際におすすめの商品のリンクを載せていくので、そちらもぜひ確認をしながら、最後まで読み進めていってください。
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2種類あるニホントカゲの赤ちゃんの飼い方
ニホントカゲには、2種類の飼い方があります。2種類の飼い方の大きな違いは、冬眠をさせるかさせないかの違いですが、それぞれメリットとデメリットがあるので、それぞれについて詳しく紹介していきます。
おすすめは自然な環境で飼育が出来る屋外飼育ですが、屋外飼育もメリットだけではないので、トカゲの赤ちゃんの事をしっかりと考えて、屋外飼育にするのか屋内飼育にするのかを判断しましょう。
屋外飼育をする場合
屋外飼育をする場合のメリットは自然の環境下で飼育が出来るため、屋内で日光の代わりとなる紫外線ライトの必要が無くなることです。
また、自然な環境で飼育をすることが出来るので、トカゲにとってもストレスがなくケージの中を過ごせます。
デメリットとして、冬の寒い時期になると冬眠をしてしまい、地中に隠れてしまうので、年中トカゲを見て、癒やされたい幸せを感じたいという方には我慢が必要になってしまう飼育方法です。
ですが、ニホントカゲの赤ちゃんを育てたことがないという方は、自然な環境で育てたほうが安心だと思うので、屋外飼育をおすすめします。
屋内飼育をする場合
屋内飼育をする場合のメリットは、冬の寒い時期になっても冬眠しないということです。
冬眠をしないので年中見ることができますし、なにより目の届く範囲にトカゲの赤ちゃんがいることは癒やしになります。
逆にデメリットとしては、日光浴の代わりとなる紫外線ライトの購入が必要になることと、ケージ内の気温とトカゲの体温調整が難しくなってしまうことです。
下の段落で詳しい飼育環境についてご紹介していきますが、過ごしやすい飼育環境を整えるためにも、こまめな気温チェックが必要になってきます。
ニホントカゲの赤ちゃんの特徴
ニホントカゲの赤ちゃんは、大体5センチ程の大きさです。幼体から成体にかけては、脱皮を何度も繰り返して、小さな体を段々と大きくしていきます。
孵化した数日間は黄身の栄養で生きていくことが可能ですが、基本的に飼育では、小さい虫やコオロギを与えます。
飼育には様々なことに注意をしなければいけません。病気や脱皮不全、飼育環境の適性がないこと、外敵に襲われることなどで死んでしまいます。
正しい飼育方法を実践すれば、成体になったニホントカゲと過ごすことが出来て、幸せな気分になること間違いなしです。
ニホントカゲの赤ちゃんの飼い方 ①設備編
まず初めに、ニホントカゲの赤ちゃんを飼う際に必要な、最低限の設備についてご紹介をしていきます。
- 飼育ケース
- フタ
- 床材
- シェルター
- 水入れ
この5つがニホントカゲを飼育する上で、必要最低限になる設備ですので、それぞれを詳しく紹介していきますね。
設備のひとつひとつを適切に揃えれば、ニホントカゲの赤ちゃんも幸せに生活してくれるので、しっかりと読み進めていってください。
飼育ケース
成体になることを予想すると、飼育ケースの大きさは最低でも横幅60センチ以上が必要です。トカゲは地上で生活する爬虫類ですし、狭い飼育環境だとストレスがかかります。
赤ちゃんのころは、まだまだ体も小さく運動できる程のエネルギーがないので、虫かご程度の大きさでも飼育ができます。
飼育ケースは、水槽や衣装ケース、コンテナボックスなどです。また、本格的に鑑賞、飼育したい場合は爬虫類専用のケースもあるのでそちらでも構いません。
フタ
飼育ケースと共に必要なのがフタです。屋外飼育・屋内飼育どちらともトカゲが脱走しないように、フタをケースに取り付けましょう。
また、ニホントカゲは風通しが良い場所を好むので、フタは上側と横側が金網になっているものを選びます。屋内飼育の場合は、高さがあるケースを購入して脱走を防ぐことは可能です。
