ペットショップで多く見かけるハムスターは、小さな体に可愛い仕草がとても魅力的ですよね。初心者でも飼いやすいと人気もあり、一度飼ってみたいと思う人も多いのではないでしょうか?
しかし実際に飼うことを考えたとき、何を用意すればいいか、どのくらい費用がかかるか、わからないことだらけですよね。またハムスターは懐くか、きちんと飼育できるか、不安もあると思います。
実はハムスターは、種類によって見た目だけでなく性格が違い、懐きやすさや飼いやすさがそれぞれ違います。この記事でははじめに、初心者でも飼いやすい種類を紹介します。
続けて、ハムスターを飼うために必要な費用や、飼う際の注意点を解説しているので、飼おうか悩んでいる人はぜひ最後まで読んで参考にしてくださいね。
(アイキャッチ画像出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/934199)
ハムスターの特徴は?ペットとして飼いやすい?
ハムスターは、キヌゲネズミ亜科に属するげっ歯類の動物です。夜行性のため、昼間は寝ていることが多く、夜から早朝にかけて活動します。
視力があまりよくない代わりに優れた嗅覚と聴覚を持ち、エサを見つけると頬袋に詰め込み、巣に持ち帰る習性があります。
犬や猫に比べ、購入費や維持費を抑えられ、世話の手間も少ないため飼いやすいペットといえるでしょう。寿命は2~3年と短いので、より長く一緒に暮らすためにも、住みやすい環境作りが大切です。
ハムスターは小さく、飼育スペースを取らないことから、賃貸や一人暮らしの人のペットとしても人気があります。
ペットとして人気のハムスターの種類4選
ハムスターを飼いたいと思っても、意外と種類が多く悩んだ経験はありませんか?
どの種類も可愛く、サイズや見た目だけの違いに思われがちですが、実は種類によって性格や慣れる度合いにも違いがあります。
ここでは、ペット初心者の人でも飼いやすい、人気のハムスターを4種紹介します。それぞれの特徴を知っておくことで、いざハムスターを迎えようという時スムーズに選ぶことができますよ。
- ゴールデンハムスター
- ジャンガリアンハムスター
- キンクマハムスター
- ロボロフスキーハムスター
ゴールデンハムスター
ハムスターといえば、ゴールデンハムスターを想像する人も多いのではないでしょうか。大きさは、体調15~20㎝、体重85~150gほどと、少し大きめのハムスターです。
穏やかな性格をしていて、人に慣れやすいので初心者の人でも安心して飼える種類でしょう。またゴールデンハムスターは賢く、トイレのしつけは覚えやすいと言われています。
毛色は、白地に茶色の模様があるものが最も一般的なカラーで、ノーマルと呼ばれています。ノーマルの他に、グレー、ホワイト、シナモンなど色のバリエーションも豊富で人気があります。
縄張り意識が強い種類なので、多頭飼いには向いていません。ペットショップでは、1,000~1,500円程度で販売されています。
ジャンガリアンハムスター
ジャンガリアンハムスターは、ペットショップで一番多く見られることもあり、ゴールデンハムスターと並んで定番人気があります。大きさは、体長7~12㎝、体重30~45gほどと小型の種類です。
基本的に大人しい性格ですが、喜怒哀楽がハッキリしていて、怒ると攻撃的になる一面を持ち合わせています。飼育環境が整っていれば、高い確率でトイレを覚えます。
好奇心旺盛で人慣れしやすいので、初心者の人にも飼いやすく人気があります。一般的なカラーのグレーの他に、サファイアブルー、パールドワーフ、プティングなどさまざまな毛色の個体がいます。
社交性が高めの種類で、相性が良ければ多頭飼いも可能です。ペットショップでは、1,000~1,500円程度で販売されています。
キンクマハムスター
キンクマハムスターは、ゴールデンハムスターを品種改良して生まれた種類です。大きさは、体長15~20㎝、体重85~150gほどと、ゴールデンハムスターとあまり変わりません。
性格もゴールデンハムスターと同様、穏やかで人に慣れやすいので飼いやすい種類でしょう。模様のない単色のハムスターで、クリーム色のふんわりとした毛並みと、丸い耳が可愛く人気があります。
