「小さくてふわふわのピグミーマーモセット。どんな性格してるんだろう?甘えん坊だったら飼いたいな」「寂しいからペットを飼いたいけど、ピグミーマーモセットってどうかな」と思ったこと、ありませんか。
あの小さな体で一生懸命エサを食べるピグミーマーモセット。愛くるしくて一度触れてみたいですよね。
しかしそれは可能なのでしょうか。この記事では以下の3点を解説しています。
- ピグミーマーモセットの性格・生態
- ピグミーマーモセットを飼うのは現実的じゃない理由
- ピグミーマーモセットではない、飼いやすい、よくなつく小動物4選
「飼うのは現実的じゃない」と先に言ってしまいましたが、もっと飼いやすい小動物も紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。
アイキャッチ画像出典:https://pixabay.com/photos/pygmy-marmoset-monkey-chester-zoo-7154196/
ピグミーマーモセットは人になつかない。性格・生態その①
ピグミーマーモセットは警戒心が高く、基本は人間になつきません。
上記動画の草津熱帯圏さんでも「飼育員と目が合えばダッシュで逃げる」というくらい。
トイレなどのしつけはできないと思いましょう。もし飼えたとしても、部屋のあちこちで排泄される覚悟が必要です。
彼らと遊んだり、あなたの身体に登らせて触れ合ったりということは期待しない方が良さそう。そういうことができたらきっと楽しいんでしょうけれど。
ピグミーマーモセットは知能が高い。性格・生態その②
ピグミーマーモセットの主食は「樹液」。自分の歯で木に傷をつけそこからにじみ出た樹液を食べますが、その方法で知能の高さがわかります。
彼らは何本もの木に傷をつけて周り、樹液が溜まる翌日に戻ってきて食べるのです。
これはつまり、樹液が出るまで時間がかかることを知っていて、明日食べる分をあらかじめ準備しているということ。
農業のように「未来の収穫を期待して行動」できる。これは人間とピグミーマーモセットだけと言われています。
ピグミーマーモセットの生きる環境は。性格・生態その③
エクアドル・コロンビア・ブラジルなど、南アメリカの温暖な地域に生息しているピグミーマーモセット。
彼らは木の上で一生を過ごし、朝起きて夜には眠ります。夜行性ではありません。
部屋の中で飼うとするなら、ストレスにならないようこんな工夫をしてあげたいもの。
- 日が暮れたら電気を消し、夜は活動しない
- 常に夏のような気温を保つ
- 部屋の高い位置に、枝の代わりになるものをはりめぐらす
これでもなつかないと言うんですから大変ですね。もし飼うなら、報われない愛情を注ぎ続ける覚悟が必要です。
ピグミーマーモセットは群れで生活する。性格・生態その④
ピグミーマーモセットは1頭〜2頭のオスを筆頭に5〜10頭の群れで生活します。
イメージは「サル山とボス猿」ですね。日本猿とは規模が違いますが、同じようなイメージで考えて良さそうです。
孤独な環境だとストレスになってしまいそう。飼えるものなら何頭かまとめて飼ってあげたいところ。
ここまでピグミーマーモセットの性格や生態を読んでみてどう思われましたか?私は「ちょっとペットには向かないかな」と思ってしまいました。
ピグミーマーモセットの身体的特徴
ピグミーマーモセットの特徴はとにかく小さいこと。体長が大人で15センチ程度と、大きくなっても手のひらに収まってしまうサイズです。
体重も平均100グラム以下と、例えるならパプリカやキウイフルーツくらいしかありません。そんな小さな身体であちこち飛び回るのですから、もう可愛らしくて仕方ないですね。
1998年にピグミーネズミキツネザルが発見されるまでは「世界最小のサル」と言われていました。
ピグミーマーモセットを飼うのが現実的じゃない理由
ピグミーマーモセットは「取引を規制しなければ絶滅のおそれ」がある野生動物として「ワシントン条約」に記載されています。輸入するには輸出国の許可が必要で、基本的に国内で繁殖した個体しか買えません。
つまりピグミーマーモセットを飼えない理由は「入手が極めて困難」だからです。縁があって飼うことができても、ただ飼うだけでは彼らの絶滅を止めることにはなりません。繁殖させることを踏まえて飼いたいですね。
