子犬を飼い始めたとき、しつけについて悩む飼い主さんは多いです。筆者も犬を飼っていますが、しつけをいつからすべきなのか、悩みますよね。
具体的にいつからしつけをするのか、どのような順番でしつけをするのか分からない方も多いと思います。
ここでは、子犬の時期から行っておくべきしつけのタイミングや順番に加え、愛犬をしつけする上で注意したいこともご紹介します。
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犬のしつけはいつからできる?
犬のしつけを始めるのに適した具体的な時期は、生後3週間~3ヶ月半とされています。この時期は犬の「社会化期」と呼ばれ、いろんな物事やルールを覚えやすいタイミングといわれています。
そのワンちゃんの個性や犬種によって詳細な時期も変わってくるため、生後3週間を経過するまでは、ワンちゃんの名前を呼んで覚えさせるなどの簡単なしつけをしつつ、愛情を注いでたくさん可愛がってあげましょう。
少し成長した大人の犬を迎える場合でも、ブリーダーから迎える場合は心配ありません。ブリーダーの元でしつけを行ってくれているケースが多いからです。
犬をしつけする前の準備はいつから?
子犬を迎える前に、家族間でのルールを事前に決めましょう。なぜなら、しつけで一番大切なことはルールの統一であり、家族の誰か一人でも、しつけ中に甘やかしてはいけません。
甘やかしてしまうと、何が正しいのか犬も混乱してしまい、しつけを覚えるのに時間がかかってしまいます。また、覚えさせたくないことを覚えてしまい、問題行動へ発展する恐れもあります。
子犬が来てから、慌てなくていいように「ゲージの位置」や「甘やかさないこと」など、事前にルールを決めて準備しておくようにしましょう。
子犬期のしつけの大切さとは
子犬の時期はいろいろなことを学ぶ時期でもあります。特に生後3週齢〜12週齢までは「社会化期」とも呼ばれ、積極的に環境や刺激に慣れさせることが大切になります。
社会化期を過ぎると、恐怖心が芽生え始めるため環境や刺激に慣れさせるのに時間がかかるようになります。
そのため、社会化期には家の中の生活音や、外で見聞きする刺激に慣れさせることを優先しましょう。しつけは、並行して取り組むものと、社会化期を過ぎてから教えるものなど、優先順位を決めてると良いでしょう。
犬を迎えてすぐにしたいしつけは?
愛犬を迎えたら、まずは信頼関係の構築から始めます。その第一歩が、飼い主や飼い主の家族、ワンちゃん自身の名前を覚えてもらうことです。
方法は簡単で、意識的に固定の名前で呼び合う会話を続けるだけです。その時に重要なのが、1つの呼び方に統一することです。違う呼び方だと、ワンちゃんがなかなか名前を覚えられない場合があります。
トイレについても早い段階で教えておく必要があります。トイレの環境を用意して、そこですることを覚えさせます。ただし、トイレに関しては生後3ヶ月半前の子には難しい場合があるので、焦らずに教えましょう。
優先して教えたい基礎のしつけは?
「環境や刺激に馴らすこと」と「人の指示を理解し行動できるようにする」ことはどちらも大切なしつけです。
ここで紹介するのは、人の指示を理解し行動できるようにするしつけです。ワンちゃんに名前やトイレを覚えてもらったら、次のようなしつけをしてみましょう。
- おいで
- まて
- ハウス
おいで
「おいで」は、飼い主さんが遠くにいる犬を呼んで、近くに来てもらうためのものです。お家の中で「おいで」と呼ぶ場面は、ごはんのときや、お風呂などが考えられます。
お外では散歩中になかなか歩かないときや、ドッグランから帰るときなどが考えられます。「おいで」と呼んでそばにくることができたら、ほめたり、おやつをあげたりしてあげましょう。
「おいで」が重要な場面は、災害時や逃走時といった時に愛犬の安全を守るときや、危険を回避させるときです。「おいで」が嫌いにならないようにしつけをしておきましょう。
万が一の時どんな場所でも「おいで」で戻ってくるようにしつけておけば、非常時でも安心できます。
まて
「まて」は犬に静止を指示したり、我慢させるしつけです。そのため、自制心を鍛えることにも繋がるので、犬が興奮しているときなどにも応用することができます。
ごはんを与えるときに「まて!」「よし!」と使うことが多いと思いますが、「おいで」のように、どんな場所、どんな時でも「まて」ができるようにしましょう。
「まて」の練習は、ごはんのときだけでなく、お散歩中など環境を変えて行い、普段とは違う場面でも「まて」ができるように目指しましょう。
ハウス
「ハウス」はケージやクレートなどに入ってもらうときに、「自室に戻りなさい」という意味で使われます。
お留守番のときや寝るとき、病院や旅行などお出かけをするときに「ハウス」の指示でスムーズに入ってくれると、ワンちゃんにとっても飼い主さんにとっても負担がなくなります。
「ハウス」ができないと、ハウスに入ることに対して犬は恐怖心や強いストレスを感じることになります。日頃から、ハウスは安心できる場所として自由に出入りできるようにしておきましょう。
また、ハウスはワンちゃんにとって、居心地のいい場所にしてあげることが大切です。
応用編のしつけはいつから教える?