おっとりとしていて寝ている時間が長く、オスは食いしん坊な個体、メスは気の強い個体が多いと言われています。
他のハムスターに比べ、縄張り意識が強いため多頭飼いは避けましょう。ペットショップでは、1,400~1,700円程度で販売されています。
ロボロフスキーハムスター
ロボロフスキーハムスターは、ハムスターの中で最も小さい世界最小のハムスターです。大きさは、体長は6~10㎝、体重は15~30gほどと、とても小さくすばしっこい種類です。
警戒心が強く怖がりですが、臆病で優しい性格のため人を噛むことはほとんどありません。人に懐くのに時間がかかり、逃げ回るので慣れるまで触るのは難しいでしょう。
つぶらな瞳の上に眉毛のような模様が特徴で、ノーマルカラーの茶色の他にホワイトやパイドカラーなどの種類がいます。トイレは覚え辛く、寒さに弱いので冬場はヒーターを用意してあげましょう。
社交性が高くあまり喧嘩をしないので、多頭飼いができる珍しい種類です。ペットショップでは、2,000~2,500円程度で販売されています。
ハムスターをペットに迎える前に準備するもの
ここでは、ハムスターを迎える前に準備しておくものを紹介します。
準備ができていないとハムスターはストレスを感じ、病気を引き起こしてしまう可能性もあります。必要なものはしっかりと揃えてあげましょう。
- ケージ
- 床材
- 巣箱
- エサ・エサ入れ
- 給水器
- 回し車
- トイレ・トイレの砂
ケージ
ハムスターが暮らすためのケージには、金網・プラスチック・水槽などのタイプがあり、デザインも豊富にあります。
ケージが狭いとストレスを感じてしまうので、どのタイプでも広めのものを選んであげましょう。
ジャンガリアンハムスターやロボロフスキーハムスターなどを小型種、ゴールデンハムスターやキンクマハムスターなどを大型種とした場合で、それぞれ広さの目安が異なります。
小型種 | 床面積たて45cm×横30cm以上 |
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大型種 | 床面積たて60cm×横45cm以上 |
また金網タイプのケージは、ハムスターが金網をかじって前歯を折ることや、隙間に足を挟んで骨折してしまう恐れがあります。心配な人は、プラスチックタイプや水槽タイプを選ぶと良いですよ。
床材
床材は、ハムスターの巣穴を掘る習性を満たしたり、寝床になったり、ケージ内の湿度調整や保温の役に立ったりと、ハムスターの生活には欠かせないアイテムです。
ウッドチップやペーパーチップなど保温性に優れているものを選び、ハムスターが身を隠せるくらいの量を床一面に敷いてあげてください。
床材に排泄することもあるので、毎日汚れた部分の交換が必要です。
巣箱
巣箱は、狭くて暗い場所が好きなハムスターにとって必要不可欠といえます。隠れられる場所がないと、ハムスターは落ち着くことができずストレスになるので、必ず用意してあげましょう。
陶器製・プラスチック製・木製などさまざまな種類の巣箱があり、洗いやすいプラスチック製や、通気性の良い木製がおすすめです。
巣箱の大きさは、ハムスターが3匹ほど入れるものを目安に選ぶと良いですよ。
エサ・エサ入れ
ハムスターといえば、ヒマワリの種を食べるイメージが強いのではないでしょうか?しかしヒマワリの種は脂質が多く、与えすぎると肥満の原因になってしまうため、主食には向いていません。
エサは、ハムスター用ペレットを主食に与えることになります。ハムスター用ペレットは、ハムスターに必要な栄養素を含んだエサで、健康維持や腸内環境を整えてくれます。
エサ入れは、ハムスターの全身が入ってしまう大きいサイズのものは避け、少し深めで重みのあるものを選びましょう。
エサ入れが大きいと、トイレ代わりに排泄してしまう可能性があります。また、平らなエサ入れや軽いエサ入れは、エサを散らかしてしまうなど衛生面が悪くなってしまいます。
給水器
ハムスターに適切な量の水分を摂ってもらうためにも、給水器は必ず用意しましょう。
給水器は、ケージの天井や壁にセットする「取付け型」と、床に置く「置き型」があります。
置き型はハムスターが濡れてしまったり、溺れてしまったりとトラブルになることがあるので、給水器は取付け型がおすすめです。
回し車
