あなたは「お気に入りの服に食べ物をこぼしてしまった」なんて経験ありませんか?
すぐになんとかしたいけど、シミの落とし方がわからないと焦ってしまいますよね。失敗したらもう着られなくなるかもしれないと思うと、対処に迷ってしまいます。
この記事では、そんなあなたに生地や汚れの種類に合わせた落とし方を説明しています。この記事を読めばシミがついた場合の落とし方がわかり、焦らないで対処できるようになるでしょう。
シミは時間が経つにつれて酸化し、落ちにくくなります。酸化してしまうと通常のシミ抜きでは落とすことができなくなりますので、そうなる前になるべく早く対処しましょう。
(アイキャッチ画像出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/2310308)
シミをつけてしまった、その時どうする?
服にシミをつけてしまった場合は、なるべく早く正しい方法でシミ抜きをすることが重要になります。
「正しい方法」は服の生地や汚れの種類によって変わってきますので、まずは以下に「生地と汚れの種類」についてあげてみましょう。
- 生地の種類
- ポリエステル
- コットン(綿)
- シルク(絹)
- リネン(亜麻)
- 水溶性汚れ(コーヒーのシミ)
- 油溶性汚れ(口紅のシミ)
- 不溶性汚れ(泥のシミ)
- 溶性と油溶性の混合汚れ(カレーのシミ)
- タンパク系汚れ(汗のシミ)
次の章から服の生地と汚れの種類ごとに、その対処方法について説明していきます。判断する基準を理解して、正しい方法を選択できるようにしましょう。
生地によっては早めにクリーニングへ
シミを付けてしまったらすぐに対処しなければなりませんが、焦って水でこするはちょっと待ってください。生地によっては自分で対処しない方が良いものがあります。
洗濯表示を見て家で洗えないものは、自分でやるとよけいに広がったり、色が抜ける可能性があります。生地や選択表示から「自分でやらない方が良い」と判断したら、無理をせずクリーニングに出しましょう。
服の生地で代表的な以下のものについて、その特徴と対処方法を説明していきます。
- ポリエステル
- コットン(綿)
- シルク(絹)
- リネン(亜麻)
ポリエステル・コットン(綿)
ポリエステルやコットンは、比較的丈夫でシミ抜きしやすい素材です。Tシャツやタオルなどをイメージするとわかりやすいかと思います。
ポリエステルやコットンのシミは食器用洗剤で軽くもみ洗いした後、漂白剤を軽くもみこんで洗濯するというのが基本のやり方です。
シルク(絹)・リネン(亜麻)
シルクやリネンはおしゃれ着に使用されることが多く、とてもデリケートな素材です。洗濯できないものが多いので、「洗濯表示」を必ず確認しましょう。
洗濯できないものはシミを落とそうとすると縮んだり、輪ジミができてしまう可能性があります。自分では対処せずにクリーニングに出すことをおすすめします。
洗濯できる場合はこすらないよう、綿棒かガーゼで優しく叩くようにシミを落としてから洗濯します。漂白剤は生地を傷めるので使用しないようにしましょう。
5種類の汚れ別に見るシミの落とし方
シミの落とし方は、つけてしまった汚れの種類によっても大きく変わります。汚れは大きく分けると、以下のように分類されます。
- 水溶性汚れ(コーヒーのシミ)
- 油溶性汚れ(口紅のシミ)
- 不溶性汚れ(泥のシミ)
- 水溶性と油溶性の混合汚れ(カレーのシミ)
- タンパク系汚れ(汗のシミ)
次の章からはそれぞれのシミについて、どんな汚れが該当するか、どのような特徴があるか、どうやって対処するかを見ていきます。
もし何の汚れかわからない場合は、霧吹きで水をかけてみましょう。水をはじくかどうかで油溶性か水溶性かがわかります。
①水溶性汚れの落とし方【コーヒーのシミ】
まず1つ目は「水溶性」の汚れです。水溶性には、主に以下のような汚れが該当します。
- コーヒー
- ジュース
- ワイン
- 醤油
- ソース
- ケチャップ
水溶性の汚れは水に溶けやすいので、基本的には洗濯すれば大丈夫です。
外出先で応急処置をする場合は、シミを広げないようにティッシュやハンカチなどで押さえるように移しとりましょう。輪ジミが残らないよう、中心部からではなく周りから落としていくのがポイントです。
②油溶性汚れの落とし方【口紅のシミ】
2つ目は「油溶性」の汚れです。油溶性には、主に以下のような汚れが該当します。
- 油
- チョコレート
- ミートソース
- 口紅
- ファンデーション
油溶性の汚れは油を含んでいるので、水では落とすことができません。油は熱に溶けやすい性質があるので、50℃ぐらいのお湯を使って落としてください。
もし手元にクレンジングオイルがあれば、クレンジングオイルを使用することもおすすめです。こすらずに叩くようにして汚れを落とし、最後に水で湿らせたティッシュで洗剤を落とすようにしましょう。