ここで紹介するのは、応用編のしつけです。応用編のしつけは、基礎のしつけができるようになってから教えてたいしつけです。
もちろん子犬のうちからできると、コミュニケーションやトレーニングの幅が広がりますが、優先度はそこまで高くなく、成犬になってからでも簡単に教えることのできるものになります。
飼い主さんとワンちゃんとのコミュニケーションとして、楽しく教えてあげましょう。
- おすわり
- ふせ
- おて
おすわり
「おすわり」はお尻を地面につけた姿勢のことで、信号待ちやドアマナーとして応用することができます。
「おすわり」は、おやつを使って簡単に教えることができるしつけの一つで、「おて」や「おかわり」など、おすわりの姿勢から派生させたしつけもたくさんあるので、ベースとなる形です。
ただし「おすわり」には注意点があります。お尻を地面につける姿勢ですから、安定しているように見えますが、滑りやすいフローリングや足裏の毛が長い場合、踏ん張りがきかず股が開くように滑ってしまいます。
力の弱い子犬や関節の弱い犬種などは、指示する場所を考えたり、下に滑りにくいマットを敷いてあげるなど無理をさせないような工夫をしてあげると良いでしょう。
ふせ
「ふせ」は後ろ足、胸、肘が地面についた姿勢のことです。「ふせ」ができると、ドッグカフェなどでも落ち着くことができたり、小さな子供などが撫でやすい姿勢でもあります。
しかし、短毛種やきれい好きな性格の犬などは、地面にお腹をつけることを嫌がる子もいます。寒い時期にはお腹が冷えますし、単純に汚れたくないという理由の場合もあります。
そういう子には、洋服を着せたり、マットを使用するなどワンちゃんが落ち着けるように整えてあげることも必要です。
おて
「おて」は人の掌の上に、ワンちゃんが前足を乗せる動作のことをいいます。「おて」ができると、散歩後の足拭きやブラッシングなどが楽になります。
足先は神経が密集していて敏感な部分なので、触られることを嫌がる子も多いですが、遊びを通して触られることに馴らすこともできます。
いつからかやってしまうしつけ中のNG行動は?
犬のしつけは、難しく時にはイライラして怒鳴ってしまう事もあるかもしれません。後になって「少しやりすぎたかなぁ」と後悔してしまう事もあるかと思います。
ここでは、犬のしつけで絶対にしてはいけない事を詳しく紹介していきます!もしあなたがしてしまっていることがあれば、改善することが必要です。
- 名前を呼んで叱らない
- 暴力行為をする
- 突然大きな声で叱る
- 事後に叱る
- 叱る時に笑顔を見せて体に触れる
- 吠えたときにわんちゃんの元へかけつける
- 叱ってばかりのしつけ
焦らず、楽しく、毎日少しずつ
しつけはトラブル回避だけでなく、犬と飼い主の意思疎通を行っていく上でも重要なツールです。一見、厳しく感じるようでも、お互いに幸せに暮らしていくためには大切なことです。
何よりしつけで大切なことは、飼い主さんが焦らず、工夫を楽しんでワンちゃんと向き合う気持ちを持つことです。飼い主さんが楽しくないことは、ワンちゃんも楽しくありません。
1日ですべて教えきろうなんて思わずに、毎日少しずつ、愛犬と寄り添いながら気長にやってみてください。