最近巷でよく耳にする格安SIMや格安スマホとはどのようなものなのでしょうか。
その名の通り安い料金で利用できる携帯電話ということは何となくわかりますが、一方で「安かろう悪かろう」ということで品質に疑問を持つ声もあります。
この記事では格安SIMについての基本情報からメリットやデメリット、選び方まで解説しています。格安SIMの利用を検討している方は、ぜひ最後まで読んでいってください!
(アイキャッチ画像出典:https://pixabay.com/ja/photos/iphone-%e3%82%b9%e3%83%9e%e3%83%bc%e3%83%88-%e3%83%95%e3%82%a9%e3%83%b3-410324/)
【そもそも】格安SIMとは?
格安SIMとは、一言で言えば比較的安い料金で利用できる携帯電話のこと言います。auやdocomo、Softbank等の大手キャリアと比べて安い価格で利用できるので格安SIMと呼ばれています。
そもそもSIMとは携帯電話に内蔵されているICカードのことで、電話番号やその他の個人情報が登録されています。このSIMカードを端末に挿し込むことで、通話やモバイル通信ができるというわけです。
現在UQモバイルやmineoなどをはじめ、多くの種類の格安SIMが存在しています。こうした格安SIMを展開している会社の通称をMVNOと言います。
格安SIMってなんで安いの? 安さの仕組みとは?
大手キャリアよりも安く使うことができる格安SIM。ではなぜ安く使えるのでしょうか?ただ安いだけだとよくわからなくて不安ですよね。
安い理由は色々ありますが、大きなものはズバリ、大手キャリアの回線を利用しているからです。
大手キャリアの回線を利用することで通信設備を用意する必要がなくなり、また実店舗が少ないので人件費を削減できます。このような点でも費用を抑えることができています。
なので通信環境を心配することもありませんし、大手キャリアの携帯電話と同じようにモバイル通信を使うことができます。
従来の携帯電話とどう違うの?
「料金が安く使えるのは分かった。でも、普通の携帯電話と何がどう違うの?」
と、疑問の声が聞こえてきそうです。というわけで従来の携帯電話との比較をしていきます。料金と機能の2つの側面から簡単にまとめました。
料金面の違い
従来の携帯電話では契約しているギガの容量にもよりますが、大体毎月7千~1万円程度の契約です。この内訳は、モバイル通信料や通話料に加えて、各種サポート料金などが含まれていることが大半です。
一方格安SIMでは、これまた契約によって変わってきますが、高くても毎月4~5千円程度で利用できます。内訳はモバイル通信料、通話料、その他サポート等となっています。
機能面の違い
従来の携帯電話の主な機能は、通話やキャリアメール、モバイル通信等で、料金には各種保険やサポート等も含まれています。
格安SIMの場合は、モバイル通信や通話、各種サポート等は従来の携帯電話と同じように使えますが、キャリアメールが使えません。メールを使いたい場合はGmailやYahooメールを利用しましょう。
さらに格安SIMではLINEの検索機能も使うことができません。なのでLINEで友達を追加するときはQRコード等を利用しましょう。
契約の内容によって差はありますが、基本的に両者の違いはこのようになっています。
格安SIMのメリット
では格安SIMには具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。メリットを3つに分けて紹介します。
- 料金が安い
- 自分に合ったプランが選べる
- 契約年数の縛りがない
料金が安い
まずは何と言っても、毎月の料金が安く抑えられるという点です。
大手キャリアだと大体毎月数千~1万円程度かかりますが、格安SIMでは最も安いプランだと1000円以下で利用することができます。
自分に合ったプランが選べる
格安SIMは料金プランの種類が豊富なので、自分の使い方に合ったものが選べます。
