職場で働いていると、「仕事を辞めたい」と考えることがあるかと思います。
収入面、精神面、拘束時間、新たな挑戦など、辞めたい理由は人によって様々です。
「仕事を辞めたい」と考えたときに、それは辞める理由になるのか、何を準備して進めていけばよいのかと悩んでしまうのではないでしょうか。自分と同じ立場の人がどんな行動をしているのかも気になるところです。
そこで今回は、「仕事を辞めたい」と感じる理由と、辞めたいと感じて行動した人の事例、仕事を辞めるまでに何が必要なのか、退職前に準備していくことを紹介していきます。
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「仕事を辞めたい」と感じる理由
さまざまな理由で、今の仕事を辞めるべきなのか悩むこともあるでしょう。ここだと思って入社したはずの職場でも、辞めたいと思える状況に直面したりします。
仕事を辞めたいと思うことは、決して恥ずかしいことではありません。仕事のストレスから、日常生活にも影響を及ぼしかねないからです。
我慢し続けると、うつ病や適応障害、自律神経失調症、胃腸炎など様々な病気を患う可能性があります。
そんな「仕事を辞めたい」と思う理由として、5つ紹介していきます。
- 人間関係
- 収入額への不満
- 残業が多く拘束時間が長い
- 仕事内容や環境が合っていない
- ハラスメントにあっている
人間関係
仕事をするうえで、頻回に直面するのは人間関係です。従業員と協力して仕事をするのは日常茶飯事でしょう。
そんな中、意地悪な上司や、嫌な態度の同僚や部下と一緒に仕事をしていくと、精神的負担になりストレスが生じることがあるかと思います。そのストレスが日々続いてしまうと、仕事を辞めたいと悩むようになります。
人間関係で悩む場合は、相談できる上司や同僚に改善策がないか話し合い、1人で抱え込まないようにしましょう。
上司やまわりに相談しても変化がなかったり、悪化したりした場合は、退職を考えましょう。
収入額への不満
給料は生活をするうえで欠かせません。収入が低いと、生活に支障がでたり、気持ちに余裕がなくなる場合が出てくると思います。
仕事に対する評価で収入額が決まる会社もあります。退職をせずに昇給を見込みたい場合は、直接交渉をして具体的に伝えてみましょう。
交渉できる環境ではなく、昇給が見込めず、経済的に厳しかったり、精神的負担を感じる場合は、我慢せず退職を考えるのに十分だといえます。
残業が多く拘束時間が長い
規定の時間に帰れず、毎日残業をいている人も多くいると思います。
仕事での拘束時間が長くなると、疲れやストレスからプライベートに余裕ができなくなったり、身体的・精神的に大きな負担を抱えてしまう事もあるでしょう。
残業の解決策としては、全体の残業の把握やルールの作成など、上の立場の人が残業に対して改善することが求められます。
雇用側は、仕事の効率化の見直しなど対策はできますが、残業時間の改善が見込められない場合は、退職を考え我慢しないようにしましょう。
仕事内容や環境が合っていない
仕事内容や、環境が自分にあっていないと感じるのは、入社して仕事を続けていくことで気づくものです。
性格が十人十色と同じで、職場が合うか合わないかは人それぞれです。
自分に合わない職場で仕事を続けると、ストレスが溜まることでしょう。
自分に合った仕事内容や、環境で働くことはすごく大事なことです。退職を考えることは、次に進むうえでの手段といえるでしょう。
ハラスメントにあっている
仕事をするなかで、セクハラやパワハラなどのハラスメントをうけている人もいるかと思います。
ハラスメントをする側は、無意識だったり、その気ではなくても人を傷つけている場合があります。
ハラスメントは精神的に追い込み、心身が傷つけば不法行為に該当します。
損害賠償を請求する手段があるくらいなので、我慢して無理に働く必要はありません。退職を考えることは最善の方法です。
「仕事を辞めたい」と感じたらすぐにすべきこと
「仕事を辞めたい」と少しでも感じたら5つの行動をすぐに行いましょう。
- 辞めたい理由を明確にする
- 改善する方法や手段はないか考える
- 相談できる上司や周りの人を頼り、解決策やアドバイスをもらう
- 退職後に金銭面など、起こりうるリスクを考える
- 今後のやりたい仕事への転職やキャリアなどの、人生プランを考える
- ①~⑤の考えがまとまったら家族に相談する
