初めての山登りで、登山用の服って何を着るべきかわからないですよね。登山の服装は山の種類や状況によって変わります。この記事を読めば登山初心者が知っておくべき服装の基本がわかります。参考にしてくださいね。
出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/639973
登山が初めての方が抑えておきたい山の基礎知識
まず山と平地の違いとして気候や気温が違います。山の天気は変わりやすく雨が多かったり気温が低いことが特徴と言えます。また、標高が100m高くなるごとに気温が0.6度ずつ下がると言われています。
そのため、たとえ夏でも夜はかなり冷え込むことも考えられますので油断はできません。また、山は平地と比べると紫外線が強いので紫外線対策も必須です。
最後に注意したいのは、山によっては危険生物がいる可能性があることです。熊や猪だけでなく、マダニやハチ、ヘビなど、さらに植物でも危険なものはあるので事前にその山のことを調べておくことをお勧めします。
登山に向いていない服
前項で説明したとおり、山の天気は変わりやすいため、登山では体温調節が安全に山を登れるかのカギになります。そして登山に向いていない服は以下になります。下記ボックスをご覧ください。
- 乾きにくい素材の服
- 動きにくい(伸び縮みしにくい)服
登山をするときは全身運動をしているので当然汗をかきます。また、急な天候の変化で雨が降ったりするので汗や雨で体温が奪われ、疲労しやすくなります。
そのためジーンズのような綿100%の服は汗はよく吸うけど、乾きにくい特徴があるため、登山には不向きです。また、水を多く含んだジーンズは重くなり動きづらくなります。ジーンズやチノパンは避けましょう。
登山に適している服
では登山に向いている服はどういうものかというと、次のような特徴があるものが挙げられます。以下のボックスにまとめています。
- 吸湿速乾性がある服
- 雨を弾く服
- 軽くて伸縮性があり動きやすい服
こちらは登山に向いていない服の逆を考えればいいのでこのようになります。素材で言うとポリエステルは速乾性があります。他にも化繊のものは速乾性を備えているものが多いです。
また雨を弾く服はゴアテックスをおすすめします。ゴアテックスは外側は水を弾きながらも、内側の水分をうまく逃がせる構造を持っているからです。そのためレインコートやアウターはゴアテックスがおすすめです。
正しい登山の服の着方
登山に適している服の機能を最大限に活かすには服の着方が肝心です。なぜなら着方を誤るとそれぞれの機能を活かせず、体温調節に影響し体力を削ぐ原因になるからです。
登山の服の正しく着るにはレイヤード(重ね着)をしましょう。これは基本的な考え方でとても重要なものです。状況や場所によて異なりますが、3層に重ねて着ることを意識してください。
1層目がベースレイヤー、2層目がミドルレイヤー、3層目がアウターレイヤーといいます。1層目は肌着やインナーなど体温調節ができるもの、2層目は薄めのセーターやフリース、3層目はレインウェアなどを着ます。
絶対に3層って訳ではないので登る山や、あなたの体温、体調に合わせレイヤードを変更してください。
登山用の服を選ぶ基準
登山用の服を選ぶときは前述した登山に向いている服を参考に選びましょう。レイヤーによって必要とする機能が違いますのでレイヤーごとに選択基準を紹介します。
登山ウェアを選ぶ基準:ベースレイヤー
まず、肌に接するベースレイヤーは速乾性のものを選びましょう。汗や水分を素早く吸収、乾燥できるかどうかを基準にしましょう。こちらはユニクロやワークマン、登山用の服を扱っているお店で買えます。
登山ウェアを選ぶ基準:ミドルレイヤー
次にミドルレイヤーは吸湿速乾に加えて保温性もあるものを選びましょう。なぜなら汗が蒸発するときに体温を下げるので必要以上に体温を奪われないように調節するためです。薄いダウンやフリースなどがおすすめです。
登山ウェアを選ぶ基準:アウターレイヤー
最後にアウターレイヤーは防水性、透湿性、防風性がある服を選びましょう。雨で濡れ風が吹くとさらに体温を下げ体力を奪う原因になります。アウトドアブランドのアウターであれば上記の機能は備えていると思います。
登山の服は普段着で代用できる!
