「かわいい犬に癒されたい」と犬を飼い始めたのはいいものの、「犬を初めて飼うから『待て』のしつけ方がわからない」と頭を抱えてはいませんか?
犬にしつけを覚えさせるのは大変ですが、急な飛び出しや人への吠えを防ぐために犬に「待て」をしつける必要があります。
この記事では犬を飼い始めた初心者向けに、犬に「待て」をしつける方法・コツを紹介しています。ぜひ最後までご覧ください。
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犬に「待て」をしつける2つの理由とは?
犬は好奇心旺盛のため、視界に入ったものに興味を持ち、飛びつきます。そのため、人に怪我を負わせたり、交通事故を招いたりする可能性があります。
このような状況を未然に防ぐためにも犬に「待て」をしつけましょう。犬に「待て」をしつける理由は主に2つです。
- 犬を危険から守るため
- 他人に迷惑をかけないため
犬を危険から守るため
散歩しているとき、犬を危険から守るために「待て」をしつける必要があります。
少し目を離したら犬が急に車道に飛び出してしまった経験や、急にリードを引っ張られリードから手を離してしまった経験はありませんか。
犬に「待て」をしつけておけば、飛び出してしまう心配が無いです。
このように、緊急時の「待て」は交通事故や危険から犬を守れます。
他人に迷惑をかけないため
他人に迷惑をかけないためにも「待て」をしつける必要があります。
待てをしつけていないと友達や親戚の人を家に招いた際に、犬が飛びついた人を押し倒したり人の服を汚したりして、トラブルを起こす可能性があります。
犬にとってはじゃれついただけだったとしても、人に予期せぬ怪我をさせてしまう場合があるのです。
このように、犬に「待て」をしつけると他人に迷惑をかけず怪我も防げます。
【初心者向け】犬に「待て」をしつけ始める時期と前に確認すること
早速、「愛犬に『待て』をしつけるぞ!」と張り切っているそこのあなた、少しだけ待ってください。飼い始めてすぐに、犬が「待て」を覚えるのは難しい場合があります。
なぜなら、生まれて間もない子犬は、脳が未発達で飼い主の指示を理解できないからです。
また、子犬でなくても家に慣れていない状態の犬は、ストレスを溜めてしまう可能性もあるでしょう。
そのため、愛犬に「待て」をしつけ始める前に必ず確認することが3つあります。
- 子犬のしつけ開始時期は生後2~3か月から
- 飼い始めてから1~2週間経過しているか
- すでに「おすわり」をしつけているか
子犬のしつけ開始時期は生後2~3か月から
子犬のしつけは生後すぐではなく生後2~3か月から始めましょう。
なぜなら、子犬の生後3週間~3ヵ月は社会化期と呼ばれ、ルールや物事を受け入れやすい時期だからです。
とはいえ、生まれてすぐの子犬は脳が発達しておらず飼い主の思う通りに行動できません。そのため、子犬のしつけ開始時期は生後2~3か月が好ましいです。
しかし、「まだしつけなくても大丈夫!」と考え、生後3ヵ月よりもしつけの開始が遅れてしまうと、犬の警戒心や自我が発展し望ましくない行動が増える可能性があるため注意してください。
飼い始めてから1~2週間経過しているか
新しい子犬を家に出迎えて、「早く自分になついて欲しい!」と心躍る気持ちは分かりますが、子犬を飼い始めて1~2週間はしつけを控えると良いです。
なぜなら、子犬は母犬との離別を経て、あなたの家にいるため、家での新しい光景・匂い・音がストレスになっている可能性があるからです。
そのため、飼い始めてから1~2週間は子犬のストレスを溜めさせず、家に慣れてもらう期間として静かに過ごしましょう。
すでに「おすわり」をしつけているか
犬に「待て」のしつけを覚えさせる前に、「おすわり」をしつけている必要があります。
なぜなら、「待て」は「おすわり」の体勢がベースになるからです。
「おすわり」させずに、「待て」をしつけられますが、「おすわり」をしている状態の方が「待て」がしやすいです。
まだ愛犬に「おすわり」をしつけていない場合は、先に「おすわり」をしつけましょう。
犬に「待て」をしつける手順
「待て」をしつけ始める前に確認することを把握した後は、早速、犬に「待て」をしつけましょう。
