調剤薬局事務への就職を考えている方は、仕事内容やメリット、働くうえで大変なことや、自分に向いている仕事かどうかを事前に知っておきたいですよね。
調剤薬局事務は無資格・未経験でも目指せて、ライフスタイルに合わせた働き方ができるので、就職・再就職の仕事として女性に人気の職業です。
今回の記事では、調剤薬局事務を目指す方のために、調剤薬局事務の仕事内容・勤務地・メリット・大変なこと・向いている人の3つの特徴・採用に有利な資格を2つ説明します。
記事を読むことで、調剤薬局事務がどんな仕事か具体的に分かり、自分に向く仕事なのかも分かりますので、ぜひ最後までご覧くださいね。
アイキャッチ画像出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1110107
調剤薬局事務はどんな仕事?
調剤薬局事務とは、調剤薬局における事務作業を担当する仕事で、主な仕事内容は大きく分けて以下の3つです。
- 受付業務
- 会計
- 調剤報酬請求(レセプト作成)
受付業務
調剤薬局に来られた患者から処方箋や健康保険証、お薬手帳を受け取り、内容を確認して処方箋とお薬手帳を薬剤師に渡します。薬局の顔となるので、明るく丁寧な対応が必要です。
会計
薬局の会計をするのも調剤薬局事務の仕事です。会計では、処方箋に記載された内容をパソコンに打ち込んで自動的に計算します。薬代の金額を、手早く正確に入力しないといけません。
調剤請求報酬(レセプト作成)
レセプトとは、患者が受けた保険診療について、医療機関が保険者に請求する医療報酬の書類のことです。
日本の病院では、保険証を提示することで医療費の3割を患者、残りの7割は患者が加入する保険団体が負担する仕組みになっています。
そのため、医療機関は残りの7割の医療費を保険団体に請求しないといけません。その薬局の収入にもつながる非常に重要な書類を作成するのも、調剤薬局事務の仕事です。
また、調剤薬局事務に似た仕事に医療事務があります。次の項目では、両者の違いを働く場所・仕事内容・必要な知識に分けて説明しますね。
調剤薬局事務と医療事務はどこが違うの?
調剤薬局事務は「医薬品の処方を行っている調剤薬局やドラッグストアで働く事務職」で、医療事務は「病院やクリニックなどの医療機関全般で働く事務職」です。
どちらも資格や経験は必須ではないので、未経験から始められます。主な違いを、以下の表にまとめました。
職業 | 働く場所の違い | 仕事内容の違い | 必要な知識 |
調剤薬局事務 | 調剤薬局・ドラッグストア | 薬剤師のサポートが中心 | 薬剤の調剤、投薬 |
医療事務 | 病院・クリニック | 医師や看護師の補助が中心 | 診察・検査・投薬・レントゲン |
上記のように、医療事務の方が調剤薬局事務に比べて、必要な知識や覚えることが多いです。
調剤薬局の勤務場所やお給料は?需要はある?
調剤薬局事務の勤務地は、調剤薬局やドラッグストアです。調剤薬局の店舗数はコンビニよりも多いと言われていて、全国各地に薬局があるので自宅から近い職場に通いやすいですよ。
また、調剤薬局事務はパートから正社員まで、さまざまな雇用形態があります。調剤薬局事務の平均年収や時給、雇用形態による給料の違いを以下にまとめました。
上記の通り、全体的に高い給料ではありません。ですが、調剤薬局事務は無資格・未経験でも働けるため、女性に人気の職業です。そのため、高い給料設定にしなくても人が集まります。
調剤薬局事務のやりがいやメリット・大変なことは?
この項目では、調剤薬局事務のやりがいやメリット・仕事をするうえで大変なことを紹介します。
調剤薬局事務がやりがいを感じるのは、患者から感謝の声をかけられた時や、仕事を通して薬や医療の知識が身についてきた時が多いです。以下では、調剤薬局事務の主なメリットを3つ紹介します。
調剤薬局事務の3つのメリット
調剤薬局事務は以下の3つのメリットがあるため、家庭と仕事を両立されている主婦に人気が高い職業です。
- 全国各地で働ける
- ライフスタイルに合わせて働ける
- 専門的な知識やスキルが身に着く
高齢化社会の影響で医療の仕事のニーズは増えており、調剤薬局の数は年々増えています。全国各地に店舗がありますので、引っ越した際にも働く場所を見つけやすいです。
それに、調剤薬局の仕事は、正社員・パート・アルバイト・派遣社員などさまざまな雇用形態があるため、ライフスタイルに合わせて働けます。夜勤や休日出勤といった不規則な就業もないので安心ですよ。
また、調剤薬局事務は特別な資格がいる薬剤師や看護師と違い、無資格・未経験でも仕事をしながら専門的な知識やスキルを身に着けられます。
調剤薬局事務をするうえで大変なことは?
