「犬に待てをしつけるにはどうしたらいいんだろう?」愛犬と一緒に暮らしはじめると、自分で「待て」を試してみたいと思いますよね。
例えば、愛犬が道路に飛び出しそうになるときや興奮して落ち着きがないときなどに、「待て」のしつけが必要だと感じるでしょう。
一方で、犬のしつけには「待て」は数あるしつけの中でも特に重要と言われています。
そこで、この記事では「待て」のしつけをする方法をご紹介します。しつけをする必要性や、最適な時期、「待て」のしつけをする際の注意点も解説しますよ。
これを読めば、愛犬に「待て」のしつけを自分でできるでしょう。さらに、愛犬との信頼関係もますます深まるため、ぜひ読み進めてくださいね。
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そもそも犬にしつけをする必要性は?
まずは犬にしつけをする必要性について確認しましょう。
しつけは、犬のためだけではありません。犬・飼い主・他人のそれぞれにとって、なぜ必要なのかを理解することで、前向きにしつけに取り組めるでしょう。
1つずつ見ていきましょう。
- 愛犬のため
- 飼い主のため
- 他人のため
愛犬のため
犬のしつけは、犬自身のために必要です。
愛犬は、あなたと暮らし始めたその日から、人間社会の中で生きていくからです。
犬には、小型犬でも100キロもの噛む力があります。たとえ犬に悪気がなくても、何かのタイミングで相手にけがをさせてしまう可能性もあります。
すると賠償金が発生したり、最悪の場合、噛んだ犬自身が殺処分されたりする可能性もあるのです。
また、犬社会ではあちこちを走り回ることが自然であっても、人間社会では交通ルールが存在します。
自動車やバイクが行き交う道路に、犬が無防備に入ってしまえば、交通事故に巻き込まれる危険があるのです。
一方、しつけができていないと、例えば災害時の避難所への移動も難しいでしょう。
パニックになって逃げ出したり、暴れたりして、かえって犬を危険な目に合わせてしまうかもしれません。
以上のように、犬自身の命を守り、人間社会の中で生きていくためにもしつけは必要なのです。
飼い主のため
犬のしつけは、飼い主のためにも必要です。飼い主は、野生の本能を持った犬に、人間社会のルールを教えてあげる義務があります。
例えば、しつけをしていない犬がごはんを待てずに吠えてしまうと、飼い主の大きなストレスになるでしょう。また、鳴き声がうるさくて夜に眠れない時もあるかもしれません。
犬が家のものを噛み散らしたり、家具を壊したりする問題も起こり得ます。
また、犬が周囲に迷惑をかけ、近所の方々との関係性が悪化する可能性もあります。
飼い主が安心して普段の生活を送るためにも、犬のしつけは必要なのです。
他人のため
犬のしつけは、他人のためにも必要です。世の中には、しつけがされていてもいなくても、犬が苦手な人はたくさんいます。
子犬が近寄ってきただけで、怯えてしまう人がいることを覚えておきましょう。
犬にしつけをしていないと、散歩の最中に他人に飛びかかってけがをさせてしまう可能性もあります。
また、頻繁に大きな声で吠えたり、深夜になっても鳴きやまなかったりすると、近所の方々に迷惑がかかるでしょう。
犬のしつけは、他人の安心・安全な生活を守るためにも必要なのです。
犬のしつけに最適な時期
犬のしつけは、生後2~3ヵ月頃から行うとよいでしょう。生まれたての犬は、脳が未発達で、人間の要求をまだ理解できません。
しかし、生後3週間~3ヵ月頃までは、あらゆる物事やルールを受け入れやすい「社会化期」と呼ばれる過程にあたります。
そのため、生後2ヵ月までは母や兄弟の中で犬同士のコミュニケーションを学び、以降に人間社会のルールを学ばせるのが理想です。
一方、私たちがペットショップから子犬を迎え入れる時期は、動物愛護法により生後2ヵ月からと決まっています。
ペットショップを経由して迎え入れる場合は、すぐにしつけを始めるのが最適だと言えるでしょう。
犬は社会化期を過ぎると、警戒心や自我が育ち始めて、飼い主にとって問題行動が増えていきます。よって、タイミングを意識してしつけをしていきましょう。
犬にしつけがしやすくなるコミュニケーション
犬とコミュニケーションをとる時間は、なでたり遊んだりブラッシングをしたりと、飼い主の楽しみの1つでしょう。
実は、コミュニケーションの仕方を少し意識するだけで、しつけがぐっとしやすくなりますよ。
犬にしつけがしやすくなるコミュニケーションは、以下の3つです。
- アイコンタクト
- 寝ころびゴロン
- 抱っこ
アイコンタクト
犬とアイコンタクトができると、さまざまなしつけを効果的に学習できるでしょう。