ここでは、犬に「待て」をしつける手順5ステップを紹介します。
- ごほうびを準備する
- 犬に「おすわり」をさせる
- 犬の前にしゃがんでごほうびを手のひらに乗せる
- 手を近づけて「待て」と合図をする
- 「よし!」と言いごほうびを与える
愛犬に「待て」のしつけを習得させるには時間がかかります。
もちろん最初から「待て」ができるわけがないので、焦らず時間をかけてゆっくりと取り組みましょう。
ごほうびを準備する
まずは、犬が「待て」ができたときに与えるごほうびを準備しましょう。
なぜなら、「『待て』をするとごほうびがある」と認知してもらい、しつけに意欲的に取り組んでもらうことができるからです。
しかし、ごほうびはトレーニング中に何度も与えるので、愛犬を太らせないためにもカロリーが低いものや、小さくちぎったものなどがおすすめです。
犬に「待て」をしつけるために、愛犬の好きなおやつを準備しましょう。
犬に「おすわり」をさせる
まずは、その場で犬に「おすわり」をさせましょう。なぜなら、「おすわり」をさせた状態の方が犬が動きにくい体勢となり、「待て」をさせやすいからです。
犬に「おすわり」させて1~2秒以内に立ち上がってしまう場合は「おすわり」を数秒間できるように練習しましょう。
なぜなら、次のステップでごほうびを準備するまでに犬が立ち上がる可能性があるからです。
具体的には、犬に「おすわり」をさせたらごほうびをあげ、1秒・2秒とおすわりの時間を長くします。
犬に「おすわり」させてすぐに立ち上がらなくなったら、次のステップに進みましょう。
犬の前にしゃがんでごほうびを手のひらに乗せる
次に、犬の前でしゃがみごほうびを手のひらに乗せ、犬にごほうびを認識させます。
「おすわり」している状態で1~2秒間、動かずに止まっている場合は、ごほうびを与えます。
「おすわり」を続ければごほうびがもらえると認識させるのが重要です。
飼い主がごほうびを持ってすぐに犬が動き出してしまう場合は、ごほうびを与えずに根気強く再挑戦します。
手を近づけて「待て」と合図をする
犬にごほうびを乗せた手を近づけ、ごほうびを持っている手とは反対の手で「待て」と合図します。
合図する際のポイントは、犬の目を見て、穏やかに合図することです。
犬が動き出しそうになったら、ごほうびを乗せた手を引いて「待て」と再度合図します。
「待て」ができずに犬がすぐに立ち上がる場合は、ごほうびを与えずに、引き続き挑戦しましょう。
「よし!」と言いごほうびを与える
愛犬がごほうびを待てたら、「よし!」と言ってごほうびを与えます。
「よし」は「もう指示に従わず自由にしていいよ」という意味の解放の合図です。
始めは1~2秒の短時間でごほうびをあげ、もう少し待てそうだなと感じたら、徐々に時間を3秒、5秒、10秒と伸ばします。
しかし、犬の負担も考えて、数日で長時間増やすのではなく、1日2秒ずつくらいの感覚で気長に取り組んでいきましょう。
犬に「待て」をしつける際の注意点
これまで、犬に「待て」をしつける手順を解説しましたが、犬に「待て」をしつける際の注意点も把握しておきましょう。
なぜなら、「待て」をしつけるときには犬を混乱させずストレスを最小限にするのが大切だからです。
さらに、注意点を把握しておくと、犬に「待て」をしつけるまでの時間が短縮できる可能性が高くなります。
犬に「待て」をしつけるときの注意点は以下の4つです。
- 1日のトレーニング時間
- 犬との接し方
- 指示語・ハンドサインについて
- しつけをする場所
1日のトレーニング時間
1つ目の注意点は、「待て」のトレーニングをするときに短時間から始めることです。
なぜなら、犬の集中力は約5分程度と言われており、すぐに集中力を切らしてしまうからです。
また、いきなり「待て」の秒数を伸ばすと愛犬のストレスを増やし混乱を招く恐れがあります。
トレーニングは短時間から始めて徐々に時間を伸ばしましょう。少しずつ「待て」の秒数・回数を積み重ねていき成功体験を積ませることが「待て」習得への近道です。
犬との接し方
2つ目の注意点は、指示の声を大きくしたり、しつけ中に叱ったりしてはいけないことです。
