「仕事を辞めたいけど、具体的な手続き方法が分からない」「仕事を辞める時に、どんな準備をしておけばいいのか分からない」
このように仕事を辞めたくても、なかなか上手く行動を始められませんよね。
今回は仕事を辞める前に準備しておくことや、退職の流れ、注意点などをご紹介します。ぜひ最後までお読みください。
仕事を辞めたい時に考えるべきこと
仕事を辞めたいと思い、安易に辞めてしまってはその後の生活が厳しくなります。仕事を辞める前に、一度冷静になって以下3つのポイントを考えましょう。
辞めたい理由を考える
まず、なぜ辞めたいという気持ちを抱いているのか考えましょう。問題は人間関係か仕事内容か給料面なのかを明確にすることで対策を考えられます。
そのために、思いつく限り仕事に抱いている不満を紙に書き出すと良いです。なんとなく抱いていた不満を言語化することで、問題の本質が捉えられます。
仕事を辞めたら解決できる問題か
リストアップした問題は、仕事を辞めることでしか解決できないのか今一度考えましょう。人間関係が辛い場合や仕事内容が合わない場合は辞めなくとも、部署移動や転勤で解決できる場合があります。
給料面であれば、同じような業種に転職しても大きな変化は見込めません。副業を始めるか、異業種に転職するかなど異なるアプローチが考えられますよね。
このように仕事を辞める以外に適切なアプローチがないか再検討する必要があります。
仕事を辞めても大丈夫か
現実的に仕事を辞めても、問題なく過ごせるのでしょうか。貯金額の問題や再就職の可能性の問題といった退職によるリスクは当然生まれます。
もし厳しいのであれば、一定の貯金額を貯めるまで、あるいは転職先が決まるまで仕事を続けるという選択肢が現実的な手段でしょう。
仕事を辞めた方が良い場合
仕事を辞めることに対して罪悪感を感じる方もいるでしょうが、辞めないとあなたが不幸になることもあります。以下のような状況であれば、辞める方が賢明でしょう。
残業代が支払われない
不当な理由でサービス残業を強いられている場合は、仕事を辞めたいと思うのが当然です。
明らかに定められた就業時間内に終わらない量のタスクばかりを任されるというのは、会社に非がある可能性もあります。そのような状況が一向に続くのであれば退職を検討しましょう。
うつ病気味な生活が続いている
ずっと辞めたい気持ちが続き精神的に病んでしまい、うつ病気味である場合は環境の変化が必要です。
自分ではどれだけ問題の解決に励んでも状況が変わらない場合は、その会社があなたに合っていないサインです。症状がまだ軽いうちに、潔く退職するのが適切でしょう。
会社の経営が傾いている
給料日が遅れている、あるはずのボーナスがないなど経営そのものが不安定だと感じられる場合も退職準備を進めましょう。
そのような会社は遅かれ早かれ潰れるでしょう。倒産の被害に合う前に、早めの行動を取るのが吉です。
仕事を辞めない方が良い場合
あなたが仕事を辞めたいと思っていても、状況によっては辞めない方が良いこともあります。以下で、仕事を辞めない方が良い2つの事例を紹介します。
家族の介護のために仕事を辞める
両親が高齢化して介護が必要となり、仕事を辞めざるを得ないという人がいます。しかし親の年金で定期収入はあるものの、親が亡くなり再就職するとなってもブランクがあり難しいのが現状です。
仕事と介護を両立するための介護休業法もあるので、すぐに退職に踏み切らずに一度検討してみましょう。
給料が安いという理由のみ
「今の職場の給料が低いから」という理由だけで仕事を辞めるのは危険な考え方です。
転職すれば給料が上がるという保証はなく、むしろ下がってしまう可能性もあります。
給料はその人の市場価値に比例するので、給料が低いことは実績や能力が不十分であることの証明にもなります。
実績と能力があるのに給料が低い場合をのぞいて、転職による給料アップは望めません。
仕事を辞めたい時に試して欲しいこと
仕事を辞めたいと思っているときに、普段は取らない行動を取ることで今まで感じていなかった側面に気付く場合があります。
あなた自身の気持ちや行動の変化によって、むしろ仕事が楽しく思えてくるかもしれません。
仕事を辞めたいと思い立った時に、以下のことを試してみてください。
休暇を取る
心も身体も疲れ切っていては、正しい判断もできません。消化していない有給休暇の活用や、場合によっては長期休暇を検討してみましょう。
一旦離れてみて心と身体を回復させてから考えることで冷静な判断ができます。
「会社に迷惑をかけてしまう」などと気を遣ってばかりいては自分を追い詰めるだけなので、思い至ったら躊躇わず決断しましょう。
本気で仕事に取り組む
仕事が退屈に感じられるのなら、「これでダメなら辞めてしまおう」という気概でもう一度本気で取り組んでみましょう。
今まで他人に気を遣っていたことに躊躇わず、結果を出すために全て出し切ることで思いもよらぬ結果が出ることもあります。
そうなると今まで気づかなかったところにやり甲斐を見出し、「もう少し頑張ってみよう」とやる気が上がることでしょう。
信頼できる人への相談
一人で抱え込んでいては、次第に考えが凝り固まってしまい視野が狭まります。