ですが、屋外飼育をする場合は、猫やカラスなど外にいる外敵から守るためにも、フタは必要なので、フタ付きのケースを必ず購入してください。
良いフタが見つからないという方は、バーベキューネットを使って自作のフタを作りましょう。バーベキューネットであれば、安価で簡単にフタを自作できますし、脱走できない網目なのでおすすめです。
床材
床材はニホントカゲにとって大事な設備のひとつです。なぜなら、ニホントカゲというのは地中に潜って生活をする生き物だからです。
成体であれば床材は爬虫類飼育で万能な土で有名なヤシガラ土を敷きましょう。
さらに、ニホントカゲの赤ちゃんとなると、床材にさらに気をつけなくてはいけません。なぜなら、ニホントカゲの赤ちゃんはヤシガラ土入りの床材の線維を餌と一緒に食べてしまい、誤飲をしてしまうからです。
なので床材は、黒土を敷いた上に腐葉土を乗せるのが一番良いです。厚さは5センチ以上は敷きます。特に屋外では、日光が強すぎる場合でも土の中に潜り込むことが出来るので、厚めに敷きます。
シェルター
ニホントカゲは臆病な性格をしているので、赤ちゃんの頃でも成体に成長してもシェルターは必要です。
土の中に潜って隠れているということも多いですが、地上で隠れ家となるように流木を置いたり、石を置いたりして隠れ家を作りましょう。
また、石やレンガを太陽の当たる所に置いて、日光浴が出来るスペースを作ってあげることも重要です。
このように太陽の当たるスペースの事を”ホットスポット”とも呼ぶのですが、ホットスポットを1ヶ所でも作ってあげると、日光浴が出来るスペースになるので、トカゲにとって良い飼育環境になります。
水入れ
水入れには、脱皮に必要な水分と水分補給のための飲み水を得る役割があります。水は菌が繁殖してしまうのを防ぐのと、清潔な水をトカゲに与えるために、1日に1回は変えましょう。
また、塩素(カルキ)が入っている水を与えてしまうとトカゲにとっては毒ですので、カルキ抜きをして水を与えるようにしましょう。
カルキ抜きのやり方は簡単で、水道水を沸騰させるだけで大丈夫です。水入れに水を入れても飲まないニホントカゲもいて、脱水になってしまう個体もいます。
その時の対策として、ケース内の体温や湿度を調整するのはもちろんなのですが、日陰になる場所を作ったり、霧吹きでケースの壁面に水を付着させましょう。
ニホントカゲの赤ちゃんの飼い方 ②餌やり編
餌やりですが、成体と同じものを与えるのではなく、赤ちゃんに合わせた餌を与えましょう。赤ちゃんは消化器官もまだまだ未熟です。餌が大きく拒食になり、死んでしまう可能性もあります。
野生のニホントカゲは警戒心も強く、生きた餌に良く反応します。餌の頻度は1日に1回で生きたコオロギをニホントカゲの赤ちゃんに与えるのが理想です。
ニホントカゲの頭3分の1くらいの大きさの小さめのコオロギを与えるようにしましょう。理由は、コオロギも大きすぎると消化が上手くできずに栄養が吸収されないからです。
上手く餌を上げることが出来ずに、時間が経ちトカゲの様子がおかしいようであれば、すぐに爬虫類を見てくれる動物病院に行って検査をして貰いましょう。
ニホントカゲの赤ちゃんの飼い方 ③持ち方編
ニホントカゲの赤ちゃんを、飼育をしていくと手に持ってスキンシップをしたくなりますよね。ですが、赤ちゃんを手に持つわけですから注意が必要になってきます。
気を付けて欲しいのが、手のひらで包み込むようにして持たないようにしてください。ニホントカゲの赤ちゃんは体温の上昇に弱く、手のひらで包み込むようにして持つと蒸し殺してしまう可能性があるからです。
持つときは、手の親指と人差し指だけを用いて、赤ちゃんの前足を軽くつかみます。また、赤ちゃんの頃のスキンシップはなるべく少なくしておきましょう。
