猫やライオンにみられる首根っこをくわえる行為。猫のイタズラを阻止しようと、首根っこを掴んでしつけをすることは正しいのか考えてしまいますよね。
家に帰って電気をつけたら泥棒が来たかのような光景をみると、「また部屋を荒らされてる」「このイライラをドコにぶつけたらいいんだ!」、という感情になりませんか?
この記事では、正しい首根っこの掴み方や注意点などを紹介していきますので、最後までご覧いただき、ぜひ行動に移してもらえれば嬉しいです。
出典:https://pixabay.com/ja/photos/%e3%83%8d%e3%82%b3-%e5%b0%8f%e3%81%95%e3%81%aa%e7%8c%ab-%e5%8b%95%e7%89%a9-%e5%ae%b6%e7%95%9c-3460552/
猫が首根っこを掴まれるとおとなしくなる理由
もし人間がされたら、とんでもない苦痛と感じる首根っこをつかむ行為。
ではなぜ、猫は首根っこを掴まれるとおとなしくなるのでしょうか?
以下にまとめてみましたので、猫になった気持ちで考えてみましょう。
- リラックス効果がある
- 心拍数が下がり受け身の状態になる
- 母猫に抱っこされているかのような安心感
母猫が子猫を守るため、首根っこくわえて移動するときがありますよね?
猫は首もとをくわえられたら脱力する習性を生まれながらにして身に付けています。
人間も赤ん坊のときに親から抱っこされる習慣がありましたよね?
猫もおなじで首をくわえられることによって安心したり、外敵から身を守るための手段として、いまでも名残があります。
しつけで猫の首根っこを掴むと起こる「PIBI」の効果とは?
しつけで猫の首根っこを掴むと反応する「PIBI」の効果について紹介していきますね。
子猫が、首もと(うなじ)を掴まれると脱力し受け身の状態になる反応は、「PIBI(Pinch Induced Behavioral Inhibition)」通称「ピビ」と呼ばれていています。
日本語にすると、「つまみ誘発性行動抑制」と言いますが、成猫にも通じることが2007年に行われた研究結果で明らかになっています。
では、「ピビの効果」にはどのようながあるのでしょうか?以下で紹介していきますね。
- 「脱力感」「鳴き声の減少」「心拍数の低下」などの鎮静反応がある
- リラックス効果
- 受け身の状態になる
「動作の減少」「鳴き声の減少」「心拍数の低下」などの鎮静反応があるため、猫の不安感を和らげることができます。
PIBI(ピビ)には、リラックス効果がありますので、猫は受け身になり脱力しますので身動きができない状態になります。
この特性を生かして、猫の不安やストレスを解消し、コミュニケーションをとったりしながら信頼関係を築いていきましょう!
成猫の場合、首を掴むときは、うなじ部分に全体重の負担がかってしまい、窒息の恐れもあるので注意しておくべきです。
また、首の周辺の血管に大きな負荷がかかり損傷してしまう危険があるため、掴むときは床に全身がついた状態でおこないましょう。
猫の首根っこを掴んでしつけをするメリットは?
「猫の首根っこを掴む」と聞くと可愛そうなイメージがありますが、メリットも存在します。
猫の首根っこを掴むことで得られる効果的なメリットを5つ紹介していきますね。
- 猫の動きを制限させる
- 医師の診察がしやすくなる
- 猫の爪を切る際に暴れるのを防げる
- 緊急時に猫を安全に非難させることができる
- リラックス効果がある
PIBI(ピビ)の効果で受け身状態になりリラックスできます。そのすきに爪を切ったり、マッサージをしてあげると、飼い主との信頼関係がうまれて効果的ですよ!
また、災害時などの緊急事態に、猫を家において自分だけ逃げるなんていう事はしたくないですよね?
最悪の事態に備えて、日頃から猫とのコミュニケーションをとって首根っこを掴む練習をしてみてはいかがでしょうか?
「猫の首根っこを掴む」行為は、メリットだけではなくデメリットもあります。以下の章にて説明しますので、そのまま読みすすめてくださいね。
猫の首根っこを掴んでしつけをするデメリットは?
筆者自身は、しつけとして猫の首根っこを掴む行為はあまり賛成できないですが、場合によっては必要なときもあると思います。
賛否両論ありますが医師、動物愛好家も猫の首根っこを掴む行為は推奨していません。
猫の首根っこを掴むことでのデメリットを3つ紹介していきますので参考にしてください。
- 飼い主の首根っこを掴む力加減に注意が必要
- 首の筋肉を痛める可能性がある
- 成猫の場合は体重が重いと窒息の危険がある
猫の首は痛みに鈍感といわれていますが、飼い主の力加減やもつ場所でも違ってきますよね。
また、ムリに首根っこを掴み持ち上げると、神経を痛める原因にもなりますので注意しましょう。
成猫の場合は、成長と共に体重も重くなるので首根っこを掴んで床から持ち上げてはいけません。
猫の首根っこを正しく掴むコツをご紹介します
正しい首根っこの掴み方をマスターして、猫にストレスを与えない環境にしていきたいですね!
