安定した生活にあこがれて「公務員に転職できないか」と思ったことはありませんでしょうか?公務員は民間企業に比べると安定していそうで、規則正しい生活ができるイメージがあります。
生活が不規則で残業も多く、家に寝るために帰るような生活をしていると、「自分はこのままで良いのかな」と不安を感じてしまいますよね。将来に向けて、もっと安定した生活をしたいという考えも出てくるでしょう。
この記事ではそんなあなたに、公務員に転職するときに生じる疑問について説明しています。この記事を読めば公務員に転職するための条件や試験方法などがわかり、計画的に準備を進められるでしょう。
公務員の転職には年齢制限などもありますので、ぜひこの記事を最後まで読んでから行動するようにしてください。
(アイキャッチ画像出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1111113)
民間企業から公務員に転職できる?
「民間企業に就職したけど、やっぱり公務員になりたい」と思った人は、中途採用で公務員になれるのでしょうか?
結論から言うと、中途採用で公務員になることは可能です。条件を満たせば「一般枠」か「経験者採用枠」で転職することができます。
特に「経験者採用枠」を受けるのがおすすめです。その理由は以下のようになります。
- 一般枠よりも採用の年齢上限が高い
- 一般枠より筆記試験の負担が少ない
- 職務経験でアピールできる
ただし、経験者採用枠は自治体によってはなかったり、一般枠と比べて採用人数が少なかったりします。自分がなりたい仕事の経験者採用枠をよく調べてから、準備を進めるのが良いでしょう。
公務員に転職するときに生じる5つの疑問
ここからは、公務員に転職するときに生じるであろう5つの疑問について説明します。その5つとは以下のとおりです。
- 仕事内容は?
- 募集条件は?
- 試験時期は?
- 試験内容は?
- 必要な資格は?
公務員と民間企業では、求められているものが異なります。民間企業は「利益の追求」が求められますが、公務員に求められることは「国民の生活を良くすること」です。
公務員は顧客である国民全員がより良い生活を送れるように働き、その対価として税金から給料をもらいます。
コミュニケーション力や事務能力なども必要ですが、公務員が特に求められるのは「社会貢献への意欲」です。自分の適性なども考えながら、転職の疑問について次の章から1つずつ見ていきましょう。
転職の疑問① 公務員の仕事内容は?
公務員に転職するときに生じる疑問の1つ目は「仕事内容」です。公務員には「国家公務員」と「地方公務員」があり、仕事内容が大きく異なります。
「国家公務員」と「地方公務員」は採用先も異なっていて、それぞれの採用先は以下のようになります。
- 国家公務員
- 立法・司法・行政など国の機関
- 地方公務員
- 地域に密着した地方自治体
国家公務員は、主に国会や省庁、裁判所などで仕事をします。例えば政策の企画立案や議会の運営サポート、裁判手続きの補助などです。
それに対して地方公務員は、主に都道府県や市町村の仕事をしています。行政の窓口だけでなく警察、消防、教師など多くの専門家がいて、「公務員」と呼ばれる職業の8割以上が「地方公務員」です。
転職の疑問② 公務員の募集条件は?
公務員に転職するときに生じる疑問の2つ目は「募集条件」です。記事の最初でも少し触れましたが、公務員試験には「一般枠」と「経験者採用枠」があります。
「一般枠」と「経験者採用枠」では、年齢や条件、試験内容などが異なります。特に重要なのが年齢制限です。
「一般枠」では国家公務員が30歳、地方公務員でも30~35歳ぐらいが上限になります。それに対し「経験者採用枠」は「一般枠」よりも年齢上限が高いことが多く、中には59歳を上限とするものまであります。
自治体などによって条件が異なるので、詳細については確認が必要です。ちなみに、試験日が同じでなければ、併願して試験を受けることも認められています。
転職の疑問③ 公務員の試験時期は?
公務員に転職するときに生じる疑問の3つ目は「試験時期」です。公務員試験は年に1回、一般的には5~9月頃に行われます。
経験者採用枠に関しても、9月ぐらいに行われているものが多いようです。だいたい試験の3ヶ月前に、試験日程などが公表されます。
公務員試験は民間企業の転職と違い、高校や大学のような試験勉強をしなければなりません。勉強しなければいけない範囲も広いので、計画的に進める必要があります。
転職の疑問④ 公務員の試験内容は?
