最近、YouTube広告やネット広告で耳にすることの多い格安SIMとは何なのだろう?
よく聞くけど仕組みがわからなかったり、サービス品質に不安があったりして導入をためらっている人も多いのではないでしょうか。
この記事では格安SIMとはどのような仕組みなのかを解説した上で、メリットやデメリット、導入の仕方を紹介しています。格安SIMについて知りたい人や利用の効果を知りたい人はぜひご覧ください。
(出典:https://pixabay.com/ja/photos/iphone-%e3%82%b9%e3%83%9e%e3%83%bc%e3%83%88-%e3%83%95%e3%82%a9%e3%83%b3-410324/)
格安SIM(シム)とは
格安SIMとは、大手通信キャリアの運営するSIMよりも安く利用できるSIMのことを指します。
普段、私達が利用する携帯電話やスマホはSIMカードという薄いICチップのような形をした内蔵モジュールがないと電話や通信機能を利用できません。
つまり、このような通信端末は、SIMカードを挿入することで通信やネットへの接続ができるようになる仕組みになっているのです。
中でも格安SIMは大手の携帯キャリア(docomoやau、SoftBank等)よりも安く使用することができ、通信料を抑えられるため、携帯キャリア選びの新たな選択肢となっているのです。
こんなに安くて大丈夫?格安SIMの仕組み
お財布に優しい格安SIMですが、安すぎるあまり「大丈夫?ちゃんと使える?」と不安に思う人もいるでしょう。格安SIMの仕組みを知ることで安心してサービスの利用を検討していきましょう。
格安SIMサービスの担い手「MVNO」とは?
格安SIMを提供する通信業者はMVNOと言います。MVNOの定義は自前の通信設備を持たない通信業者であり、基本的に大手キャリアの所有する通信設備を借りる形で通信業を運営しています。
通信設備を自社所有するには多額の初期投資やメンテナンス費用がかかりますがMVNOは大手キャリアから回線をレンタルしているためこれらの費用を抑えることができます。
「安いから繋がらない」と勘違いしている人もいますが、使用しているのは大手通信キャリアの通信設備のため、通信性能も大手キャリアと変わりないことがポイントです。
浮いた費用を消費者に還元!格安SIMのビジネスモデル
通信設備に関わる費用を抑えられることがMVNOの特徴ですが、さらにMVNOの多くは大手キャリアと違い基本的に実店舗を持たないという特徴もあります。
店舗維持に関わるコストや店舗スタッフへの人件費等を削減できるため、さらに経費を抑えることができるのです。
つまり、本来かかるはずの経費を抑え、その分を安い価格というかたちで消費者に還元するのが格安SIMのビジネスモデルなのです。
格安SIMのメリットとは?
格安SIMの仕組みを理解した上でそのメリットを確認していきましょう。
1.大手の半額以下?!通信料が安い
格安SIMの1番のメリットは価格が安いことでしょう。ここでは大手キャリアで1番のシェアを誇るdocomoと格安SIM業者であるUQモバイル(au回線)の料金プランを簡単に比較してみました。
例えば、大手キャリアのdocomoの4Gギガライトプランで月7ギガを使った場合、月額基本料金は税込6,765円(割引なしの場合)となります。
一方、格安SIMのUQモバイルの15ギガ使い放題プランは月税込2,728円のため単純に月額負担が半額以下になります。
大手キャリアは、家族電話かけ放題プランがあったりオプションを追加すると通信料が安くなったりする場合がありますが、LINEやネット検索でしか通信量を使わないような人であれば格安SIMが有利と言えます。
2.自分に合ったプランを作れる!料金体系が細かい
格安SIMはデータ通信量に応じて細かい料金プランが設定されていることが多いです。
大手キャリアでは通信量大容量プランと小容量プランの2種類のプランを用意していることが多いですが、両プランの中間ほどの通信量を使う人にとっては容量の使いすぎや容量余りが起こる可能性ができてしまいます。
一方、格安SIMでは利用する通信量や期間に応じて細かい料金プランが設定されていることも多いため自分にあった最適なプランを作ることができます。
最近では未利用のデータ容量を翌月に繰り越したり、使った分だけ利用料が変動したりするプランも登場してきています。このように無駄なく通信量を使い切りたい人にも格安SIMはオススメだと言えます。
格安SIMのデメリットとは
安くて便利な格安SIMですが、その反面いくつかのデメリットもあります。2つの項目を確認しましょう。
キャリア独自の機能が使えない
大手キャリアから格安SIM乗り換える際はに大手キャリアが独自で提供していたサービスが使えなくなるので注意しましょう。
