愛犬と暮らしていく上で、「しつけ」は必要不可欠です。しかし、「いつから”しつけ”をしたらいいのか分からない」「何を、どうやってしつけるのか分からない」という人も多いと思います。
今回は、しつけの「開始時期」や「やり方」、「大切なポイント」などについて紹介します。
- しつけの「開始時期」が分かる
- 「基本的なしつけ」が分かる
- しつける上で「大切なポイント」が分かる
「アイキャッチ画像出典:https://pixabay.com/ja/photos/%e7%8a%ac-%e7%94%b7-%e3%83%9a%e3%83%83%e3%83%88-%e3%82%aa%e3%83%bc%e3%83%8a%e3%83%bc-%e8%8d%89-454145/」
なぜ必要?「しつけの重要性」について
「しつけ=言うことを聞かせる」ではありません。「しつけ」とは「共通のコミュニケーションツール」であり、愛犬の大切な”命”を守るために必要なものです。
「しつけ」が出来ていると、行動範囲が広がります。飼い主の指示が聞ける愛犬であれば、どこへでも安心して連れていくことができるでしょう。
愛犬も飼い主も少ない負担で楽しくおでかけするためにも、しっかり「しつけ」をする必要があります。
いつから始めるべき?「しつけの開始時期」と「社会化期」
愛犬へのしつけは、生後2、3ヶ月くらいから始めてOKです。というのも、生後2、3ヶ月の子犬というのは、人間でいうと3〜5歳くらいになります。
一般的に、生後3〜16週齢くらいが、もっとも物事やルールを飲み込みやすい「社会化期」と考えられています。
「そんな小さい時からしつけるなんて可哀想」と思う人がいるかもしれませんが、人間社会で暮らすルールを教えるには、家に迎え入れるその日から「しつけ」を開始して問題ないのです。
愛犬にいつから何をしつけるか① 〜迎え入れ直後編〜
愛犬を迎え入れ、一番最初にしつけることは次の3つです。どれも基本的なものですが、最初からできることはほとんどありません。焦らず、ゆっくり継続しながら教えてあげましょう。
- 「自分の名前」を覚えさせる
- 「トイレ」の場所を認識させる
- 「アイコンタクト」を取れるようにする
「自分の名前」を覚えさせる
愛犬を家に迎え入れたら、決めた名前で呼んであげましょう。注意することは、家族全員が統一した呼び方をすることです。
最初は反応がないかもしれません。しかし、その呼ばれている名前が自分の事だと学習するまでに、そう時間はかからないいと思います。
呼んだ名前に反応し、愛犬が近寄ってきたら、ちゃんと褒めてあげましょう。今後のしつけのためにも、自分の名前に良いイメージを持ってもらうことが大切です。
「トイレ」の場所を認識させる
トイレの場所の認識もなるべく早い段階で教えておく必要があります。トイレの場所を認識する前に家のどこかで「おしっこ」をしてしまうと、その”におい”で同じ場所でトイレを繰り返してしまいます。
「寝起き」「遊んだ後」「ご飯の後」などの”おしっこしそうなタイミング”に、準備しておいたトイレに連れて行きましょう。トイレでおしっこができたら、ちゃんと褒めてあげてくださいね。
このトイレトレーニングは意外と時間がかかります。なので、失敗しても叱らないようにしてください。叱ってしまうと、おしっこを我慢したり、隠れておしっこするようになります。
「アイコンタクト」を取れるようにする
愛犬が自分の名前に反応するようになったら、アイコンタクトを取れるようにしつけましょう。「アイコンタクト」は必要な時に飼い主に注目させることが目的です。
アイコンタクトを教える方法は、「①愛犬を見て名前を呼ぶ」「②こちらを見る、近づいてくるなどのリアクションがあったら褒める」です。
アイコンタクトは、しつけの第一歩目として覚えなければいけない重要なことです。愛犬とアイコンタクトが取れるように、しっかり信頼関係を築きましょう。
愛犬にいつから何をしつけるか② 〜環境に慣れてきた編〜
愛犬が環境に慣れてきたら、次の3つをしつけます。人間社会でも臆することなく、楽しめる子に育ててあげましょう。
- ボディコントロール(体を触られることへの慣れ)
- 歯磨き・ブラッシング
- ハウストレーニング
ボディコントロール
まずは、ボディコントロール(体を触られることへの慣れ)です。健康管理や診断の際には必ず体を触れられます。また、外へお散歩するようになると体を触られる機会も増えるでしょう。