犬とアイコンタクトをすると、オキシトシンという幸せを感じるホルモンが、犬と飼い主双方に分泌されると言われています。
お互いが心地よく幸せな気分に浸れるため、信頼関係が深まるでしょう。
また、アイコンタクトができる犬は、名前を呼ばれればすぐに飼い主に注目ができます。
そのため、犬同士のトラブルや突発的な出来事などが起こった場合に、飼い主の「待て」や「おいで」などの指示に的確に応じられます。
つまり、トラブルを回避しやすくなるでしょう。
さらに、アイコンタクトに慣れてくると、飼い主の意思を汲み取ろうとして自ら適切な動きをしていくようになるのです。
寝ころびゴロン
「寝ころびゴロン」ができると、あなたと愛犬の絆がより深まるでしょう。
飼い主の足の間で犬が仰向けで寝る姿勢、つまり「寝ころびゴロン」の姿勢は「あなたに従いますよ」という信頼の表現です。
犬が甘えてきたら、お腹をマッサージしながらリラックスさせてあげましょう。
また「寝ころびゴロン」の最中は、爪切り・歯磨き・目やに・耳などの細かいケアからおなか・脇・股などのチェックまでができるでしょう。
そのため、健康管理がしやすくなります。
そのため、小さい頃から「寝ころびゴロン」の姿勢で、触られることに慣らしておくとよいでしょう。
抱っこ
犬の抱っこは、日常生活のさまざまな場面で必要になります。
例えば、散歩中に人混みや危険な道を通るときや、何かに対し怖がっている犬を安心させるとき、病院やサロンで台へ乗せるときなどです。
ただし、犬を抱き上げるときに正面から抱こうとすると、犬に威圧感や恐怖心を与えてしまいます。犬の脇に座り、必ず横から抱き上げるようにしてくださいね。
小型犬や中型犬の場合は、まず片手を犬の脇に入れてお腹を支えます。もう一方の手でお尻を支えるようにして抱き上げましょう。
大型犬の場合は、まず片手を犬の胸部(前足の後ろではなく前側)へ回します。もう一方の手は後ろ足の膝の裏あたりに回し、犬のお尻を載せるようにして抱きます。
いつでもどこでも、落ち着いた状態で犬の抱っこができるように、普段から練習しておくとよいでしょう。
犬に待てをしつけるときの注意点は?
犬に「待て」のしつけを教える際に、ついついやってしまうことがあります。
気をつけないと犬のストレスになってしまうので、ぜひ確認しておきましょう。注意点は以下の4つです。
- 集中できない環境は避ける
- たくさんの言葉を使わない
- 絶対に叱らない
- 欲張りすぎない
集中できない環境は避ける
しつけをするときに、犬が集中できない環境は避けましょう。
犬の周りにおもちゃのような気になるものは置かないようにしましょう。例えばテレビや音楽がつけっぱなしだったり、家族がうろうろしていたりするのも、犬にとっては気が散ります。
また、トイレを我慢していると犬は集中ができません。きちんとトイレを済ませて取り組めるようにしましょう。
集中できる環境で「待て」ができるようになったら、今度はいろいろな環境でできるようにするようなステップを踏んでいくとよいでしょう。
たくさんの言葉を使わない
しつけをするときに、たくさんの言葉を使わないようにしましょう。
しつけをするときに使う言葉を「コマンド」と言います。「待て」と同じ意味を持つ「ステイ」というコマンドもありますが、複数のコマンドを使うと犬は混乱してしまいます。
そのため、必ず1つのコマンドを使いましょう。家族みんなでしつけをする場合も、使う言葉を統一させてください。
また、一貫性のある態度も大切です。飼い主の気分によって、褒めたり褒めなかったりするような態度をとると、犬に不信感を抱かせてしまいます。
犬の気持ちになって、統一感のあるコマンドや態度で接するようにしましょう。
絶対に叱らない
犬のしつけをするときに、絶対に叱らないようにしましょう。
犬が失敗すると、ついつい感情的になり、イライラしてしまうこともあるかもしれません。しかし、あなたが叱られてばかりだと嫌になってしまうように、犬も萎縮してしまいます。
犬のしつけの基本は「●●をしたら褒められた。楽しい!」というような学習をさせてあげることなのです。
よって、指示したことができたその瞬間に、タイミングよく褒める回数を増やしてあげることに集中しましょう。
また、なかなかうまくいかない場合は、一段階前に戻ってやり直してみるのも手です。あえて成功体験をさせてから、心機一転試してみるのもよいでしょう。
欲張りすぎない
しつけをするときは、欲張りすぎないことも大切です。
犬の集中力は5~10分、一日の回数は3~4回が最適と言われています。時間や回数をあまり増やすと、しつけが嫌いになってしまう可能性があります。