仕事を辞めたいと感じると、退職するのに何から行動したらいいのかと悩んだり、書類などの準備が必要だと想定しがちです。
悩んだり、先走ることもあるかと思いますが、まずは落ち着くことが大切です。
自分のなかで整理が付きやすいよう、仕事を辞める前には、必ず考える行動をしましょう。
考えがまとまってから家族に相談すれば、きっと理解してもらえるでしょう。
「仕事を辞めたい」と思った人が退職までにとった行動
「仕事を辞めたい」と思うことには、原因が必ずしも存在します。
他に解決策がない場合に仕事を辞めれば、働いていた時の悩みは解消されるでしょう。
そんな辞めたいと感じた人が、仕事を辞めるまでにとった行動を3つ紹介します。
辞めたい理由 | 原因 | 影響 | 取った行動 | 退職 |
仕事内容が合わない | 毎日必死に働いてもうまく業務をこなせない | ストレスが溜まり食欲がなくなった | 違う仕事がしたいと思うようになり、働きながら次の仕事を決めた。 | 退職願を出し、体調不良と次の仕事が決まっているとの理由で、退職願を提出し、就業規則の1か月後に退職した。 |
収入額への不満 | 毎月の給料が安く、給料がなかなか上がらない | 収入額が低く、生活が厳しい状況にあった。 | 上の人に昇給の相談をしたが、断られたため、生活が厳しいと、退職する旨をその場で伝えた。 | 退職の許可が出たので、退職願いを提出し、就業規則の1か月後に退職した。 |
人間関係 | 先輩から陰で悪口を言われたり、意地悪な言動が続いた | 追い詰められ、精神的にいっぱいになり、適応障害になった。 | 体調不良と仕事を休み、病院で診断書を書いてもらった。 | 休んでからは仕事に行かずに、上司に診断書と退職願を提出して退職した。 |
退職するには、理由を明確化にしてから行動することが大切だと分かりますね。
「仕事を辞めたい」と思ったら就業規則の確認
常時10人以上の労働者がいる会社には、就業規則が存在します。
就業規則は、入社してから退職までの労働条件で、会社のルールです。正社員をはじめ、パートやアルバイト勤務でも、従業員として会社の就業規則に従う必要があるのです。
仕事を円滑に辞めるには、就業規則の把握が大切になってきます。そこで仕事を辞めたいと思った時に、就業規則の必要な確認事項を紹介します。
派遣社員は、派遣元の就業規則がありますが、会社によっては派遣先の就業規則が適応になることがあります。派遣社員の場合は、どちらの就業規則が適応になるのか、派遣元に相談しましょう。
退職の申し出
法律では、退職の2週間前に申し出れば、会社を辞めることは可能ですが、退職の申し出は、退職の1~3か月前と規定している会社が多いです。
やむを得ない場合以外は、申し出てすぐに退職できるわけではありません。
余裕をもって辞めるために、退職の申し出期間を確認しておきましょう。
退職願・退職届の書式
会社によって退職願・退職届の書式はさまざまです。退職願か退職届かも会社によって違います。
書き方や書式なども、就業規則にて定められている会社が多いので、確認をしておきましょう。
業務の引継ぎ
仕事を辞めるにあたり、業務の引継ぎが必要な会社も多く存在します。
今働いている会社が、業務の引継ぎが必要なのか確認をしておきましょう。
就業規則に記載がない場合でも、必要であれば業務の引継ぎを行いましょう。
返却する物品
仕事を辞める時に返却するものは、会社によって違います。支給されたもの全てを返却する場合もあります。
返却するものを把握することは大事なことです。スムーズに返却ができるよう、確認しておきましょう。
「仕事を辞めたい」と思ったら退職願・退職届の準備
仕事を辞めるには、退職願・退職届を準備し、提出しないといけません。
会社によっては、退職願・退職届の書式がある場合もあります。規定にそって準備をしていきましょう。
会社に規定がない場合、退職願か退職届のどちらを準備したらいいのか迷う方もいるかと思います。それらの違いを簡単に説明します。
退職願
退職願とは、仕事を辞める意思を会社に表明する書類のことです。
一般的には、仕事を辞める意思を伝えてから退職願を提出します。
退職願は、退職を願い出るための書類なので、提出したとしても雇用契約は解除されません。
退職届
退職届とは、退職の可否を問わずに、自分の退職を会社に表明する書類のことです。
退職を通知する書類なので、提出後に受理された時点で退職が決定します。
「仕事を辞めたい」と思ったら失業等給付の確認
