「何回やっても繋がらない」「暗号化キーを入力するのに疲れた」「早くWi-Fiを使いたいのに困った」
Wi-Fiに繋がらないのはよくある話です。本当によくあります。筆者も何度経験したか数えきれないくらいです。
この記事では暗号化キーが合わない理由と、そのWi-Fiに接続する手順を紹介いたします。
- 暗号化キーが合わないたった2つの原因
- 暗号化キーが合わないWi-Fiに接続する5つの手順
- 暗号化キーを使わずにWi-Fiに接続する2つの方法
もしかしたらこの記事に、あなたの問題を解決するヒントがあるかもしれません。ぜひ最後までお読みください。
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暗号化キーが合わず繋がらないWi-Fiにどうにか接続する手順
暗号化キーをいくら入力してもWi-Fiに繋がらない場合、その原因はこの2つしかありません。
- 入力が間違っている
- 情報が間違っている
あなたの入力にミスがあるか、公開された情報にミスがあるか。どちらが間違っているのか把握するには手順があります。
ここからどういう手順で確認していくか紹介しますが、先にざっくりと概要を解説しましょう。
- 暗号化キーを他のデバイスで確認
- 暗号化キーをアプリでメモする
- SSIDを改めて確認する
- 管理者に問い合わせる
- リセットボタンを押す
これらは最後まで確認しなければならないものではありません。途中途中で接続を試してください。
Wi-Fiに繋がらないとき①他の端末で暗号化キーを確認する
もし、今繋ぎたいWi-Fiにすでに繋がっているデバイスが手元にあるなら、そのデバイスで確認しましょう。この記事ではこの4つのデバイスを紹介します。
- ios(iPhone)
- Android
- Windows
- Mac
なお、新しく接続しようとしているSSIDが間違っていないかどうかも、ここで確認できます。
確認ができたらなんらかの方法で、接続したい端末にその暗号化キーの文字列を転送しましょう。
転送する方法がない場合、手入力です。手入力は間違いやすいので、直接入力せず『Wi-Fiが繋がらないとき②暗号化キーの文字列をメモに書く』の見出しを読みながらのメモをお勧めします。
iPhoneで暗号化キーを確認する方法
もし、既に繋がっているデバイスとこれから繋ぐデバイスの両方がiOSなら、暗号化キーの共有は極めて簡単です。パスワード入力中のデバイスにすでに繋がっているデバイスを近づけるだけ。
お互いの連絡先が登録してあるか、同じapple IDでログインしたデバイス同士のときに機能します。便利ですので試してみてください。
iOS同士ではなく、WindowsやAndroidと共有したい場合は、以下の手順でiPhone(iOS)を操作してください。暗号化キーを確認できます。
- 「設定」appを開く
- 「Wi-Fi」をタップ
- チェックマークのついたSSIDをタップ
- 「パスワード」をタップ
- Face ID、touch IDなどで認証
③の「チェックマークのついたSSID」ですが、OSのバージョンによっては異なるマークかもしれません。現在繋がっているWi-FiのSSIDをタップしましょう。
④の「パスワード」が暗号化キーです。新たに接続しようとしているデバイスへ転送して、接続を試してください。
Androidで暗号化キーを確認する方法
Androidで現在繋がっているWi-Fiの暗号化キーを確認する手順は、以下の流れです。
- 「設定」をタップ
- 「ネットワークとインターネット」をタップ
- 「インターネット」をタップ
- 「Wi-Fiネットワーク」をタップ
- 「共有」をタップ
- QRコードが表示される
⑥で表示されたQRコードを、新たに接続しようとしているデバイスで読み込むとWi-Fiの情報が共有されます。
QRコードを読み込めないデバイスの場合、QRコードの下に表示されたパスワードを手入力しましょう。
Windowsで暗号化キーを確認する方法
Windows11もしくは10で、現在繋がっているWi-Fiの暗号化キーを確認する手順は以下の流れです。
- タスクバーのWindowsアイコンを右クリック
- 「ネットワーク接続」をクリック
- 「ネットワークと共有センター」をクリック
- 「アダプターの設定の変更」をクリック
- 現在接続しているSSIDをダブルクリック
- 「ワイヤレスのプロパティ」をクリック
- 「セキュリティ」タブを選択し「パスワードの文字を表示する」にチェック
⑦のチェックを入れると、暗号化キーが表示されます。新しいデバイスに手入力しましょう。
MacOSで暗号化キーを確認する方法
MacOSで現在繋がっているWi-Fiの暗号化キーを確認する手順は、以下の流れです。
- デスクトップ画面上部のWi-Fiマークをクリック
- 接続しているSSIDを確認
- Finderを開く
