ハムスターを飼いたいけれど飼い方が分からない、自信がなくて飼育に踏み切れないと悩んでいませんか?「ハムスターを飼うなら調べてから」と思ったあなたは素晴らしい!
ハムスターの飼育は、他の動物に比べて簡単に始められますが、そのぶん飼い始めてから「ちゃんと調べておけばよかった」と思うことが多いのです。
ハムスターと楽しく暮らすためにも、おさえておきたい飼い方のポイントを知り、自信を持ってハムスターとの生活を始めましょう!
この記事ではハムスター飼育歴5年の筆者が、初心者がしてしまいがちな失敗や、ハムスター飼育のコツまでをまとめています。ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
(アイキャッチ出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/23873108?title=%E3%83%89%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%96%E3%82%92%E6%A5%BD%E3%81%97%E3%82%80%E3%83%8F%E3%83%A0%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC&searchId=3666262210)
初心者向きのハムスターを選ぶポイント
ハムスターの種類にも、初心者向き・上級者向きがあります。初心者にはゴールデンハムスターかジャンガリアンハムスターがおすすめですよ!
ゴールデンとジャンガリアンは性格がおっとりしていて人にも慣れやすく、初めて飼うハムスターにピッタリです。トイレ(おしっこ)の場所を覚える個体も多く、お世話しやすいのが特徴です。
上級者向きのハムスターには、気性が荒いキャンベルハムスター、臆病なロボロフスキーハムスターなどがいます。どちらも人慣れしにくく、ハムスターと触れ合いたい初心者には向いていません。
知らずに上級者向きのハムスターを飼ってしまって「失敗した!」と感じる初心者は少なくありません。初めてハムスターを飼うときは初心者向きのハムスターを選びましょう!
初心者向きハムスターの特徴 | |
ゴールデンハムスター |
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ジャンガリアンハムスター |
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ハムスターを飼う前に飼育にかかる費用を知っておこう
ハムスターを飼うときの初期費用は、15,000円~20,000円ほどかかると思っておきましょう!生体と必要なグッズをそろえる費用ですね。
飼育が始まると、エサや床材代に月1,000~1,500円ほどかかりますが、ハムスターの飼育には温度管理が重要なため、季節によってエアコンやヒーターの電気代もプラスされます。
ケガや病気で病院にかかると、いちどの診察で5,000円以上かかることがあります。万が一に備えて使えるお金も用意しておくと安心ですね。
まとまったお金を用意できないなどの理由で小動物用の保険に加入する場合、補償の割合や内容に応じて月に1,000~2,000円ほどの保険料で加入することができます。
【ハムスターの飼い方】重要!ケージ選びのポイント
ハムスター飼育に必要なモノの中で、もっとも重要なのがケージです。トイレや巣箱などを入れ、ハムスターが生活するスペースですね。
ハムスターの飼育を始めると、さまざまな理由で飼育グッズを買い替えることがあるのですが、実はケージを買い替える飼育者がとても多いのです!
ケージ選びの重要なポイントを下でまとめています。最適なケージを用意するために確認しておきましょう!
- 買い替えることになる理由
- 買ってはいけないケージ
- おすすめのケージ3選
買い替えることになる理由
ケージを買い替えることになる理由は大きく2つあり、「ハムスターのサイズに合っていないから」と「ハムスターに危険がおよぶ可能性があるから」という理由が挙げられます。
ペットショップでおすすめされるケージは小さすぎて、いざ巣箱やトイレを設置してみるとハムスターが動きまわれるスペースがない、ということがよくあります。
またケージの内側にでっぱりがあるとハムスターがかじってしまい、けがや誤飲の原因になったり、穴をあけて脱走したりすることがあります。
ハムスターが快適に過ごせるケージを求めて、なんども買い替える飼育者があとを絶ちません。
買ってはいけないケージ
ハムスターのケージを選ぶときに避けたいのは「側面に金網がついているケージ」です。ほとんどのペットショップで販売しており、安価なうえに掃除も楽なので買ってしまいがちです。
ハムスターはこの金網を噛みたくなるようで、ガシガシ噛んでケガをしたり、不正咬合になってうまくご飯が食べられなくなったりするのです。噛む音がうるさいので人間のストレスにもなります。
私が最初に買ったのも金網タイプのケージで、当時飼っていたハムスターが鼻から額にかけて丸ハゲになったことが、ケージを買い替えるきっかけになりました。
おすすめのケージ3選
ケージはなるべく大きなものを選んでください。ケージの中には少なくとも「給水ボトル」「回し車」「巣箱」「エサ皿」が置けて、ハムスターが自由に動き回れるスペースがあると良いですね。
「せまいケージでも回し車があるのだから良い」という意見も目にしますが、せまいケージで運動不足になると回し車にも乗らなくなります。
運動不足は肥満の原因になるので、運動できるスペースを確保してあげてくださいね。
おすすめのケージとそれぞれのメリットデメリットをご紹介します。下のまとめを参考にしてケージを選んでみてください!