MVNOによって変わりますが、毎月の容量が少ないプランだと1GBから、多いものだと20GB、30GB以上まであり、中には使った分だけ支払いというプランもあります。
契約年数の縛りがない
大手キャリアの契約だと一般的に2年契約となっており、更新期間外に解約すると違約金が発生します。
2019年の法改正により違約金の上限が1000円となりましたが、それ以前は1万円近い違約金を支払うことになっていました。
でも格安SIMには契約年数はありません。一部格安SIMには最低契約期間がありますが、それも数か月程度です。それ以降は違約金がかからずに解約することができます。
格安SIMのデメリット
メリットがあれば当然デメリットもあります。ここでは格安SIMのデメリットを3つに分けて解説します。
- キャリアメールが使えない
- LINEのID検索ができない
- 各種サポートが手薄い
キャリアメールが使えない
先述の通り、格安SIMではキャリアメールを使うことができません。
ですが、GmailやYahooメール等のフリーメールは利用できるので、メール機能で困ることは多くないといえます。
LINEのID検索ができない
今や連絡ツールの代表格といっても過言ではないLINEですが、格安SIMではLINEで友達を追加する際にID検索ができません。
なのでLINEで友達を追加する際はQRコード等を利用しましょう。というか、QRコード以外で友達を追加しているところを見たことがありません。
各種サポートが手薄い
やはり大手キャリアと比較すると、受けることのできるサポートの幅が狭くなっています。
先述の通り格安SIMを展開しているMVNOには実店舗が少ないので、店頭で受けられるサービスに限界があります。
トラブル対応等の各種サービスはオンラインでの受付になることが多いので、比較するとやはり手薄く感じるかもしれません。
格安SIMにするには?
格安SIMのスマホに機種変更する方法は、要はSIMカードを差し替えるだけです。とはいえこれだけではわからないと思うので、もう少し掘り下げて解説しますね。
まず、格安SIMに変更する際の大まかな流れは以下の通りです。
- 使用したい端末を用意する
- SIMロックを解除する
- 現在契約しているキャリアからMNP番号を取得する
- MVNOの店頭orサイトで申し込みをする
- 新しいSIMカードを挿入して完了!
使用したい端末を用意する
これは3通りのやり方があります。現在使っている機種をそのまま継続して使用する場合と各MVNOが提供している端末をSIMカードと一緒に契約する方法、最後に自分で新しい端末を用意する方法です。
ただ、一部格安SIMに対応していない機種もあるので、端末を用意する前に確認しておきましょう。
SIMロックを解除する
SIMロックとは端末に施されているもので、現在使用しているキャリア以外のSIMが使用できないようにするものです。これを解除しないと、別のキャリアのSIMカードを使うことができません。
SIMロックを解除するには各キャリアに問い合わせる必要があり、手数料が約3千円ほどかかります。しかし変更前後のキャリアが同じ回線を利用している場合は解除する必要がない場合が多いです。
MNP番号を取得する
MNP番号とはMobile Number Portabilityの略語で、同じ電話番号を継続利用するのに必要なものです。現在利用しているキャリアに問い合わせることで取得することができます。
これがないと電話番号の引継ぎができなくなり、電話番号と紐づいているLINE等のサービスもリセットされてしまいます。
格安SIMの申し込みをする
申し込みの方法は店頭での手続きかネットでの手続きの2通りがあります。ここまでにSIMロック解除とMNP番号の取得を済ませておきましょう。
ネットで手続きをする場合は自宅に新しいSIMカードが送られてきますが、店頭で手続きをする場合はその場で新しいSIMカードがもらえるので多少楽に進められます。
新しいSIMカードを挿入して完了!
手続きが済んで新しいSIMカードが手に入ったら、それを端末に挿入しておしまいです!