③不溶性汚れの落とし方【泥のシミ】
3つ目は「不溶性」の汚れです。不溶性には、主に以下のような汚れが該当します。
- 泥
- 墨汁
- ボールペンのゲルインク
不溶性の汚れは水にも油にも溶けないのでなかなか曲者です。不溶性の汚れにはウタマロ石けんを使うのが有効だと言われています。
まずは汚れを乾燥させて歯ブラシなどで汚れを掻き出します。その後に生地をぬらしてウタマロ石けんを塗りこみ、しっかりもみ洗いしてから洗濯するようにしましょう。
④水溶性と油溶性の混合汚れの落とし方【カレーのシミ】
4つ目は「水溶性と油溶性の混合」汚れです。水溶性と油溶性の混合には、主に以下のような汚れが該当します。
- カレー
- ミートソース
- マヨネーズ
- ドレッシング
- アイスクリーム
水溶性と油溶性混合の汚れは、水溶性の汚れのまわりに油溶性の汚れがまとわりついています。そのためまずは油溶性の汚れを落としてから、その後に水溶性の汚れを落とすという2段階で落としましょう。
つまり、50℃ぐらいのお湯またはクレンジングオイルで油溶性の汚れを取り除いてから洗濯するようにしてください。
⑤タンパク系汚れの落とし方【汗のシミ】
5つ目は「タンパク系」汚れです。タンパク系には、主に以下のような汚れが該当します。
- 血液
- 汗
- 牛乳
- 肉汁
タンパク系の汚れは温めると固くなるため、お湯を使用してはいけません。必ず水を使用し、液体の酸素系漂白剤を使って落とすようにしましょう。
タンパク系のシミについても、不溶性シミと同様「ウタマロ石けん」が有効です。公式のホームページを見ても「皮脂汚れの黄ばみも落ちる」と書いてあります。
あると便利なシミ抜きグッズ
シミを効果的に落とすためには、市販のシミ抜きグッズを利用するのも有効です。シミ抜きグッズは主に3種類ありますので、それぞれ1つずつ紹介します。
- 携帯タイプ
- 電動タイプ
- 液体タイプ
携帯タイプ
携帯タイプは外出時の応急処置に便利です。携帯タイプのおすすめはLIONの「トップ シミとりレスキュー」です。
「トップ シミとりレスキュー」は水溶性・油溶性両方の汚れに有効で、シルクなどの水洗いできない生地にも使えます。カバンに1つ入れておくと、もしもの時に役に立つでしょう。
電動タイプ
電動タイプは小範囲の頑固なシミに有効です。電動タイプのおすすめのはシャープの超音波ウォッシャーUW-S2です。
超音波振動で、生地を傷めずにシミを落とすことができます。水溶性、油溶性のほか、タンパク系のシミにも有効のようです。
液体タイプ
液体タイプは広範囲の時間が経ったシミも対応できます。液体タイプのおすすめは「トップ NANOX シミ用」です。
「トップ NANOX シミ用」はシミに直接塗って、そのまま洗濯すれば良いという気軽さがポイントです。ちなみに、この「トップ NANOX」は他にも「エリそで用」と「ドロ用」があります。
まとめ:生地や汚れを考えて適切な処理をしよう
今回はシミをつけてしまった場合の対処の仕方、生地や汚れ別の落とし方について説明しました。もう一度内容を整理すると、以下のようになります。
生地の種類 | 特徴 | 対処方法 |
ポリエステル コットン(綿) |
比較的丈夫でシミ抜きしやすい | シミ部分をもみ洗い後、漂白剤をもみこんで洗濯 |
シルク(絹) リネン(亜麻) |
とてもデリケート 洗濯表示を必ず確認 |
洗濯できるものは、叩くようにシミを落とした後に洗濯。 洗濯できないものはクリーニングへ |
汚れの種類 | 汚れの例 | 対処方法 |
水溶性汚れ (コーヒーのシミ) |
コーヒー ジュース ワインなどの酒類 醤油 ソース ケチャップ |
通常の洗濯 |
油溶性シミ (口紅のシミ) |
油 チョコレート ミートソース 口紅 ファンデーション |
50℃前後のお湯かクレンジングオイルを使用 |
不溶性シミ (泥のシミ) |
泥 墨汁 ボールペンのゲルインク |
ウタマロ石けんでもみ洗い |
水溶性と油溶性の混合シミ (カレーのシミ) |
カレー ミートソース マヨネーズ ドレッシング アイスクリーム |
油溶性の汚れを落としてから 水溶性の汚れを落とす |
タンパク系のシミ (汗のシミ) |
血液 汗 牛乳 肉汁 |
ウタマロ石けんでもみ洗い |
くり返しになりますが、シミはなるべく早く落とすことが大切です。時間との勝負ですので、できるだけ早く行動に移すようにしましょう。
シミをつけてしまうような事態は、いつどこで起こるか分かりません。シミの落とし方を知らなければ焦ってしまいますが、知っていればいつ起こっても冷静に対処できます。
お気に入りの服を長く大切に着られるように、日頃から備えることで気持ちよく毎日を生活しましょう。