それでは、正しい首根っこの掴み方のコツとポイントを6つ紹介していきます。
- 掴むときは首の皮と肉だけをつまむようにする
- コミュニケーションをとりがら優しく掴む
- マッサージをしてから優しくつまむ
- 触られるのが苦手な場合は信頼関係をもち気長に練習する
- 掴む時は長時間はさけ短時間にする
- 猫が嫌がる時はすぐやめる
首根っこへの適度な刺激はリラックス効果があるので、猫とコミュニケーションをとりながら、優しくマッサージしてあげましょう。
そもそも、身体に触られるのが苦手な猫の場合は、信頼関係をもち気長に練習すると徐々に慣れていくこともありますので、落ちついてきたらマッサージを継続してみるのも良いと思います。
長時間の首根っこを掴むことは、リラックス効果よりもストレスになる場合があるので避けましょう。
猫によって性格や個体差がありますので、首を掴むこと自体がストレスに感じる場合があります。極端に嫌がられた場合はやめましょう。
成猫の場合は体重が重い分、腰や首に負担がかかるため身体を支えながら、(床から足が離れないように)優しく掴みましょう。
「猫の首根っこを掴む」行為は、メリットだけではなくデメリットもあります。以下の章にて説明しますので、そのまま読みすすめてくださいね。
猫の首根っこを掴んでしつけをする際のNG行為とは?
猫の首根っこを掴んでしつけをする際にやってはいけないNG行為を紹介します。
- スクラッフィング
- 猫が嫌がっているのにムリに掴もうとしない
猫はうなじを掴まれるとリラックスしますが、うなじを掴んでゆさぶる行為「スクラッフィング」は成猫の場合、特にやってはいけない行為です。
成猫の身体には負担がかかります。必ず首を掴んで持ち上げる時は、身体の下を片方の手でしっかり支えてあげか、足を床につけた状態でおこなってくださいね。
猫の首根っこを掴んでしつけをするケースは?
猫の「イタズラ行為」はただの遊びにしか過ぎませんが、飼い主にとっては迷惑ですよね?
「しつけ」にはさまざまな種類がありますが、首根っこを掴むときのケースを説明します。
- 猫がイタズラしそうなとき
- 猫の興奮状態をおさめるとき
猫がイタズラをたくらんでいる前に、「スーッ」と背後に近づき、かるく首根っこを掴むと、受け身状態になり何もできなくなります。
猫の興奮状態をおさめるために首根っこを掴むのは効果的ですので、強さを加減しながら試してみましょう。
しつけ以外で猫の首根っこを掴むケースは?
かわいい愛猫。できれば首根っこを掴みたくない人もいると思います。
しかし、猫の首根っこを掴まなければいけないケースもありますので以下で説明します。
- 外出時にキャリーケースに入りたがらないとき
- 災害時などの緊急時に急いで避難しなければいけないとき
猫の定期受診などがイヤで暴れたり、外出時にキャリーケースに入りたくない時などは、首根っこを掴むことで落ち着きます。
また、災害時などの緊急事態のとき、自分のことでさえ精一杯なのに猫が興奮して暴れられたらもう手に負えないですよね?
そんなときに猫の首根っこを掴むと興奮が抑えられるので便利ですよ。
しつけで猫の首根っこを掴むのは極力控えよう
しつけの種類はさまざまあり、「首根っこを掴む」だけではありません。
PIBI(ピビ)のリラックス効果を利用して、日頃から猫の首をマッサージしながらコミュニケーションをとっていきましょう。
マッサージに慣れてきたら、「猫の首根っこを優しく掴んで」みて嫌がる様子がなければ、非常事態にも対応できますので、極力、首をつまむのは緊急時や外出時のみに控えましょう。
猫がイタズラをするのには、飼い主の生活環境が原因になっている場合もありますので、いちど周囲にイタズラされるものがないか確認することも大切です。
「しつけで猫の首根っこを掴む際のコツ・注意点」のまとめ
猫のイタズラをしつけする前に、自身の生活環境から見直していきましょう。
PIBI(ピビ)のリラックス効果を利用して、日頃から猫との過ごす時間を増やし、首をマッサージしながらコミュニケーションをとって信頼関係を築いてください!
極力、首根っこを掴んでしつけることを多用せずに、霧吹き・猫のしつけ用スプレーなどを試してみましょう。
もし首根っこを掴む際は、この記事で紹介した注意点・正しい方法でおこない、お互いにストレスのない生活を送っていただきたいです。最後まで読んでいただきありがとうございました。