- 水槽タイプケージ
- グラスハーモニー
- ルーミィ
水槽タイプケージ
水槽タイプのケージにはアクリル製とガラス製があるので、違いを把握して選びましょう。
水槽タイプの良さは、「広さ」と「安全性」です。動き回れる広さがあり、内側に歯や爪のひっかかるところがないのでケガを防げます。ハムスターがよく見えるのもメリットですね。
ハムスターは上から手が来るのを嫌がりますが、水槽タイプのケージは上からしか手を入れられません。掃除がしにくく、湿気がたまりやすいというデメリットもあります。
高さが35㎝以上あれば、二階建て巣箱などを設置しないかぎり脱走の心配はありません。蓋をする場合はかならず空気穴のあるものを使用してくださいね。
メリット | デメリット |
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グラスハーモニー
観音開きのガラスドアでお世話がしやすいグラスハーモニーは、見た目もおしゃれな人気商品です。
分解できるので簡単にお手入れができ、天井と側面にあいた穴で通気性も良いので湿気がたまりにくいのが特徴です。
残念ながら、ドアの両側の隙間や側面の空気穴などハムスターの歯が引っ掛かる場所が多いので、ハムスターによっては噛んでしまうことがあります。
回し車自体はとても静かですが、ガラス戸が振動して鳴る音がわりとうるさいので、気になる場合は、置き型の回し車に変えるなどの対策が必要かもしれません。
メリット | デメリット |
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ルーミィ
ルーミィは正面が開けられるタイプでお世話がしやすく、クリアでハムスターが見やすいケージです。
天井部分に金網がついていて通気性が良く、全面プラスチックなので軽くて移動が楽なのも良いところですね。
ハムスターが天井の金網に届くような、高さのある巣箱などを設置すると、金網をうんていのように使ってしまい落下の危険があるので注意が必要です。
内側にひっかかる部分が多く、プラスチックでできているのでハムスターが噛んだり、ひっかいたりした傷が目立ちます。
メリット | デメリット |
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【ハムスターの飼い方】エサとおやつ選びのポイント
ハムスターといえばひまわりの種をほおばっているイメージがありませんか?ひまわりの種はハムスターの大好物ですが、カロリーが高く肥満の原因になるので主食にしてはいけません。
エサには低カロリー高タンパクのハムスター用ペレットなどを与え、おやつにひまわりの種や野菜などを少しあげると良いですね。
水分の多い果物や野菜は下痢になる危険があり、ドライフルーツや種子はカロリーが高く肥満につながるので、控えめに与えるようにしてください。
玉ねぎ、長ネギ、アボカド、チョコレート、どんぐり、観葉植物の葉はハムスターにとって毒性が強いので、絶対に与えてはいけません!
ハムスターはエサを一か所に貯める習性があります。野菜や果物をしまい込んでカビが生えたり腐ったりしていないか、掃除のときにチェックしましょう。
【ハムスターの飼い方】お迎え時のポイント
ハムスター飼育の適温は20~25℃と、温度管理のできない場所では飼うことが難しいので、エアコンのついている部屋で飼育することが望ましいです。
ハムスターが家にきたらすぐにケージに入れてあげたいので、お迎え日より前にケージ内のレイアウトを済ませておくと良いでしょう。
下の表のかならず必要な物はすべて用意しましょう。トイレはかならず必要というわけではありませんが、掃除が楽になったり臭いの軽減になったりするので用意することをおすすめします。
かならず必要な物 | 必要に応じて用意する物 |
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家に来たばかりのハムスターは新しい環境に戸惑っています。最初の1か月ほどは最低限のお世話(えさやり、水換え、トイレ掃除)にとどめ、必要以上に触れないようにしましょう。
【ハムスターの飼い方】トイレのしつけは必要?