そのため、犬が飽きたり集中力が切れて失敗したりする前に、トレーニングを終えるとよいでしょう。あるいは、気分転換に遊びを挟むのもいいですよ。
また、犬の集中力は疲労度や、空腹度、睡眠の状況などによっても変化します。犬の体調を観察して、集中できそうなときを見計らってやると、しつけの効果が高いでしょう。
犬に待てをしつける5つのステップ
さて、ここからは実際に「待て」をしつける方法をご紹介します。
「待て」のコマンドを出す前と後にコツがあります。効果的にしつけをするために、次の5つのステップで進めていきましょう。
- お座りの姿勢をする
- おやつやおもちゃを見せてジェスチャーと声がけを行う
- 待てができたら褒めてあげる
- 待ての時間を少しずつ伸ばす
- 待ての状態のままで少しずつ犬から離れる
1つずつ見ていきましょう。
お座りの姿勢をする
最初に、犬にお座りの姿勢をさせましょう。
「待て」のしつけは、立ったまますることも可能ですが、犬にとってはお座りしてる状態の方がやりやすいのです。
そのため「待て」とお座りはセットで教えるようにしましょう。「待て」のコマンドを出すときには、毎回同じフレーズではっきりと指示をするのが大切です。
具体的には、犬の正面に立ちお座りをさせ、その状態で1~2秒待ちます。
おやつやおもちゃを見せてジェスチャーと声がけを行う
次に、おやつとおもちゃを見せて、ジェスチャーと声がけを行いましょう。
犬は初めにお気に入りのおやつやおもちゃを確認すると、安心します。その状態で「待て」のコマンドを出しましょう。
同時に、手で制するようなジェスチャーも見せるようにしましょう。
お伝えしたように、しつけを教える際に毎回同じ言葉・トーン・態度で接すると、犬の理解が進みますよ。
待てができたら褒めてあげる
「待て」ができたら褒めてあげましょう。
犬がコマンドやジェスチャーに反応して、一瞬でも「待て」の体勢になったら、姿勢が崩れてしまう前におやつやおもちゃを与えてください。
その際、思いっきり褒めてあげてください。
すると、犬は「待てをするとおもちゃやおやつがもらえる」と学習していきます。徐々にコマンドのみ、ジェスチャーのみでも、自ら「待て」の姿勢をするようになるのです。
待ての時間を少しずつ延ばす
さらに、「待て」の時間を少しずつ延ばしてみましょう。
犬が自ら「待て」の姿勢になり、初めの頃よりも落ち着いて待てるようになったら、3秒から5秒、8秒、10秒…と「待て」をする時間を増やしてください。
一方、犬が動き出してしまう直前におやつやおもちゃをあげ、「待て」の姿勢に対するごほうびなんだと認識してもらうことも大切です。
待ての状態のままで少しずつ犬から離れる
最後に、「待て」の状態のまま少しずつ犬から離れてみましょう。
一度上手にできたらすぐに距離を延ばしてしまうのではなく、同じ距離で5回ほど成功したら、歩数を増やしましょう。
歩数を増やす際は、後ろ側に離れるだけではなく、左右にも動いて距離を取っていくことがポイントです。
また、おやつをあげるときは、必ず元の位置に戻ってからあげるようにしてください。
【応用】待ての基本ができたら状況を変えてみよう
静かな環境で「待て」が確実にできるようになったら、次は違う環境でできるように練習してみましょう。
まずは慣れた自宅の中で、部屋を変えたり、コマンドを出す人を変えたりしてみてください。
基本ができていれば、あえて音楽やテレビなどが流れている状況で練習するのも有効です。
自宅での練習に慣れてきたら、今度は公園をはじめとした家の外でも試してみましょう。
環境が変わると注意散漫になり「待て」が上手くできない場合も多くあります。
しかし、お出かけ先でこそ「待て」は役に立つ場合が多いので、叱らずに根気よく練習していきましょう。
外で練習するときは、リードをきちんと装着し、愛犬や、周囲の人、他の犬などの安全を確保してくださいね。
【まとめ】待てのしつけをマスターして安心安全な毎日を
本記事では、犬のしつけの必要性やしつけに最適な時期、「待て」のしつけをする際の注意点、「待て」のしつけの方法をご紹介しました。
犬のしつけは、犬が集中できる環境の中で、一貫したコマンドと態度で行うのが大切です。
そして何よりも、たくさん褒めてあげることで、犬もあなたも楽しく取り組めます。欲張りすぎず、叱らずに、根気よく練習をしましょう。
「待て」ができると、あなたと愛犬の暮らしが安心・安全となり、今以上に外出も楽しめるでしょう。ぜひ、ご紹介した方法で「待て」のしつけを試してみてくださいね。
- 名前:柴田朋子
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