調剤薬局事務は、特に未経験で入った新人の方が大変さを感じやすいです。
- レセコン操作(データ入力)
- 業務内容や薬の名前が多い
- 仕事の割に給料が安い
レセプト作成のコンピューターに情報を入力するので、初歩的なタイピングのスキルは必須です。仕事をするうちに慣れますが、苦手な人は3か月ほど努力が必要になります。
また、調剤薬局事務の業務内容や薬の種類は非常に多く、未経験の方は短期間でさまざなことを覚えないといけません。薬の名前は1文字や2文字違いも多いため、初めは間違えやすいです。
調剤薬局事務は業務内容の多さに対し、無資格・未経験でもできることから、他の職種と比べて給料が安いです。ですが、その分薬の知識も身に着ので、やりがいのある仕事ですよ。
調剤薬局事務に向いている人の3つの特徴
調剤薬局事務には、向き不向きがあります。事前に向き不向きを知ることで、仕事を始めた際に「思ってたのと違う…辞めたい」となりにくいです。まずは、調剤薬局事務に向いている人の特徴を紹介します。
- 協調性がある
- 素直
- 要領がいい
多くの調剤薬局は数人のスタッフで回しています。そのため、職場の人と協力して仕事をこなす協調性が必要です。
また、未経験で調剤薬局事務になった場合は、ミスして注意されることも多いです。その際に、反発せず素直に指示を聞いて改善できる人が向いています。
調剤薬局事務は処方箋のデータ入力や雑用をしたり、薬剤師の補助をしたりするので、仕事量が多いです。そのため、複数の作業を同時に要領よくこなせる人は調剤薬局事務に向いています。
調剤薬局事務に向いていない人の特徴2つ
次に、調剤薬局事務に向いていない人の特徴を2つ紹介しますね。
- 協調性がない人
- プライドが高く自己主張が激しい人
調剤薬局事務は、薬剤師の補助をするのが仕事ですので、その薬剤師と協力して仕事ができない協調性がない人は調剤薬局事務に向いていないです。
また、自己主張が激しくプライドが高い人も薬剤師と反発し合い、仕事がスムーズに進まないので向かないでしょう。
調剤薬局事務には、患者のご要望や困りごとを把握し、積極的に解決しようという姿勢が求められます。患者に寄り添った、明るく臨機応変な接し方をしましょう。
調剤薬局事務は無資格・未経験でもなれる
調剤薬局事務は、特別な資格がなくても未経験から目指せる職業です。薬局でのお仕事のため「薬の知識がないと働けないのでは…」と感じる方もいますよね。
ですが、調剤薬局が出している求人に応募して、面接に受かれば調剤薬局事務になれます。
調剤に直接関わるのは、調剤薬局事務ではなく薬剤師です。患者に薬の説明をするのは薬剤師ですので、薬に関する深い知識や学歴に関係なく目指せます。
ただ、調剤薬局事務は女性に人気が高い職業なので、倍率は高めです。そのため、応募者の中に経験者がいた場合、未経験者は受かりにくいです。
調剤薬局事務になっても仕事に慣れるまでは時間がかかる
無資格・未経験で調剤薬局事務をはじめた方からは「忙しいし覚えることが多くて大変」という声も、Q&Aサイトで見られます。
慣れるまでは大変ですが、未経験でも早い人は2~3か月くらいで半人前、遅くても6カ月くらいで半人前になる方が多いです。
また、処方箋やレセプト作成でデータ入力があるので、パソコンは使えた方がいいです。仕事に就く前に薬の知識を身に着けたり、タイピングの練習をしたりすることで、仕事を早く覚えられます。
そうはいっても、具体的にどんな勉強をすればいいか分かりませんよね。そこで、次の項目では仕事に役立ち、就職活動の際にも少し有利になる資格を2つ紹介します。
調剤薬局事務に有利な資格2選!難易度や試験内容は?