ゴールデンハムスターやジャンガリアンハムスターは、比較的トイレを覚えやすいといわれています。フンはあちこちにしますが、おしっこは決まった場所でします。
床材にしみたおしっこはカビや臭いの原因になるので、トイレで排泄してくれると衛生的で良いですね。
特にトイレのしつけも必要なく、トイレの中に専用の砂を敷き、砂の上におしっこのついた床材などを置いておくとトイレを使うようになります。
固まるタイプのトイレ砂は、ハムスターが食べてしまって体の中で固まる危険性があるので、固まらないタイプのトイレ砂がおすすめですよ。
【ハムスターの飼い方】お世話のポイント
ハムスターのお世話は「毎日のお世話」と「週一ですること」「月一ですること」に分けられます。下でそれぞれ詳しく見ていきましょう。
- 毎日のお世話
- 週一ですること
- 月一ですること
毎日のお世話
ハムスター飼育で毎日するお世話は「水換え」と「エサやり」「トイレ掃除」です。お世話はハムスターが起きている時間帯にしましょう。
給水ボトルの水は毎日交換し、飲み口の部品やパッキン、ボトルの中もきれいに洗ってください。
エサは毎日決まった量をあげましょう。体重の5~10%ほどが目安となります。高カロリーなおやつは3日にいちど程度にとどめ、その分主食のペレットを少し減らすなどして調節します。
おしっこがついた部分の床材は、臭いやカビの原因になるので、気づいたらすぐに取るようにしましょう。トイレ砂も湿っている場合は交換します。
週一ですること
床材の下に溜まっているフンや汚れた床材は週一で取り除きましょう。自分の匂いが消えるとストレスを感じるハムスターのために、床材は全部入れ替えずに汚れた部分だけ交換します。
エサをためている貯蔵庫もチェックして、腐ったりカビが生えたりしているものは取り除きます。
エサをため込む習性があるハムスターは、とつぜん貯蔵庫からエサがなくなると不安を感じるので、すべて片付けてしまうのはやめましょう。
月一ですること
月にいちどはケージ全体の掃除をしましょう。掃除のときにはハムスターを別の場所に移し、ケージや飼育用具を水洗いします。
ハムスターは湿気を嫌うので、水洗いしたケージや飼育用具はタオルなどで拭いたあと、日光に当ててしっかりと乾燥させてください。
ケージをもとに戻すときは週一の掃除と同様に、新しい床材と古い床材を混ぜて、匂いが消えないように注意してくださいね。
【ハムスターの飼い方】ハムスターと触れ合うときの注意点
ハムスターをケージから出すときは、両手で包み込むようにそっと手のひらに乗せてください。上から握るようにつかんだり、首根っこをつまんではいけません。
高いところからの落下は骨折や死亡の原因になるので、移動させるときはしゃがむなどして低い位置で移動させましょう。
なでるときは正面からそっと手を近づけ、頭からお尻に向かって優しくなでます。内臓を傷つけることがあるので、なるべくおなかは触らないようにしましょう。
室内でハムスターを散歩させるときは、いなくならないように隙間のないサークルを使うか家具の隙間を埋めて散歩させ、ハムスターから目を離さないようにしましょう。
いざというときの病院を探すポイント
「ハムスターは診察できません」という動物病院は少なくありません。近くにある動物病院がハムスターを診てくれる病院かどうか調べておく必要があります。
大きな動物病院には小動物専門の医師がいたりしますが、その医師が休みの日はハムスターを診られないということもあるので事前にしっかり確認しておきましょう。
長時間の移動はハムスターにとってストレスになるので、なるべく短い時間で辿り着ける病院が良いですね。キャリーケースなどには衝撃をやわらげるため、床材を多めに入れてください。
ハムスターは体が小さいので、ようすがおかしくなってから数日で死んでしまうケースもあります。いざというときにすぐ行けるよう、ハムスターが健康なうちに病院を見つけておくと良いですね。
【まとめ】ハムスターの飼い方
初めてハムスターを飼うときは、なるべく飼いやすい種類のゴールデンハムスターやジャンガリアンハムスターがおすすめです。
適切な飼育環境をしっかり用意してから迎えるようにしましょう。ケージやエサはハムスターの健康を第一に考えて選んであげてくださいね。
ハムスターは体が小さいので思わぬことでけがをしてしまいます。掃除の際の移動や触れ合うときは持ち方に気を付け、細心の注意でけがをさせないようにしてください。
万が一のときに病院に連れて行けるよう、ハムスターの診察ができる動物病院を事前に探しておくと安心です。