代表的なものとしてはキャリアメールが使えなくなることが挙げられます。
キャリアメールとはdocomoの場合は「〜docomo.ne.jp」で終わるようなメールアドレスのことです。
代替手段としてはGmail等のフリーメールを使うことで対応ができます。これらはネットのクラウド上でデータが保存されるので容量も大きく、慣れてしまえば、特段不便なことはないでしょう。
店舗でのサポートが受けられない
格安SIMのキャリアは店舗を持たないか、大手キャリアより少数店舗で運営されているため、大手キャリアのようにサービス窓口に行ってサポートを受けることは困難です。
そのため、自分に合ったプランの組み合わせや、故障時のサポート等は自分でHPを参照したり、コールセンターに聞いたりして確認する必要があります。
そのため格安SIMを利用するにはある程度のネットリテラシーや検索力が必要だと言えます。
こんな人にオススメ
ここまで格安SIMの仕組みやメリット・デメリットを確認してきましたが、それらを踏まえると結局どのような人に格安SIMがオススメと言えるのかをまとめました。
通信費で月5千円以上の出費がある人
格安SIMの最大のメリットは安さです。現状、1万円を超える通信料に関わる出費がある人は格安SIMで自分にあったプランに変更することで費用を抑えられる可能性が非常に高いと言えます。
また、多くの通信キャリアが通信量に応じた細かい料金プランを用意しているので、通信料金が月5千円程度の人でも見直しの価値は十分にあります。
自分にあったプランを調べることができる人
格安SIMキャリアは店舗でのサポートを行っていないことがほとんどですので、自分で自分にあったプランや格安SIM業者を選ぶ必要があります。
そのため、ネットで各サービスを比較検討する力や現状の自分の通信量のデータを調べることが不可欠です。
大変なように思えますが、現在はネットでの価格比較サイトを確認したり、ブログやキャリアが提供しているネット記事などで手軽に料金やメリットの比較ができます。
現在の通信量については携帯の設定アプリや、既加入キャリアのマイページ等で確認できるので、これについても大きな負担なく調べることができます。
自分に合ったキャリアを選ぶには?
以前は契約期間内解約の違約金等といった商慣習があり、格安SIMへの乗り換えには困難が伴うこともありましたが、最近はそういった慣習も見直され、プランの切り替えが容易になっています。
最後に格安SIMへの乗り換えを検討される方がやるべきことをまとめました。
現在の通信量・利用シーンを確認しよう
まずは、今使っている携帯やスマホで月どれくらいの通信量を利用しているかを確認しましょう。
月ごとに利用量のブレがあるはずなので、5〜7ギガ程度の幅を持たせて確認するとゆとりを持ったプラン選択ができるはずです。
また、通信量をどのように消費しているのかも確認すると良いでしょう。
動画をたくさん視聴する人は大容量かつ通信速度の早い(5Gなど)プランがオススメですし、ネット検索やラインメインの人は少ない容量で通信速度も一般的なレベルのプランを選ぶと良いでしょう。
どの会社の回線を使用しているか確認しよう
キャリアを選ぶに当たって自分にあったプランを提供している会社を選ぶことは最優先事項ですが、現在利用しているキャリアと同じ回線を使用している格安SIMを選ぶこともオススメです。
現在、利用している回線から別の回線のSIMカードに移行する際は「SIMロック解除」という手続きが必要にあることがあり、場合によっては解除手数料が必要になります。
現在はSIMロックが適用される機種も減少傾向となっていますが、別通信キャリアへの移行を検討する際には事前にどんな手続きが必要で、費用負担があるのかは確認しておくと良いでしょう。
同一回線での移行ではSIMロック解除手続きはいらないので、特段こだわりがなければ同じ通信回線を使用しているキャリアのプランを優先して確認するのがオススメです。
格安SIMとは?仕組みと利用方法を解説! まとめ
格安SIMとはdocomoやau等の大手キャリアよりも安い価格で利用できる通信サービスのことです。格安SIMを提供するMVNOは設備費用や人件費を抑えることで安価なサービスを実現しています。
格安SIMは通信費の負担を減らしたい人や、自分に合ったプランを検索し、見つけることができる人には特にオススメです。
一方、現在使用しているキャリアから移行する際は、いくつか使えなくなる機能があったりSIMロック解除といった手間や費用が発生する可能性もあるので事前に調べておくことが重要です。
以上の点を踏まえた上で格安SIMに興味を持った方はぜひ利用を検討してみてください。