調剤薬局事務は、無資格・未経験でもなれます。ですが、どの調剤薬局も経験者や知識のある方を欲しがるので、資格を持っていた方が採用されやすいです。
ただ、調剤薬局事務の資格はいくつもあるので、どの資格を取ったらいいか悩みますよね。
そこで、この項目では「就職活動で採用されたい」「未経験で早く仕事に慣れたいから、事前に知識を身に着けたい」という方向けに、おすすめの資格を2つ紹介します。
- 調剤事務実務士
- 調剤事務管理士
調剤事務実務士
調剤事務実務士は、調剤報酬請求の従事で求められる一定の能力を有することを、証明する資格です。
医療系の民間資格としては認知度が高く、この資格を取得すると履歴書に書けるため、就職や転職の際に非常に役立ちます。
受験資格 | なし |
平均合格率 | 61.1% |
試験回数 | 年4回 |
試験内容 | (学科試験):問題数20問
(実務試験)処方箋から調剤報酬明細書作成。以下よりいずれか3問
|
合格率 | 8割以上の正答 |
試験場所 | 在宅受験 |
受講料 | 7,700円 |
調剤事務管理士
調剤事務管理士は、調剤薬局事務として働くために必要な知識・技能を身につけていることを証明する資格です。この資格も、持っていると就職や転職の際に有利なので、取得をおすすめします。
受験資格 | なし |
平均合格率 | 60% |
試験回数 | 毎月 |
試験内容 | (学科試験)マークシート:択一式10問
(実技試験)マークシート:択一式:調剤報酬明細書の作成2問
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合格基準 |
|
試験場所 | 在宅受験 |
受講料 | 6,500円 |
また、「資格取得は時間かかるし大変だから、基本的な薬の知識だけ身に着けておきたい」とお考えの方には、以下の本をおすすめします。
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実際に働くために必要な知識が満載な本ですので、これから調剤薬局事務を目指す方は、ぜひ読むべき一冊です。おすすめポイントを以下にまとめましたので、ご参考にしてくださいね。
まとめ:調剤薬局事務は未経験でも資格を取ると有利になる!
出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1110118
今回の記事では、調剤薬局で事務作業を担当する調剤薬局事務について紹介しました。以下に、記事のまとめを載せましたのでご覧ください。
調剤薬局事務の主な仕事内容3つと医療事務との違い
調剤薬局事務の仕事は、薬剤師の補助や雑用も含めて幅広いですが、大きく分けると以下の3つです。
- 受付業務
- 会計
- 調剤報酬請求(レセプト作成)
調剤薬局事務と似た職業に医療事務があります。その違いを以下にまとめましたので、ご覧ください。
調剤薬局の勤務地と雇用形態による給料の比較
調剤薬局事務の主な勤務地は、調剤薬局やドラッグストアです。以下に、雇用形態による平均年収や時給をまとめました。
- 正社員の平均年収:250~300万円
- 正社員の平均月収:18~20万円
- アルバイト・パートの時給:800~1,000円
- 派遣社員の時給:1,500~1,800円
調剤薬局事務のメリットや大変なことは?
調剤薬局事務が特に女性に人気な理由として、以下の3つがあげられます。
- 全国各地で働ける
- ライフスタイルに合わせて働ける
- 専門的な知識やスキルが身に着く
調剤薬局事務として未経験で働く場合、次の3つのことが大変だと感じやすいです。
- レセコン操作(データ入力)
- 業務内容や薬の名前が多い
- 仕事の割に給料が安い
調剤薬局事務に「向いている人」と「向いていない人」の違い
調剤薬局事務には、向き不向きがあります。調剤薬局事務に向いている人の特徴は以下の3つです。
- 協調性がある
- 素直
- 要領がいい
反対に、協調性がない人やプライドが高く自己主張が激しい人は、薬剤師と反発し合うため調剤薬局事務には向いていないです。
調剤薬局事務に役立つ資格2選
調剤薬局事務は、無資格・未経験でもなれますが、誰でもなれるので応募者が多く、採用されるのは経験者や有資格者が優先されます。
そこで、未経験でも受かりやすくなり、仕事にも早く慣れるために以下の資格の取得をおすすめします。
- 調剤事務実務士
- 調剤事務管理士
調剤薬局事務は未経験から目指せて、ライフスタイルに合わせた働き方ができる仕事です。目指されてる方は、ぜひ今回紹介した資格や本を参考にしてくださいね。