- 左のバーから「アプリケーション」をクリック
- 「ユーティリティ」フォルダを開く
- 「キーチェーンアクセス.app」を開き、左の「システム」をクリック
- 2で見つけたSSIDを探し、ダブルクリック
- 「パスワードを表示」にチェックを入れる
- Macの管理者名とパスコードを入力し、認証
少し手順が多いですが、この9つの手順で暗号化キーが表示されます。コピーして転送しましょう。
Wi-Fiに繋がらないとき②暗号化キーの文字列をメモに書く
すでに繋がっているデバイスが手元にない場合、改めて暗号化キーを確認しましょう。
「そんなバカな。何度も確認した」と思うでしょうが、落ち着いてもう一度だけお願いします。
ルーター本体、あるいは公開されている暗号化キーを写真に撮りましょう。そしてその写真を自分の目で見ながら、1字1字入力してください。
ただし、入力するのは「メモ」のアプリ。暗号化キーをメモアプリに残すとメリットがたくさんあるのでお勧めです。
- どこが間違っているかすぐわかる
- 間違っていた時、最初から入力し直さなくていい
- コピー・ペーストできる
暗号化キーをルーター本体で確認できる場合、電源が入っているかも確認しましょう。
入力する時に注意したいのが、よく見間違う文字です。本当に間違いやすいので、一旦メモに入力した後、撮影した写真の暗号化キーと見比べてください。
- 0(ゼロ)と O(大文字のオー)
- 1(イチ)と l(小文字のエル)と I(大文字のアイ)
- 8(ハチ)と B(大文字のビー)
- m(小文字のエム)と rn(小文字のアールとエヌ)
- g(小文字のジー)と q(小文字のキュー)
- u(小文字のユー)と v(小文字のブイ)
まさかと思うかもしれませんが、この「m(小文字のエム)と rn(小文字のアールとエヌ)」が本当にやっかいです。他の文字はよくある間違いですが、これはなかなか気付けません。
メモした暗号化キーをコピーして、Wi-Fi接続画面にペーストしましょう。これで「暗号化キーが違います」と出るなら、次のステップ③へ進みます。
Wi-Fiに繋がらないとき③改めてSSIDの文字列を確認
②で撮影したSSIDと暗号化キーの写真から、SSIDをもう一度確認して下さい。
SSIDは、初期設定のままでは識別しづらいもの。もし同じメーカーのルーターが近隣で使われていると、数字が違うだけの紛らわしいSSIDがいくつも飛び交います。1字も間違いのないSSIDを探しましょう。
「間違いない、これだ」と思えるSSIDが見つかったなら、もう一度そのSSIDに接続を試み、先ほどのメモアプリから暗号化キーをコピーしてペーストします。
それでも繋がらない場合と、探しているSSIDがどうしても見つからない場合は、次のステップ④へ進んでください。
Wi-Fiに繋がらないとき④管理者に問い合わせる
もしあなた自身がそのWi-Fiの管理者なら、ここは飛ばして次のステップ⑤へ進みましょう。
暗号化キーもSSIDも間違いないのに、Wi-Fiに繋がらないとき。その原因は以下の2つです。
- 暗号化キーが変更されたのに情報が更新されていない
- 公開されている暗号化キーが間違っている
接続しようとしているWi-Fiの管理者を探し「どうしても繋がらない」「他にこんな問い合わせはないか」と質問しましょう。
不特定多数が使うフリーWi-Fiの場合、セキュリティ向上の一環として、定期的に暗号化キーを更新しているケースがあります。
暗号化キー変更によるセキュリティ向上については、こちらの記事をご参照くださ
暗号化キーを更新するのは良いのですが、更新された暗号化キーがまだ公開されていなかったり、公開された情報が間違っていたりすると、誰も接続できないWi-Fiになってしまいます。
情報が本当に間違っているなら、同じ問い合わせが殺到しているはず。手近なスタッフに声をかけて聞いてみましょう。
Wi-Fiに繋がらないとき⑤ルーターのリセットボタンを押す
あなたがそのWi-Fiの管理者なら、つまようじを一本用意し、ルーターのリセットボタンを押しましょう。
リセットすると、本体に書いてあるSSIDと暗号化キーで接続できるようになるはずです。
改めて暗号化キーをメモアプリに書き込み、間違いないことを確認した上でもう一度挑戦しましょう。
それでも接続できない場合は残念ですが、ルーターの故障かスマホなどのデバイスの故障を疑ってください。
リセットすると全ての設定が工場出荷状態に戻り、現在そのWi-Fiに繋がっている全ての機器が繋がらなくなる可能性があります。リセットボタンを押すかどうかは慎重に判断しましょう。
暗号化キーを入力せずにWi-Fiに接続する方法を試してみる
暗号化キーを入力せずにWi-Fiへ接続する方法もあります。しかしこの方法はルーター本体を触らなければなりませんので、公衆Wi-Fiでは使えません。
- WPSボタンを押す
- QRコードを読み込む
