中途採用の流れの中に「適性検査」があります。新卒採用ではほとんどの企業が行っており、近年では中途採用でも行う企業が増えています。
しかし、「適性検査ってどんなことしたっけ」と新卒採用のときに受けた記憶が薄れていたり、「新卒採用の適性検査と何が違うの」と感じたりすることはありませんか。
そこで本記事では、中途採用の適性検査とはどういったものか、多くの企業で採用されている適性検査やその対策方法について解説しています。適性検査に不安を抱いている人は必見です!
求める人物像にマッチするか検査するものが適性検査
そもそも適性検査とは、企業や業務に就業することに対して適性があるか判断するための検査です。
適性検査を受けることによって、応募者の能力や性格の分析が行われ、応募者と企業とのミスマッチを未然に防ぐといった役割を果たします。
企業はあらかじめ「求める人物像」を示している場合が多いですが、応募者が本当に「求める人物像」とマッチするか判断する材料として適性検査が用いられています。
中途採用で適性検査をする目的
では、中途採用で適性検査をする目的は何なのでしょうか。ここでは大きく3つについて解説します。
- 社会人としての基礎知識があるか確認するため
- 応募者の性格を多角的に分析するため
- 書類検査や面接では分からない能力を知るため
目的①社会人としての基礎知識があるか確認するため
中途採用では新卒採用とは異なり、すでに社会人経験があり、即戦力として期待される人が主な応募者となります。
そのため、社会人としての基礎知識があるか確認するために適性検査をする企業が多いです。
中途採用で採用が決まったとしても研修はほとんどない場合が多いので、新人研修を通して社会人として大きく成長した姿をアピールしたいですね。
目的②応募者の性格を多角的に分析するため
適性検査には性格について聞かれる質問が数多くあります。これらの質問を通して、応募者の普段の行動やよくする考え方などを分析することができます。
面接では見抜くことができない「その人らしさ」を捉えることで、「求める人物像」とマッチするかを判断しているのです。
目的③書類検査や面接では分からない能力を知るため
書類検査は文章だけの情報、面接は限られた時間の中で得られた情報だけと、両者から得られる情報だけでは就業するのにふさわしい人材か判断することは難しいです。
そこで、適性検査を通して出てきた分析結果を活用することで、より正確に応募者の情報を理解することができます。
また、分析結果に基づいて面接用の質問を考えるために適性検査を利用する企業もあります。
適性検査は面接の前に行われることが多い
適性検査が行われるタイミングは企業によって異なりますが、面接の前に行われることが多いです。
理由は先ほどの適性検査をする目的で解説したように、適性検査を通して分析された結果に基づいて応募者の理解を深め、気になったことについて面接用の質問を考えるために適性検査を実施するからです。
適性検査が実施される前には必ず連絡が入りますので、連絡を見落とすことなく、余裕をもって適性検査を受けるようにしましょう。
能力と性格の2つの検査がある適性検査
適性検査は大きく「能力検査」と「性格検査」の2種類に分けることができます。
能力検査とは、社会人としての基礎学力や論理的思考力などを問うための検査です。長文の読解問題や計算が絡む文章題などが出題され、業務にあたって必要な能力が備わっているかを見極めます。
性格検査とは、応募者の性格やタイプを見極めるための検査です。面接だけでは分からない性格の面を正確に分析するため、問題数が非常に多いという特徴があります。
企業によってはどちらか一方の検査しか行わない場合もありますが、両方の検査を行う企業が多いです。
中途採用で実施される適性検査は主に3つ!