回し車は、ハムスターの運動不足やストレス解消のために役立ちます。
ハムスターは夜行性のため、夜間に回し車の音が気になる人も多いと思います。「サイレントホイール」「静音タイプ」と明記されたものは、比較的音が静かなので、確認して選んでくださいね。
また、ハムスターの体の大きさに合わせて選ぶことが重要です。回し車が大きいと、遠心力で飛ばされ怪我をすることや、逆に小さいと、背を反らして走ることで体に負担がかかってしまいます。
トイレ・トイレの砂
ハムスターはもともと、巣穴のトイレで排泄する習慣があるため、トイレは置いてあげましょう。トイレを覚えることで床材が汚れにくく、衛生面も良くなりますよ。
トイレの大きさは、ハムスターよりも一回りほど大きいサイズを選びましょう。砂や排泄物が飛び散りにくくなる、屋根が付いているタイプがおすすめです。
トイレの砂は、ケージ内を清潔に保つために必要になります。トイレの大きさにもよりますが、1cm程度を目安に入れましょう。
消臭機能がついているものや、捨てやすいタイプのものがあるため、ライフスタイルに合わせて選ぶことができますよ。
ハムスターをペットにするために必要な費用は?
上記では、ハムスターを迎える前に準備するものを紹介しました。ここでは、それぞれがどのくらいの費用になるのかを紹介します。
- ケージ:約4,000円~20,000円
- 床材:約1,000円
- 巣箱:約1,000円
- エサ:約500円
- エサ入れ:約500円
- 給水器:約300円~1,000円
- 回し車:約400円~2,000円
- トイレ:約300円~1,500円
- トイレの砂:約400~800円
どのようなケージを用意するかによって変わりますが、初期費用は15,000円程度で必要なものは全て揃えることができます。
また、床材・エサ・トイレの砂は継続して購入することになるので、月々2,000円程度の出費になることを頭に入れておきましょう。
ハムスターと暮らすための日々のお世話
ハムスターのお世話は、他の動物に比べ頻度が少なく手間があまりかからないため、飼いやすいと人気があります。
ここでは、ハムスターに必要な日々のお世話を紹介します。「想像よりも手間がかかるな…。」と思った人は安易に迎え入れず、きちんとお世話できるのか今一度考えてみてください。
- エサやり:1日2回
- 給水器の水の交換:1日1回
- トイレ掃除:1日1回以上
- 床材の交換:1週間に2回
- ケージの掃除:1ヶ月に1回
ハムスターがトイレを覚えている場合、トイレ掃除を怠ってしまうと臭いの原因になってしまいます。汚れた部分を捨て、減った分を補充してあげましょう。
床材の交換も、トイレ掃除と同様に汚れた部分を取り除き、減った分を補充してあげると良いですよ。
ケージの掃除はケージを分解して行い、設置しているグッズもすべて洗浄することになります。
しかし、ハムスターは自分のにおいで縄張りを認識しているため、掃除のし過ぎは逆にストレスを与えてしまいます。ケージ掃除の際は、古い床材を少し残しておき、新しい床材に混ぜるなど工夫してあげましょう。
ハムスターにしつけは必要?
ハムスターはトイレを本能的に覚えるため、特別にしつけをする必要はありません。しかし、なかなかトイレを覚えてくれない場合には、手助けしてあげることで覚えてくれる種類もいます。
またトイレ以外のしつけは難しいと言われています。ハムスターにはなんでも齧ってしまう習性がありますが、齧らないようしつけるのはほぼ不可能でしょう。
あらかじめ齧ってはいけないものは、ハムスターが触ってしまわないところに置くなど、対策が必要になります。
お部屋を散歩させる場合は、電源コードにカバーを付けるなど危ないものは特に気を付けてくださいね。
ハムスターのにおいは?うるさい?
ハムスターは、あまりにおいのしない動物です。しかし床材の交換やトイレの掃除を怠ると排泄物が溜まり、臭いの原因になってしまいます。
また、ハムスターはあまり鳴く動物ではないため、鳴き声がうるさいと感じることは少ないと思います。
人によっては寝ている時の回し車の音や、ケージを噛む音が気になる可能性があります。静音性の回し車を選ぶことや、金網タイプのケージは避けることで、音も気にならなくなるでしょう。
ハムスターはペットとして懐くの?