仕事を辞めると収入がありません。そんな時に収入源となるのが失業給付金です。
失業等給付は、仕事を辞めたときと雇用の継続がむずかしい理由が生じた場合に、必要な給付を行うものです。生活や雇用の安定を支えるための給付でもあります。
退職前の2年間に、被保険者期間が通算して12か月以上であれば、受給資格を取得できます。手続きをする際には、離職票が必要となります。
まずは、受給資格があるのか、被保険者期間を振り返りましょう。受給資格があり、失業等給付を受けたい場合は、退職後に離職票をもらえるのか確認をしておきましょう。
離職票は、退職してから郵送で送られてきます。離職票が届いてからハローワークへ手続きをしに行きましょう。
仕事を辞める前に有給休暇の消化
有給休暇は、入社から6か月間継続して勤務していること、労働日のうち8割以上出勤していることを条件に支給されます。
有給休暇の支給日数は、勤務年数ごとに増えていきますが、有効期限は2年間なので、最大保有日数は40日間までとなっています。
仕事を辞める前に、有給休暇の消費ができれば、求職活動や気分転換など、予定を組めることができるでしょう。
退職の前に全ての有給休暇の消化が、可能な会社とそうでない会社があるので、有給休暇をどれくらい消費できるのか確認しておきましょう。
仕事を辞めたメリット
仕事を辞めたいと思った時には、すでにストレスが溜まってしまっています。
その反面、仕事を辞めたことでのメリットは大きいことでしょう。
そんなメリットたちを、箇条書きでまとめてみました。ぜひご覧ください。
- 責任が軽くなる
- 気持ちに余裕ができる
- 身体的負担や、精神的ストレスが解消する
- 辞めたいと悩んでいた原因から解放される
- 転職への視野が広がる
- 転職活動に専念できる
- 新しいことに挑戦できる
転職サイトの活用
転職を考えたときに、役に立つのが転職サイトです。さまざまな転職サイトがあるなかで、選び方に迷う方もいるでしょう。
そこで、どのような転職サイトがあるのかと、その転職サイトの選び方を紹介します。
転職サイトと転職エージェントの違い
転職サイト
「転職サイト」は、適した条件を設定し、自ら求人に応募する方法です。自分のペースで、自ら求人に募集したい場合は「転職サイト」を活用しましょう。
転職エージェント
「転職エージェント」は、キャリアアドバイザーが1対1で、細かな条件に合わせて求人を提供してくれます。
求人を探すところから採用までの過程で、不安がありサポートが必要な場合は「転職エージェント」を活用しましょう。
職種や業界に強い転職サイト
介護や看護、美容などの資格を持った人に適した、専門職を重点に取り扱っている求人サイトがあります。
介護職、看護職、エステやサロン、IT企業など、職種別での求人サイトになっています。
職種や業界を限定して重点をおいているため、担当者は専門職に詳しいのです。
専門的に転職を考える場合は、職種や業界に強い転職サイトを活用するといいでしょう。
非公開を含め求人数が多い転職サイト
求人サイトでは、条件を設定すると、求人数も限られ、表示数が少なくなります。
条件に合った求人が、できるだけ多く存在すれば、選択肢も増えることでしょう。
さらに非公開の求人は、ホワイト企業も多くあるともいわれています。
求人を探す際に条件がある場合は、非公開を含めた、求人数の多い転職サイトを活用するといいでしょう。
自身の年齢層に合った転職サイト
求人サイトのなかには、年齢層に特化した転職サイトがあります。
20代の若い人に向けた求人サイトや、30代以上の高年収に重点を置いた求人サイト、全年齢層に対応した求人サイトなどがあり、年齢層に合わせて求人を探すことができます。
育成の必要性で、35歳以下の方を採用する企業が存在するように、35歳を過ぎると、求人が若者より少なくなる傾向があります。
そのため、自身の年齢層に合った、転職サイトを活用してみるのもいいでしょう。
【まとめ】考えて1つずつ行動していこう
今回は、仕事を辞める時に何が必要なのか。準備しておくことや「辞めたい」と思う理由、事例などを紹介してきました。
職場で働いていくと、辞めたいと思うことがあります。辞めたいと思う理由は必ず存在するので、まずは理由を明確にし、考えて行動することが大切です。
辞めるまでに少しでも心身の負担が増えないよう、1人で悩まず周りを頼りましょう。
現在「仕事を辞めたい」と悩んでいる方に、参考になれば幸いです。