体を触られることに慣れさせるためには、犬が触られても平気ところから触り、徐々に苦手とする部分を触るようにしていきます。褒めてあげながら触るようにして、愛犬が嫌がったら一旦触ることをやめましょう。
- 足の先
- 耳の先端
- 鼻先
- しっぽ
- (オスであれば)性器
歯磨き・ブラッシング
歯磨きや、ブラッシングは愛犬が大きくなってからでは嫌がることが多いです。ですので、なるべく早い段階で習慣化させておきましょう。
歯磨きは健康に直結し、虫歯になると食事が困難になるケースもあります。いきなり歯ブラシを使うのではなく、まずは口元を触られることに慣れさせましょう。慣れてきたら口を開けて歯ブラシに慣れさせると良いです。
ブラッシングも健康的な被毛を保つためにかかせない手入れの一つです。最初は手で撫でながら、ブラシも当ててみるといいでしょう。そして、徐々にブラシを当てる部分や時間を延ばしましょう。
ハウストレーニング
これは、愛犬に「ハウス」を覚えさせることです。愛犬に「この場所にいると安全だ」と思ってもらうためにも必要なしつけです。ハウストレーニングのやり方は以下の通りです。
- ハウスとなるケージの扉を開けた状態で、部屋に設置する。
- ケージの中におやつを置いておく。
- ケージの中に入ったら、「ハウス」と呼びかける。
- ケージの扉を閉めて様子を見る。
急いでいる時は人の手で入れてしまいがちですが、「自分でハウスに入る」ことを覚えてもらうためには控えるべきです。
また、愛犬が”ケージの扉に挟まれる”というような、ハウスで嫌な思いをしないためにしっかり対策してあげましょう。
愛犬にいつから何をしつけるか③ 〜お散歩デビューに向けて編〜
外で散歩する場合には「呼び戻し」を教えておくことで、危険な行動や、危ない場所へ行くことを事前に防ぐことができます。まずは自宅で練習してみましょう。
呼び戻しは、愛犬が「飼い主のそばへ行きたい」という気持ちを上手に使います。呼び戻しのトレーニング方法は次の通りです。
- 協力者にリードを持ってもらい、自分(飼い主)から少し離れた場所に立ってもらう。
- 愛犬に向かって「おいで!」と呼びかける。
- 愛犬が自分のところへ行きたいとリードを引っ張たら、協力者にリードを離してもらう。
- 自分の元へ来たら、褒めてあげる。
「リードを引っ張ったら、その場で立ち止まる」ということもしつけておくといいでしょう。飼い主の横に戻ったら歩き出せるということを学習させておくと、より安全に散歩が出来ます。
これが重要!愛犬をしつける時のポイント
これから「しつけ」を始めるにあたり、飼い主が意識するポイントは2つです。それは、「焦らないこと」と「失敗しても厳しく叱らないこと」です。
特に、愛犬を迎え入れて直ぐの場合は、まず飼い主との信頼関係を深めることが大切です。「早くしつけないと」という焦りから、信頼を損なっては今後のしつけにも影響が出ます。
しつけが上手くいかず、愛犬が思い通りに動いてくれなくても、怒鳴ったり、叩いたりしてはいけません。度合いによっては虐待になりますし、そのようなやり方は「しつけ」において逆効果です。
「しつけ」がうまくいかない時は?「対処法」を紹介
「しつけ」がうまくいかないのは、「愛犬の能力」に問題がある場合もありますが、「飼い主の接し方」に問題があるケースもあります。例えば、「指示が統一されてない」「つい甘やかしてしまう」などです。
どうしても「しつけ」がうまくいかない場合は、専門のトレーナーに相談したり、しつけの方法を詳しく教えてもらったりするといいでしょう。場合によっては、「しつけ」そのものを依頼することもありだと思います。
専門家の指導で劇的に改善されるケースもあります。しっかりしつけられた愛犬であれば、安心して外出や散歩に行けますよ。
まとめ:「しつけ」は早い方が良いが、「信頼関係」が重要
愛犬の「しつけ」は、生後2、3ヶ月くらいから始めましょう。この時期は、ルールを飲み込みやすい「社会化期」と重なるので「しつけ」をするにはベストです。
とはいえ、「しつけ」をする時には愛犬との「信頼関係」が重要であることを忘れないようにしましょう。”アイコンタクト”や”呼び戻し”など、「しつけ」は信頼関係の上に成り立ちます。
愛犬も、飼い主との”共通のコミュニケーションツール”がある方がストレスは少ないです。愛犬と楽しく日々を過ごすためにも、しっかり「しつけ」を行うようにしましょう。