犬が成長する過程で、いつからしつけを始めるかはとても重要なことです。
犬は2年前後で成犬になるため、しつけのタイミングや犬との接し方を間違えてしまうと、成長した後に苦労をするかもしれません。
しかし、しつけはしっかりした方が良い、とはよく聞くものの、「ちゃんと育てたいけど、何からすれば良いか分からない」「周りにしつけに詳しい人がいない」など不安ですよね。
この記事では、安心して犬にしつけを教えられるために、いつから何のしつけを始めれば良いかご紹介します。ぜひ最後までご覧ください。
(アイキャッチ画像出典:https://pixabay.com/ja/photos/%e5%ad%90%e7%8a%ac-%e7%8a%ac-%e5%93%ba%e4%b9%b3%e5%8b%95%e7%89%a9-%e3%81%8b%e3%82%8f%e3%81%84%e3%81%84-5124947/)
犬のしつけはいつからがベスト?
基本的に犬のしつけは、子犬の段階から始めます。特に、子犬をしつける上で最も適しているのが生後4〜13週齢ごろと言われています。
生後4〜13週齢ごろは社会化期と呼ばれ、子犬が周囲の様々な刺激を受けて人や社会との関わり方を学ぶ大切な時期です。
この社会化期以前は脳が未発達でしつけをしても子犬があまり理解できません。逆に、社会化期以前は子犬が初めての物事に警戒心や恐怖心を覚えはじめます。
そのため、好奇心旺盛で学習意欲の高い社会化期にしつけを始めるのがベストと言えます。
子犬をしつける前に準備すること
子犬にしつけを行う前には必ず準備が必要です。この準備が出来ているかいないかで、しつけが上手くいくかの明暗を分けます。
- ルールを統一する
- 今後のライフスタイルをイメージする
ルールを統一する
ルールを統一することは、子犬のしつけの習得の早さに関わってきます。
例えば子犬が〇〇をしたら褒める、とした時に家族の中で1人だけ褒めなかった場合、子犬は混乱してしまいます。その結果、子犬が言うことを聞かなくなり、しつけの習得に時間がかかってしまうのです。
今後のライフスタイルをイメージする
社会化期のしつけは飼い主のライフスタイルによって異なります。今後生活を送る上で関わる獣医師やトリマーなどの人や、散歩コースやドッグカフェなどの場所、に慣れておく必要があります。
人によっては車や公共交通機関にも一緒に乗ってあげると良いです。
この時期は初めての人やものに対する警戒心が薄く、好奇心が強いです。自分たちのライフスタイルに合ったものに子犬を慣れさせてあげましょう。
いつから何をしつけるかー子犬を迎えて間もない頃ー
まずは、簡単なものから始めましょう。色々覚えさせたくなりますが、少しずつ段階的に教えていくと良いです。
- 名前、アイコンタクト
- トイレトレーニング
名前、アイコンタクト
家に子犬を迎えたその日から、子犬の目を見て名前を呼びましょう。子犬の名前を読んであげながら、かわいい、えらい等と言うことで、名前=嬉しいことと覚えてもらえます。
また、子犬の混乱を防ぐために、名前の呼び方は統一してあげてください。
トイレトレーニング
トイレの環境を作ってあげて、そこで排泄することを覚えさせましょう。最初の内は、子犬が排泄したくなるタイミング(起床後や食事・水を飲んだ後など)でトイレに連れて行ってあげると良いです。
最初の内は失敗がつきものですが、失敗した時は叱らずに、あまり構いすぎないのがポイントです。その代わり出来た時は必ず褒めてあげましょう。
いつから何をしつけるかー子犬が生活に慣れた頃ー
子犬が初歩的なしつけを覚えたら、次は今後生活をする上で必要なしつけを覚えさせましょう。
- おすわり、伏せ
- 体を触る
- ハウストレーニング
おすわり、伏せ
おすわりや伏せは、子犬が興奮したり、何かに吠えたり、勝手に走り回ってしまう時、子犬を落ち着かせるために有効です。
また、お手や待てなどの少し難易度の高いしつけの基礎になります。
体を触る