公務員に転職するときに生じる疑問の4つ目は「試験内容」です。公務員試験は1次試験である筆記試験と、2次試験である人物試験(面接)の2段階があります。
地方公務員試験は、筆記試験の目安として「上級」「中級」「初級」に分かれています。この分類の呼び方は「上級」「大卒程度」「Ⅰ類」など、自治体によって様々です。
「上級」「中級」「初級」などの区分けにより、試験の難易度や採用後の待遇が変わってきます。
また、記事の最初の方でも書いたとおり、経験者採用枠は一般枠より筆記試験の負担が少なくなります。その代わり、経験者採用枠では「職務経験に関する論文」を課されたり、面接が増えたりするのが一般的です。
転職の疑問⑤ 公務員に必要な資格は?
公務員に転職するときに生じる疑問の5つ目は「必要な資格」です。公務員の種類によっては資格が必要になります。
公務員には「資格免許職」という職種があり、専門知識のある特別な資格を必要としています。以下に職種の例をあげてみましょう。
- 教員
- 保育士
- 栄養士
- 看護師
- 社会福祉職
これらの職種には資格のために学歴条件がある場合が多く、条件によっては今からなることができないかもしれません。
また、「資格免許職」は公務員試験に合格しても、すぐに採用ということにはなりません。公務員試験合格後に、採用試験にも受からないといけないのです。
例えば教員の場合、公務員試験に合格して教員免許を持っていても、教育委員会が行う採用試験に合格しなければ教員にはなれません。
公務員のどんなところが魅力的なのか【3つのメリット】
ここまで「公務員に転職するときに生じる疑問」について見てきました。かなり複雑で難しい印象ですが、公務員の魅力とはいったいどんなところなのでしょうか。
以下に、公務員になる主なメリットについてあげてみたいと思います。
- 安定している
- 残業が少ない
- 福利厚生が良い
安定している
安定していることは、公務員の一番のメリットでしょう。景気の影響を受けづらいので、業績悪化で給料が減ったりクビになったりすることがありません。
倒産のおそれもほとんどありませんし、住宅ローンを組む時などにも有利になります。
残業が少ない
公務員の中にも残業が多い仕事は存在するので、すべての公務員が「残業が少ない」とは言えません。しかし、民間企業と比べれば残業が少ない人が多いと言えるでしょう。
また、休暇等に関してもきちんととれることが多く、働きやすい労働環境ができていると言えます。
福利厚生が良い
育児や介護のための休暇や手当など、公務員は民間企業よりも福利厚生が充実しています。
また、年金などについても民間企業と比べて手厚いので、老後の不安が少なくなることもメリットと言えるでしょう。
公務員も良いことばかりではない【3つのデメリット】
公務員になるメリットについて説明しましたが、公務員も当然良いことばかりではありません。今度は公務員になるデメリットについて、主なものを見ていきたいと思います。
- 顧客を選べない
- 副業が原則できない
- 税金を使っているイメージを持たれる
顧客を選べない
公務員は、国民全員が顧客になります。民間企業は効率的に利益を上げるために顧客を選ぶことができますが、公務員は顧客を選ぶことができません。
あまり関わりたくない人がいたとしても、対応することを拒めないというストレスがあります。
副業が原則できない
公務員は「国民全体への奉仕者」という位置づけにあるため、原則は副業ができないとされています。民間企業と求められているものが異なるので、副業に関しては公務員の方が条件が厳しいです。
公務員でも副業が認められるものとしては、不動産投資や株式・FX、小規模の農業などがあげられます。しかし、職場の許可が必要なものも多いので、副業のハードルは高いと言えるでしょう。
税金を使っているイメージを持たれる
公務員は税金から給料が支払われるので、そのイメージで見られてしまいます。職場環境も贅沢できないので、自治体の庁舎などはかなり古いものもあるでしょう。
自分がどんなに頑張っていても、相手の気にさわるようなことがあれば「税金泥棒」などと言われてしまいます。
まとめ:自分の理想を考えて計画的に行動しよう
今回は「公務員に転職するときに生じる疑問」について説明しました。公務員の制度は複雑でわかりづらいので、転職しようとしても理解することに苦労するでしょう。
しかし、公務員には「社会貢献ができる」というやりがいがあります。民間企業では経験できない、公務員ならではの魅力ある仕事が多く存在するのです。
この記事を読んで公務員の理解が深まったら、試験に向けて行動を始めましょう。自分がなりたい仕事について、経験者採用枠の有無や条件などを調べてみてください。
なりたい仕事の条件や日程が分かったら、しっかり計画して毎日行動を積み重ねていきましょう。思っているだけでは何も変わらないので、少しずつでも行動することで理想の生活を手に入れてください。