家族や友人、仕事の先輩など信頼できる人に頼ることで、自分では気づかなかった解決策が見つかるかもしれません。
仕事を辞めたい時の準備
ここまで読み進めて、辞めたいという気持ちが一貫している方もいるでしょう。
そんなあなたが仕事を辞める時に準備することを2つ紹介します。
退職後のプランを綿密に立てる
退職してから次の仕事が決まるまでは収入が途切れるため、その間どうやり過ごすかを考える必要があります。
在職中に転職活動をしておけば良いですが、なかなか厳しいものです。
現在の貯蓄でいつまで耐えられるか、次の仕事は何にするか、いつまでに仕事を決める必要があるのかなど考えておきましょう。
自己分析を行う
次の仕事で成功するために、自己分析を行いましょう。自分が本当にやりたいこと、好きな分野、得意なこと、嫌なことなどを紙に書き出して、全ての条件を満たす仕事がないか考えましょう。
さらに妥協しても良い面と、絶対に譲れない面を明確化することで、次の仕事でミスマッチする確率を減らすことができます。
会社に伝えるときの辞める理由
円満退社するために会社を辞める際には、相手に理解してもらえる理由を伝えたいものです。
実際に会社に辞める理由を伝える際に、どのような理由を伝えれば良いか説明します。
正直な理由を伝える
人間関係など伝えづらい理由であっても、やはり正直に伝えることは重要です。理解してくれる同僚や先輩の存在がいると、退職後の付き合いにも繋がります。
逆に嘘で塗り固めてしまうと、嘘がバレた際に次の就職先に情報が漏れ、取り返しのつかない事態になる可能性もあります。
応援してもらえるような理由を伝える
キャリアアップや異業種への転職など、自分がやりたいことへの挑戦を理由に掲げると、相手からの共感が得やすく応援してもらいやすいです。
場合によっては転職のサポートをしてもらえる場合もあるでしょう。
会社がどうしようも出来ない理由を伝える
家庭の問題や子育て、持病などの理由は会社にとって引き留めづらいです。
仮にテレワークや時短勤務を提案されて引き留められたとしても、辞める気持ちの強さが伝われば相手も認めざるを得ないでしょう。
辞めたい気持ちが固まってから退職までの流れ
仕事を辞めると決断してから、退職までのステップを紹介します。
退職の意思を伝える(1~2ヶ月前)
退職を決断したら、できる限り早めにその意思を直属の上司へ伝えます。
親しい同僚に先に伝えたくなる方も多いでしょうが、上司に後から伝わってしまうのは良くありません。
いつ退職するのかを決めて、業務の引き継ぎや後任者への説明も行いましょう。
退職願の提出(1ヶ月前~)
口頭で伝えてから、退職願を提出します。受理されれば後任者への引き継ぎが上手く進むように、仕事の状況を書き込んだ資料を作成しましょう。
誰が後任を務めても問題ないように、できる限り丁寧に作ると良いですね。
取引先への挨拶回り(2週間前~)
取引先への挨拶回りの際に、退職することを隠したがる会社もあるため、会社の意向に従いましょう。
後任者がいる場合は同行してもらい、信頼できる人物であることを伝えると、取引先からの信頼を得やすくなります。
最終出社日
最終出社日には別れの挨拶や備品の返却などの他に、退職後に必要な書類の受け取りなどがあります。
「雇用保険被保険者証」や「年金手帳」など会社が保有しているものもあるので受け取りを忘れないようにしましょう。
退職時の注意点
時間に余裕がない方や貯蓄が充分にある方を除き、退職前に転職先を決めておくことをおすすめします。
それは退職後に無職になると、以下のようなリスクが生じるからです。
- 失業して二ヶ月間は失業給付金がもらえない(自己都合退職の場合)
- 無職の期間は社会保険料を全て自己負担することになる
- ハローワークや役所の手続きが煩わしい
転職先が決まっていないと、その間は無収入な上に社会保険料を負担する必要があるので、厳しい生活を強いられます。
時間を割くのが厳しくても、できる限り退職前に転職先を決めておきたいですね。
辞めたいけれど一人では難しい場合
退職していても、なかなか上司に伝えるのが難しいという人におすすめなのが退職代行サービスです。退職代行サービスに依頼すると、会社の人に会うことなく退職できます。
もちろん費用はかかり、3~5万円ほどかかります。しかし、会社が退職を認めてくれない場合や人間関係が理由で辞めるため、会社の人に会いたくない人なら利用した方が良いでしょう。
退職代行サービスはお金がかかりますが、そのお金で精神的負担を削減できるのなら高くはないですよ。
ただし引き継ぎが上手くいかないなど会社側に迷惑を与えることにもなるため、よほど思い詰めている場合を除き避けた方がよいでしょう。
本当に仕事を辞めたいなら早めの行動を
今回は仕事を辞めたいときの準備や手続き方法、注意点などを紹介しました。
人間関係や仕事内容など複雑な事情があり、なかなか仕事を辞めづらい場合もあるでしょう。しかし現在の仕事の状況を鑑みて、辞めるべき状況だと判断すれば早めに行動するべきです。
どうしても辞めづらい事情がある場合は、最後の手段として退職代行サービスを検討しましょう。
退職を検討されている方は、ぜひ今回の記事を参考にして退職の手続きを進めましょう。