- 暗号化をオフにする
WPSボタンはルーター本体のボタンで、物理的に押す必要があります。QRコードはルーター本体ないしルーターに付属のステッカーに記載されています。こちらは次の見出しから詳細を解説いたします。
ルーターの設定を変更できるなら、暗号化をオフにする方法もあります。しかしこれは最悪で、Wi-Fiを犯罪に使われたり、あなたのクレジットカード情報が抜き取られたりする被害を防げません。
今すぐ接続できる以外のメリットがありませんので、暗号化のオフはやめておきましょう。現実的なのは、WPSボタンとQRコードです。
暗号化キーを入力せずにWi-Fiに接続する方法①WPSボタン
Wi-Fiルーター本体をよく見ていると、「WPS」と書いたボタンを見つけることができます。
「WPS」は「Wi-Fi Protected Setup(ワイファイ・プロテクテッド・セットアップ)」の略で、このボタンをうまく使うと暗号化キーなしでWi-Fiに接続できます。
- WPSボタンでWi-Fiに接続する手順
- WPS対応機種について
- WPSボタンの名称について
公衆Wi-Fiなど本体が確認できないケースでは試せない方法ですが、本体を手に取って確認できる状況なら積極的に使いましょう。
WPSボタンでWi-Fiに接続する手順
WPSボタンでWi-Fiに接続するには、たった2つの手順しかありません。
- ルーター本体のWPSボタンを押す
- 接続したい端末をWPS接続待ち状態にする
たったこれだけです。これだけですが、メーカーやモデルによって細かい違いがあります。ルーターのボタンを長押ししてみたり、端末でその設定を探してみたり、いろいろ触ってみてください。
WPSボタンを押したからと言って、何か不都合が発生するケースはほとんどありません。気にせず何度でも押しましょう。
WPS対応機種について
問題は、対応している端末です。実は、iPhoneやMacなどのapple製品は対応していません。
- Androidスマートフォン・タブレット
- Windows PC
- Nintendo Switch、PS5などのゲーム機
他にもエアコンやネットワークカメラなどの家電にも対応機種があります。
Wi-Fiルーター側はほとんど全ての機種が対応しているので心配ありません。
WPSボタンの名称について
NECとバッファローは違う名称を使っているので、「WPS」だけを探しているとボタンが見つけにくいかもしれません。
- NEC:らくらく無線スタート
- バッファロー:AOSS
- ASUS:WPS
- エレコム:WPS
- IODATA:WPS
- TP-Link:WPS
NECとバッファローの2社は、WPSが共通規格で作られるよりも前にこの仕組みを開発しており、それが現在まで残っている形です。
厳密に言うと、らくらく無線スタートとAOSSはWPSと異なる仕組みです。ただ、そのボタンを押すと同時にWPSも発動するようになっているので、特に問題はありません。
暗号化キーを入力せずにWi-Fiに接続する方法②QRコード
もうひとつ、暗号化キーを使わずに接続する方法がQRコードです。QRコードがあれば、カメラで画面に写すだけでWi-Fiに接続できる機種があります。
- ルーター本体
- ルーターに付属のステッカー
- 管理者が作成したQRコード
- AndroidのWi-Fiネットワーク共有画面
残念ながら、全てのルーター本体にQRコードが表示されているとは限らず、管理者がコードを公開しているとも限りません。
Androidの場合も、そのAndroidがWi-Fiに接続していなければならないので、この方法は必ずしも有効でないケースがあります。
QRコードが見つかったとして、端末も2017年ごろより前に発売された機種はQRコードでのWi-Fi接続に対応しているかどうか微妙です。
「QRコードが見つかればラッキー」くらいの感覚で探してみてください。
Wi-Fiが繋がらない時は、改めて暗号化キーから再確認しよう
暗号化キーを何度入力してもWi-Fiに繋がらない場合、その原因はたった2つしかありません。
- 入力が間違っている
- 情報が間違っている
入力している暗号化キーを何度も間違っているか、そもそも公開されている暗号化キーが間違っているか、このどちらかに集約されます。
この2つの原因を解消するために、以下の5つの手順をお試しください。
- 暗号化キーを他のデバイスで確認
- 暗号化キーをアプリでメモする
- SSIDを改めて確認する
- 管理者に問い合わせる
- リセットボタンを押す
まずは今試している情報が本当に正しいのか、他に繋がっているデバイスから確認しましょう。
そして改めて、暗号化キーをメモアプリに書き込んでください。間違いがないか確認しながら書くことができます。
こうして1つずつ確認すれば、きっとそのWi-Fiに接続できるようになります。快適な作業のために、もう少しだけ頑張ってください。