なぜなら、人間への不信感や怯えにより犬が心理的なストレスを感じてしまうからです。そのため、犬が本来持つ元気な行動や性質を妨げる可能性があります。
しつけという表現は、多くの人にとって「厳しいものである」という考えがあります。
しかし、犬にしつけをする際に大事なのは厳しさではなく犬に愛情を注ぎ、犬も人も楽しくやることです。
「待て」ができなくても叱らず愛情を持って愛犬と触れ合いましょう。
指示語・ハンドサインについて
3つ目の注意点は、指示語・ハンドサインを統一させることです。
なぜなら、指示語やハンドサインが異なるとどの行動をすればいいのか分からず、犬が混乱してしまうからです。
一つの指示に、一つのハンドサインが必須です。例として、「待て」のハンドサインにはじゃんけんのパーを犬に向かって見せる場合が多くあります。
家族で犬を飼っているのであれば、家族全員で指示語・ハンドサインを統一しておきましょう。
しつけをする場所
4つ目の注意点は、初めは屋内の静かな場所でしつけを行うことです。なぜなら、屋外でしつけを行うと気が散るものが多く、集中できないからです。
ただし、家の中に犬のおもちゃがある場合は、気が散る原因になってしまうため犬の目が届かない場所に置いておきましょう。
初めは静かな屋内で「待て」のしつけを行いましょう。
そして、「待て」ができるようになったら、家の外や公園などの犬の気が散るものがある場所で「待て」のしつけにチャレンジしましょう。
犬のしつけ「待て」の誤った使い方2選
「待て」の指示は見知らぬ人への攻撃を防ぐだけでなく、お散歩中の交通事故を防ぐためにも使用します。
あらゆるトラブルを避けるために欠かせない「待て」ですが、実は誤った使われ方があります。例えば、犬に食事を与える前に「待て」を長時間使用しているケースです。
この指示は「待て」ではなく「おあずけ」です。長時間「おあずけ」をすると犬が早食いになる可能性があります。
「待て」の誤った使い方を頭にいれておくと、犬にストレスを与えず、犬の混乱や肥満を防げます。
ここでは、犬のしつけ「待て」の誤った使い方2選を紹介します。
- 食事前に長時間「待て」をさせる
- ストップの意味で「待て」を使用する
食事前に長時間「待て」をさせる
子犬の食事前には、長い時間「待て」をさせないようにしましょう。
なぜなら、食事を待たせると犬が早食いになりやすくなり肥満を招く可能性があるからです。
愛犬にとって「待て」は食事のおあずけという認識になると、マイナスのイメージがつき「待て」をしなくなる可能性があります。
そのため、食事をおあずけさせる「待て」は使わないように心がけましょうね。
ストップの意味で「待て」を使用する
犬が吠えるのをやめさせたり、興奮を止めたりするために「待て」を使用しないようにしましょう。
理由は、「待て」は飼い主が愛犬をその場で待たせるために使うしつけであるからです。
犬の吠えや動きを止めたい場合は、「ストップ」という別のしつけを教えましょう。「ストップ」のしつけ方は「待て」のしつけ方と同じです。
犬が吠えているときに、飼い主が「ストップ!」と合図し、犬が吠え止んだらごほうびをあげましょう。吠え止まない場合は、繰り返して「ストップ!」と言い続けます。
また、「待て」と「ストップ」の指示語とハンドサインを混同しないように心がけましょう。
【まとめ】愛犬の身を守るために「待て」をしつけよう!
この記事では、犬に「待て」をしつける方法・手順を解説しました。
「待て」のしつけは、犬の衝動的な行動による事故やトラブルから守るためにあります。
あのとき「『待て』をしつけていればあんな不慮の事故は起こらなかったのに……」とならないように、適切なタイミングを考えて早めに「待て」をしつけましょう。
「待て」をしつけることは、毎日少しずつ根気強く続けていれば難しくありません。
また、習得させるためのポイントは、犬を混乱させずストレスを最小限にすることを心掛けることです。
義務的にしつけるのではなく、焦らずゆっくりと楽しみながら「待て」を習得していきましょう!
- 名前:トシウマ
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