参考:経済産業省「ワシントン条約規制対象種の調べ方」https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kankyo/jyoyaku/wasntn.html
※「PRIMATES《サル目(霊長目)》」として他の多くの種とまとめられています。ピグミーマーモセット単独では記載ありませんので注意を。
国内にブリーダーは存在するけど、極めて少ない
上記Instagramは神戸ZOOMさん。他にも水戸市のExotic animals Daytonaさんもピグミーマーモセットの写真をホームページで公開しています。
入手が困難とはいえ、不可能じゃないのはこの方々がいるから。ネットに情報公開していない方もきっとどこかにいることでしょう。
どうしても飼いたいのであれば相談してみるのも一つの手です。既に予約されている可能性はありますが、話くらいは聞いてくれるかもしれません。
群馬へ行けばピグミーマーモセットと会える
「ピグミーマーモセットを飼えないのはわかった。でも、なんとか会うことくらいはできないかな?」と思ったあなた。群馬の「草津熱帯圏」に行けば会えます。
かつては全国数カ所の動物園にいたらしいのですが、ここ数年で立て続けに亡くなってしまったそうです。現在、日本国内で生きたピグミーマーモセットに会えるのは「草津熱帯圏」一ヶ所のみ。
2022年10月時点で、オスとメス1頭ずつのつがいで飼育しているようです。ぜひ繁殖に成功して欲しいですね。
草津熱帯圏の公式ホームページはこちらです。大人1人¥1,100円というリーズナブルさ。お近くに行った際はぜひ会いに行きましょう。
温厚な性格でよくなつく。そんな小動物ペット4選
ピグミーマーモセットを飼うのは現実的ではありません。もっと手軽に飼うことのできる小動物はたくさんいますので、そちらを検討しましょう。
小動物の中でも、よくなついてスキンシップが取れる種類を4種まとめました。
- ハムスター
- フェレット
- シマリス
- 文鳥
あまり目新しい変わった子たちではありませんが、その分グッズも豊富ですし、お医者さんにもかかりやすい。愛らしく飼いやすい彼らを紹介していきます。
ハムスター
小さくてもふもふのハムスター。Instagramなどでもかわいいペットの定番です。
気をつけなければならないのは、繁殖力がとても強いことと、見失うと踏んでしまいそうになること。
小さな容器に何匹もすし詰めになっている姿はもう、ずーっと見ていられますよね。
大きさ | 7〜20cmほど |
値段 | 1,000〜3,000円ほど |
寿命 | 2年ほど |
フェレット
こちらももふもふの定番、フェレット。ハムスターやピグミーマーモセットと比較すると大きな動物ですが、それでも小型犬や猫くらいの大きさです。そしてとてもよくなつきます。
胴が長く足が短い体型で見た目から愛らしく、好奇心旺盛で飼い主と一緒に遊んだりする一面も。
大きさ | 40〜50cmほど |
値段 | 20,000〜50,000円ほど |
寿命 | 6〜10年ほど |
シマリス
「リスといえばこれ!」と言う見た目のシマリス。ひまわりの種をほおばる姿が愛らしいですよね。
ペットとして飼えるリスの中でもシマリスが最もなつきやすく、飼っていて楽しいペットです。
ただ臆病なので、じっくりゆっくりスキンシップをとっていきましょう。
大きさ | 12〜15cmほど(しっぽを除く) |
値段 | 5,000〜10,000円ほど |
寿命 | 6〜8年ほど |
文鳥
ちょっと方向性を変えて、文鳥です。愛情深くとてもなつきやすいですが、嫉妬深く寂しがりやな一面があります。
1羽で飼っているうちは飼い主さんに懐くけれど、つがいで飼うと2羽で世界を作ってしまい、飼い主さんに興味をなくすことも。
大きさ | 13~15cmほど |
値段 | 3,000〜8,000円ほど |
寿命 | 7〜8年ほど |
ピグミーマーモセットは臆病な性格。今から飼うのは難しい。
ピグミーマーモセットの性格や生態、ペットとして不向きな現状をご理解いただけたでしょうか。
小さくてふわふわで。顔のパーツがキュッと中央に集まっているあの愛らしさ。私自身も触れてみたいと思ってしまいます。
しかし、実際に飼うためにはいくつもハードルがあるうえ、1頭あたりの価格も想像がつきません。
何よりピグミーマーモセットは絶滅が心配されています。意図せず密輸入などに関係しないよう、気をつけましょう。