理由として、過度なスキンシップはストレスになってしまうからです。成体に成長をすれば好きなだけ触ることができます。それまでの辛抱だと思って、スキンシップはほどほどにしましょう。
ニホントカゲの赤ちゃんの飼い方 ④体調不良編
次に、ニホントカゲの赤ちゃんを飼う時に気を付けて欲しいポイントで、体調不良があります。
特に赤ちゃんは体調不良によって原因不明の状態で死んでしまうことも多いです。なので、体調不良にならないような対策をしっかりしていきましょう。
特にニホントカゲが体調不良になる要因は以下の5つです。上の段落で紹介を既にしているものもありますが、この5つは特に気を付けましょう。
- 脱水
- 拒食
- 誤飲
- 脱皮不全
- クル病
脱水・拒食・誤飲に関しては、上の段落でご紹介した通りですが、脱皮不全についてこの段落では紹介し、クル病については下の段落でご紹介をしていきます。
脱皮不全は飼育環境が乾燥していることから起きます。脱水と共にケース内を乾燥させないように湿度を一定に保つことが必要です。ニホントカゲにとって、適切な湿度というのは60%~70%です。
湿度計をケージ内に入れておき、霧吹きで上手く湿度を60%~70%に調整できるようにしましょう。
ニホントカゲとニホンカナヘビの違い
ここまで4つの段落に分けてご紹介していきましたが、日本国内でトカゲと呼ばれるトカゲが2種類存在しているのはご存じでしょうか?それぞれの名称は「ニホントカゲ」と「ニホンカナヘビ」です。
ニホントカゲの赤ちゃんは、ベースの色が黒く頭から尻尾にかけて、黄色の縦じまが5本入っています。最も特徴的なのが、尻尾が鮮やかな青だということです。
尻尾が鮮やかな青になっているのは、捕食者から狙われた際に尻尾を切り落とし、尻尾に注目を集めさせるためです。
ニホントカゲの赤ちゃんは尻尾が青いのですが、成体になると青みが段々となくなり、今度は全身が金色のように色づいていきます。なので、別名キンイロトカゲとも呼ばれています。
ニホントカゲの赤ちゃんの成長後の大きさや寿命は?
ニホントカゲの赤ちゃんは5センチくらいですが、1年程適切な飼育環境で育てると、成体になり15センチから25センチ程に成長します。メスの方がオスよりも一回り体が大きくなる傾向があります。
寿命に関しては、平均して5年程です。飼育環境や運動量、病気の有無によって寿命が10年程に伸びる場合もあります。
また、運動不足の他にも日光浴が欠かせないものになっていて、その日光浴のポイントについて次の段落でご紹介します。
ニホントカゲは日光浴が欠かせない
前述をしたように、ニホントカゲは日光浴が欠かせません。ニホントカゲは変温動物で、変温動物が日光浴を必要としている理由が3つあります。
- 体温を高めて、運動を促す
- カルシウムの吸収に必要なビタミンの生成
- 餌の消化を促す
特に、2番のカルシウムの吸収に必要なビタミンの生成というのが、極めて重要です。ニホントカゲはカルシウム不足で、クル病という病気にかかってしまう場合があります。
クル病というのは、幼体の時にカルシウムが必要な量、骨に吸収されずに成長して不十分な骨が出来て成長してしまうことです。
ニホントカゲの赤ちゃんは成体と比較をして、温度や湿度の管理が難しくまた、幼体は死亡しやすく、死んでしまう理由が分からないことが多いです。
なので、初めてニホントカゲの赤ちゃんを育てるという方は、屋外飼育で自然の環境下で育てることをおすすめします。
まとめ:ニホントカゲの赤ちゃんの飼い方
今回はニホントカゲの赤ちゃんの飼い方を4つのパートに分けてご紹介をしていきました。4つのパートをしっかりと読んで頂ければ、ニホントカゲの赤ちゃんの飼い方が分かったと思います。
人の赤ちゃんと同じで、ニホントカゲの赤ちゃんは非常に繊細で飼育環境によって体調が左右されやすいです。
飼育する方が、温度や湿度の管理をし、赤ちゃんを観察することが大切なので、愛情をしっかりと注いで赤ちゃんを幸せに育てていってください。