ハムスターは非常に警戒心が強い動物なので、犬や猫に比べると懐きにくい傾向があります。またハムスターの種類や性別によっても、懐きやすさに違いがあります。
懐いてもらうためには、無理なスキンシップは禁物です。いきなり触ろうとするのではなく、手でエサをあげるところから始め、慣れてきたら手のひらでエサをあげるなど少しずつ慣れてもらいましょう。
十分に慣れてもらうのは時間がかかりますが、しっかり信頼関係が築けると、手のひらで寝るくらい甘えてくれるようになりますよ。
ハムスターをペットにする際の注意点
ハムスターは飼いやすいと人気のペットですが、気を付けないと最悪の事態を引き起こす恐れがあります。
ここでは、ハムスターに関する注意点を3つ紹介します。ハムスターに安心して暮らしてもらうためにも、しっかりと確認しておきましょう。
- 1匹1ケージで飼育する
- 住みやすい環境を作る
- ハムスターに与えてはいけない食べ物を把握する
1匹1ケージで飼育する
ハムスターはとても縄張り意識が強いため、同じケージで飼おうとすると激しい喧嘩をする場合があります。喧嘩をしてしまうと、大きな怪我を負うこともあり大変危険です。
種類によっては縄張り意識が薄く、多頭飼いできるケースもあります。ロボロフスキーハムスターは多頭飼いしやすい種類で有名ですが、相性が悪いと喧嘩する可能性もあるため、注意して見てあげましょう。
相性が良くても、オスとメスを同じケージに入れるのは避けてください。ハムスターは繫殖能力が高く、望まない繫殖はハムスターにとっても飼い主にとっても、大きな負担になってしまいます。
住みやすい環境を作る
ハムスターは暑さにも寒さにも弱い動物で、適温を超えた環境では体調を崩してしまいます。寒い状況では疑似冬眠に入ってしまい、死に至るケースもあります。
ハムスターに適した環境は、温度20~25℃・湿度40~60%が理想とされています。暑い日はエアコンを付け、寒い日はペットヒーターを用意してあげると良いですよ。
ケージは、エアコンの風が直接当たる位置や、直射日光の当たる位置は避け、風通しの良い場所に置いてあげてください。
またハムスターが落ち着いて過ごせるよう、出入り口に近い場所や他のペットがいる場所は避けてあげましょう。
ハムスターに与えてはいけない食べ物を把握する
ハムスターには、与えてはいけない食べ物が多くあるのはご存知でしょうか。知らずに与えてしまうと、最悪の場合命を落とすこともあるので、与えてはいけない食べ物はしっかり把握しておく必要があります。
代表的なものとして、ネギ・タマネギ・ニラ・アボカド・桃などが挙げられます。中毒になったり、けいれんを起こしたりする可能性があるため、絶対に与えてはいけません。
チョコレート・スナック菓子など人用のおやつや、唐辛子などの辛い食べ物も厳禁です。
また与えることに問題はありませんが、レタスやキュウリなど水分の多い野菜は、食べ過ぎると下痢になる可能性があります。ヒマワリの種も食べ過ぎると肥満の原因になるため、量には注意してください。
まとめ:ハムスターを迎えるならしっかり準備しておこう!
ハムスターは夜行性で、お昼に家を留守にしても寝ていることが多いです。夜にお世話ができ、飼育スペースを取らないので、賃貸や一人暮らしの人でも飼いやすいペットと言われています。
夜に活動するので、人によっては寝ている時に、ハムスターの動いている音が気になるかもしれません。ケージや回し車の選び方次第で音を抑えることができるので、選ぶ際は気を付けましょう。
またハムスターを飼う前に必要なものを準備しておくことで、ストレスを感じさせず迎え入れることができます。ストレスは病気の原因になりますので、必要なものは揃えてからお迎えするようにしてください。
寿命が2~3年と短いですが、少しでも長く一緒に暮らせるよう、ハムスターにとっての適温や、与えてはいけない食べ物はしっかり把握しておきましょう。最期まで責任と愛情を持って飼うようにしてくださいね。