ここまで登山に向いている服装や選び方について紹介しました。じゃあこれらをいますぐに用意するといっても、いきなり登山用の服を全部揃えるのは大変ですよね。
実は登山用の服を全部新調しなくても普段着で代用できるんです。先述した基準を満たしていればインナーとミドルレイヤーは普段着でもいいかと思います。
しかし、アウターは防水や撥水機能が求められますのでない場合は購入されることをおすすめします。
登山用の服を扱っているアウトドアブランド
普段着で代用できるとはいえ、しっかり準備したい方もいると思います。登山ウェアを買うとしても「どこで買えばいいのだろう?」という疑問も浮かぶと思います。そこで登山用ウェアブランドを3つ紹介します。
登山用の服を扱っているブランドその1
1つ目はmont-bell(モンベル)です。大阪発のアウトドアスポーツ用品の有名ブランドで品質がよく丈夫で、普段着としても着れるおしゃれなデザインが特徴です。
登山用の服を扱っているブランドその2
2つ目はTHE NORTH FACE(ザ・ノースフェイス)です。こちらも有名なブランドで、ジャケットはゴアテックスを採用している商品が多いです。おしゃれなものが多いので普段使いもできます。
登山用の服を扱っているブランドその3
3つ目はMAMMUT(マムート)です。スイス発で最初はクライミンググローブの製造販売からスタートしました。そのノウハウを活かし登山ウェアも製造しています。デザインはシンプルで機能的な商品が特徴です。
知らないと恥ずかしい?登山のルール3選
登山を安全で楽しいものにするためにはいくつかのルールやマナーがあります。自分自身や一緒に行く人、他に登山をしている人の安全を守るためにも覚えておきましょう。
ルールその①:登山道は登りが優先
登山道では登りが優先です。なぜなら下山の人の方が先にすれ違う人に気付きやすいからです。しかし、これは絶対ではないため状況によっては登りの方が譲った方がいい時もあります。
例えば大勢で登山していて、少人数の下山する人とすれ違うときは登る方を待つよりも下山する人を優先したほうがスムーズです。そのため心に余裕を持ち譲り合いを意識しておきましょう。
また、登山道で道を譲るときは道幅が広く安全な場所で、そして譲るときは山側によけましょう。すれ違い時に相手と接触して滑落や怪我を防ぐためです。また歩くときは1列で歩きましょう。
ルールその②:ゴミは持ち帰る
登山で出たゴミは必ず持ち帰りましょう。「私だけだったら大丈夫」と考えるのはやめましょう。そういった方が増えると山にゴミが増えていき、山の環境が悪くなってしまいます。
登山のゴミを回収するにはとても労力がかかります。なぜなら山には車が進入することはできず人の力で回収しなくてはなりません。さらにはゴミを運ぶのにヘリコプターを要する場合があります。
それが続くと山の環境を維持するのにコストがかかり入山料が高騰します。結果、登山を気軽に楽しめなくなってしまうかもしれません。
ゴミはビニール袋に入れて持ち帰ります。食事の時にカップラーメンやスープ類を食べた時にスープを山に捨てるのは禁止されていますので、雑炊にして食べるかペーパーで吸水させて袋に入れて処理しましょう。
ルールその③:登山経験に合わせて山を登ること
あなたのレベルに合った山でないと登りきれなかったり、最悪の場合遭難する可能性もありあす。遭難はしなくても体力消費が激しく怪我につながりやすいので初心者でも楽しめる山を選びましょう。
また、登山を安全に進めるために一緒に行かれる方と入念に計画をしましょう。一緒に行く方と登山計画や安全のために注意することを共有できるとリスクは軽減されるので登山前には絶対やっておきましょう。
最後に初心者におすすめの山を以下のボックスにまとめましたので、気になるところは調べてみてください。
- 那須岳:栃木県
- 立山(たてやま):富山県
- 榛名山(はるなさん):群馬県
登山に持っていくと便利なアイテム
登山に持って行くと便利なアイテムを紹介します。1つ目はモバイルバッテリーです。スマホの撮影やGPS機能をたくさん使用する方は持っていきたいアイテムの1つです。
2つ目はペットボトルリングです。ペットボトルリングにボトルの飲み口を通しカラビナでリュックやズボン引っ掛ければ持ち運びに便利です。
3つ目は携帯用トイレです。山で用を足す場所は休憩所か公衆トイレと携帯トイレブースです。それ以外の場所で必要になったら携帯トイレがあるといいです。さらに隠すようにポンチョもセットであると良いでしょう。
まとめ|初心者が知っておくべき登山に適している服とは
登山に適している服は吸湿速乾性があり、防水・撥水加工、そして軽くて丈夫で動きやすい服です。服の着方は重ね着(3層)が基本です。層ごとに役割が違うため、それに適した素材のものを選ぶことが重要です。
1層目は速乾性のもの、2層目は速乾性+保温性、3層目は防水・撥水加工のものを選ぶと良いです。服は脱ぎ着しながら調節するようにしましょう。
また、登山をする前に入念に準備をし、ルールやマナーを守って楽しく安全に登山できるようにしましょう。
最後に、この記事を読んで登山に適している服や選び方がわかったら、ぜひ一緒に行かれる方にシェアしてくださいね!