店舗で申し込む場合はここまでを販売員さんがやってくれるので大した手間もありません。
MVNOによって多少の違いはありますが、基本的にはこのようなフローで格安SIMに変更することができます。
格安SIMの種類と比較
それではここからは具体的にどのような格安SIMがあるのかを簡単に紹介します。とは言っても現在は非常に多くの格安SIMが存在しているので、いくつかをピックアップして解説します。
以下に紹介するのはあくまで一部のプランなので、気になる方は公式サイトをチェックしてみましょう。
UQモバイル
UQモバイルはauと同じく、KDDIの回線を利用している格安スマホのMVNOです。
主な料金プランは「くりこしプラン」と言い、毎月余ったデータ容量を翌月以降に繰り越すことができるものです。
繰り越しプランにはS・M・Lの3種類があり、それぞれのデータ容量は3G・15G・25G、月額料金は1,480円・2,480円・3,480円です。
- くりこしプランS:3G・1,480円
- くりこしプランM:15G・2,480円
- くりこしプランL:25G・3,480円
mineo
mineoはMVNOの中では珍しく、大手3キャリアすべての回線を利用できます。それぞれAプラン・Dプラン・Sプランという名前で、どのプランを選んでも基本料金は変わりません。
それぞれのプランでのデータ容量は1G・5G・10G・20Gの4つがあり、音声通話とデータ通信を合わせた料金はそれぞれ1,180円・1,380円・1,780円・1,980円です。
- 1G:1,180円
- 5G:1,380円
- 10G:1,780円
- 20G:1,980円
LINEモバイル
LINEモバイルもmineoと同じく3回線を利用でき、データ容量が2G・5G・10G・30Gとなっています。
料金プランは音声通話とデータ通信を合わせたベーシックプランで、以下のようになっています。
- 2G:1,100円
- 5G:1,480円
- 10G:2,200円
- 30G:3,200円
大手キャリアの格安プラン
最近はauやdocomo、Softbankの大手キャリアも、格安SIMと同じくらいの価格帯で利用できる格安プランを展開しています。ここではそれぞれの格安プランを紹介します。
大手キャリアの格安プランもMVNOの格安SIMと同様にキャリアメールが利用できない等の制約がありますが、対応機種が多かったり、各種サポートが手厚い等のメリットも多くなっています。
povo
povoはauが展開している格安プランで、20Gの1プランのみの展開です。
月額は2,480円で、通話やSMS等の機能に別途料金が加算されます。
ahamo
ahamoはドコモが展開している格安プランで、こちらも20Gの1プランのみです。
月額は2,700円で、国内通話5分無料等のサービスもあります。
LINEMO
Softbankが展開しているLINEMOにはミニプランとスマホプラン2つのプランがあります。
ミニプランは3Gで月額900円、スマホプランは20Gで月額2,480円で利用でき、スマホプランの方がオプションサービスが多くなっています。
格安SIMの選び方
格安SIMには非常に多くのプランがあるので、自分に合ったプランを見極めることが重要です。
というわけで、格安SIMを選ぶ際にチェックしておきたいポイントを紹介します。
毎月のデータ使用量
ひと月に使っているデータ量によって、契約したいプランの目安が分かります。これを把握することによって、毎月無駄なくデータ容量を使うことができるようになります。
現在使用している通信回線
現在使用しているものと同じ通信回線を利用することで、少し面倒なSIMロックの解除をする必要がなくなる可能性があります。
手間と手数料がかからないので、現在と同じ通信回線を使うと効率的ですね。
スマホをどのように使っているか
スマホの使い道はデータ通信と音声通話の2つが主なものでしょう。毎月のデータ容量は何に使っているのか、音声通話はどのくらいの時間・頻度なのかを把握すると効率よく使うことができるんじゃないでしょうか。
【まとめ】格安SIMとは
格安SIMについて一言でまとめると、格安SIMとは通常よりも安い料金で、同じような機能を利用することができる携帯電話です。
大手キャリアの回線を使っているので通信品質も申し分なく、従来と大差ない機能を格安で利用できるので利用者が増え続けています。
その種類は非常に多いので、自分の使い方に合ったものを選ぶことが大切です。携帯電話を少しでも安く使いたいという方はぜひ検討してみてくださいね。