今後、生活を送る上で子犬の体を触る機会は増えていきます。ブラッシングや歯磨きと言ったの体のケアや病院での触診などの際に、子犬がおとなしく体を触らせてくれるように練習しましょう。
体に触る時は、子犬が嫌がる場合は無理をせず、触られてリラックス出来るように接するとこが大切です。
ハウストレーニング
ハウストレーニングはお留守番やお出かけ、災害時に避難する際に役に立ちます。
そのため、ケージの中は子犬にとって安心出来る場所として認識させてあげましょう。具体的には子犬の好きな匂いがついたタオルを置いけあげると良いです。
いつから何をしつけるかーその後の成長に合わせてー
生活を送る上で、子犬が基本的なしつけが出来るようになったら、より本格的なしつけを覚えさせましょう。
- 待て、おいで
- 歯磨き
待て、おいで
待てやおいでは子犬の動きをある程度コントロールするために必要なしつけです。
このしつけができると、お散歩中に子犬が急に走っていってしまった時や、道路など危ない所へ行こうとした時に怪我や事故を防ぐことが出来ます。そのため、お散歩デビュー前に練習しておくと良いでしょう。
歯磨き、ブラッシング
歯磨きやブラッシングは、成犬になってからも子犬の健康を維持するために必要になってきます。
社会化期の内はブラシやコームなどの道具への警戒心がが低いため、歯磨きやブラッシングを子犬が嫌がらないように練習しておきましょう。
子犬をしつける時のポイント
子犬をしつける時には、押さえておきたいポイントがあります。このポイントを念頭に入れておくだけで、子犬がしつけを体得するスピードが変わるのでしっかり知っておきましょう。
- 愛情をもって接する
- しつけは短時間で終わらす
- 叱るよりも反応しない
- 指示語を統一する
愛情をもって接する
子犬も飼い主もしつけ初心者ですから、上手くいかないのは当たり前です。優しく根気よく接してあげることで、子犬にとってしつけが楽しいのものであると覚えさせてあげましょう。
そして、上手にできた時はたくさん褒めて伸ばしてあげてください。
しつけは短時間で終わらす
ついしつけに夢中になってしまい、しつけが長時間になっている場合は注意が必要です。
子犬はしつけが長いと飽きてしまうため、1~3分程度で短く終わらせましょう。子犬がしつけに飽きてしまうことで、しつけの習得が遅くなってしまいます。
叱るよりも反応しない
子犬がしつけ中に失敗したり、甘噛みなどをしてきた場合、厳しく叱るなどの反応は、犬が萎縮したり面白がったりしてしまうのでオススメしません。何事も無かったかのように淡々と対処するのが好ましいです。
もちろん、叱る場面も必要ですが、なるべく叱らないようにコミュニケーションを取って、失敗しないように誘導してあげましょう。
指示語を統一する
名前やおすわり、待てなどの指示語は統一すると、子犬が混乱してしまうのを防ぐことができます。
指示語を統一しないと、しつけの習得に時間がかかってしまうため、予め家族で話し合っておくと良いでしょう。
しつけが上手くいかないとどうなるか
しつけは飼い主とのコミュニケーションなので、しつけが上手くいかないことは子犬との意思疎通が不可能になった状態と言えます。
これは、今後生活を共にする上でも大変問題ですが、何より子犬自身がきちんとした生活を送れなくなってしまいます。
また、甘噛みや知らない人に吠えるなどの問題行動を制御できなくなってしまうためトラブルに繋がることもあるでしょう。
そのため、しつけは時間がかかりますが、愛犬のためを思って根気強くいることが重要です。
子犬の性格はいつから何をしつけたかで変わる
子犬の性格は、生後4~13週齡ごろの社会化期にどんなしつけをしたかで決まると言います。
きちんとしつけて子犬の好奇心を伸ばしてあげると、のびのびとした犬に成長します。反対に、この時期にしつけを怠ると様々なものに怖がったり、警戒して吠える犬になってしまう可能性が高いです。
子犬は育てたように育ちます。愛情を忘れずに子犬が健やかに過ごせるように、成長に合ったしつけを行いましょう。