では、中途採用で実施される適性検査にはどのようなものがあるのでしょうか。
本記事では、中途採用でよく実施される3つの適性検査について紹介します。
- SPI3
- CUBIC
- CAB
SPI3
まずは「SPI3」です。新卒採用を経験した人は何度も目にしたことがあるでしょう。
SPI3は株式会社リクルートホールディングスが提供している適性検査です。人材企業として名高いリクルートが提供していることもあり、多くの企業でSPI3が用いられています。
SPI3は「言語(国語)」「非言語(数学)」「性格検査」の3つに分かれており、基礎学力やどのような仕事に向いているかなどを分析することができます。
CUBIC
次に「CUBIC(キュービック)」です。CUBICは株式会社CUBICが提供する適性検査です。
性格検査だけ行われる場合が多く、検査時間は20分で済むことが特徴です。CUBICの性格検査は「性格」「意欲」「社会性」「価値観」の4つの側面から分析されます。
また、オプションとして能力検査もあり、こちらは「言語」「数理」「図形」「論理」「英語」の5つの科目を通して、応募者の地頭力や論理的思考力を測定しています。
CAB
最後は「CAB(キャブ)」です。CABはエス・エイチ・エル株式会社が提供している適性検査です。
主にIT業界の企業で多く採用されており、問題の内容も他の適性検査とは大きく異なるので、対策は十分に行う必要があるでしょう。
能力検査では「暗算」「法則性」「命令表」「暗号」の4つが出題され、コンピュータ職に必要な知的能力を測定します。また、性格検査もあります。
能力検査では時間配分に要注意!
ここからは、適性検査を受けるにあたって注意しておきたいポイントについて解説しますね。
能力検査では、1問にかけられる時間が非常に短いので、時間配分は適性検査を受ける前に入念に決めておきましょう。
能力検査は回答の正解・不正解はもちろんのこと、制限時間内でどれほど多くの問題に答えることができたかといった部分も評価されます。
時間内に作業を終えられることをアピールするために、本番前には大問別に時間配分を決めておいて、1問解くごとに時間を意識できるようにしておくと良いですよ。
性格検査では正直に答えることを心がけるように
性格検査では、回答に矛盾が生じてしまうと不合格にされてしまうため、普段の自分をイメージしながら回答することを心がけましょう。
性格検査からも企業は採用するか判断するので、事前に企業の求める人物像を把握して「この回答をすれば、適性検査を通過できる」と考えて、嘘の回答をしたい気持ちは分かります。
しかし性格検査には、同じような問題を散りばめておき、回答に矛盾がないか調べる仕組みや、言い過ぎた表現の選択肢を用意して嘘の回答をしていないか判定する問題があります。
求める人物像から逆算して回答しても、数多くの問題に答えるうちに無意識に矛盾する回答をして不合格になってしまいます。性格検査では正直に答えることを心がけてください。
参考書を使って模擬練習を積み重ねよう!
適性検査を通過するためには、何度も模擬練習を行って出題形式に慣れておくことが大切です。
そのためには、適性検査ごとに対応した参考書を使用して問題演習を重ねることがとても効果的です。
問題演習を積み重ねて出題形式に慣れておくことで、問題の正答率が上がるだけでなく、問題を解く時間が短くなり、適性検査を通過する可能性が高くなるでしょう。
多くの企業で採用されている適性検査「SPI3」の対策には「これが本当のSPI3だ!」がオススメです。この本を購入して、模擬練習を積み重ねてくださいね。
企業情報はしっかりリサーチ!
参考書を使って適性検査の対策を行うことは効果的ですが、企業によっては採用している適性検査が異なり、中には独自の適性検査を採用している企業もあるため、参考書だけの対策では不十分です。
転職サイトには過去に中途採用を経験した人が適性検査の種類や特徴について書いている場合があります。適性検査を受ける前にチェックしておきましょう。
また、業界知識や企業の商品に関する問題が出題されることもあるため、企業に関する情報は徹底的にリサーチしてから適性検査を受けてくださいね。
適性検査はリラックスできる環境で受けよう!
適性検査は、応募者の知的能力や性格が企業や業務に対して適性があるか見極めるために行われます。そのため、書類検査や面接と同様に対策が必要です。
しかし、適性検査を受けている最中に通過することを意識しすぎてしまい、実力を発揮できずに終わってしまっては本末転倒です。
あくまで適性検査は企業と応募者とのミスマッチを防ぐためだけにあります。無理に自分を良く見せようとせずに、リラックスできる環境に身を置き、ありのままの自分で適性検査に臨んでくださいね。