「地方公務員の給料ってどのくらいだろう?」公務員になろうか悩んでいる学生のあなた、今の忙しい仕事から転職を考えているあなたは、給料はどのくらいもらえるのかと考えたことでしょう。
地元市役所で5年間勤務経験のある私が「地方公務員の給料」に関して、実際の経験も含めてわかりやすく解説していきます。どうぞ最後までご覧ください。
なお、この記事で紹介する給料の内容は主に一般行政を対象としています。
一般行政:県庁や市役所等で事務仕事をしている公務員を指します。
(アイキャッチ画像出典:https://www.pakutaso.com/20210434112post-34449.html)
地方公務員の初任給は?
職場に就いて初めて支給される給料は初任給です。初任給は「学歴」「資格」「年齢」「経験」の項目によって決まります。
この中で一番給料に影響を与えるのが「学歴」です。もちろん最終学歴は高卒よりも大卒の方が有利になります。
金額は各自治体で定められていますが、平均的に下記のような金額になります。
- 大卒:約180,000円
- 短大卒:約160,000円
- 高卒:約140,000円
ちなみに最終学歴が高卒の私の初任給は150,000円程でした。平均より少し高くてほっとしました。
地方公務員の平均給料は?
初任給はその人その人の学歴や経験によって様々です。ですが、地方公務員の平均的な年収も気になりますよね?結論から述べると、平均金額は「360,949円」となります!
総務省による1年に1回の調査報告書に詳細がありますので興味のある方は「令和2年地方公務員給与実態調査結果等の概要」をご覧ください。
多いと感じましたか?この金額はあくまで平均、若手はもっと低いです。市役所で5年間働いていた時の私の給料は180,000円程、約半分ですね…。
地方公務員のボーナスは?
地方公務員のボーナスは年に2回、6月と12月にあります。金額は給料の約4ヶ月分程度支払われています。6月に2ヶ月分、12月に2ヶ月分といった具合です。
前項で発表した私の給料ベースで計算すると、「180,000円×4ヶ月=720,000円」という結果になります。
民間企業では業績によってボーナスの有無が決まるので安定してボーナスがもらえるのは公務員のメリットですね。
公務員は「ボーナス」という名称ではなく、6月は「勤勉手当」12月は「期末手当」という呼び方になっています。
地方公務員の給料の仕組み
初任給・平均給料・ボーナスと解説してきましたが、そもそも地方公務員の給料の内訳はどうなっているでしょうか?給料は以下のようになっています。
- 給与=給料+手当
給料とは簡単に言うと基本給のようなものです。給料に様々な手当が加算されることで給与が支払われます。
その手当には26種類あり、仕事内容や職員の生活によって支給される手当はバラバラです。どんな手当があるかは「地方自治法第204条」をご覧ください。法律を読むのに慣れていない方は少し大変かもしれません…。
ちなみに私は「特殊勤務手当」というもので200円/日程加算されたことがあります。
地方公務員の給料は自治体によって違う?
地方公務員の給料はどこの自治体も同じではありません。2020年の全国自治体の給与ランキングを紹介します。
- 1位 神奈川県 厚木市
- 2位 東京都 三鷹市
- 3位 兵庫県 西宮市
上記の結果となりました。例年ながら、都市部付近の自治体が上位を独占するといった形になっています。
もし希望する自治体があるなら是非「各団体区分別の給与状況」をご確認ください。
自治体:地方公共団体とも呼ばれ、日本の都道府県や市区町村を統括する行政機関のことです。要は県庁や市役所、区役所のことです。
地方公務員の給料は毎年上がる?
公務員は1年に1度、昇給があります。地方公務員の給料には「階級」があり、1級1号から10級21号まであります。
級と号給の数字が増えれば給料が上がっていくという制度です。若手であれば1級からのスタートとなり、毎年約4号給ずつあがっていきます。
ちなみに私の場合は就職した際は1級5号給からのスタートで毎年約4号給ずつあがり、5年目には1級21号給まであがりました。
地方公務員と民間企業の給料比較
地方公務員の平均給料は「360,949円」と前述しました。厚生労働省の調査によると、民間企業の平均給料は「307,700円」となります。
公務員の方が数万円高いという結果になりましたが、民間企業の場合は企業や社員の学歴、性別によって給料に大きな差があります。要は小さい会社もあれば大企業もある、ということです。
ですので、平均給料で比較すると公務員の方が高いですが、就職先や学歴によっては民間企業の方が公務員よりも給料が高いということはありえる話です。
地方公務員が給料を上げるためには?
前述したように地方公務員の給料には階級があり、勤務年数や勤務成績によってあがっていきます。
ですが、民間企業のように勤務成績によって給料があがることはあまりありません。勤務成績で給料が上がった人を見たことがないくらいです。
もしかしたら、数年後には働き方改革で公務員も勤務成績によって給料が変動する、という制度が導入されるかもしれませんが、今のところはそのような話はありません。
ですので、現段階で地方公務員が給料を上げるためには1年に1回の昇給で少しずつ地道に上げていくしかありません。
地方公務員になるには?
では、そんな地方公務員になるにはどうしたらいいのでしょうか?
基本的には、各自治体の公務員試験を受験する必要があります。一時試験が筆記で高校で学ぶような教養試験です。内容はそんなに難しくありませんが、しっかり勉強しましょう。
二次試験は面接による試験です。なかには集団面接やプレゼン、複数人での討議といった内容があるのでしっかりとした対策が重要です。
一次試験は通ったけど二次試験で落ちた、という方も大勢いるので油断できません。
地方公務員として働いてみて
今回は実際地方公務員として働いた経験のある私がいろいろ語らせていただきました。公務員は民間企業と比べて、数年おきに異動があったり給料面で安定感があったりとかなり特殊性が強い仕事です。
もちろん異動したら0から仕事を覚えないといけません。若手の頃は給料がとても低く、一人暮らしなんてできません。
ですが、休日が確保されていたり、ボーナスが安定して受け取れるといったメリットもたくさんあります。実際に毎年新卒の方や転職してきた方が多く採用されていました。
もし、この記事を読んで地方公務員に少しでも興味がでたのであれば、ぜひ近くの自治体の応募要領を確認してみてください。最後まで読んでくださりありがとうございます。