「昆虫の王様」であるカブトムシに憧れを持ち、実際に飼育してみるという方も多いでしょう。しかし、飼い方を知らなければ、カブトムシはすぐに死んでしまいます。
せっかく飼い始めたカブトムシがすぐに死んでしまったら悲しいですよね。しかし、正しい飼い方さえ知っていれば長生きし、産卵させることだって可能なんですよ!
この記事では、カブトムシを飼い始める方へ向けて、幼虫と成虫の飼育方法をご紹介します。飼育時のポイントもご紹介しているので、是非参考にしながら最後まで読んでください!
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カブトムシの飼い方を知る前に成長過程を知ろう

カブトムシを飼育するためには、カブトムシが卵から成虫までどのような過程を経て成長していくのかを知ることが大切です。
以下ではカブトムシの成長過程についてご紹介しますので、しっかり覚えて、立派なカブトムシを育てていきましょう!
時期 | 成長過程 |
8月~翌年4月 | 卵⇒幼虫 |
5月~6月 | 幼虫⇒さなぎ |
6月~8月 | さなぎ⇒成虫 |
なお、温度、湿度など飼育環境によって成長過程は変化しますので、ご紹介した成長過程はあくまで自然環境での成長過程だと思ってくださいね!
カブトムシの幼虫を飼うポイント2選

ここでは幼虫を飼育する場合のポイントを2つご紹介していきます!
- 幼虫を大きくすれば成虫が大きく育つ
- さなぎになったら衝撃を与えない
幼虫を大きくすれば成虫が大きく育つ
衝撃の事実をお伝えします。実はカブトムシの成虫は1㎜も大きくなりません。
大きなカブトムシを育てたいという方は、幼虫をどれだけ大きくできるかがカギです。たくさんエサを食べさせて、大きな幼虫を育ててくださいね!
さなぎになったら衝撃を与えない
幼虫がさなぎになるとき、土まゆを作ります。この土まゆは一度壊れると作り直すことができません。
せっかく育てたのに土まゆが壊れたせいで死んでしまったら、とても悲しいですよね。
幼虫を成虫にするためにも、土まゆを壊してはいけません。極力衝撃を与えないようにしてくださいね。
カブトムシの幼虫の飼い方①:飼育に必要な設備・道具4選
この段落ではカブトムシの幼虫の飼育環境を整備する上で必要な設備・道具を4つご紹介します。
- 飼育ケース
- 幼虫フード・クヌギマット
- 昆虫ウォーター
- ディフェンスシート
飼育ケース
幼虫の飼育数によって、必要な飼育ケースが異なります。以下の表で飼育数ごとにどのくらいの大きさの飼育ケースが必要なのかをご紹介します。
幼虫の飼育数 | 必要な飼育ケースの大きさ |
1匹 |
|
3匹程度 | Mサイズのケース(横30㎝×奥行20㎝×高さ25㎝くらい) |
5匹程度 | Lサイズのケース(横35㎝×奥行25㎝×高さ30㎝くらい) |
10匹~50匹程度 | 衣装ケースサイズ(横70㎝×奥行35㎝×高さ40㎝くらい) |
幼虫が大きくなるように、ケースは大きめにした方が良いでしょう。また、マットの深さを10㎝以上にできるケースがおすすめです。
以下でおすすめするのは「コバエシャッター」という商品で、飼育時に発生するコバエをシャットアウトまでしてくれる優れものです。
また、大中小ミニサイズがあり、飼育数に応じて以下のように対応しています。外から幼虫の成長を見ることもできるので、幼虫飼育に非常におすすめです。
幼虫の飼育数 | 対応する「コバエシャッター」の大きさ |
1匹 |
|
3匹程度 | 中(横29.8㎝×奥行19.5㎝×高さ21㎝) |
5匹程度 | 大(横37㎝×奥行22.1㎝×高さ24㎝) |
幼虫フード・クヌギマット
幼虫を飼育するには寝床やエサとなる土が必要です。カブトムシはクヌギの木に集まることが多いので、幼虫にはクヌギマットを用意するといいでしょう。
ただし、新しいクヌギマットは微生物が活発に活動するため、炭酸ガスが発生し、幼虫が呼吸できなくなる可能性があります。
ガス抜きをすれば問題ありませんが、それを手間だと感じる方は腐葉土やその他幼虫フードでも構いません。
以下にはおすすめのクヌギマットと腐葉土をご紹介します。幼虫の成長に必要な成分がたっぷりなので、どちらかを是非購入してみてください。
昆虫ウォーター
カブトムシはジメっとした環境に生息しています。したがって、土を乾燥させてはいけません。
そこで役に立つのがこの昆虫ウォーターです。マットに挿しておくだけで、マットの乾燥を防いでくれますよ。
ただ、新しいマットをケースに入れるときは霧吹きタイプの昆虫ウォーターが使いやすいので、状況に応じて、挿すタイプと霧吹きタイプを使い分けてくださいね。
以下では、挿すタイプと霧吹きタイプの昆虫ウォーターをご紹介します。どちらもあると飼育に便利なので、是非購入してみてください。
ディフェンスシート
ディフェンスシートはケース内の保湿とコバエ侵入防止に非常に役立ちます。マットの保湿やコバエ駆除の回数を減らすためにもディフェンスシートはあった方がいいです。
以下ではおすすめのディフェンスシートをご紹介します。コバエの侵入を防ぐだけではなく、消臭もできるので、飼育時に発生する匂いを抑制できますよ!
カブトムシの幼虫の飼い方②:管理方法
ここではカブトムシの幼虫の管理方法についてご紹介していきます。幼虫を管理するため、温度や湿度、飼育ケースをどこに置けばいいのかなど疑問点はたくさんあるでしょう。
したがって、以下ではあなたが実際飼育するときに思うと予想される疑問とその回答を表でまとめました。以下を参考にして、大きなカブトムシを育てましょう!
飼育時の疑問 | 回答 |
飼育ケースの温度と湿度は? |
|
幼虫フード・クヌギマットの交換頻度は? | 約2週間 |
飼育ケースはどこに置けばよい? | 直射日光に当たらない静かな場所 |
幼虫は素手で触れる? | 素手では触らず、軍手をする |
カブトムシの幼虫の飼い方③:地表に出てきた時の対処方法
普段地中で生活している幼虫が突然地表に出てきたら「何かあったのか」と心配になりますよね。幼虫は話せるわけでもないので、対処の仕方が分かりません。
幼虫が地表に出てくるということは、以下の2つの原因があると考えられます。
- マットが不衛生
- マットの発酵によりガスが発生している
マットが不衛生
定期的にクヌギマットを交換していますか?クヌギマットを交換しないと幼虫のふんだらけになっている可能性があります。
ふんがあるところでは生活したくないですよね。幼虫も同じですよ。ふんが溜まってくる2週間を目安に新しいマットへ交換してあげましょう。
マットの発酵によりガスが発生している
マットに含まれる枯葉や木を微生物が分解する際に炭酸ガスを出します。飼育ケースの通気性が悪いと炭酸ガスがたまり、幼虫が呼吸できなくなるので、地表へ出てきてしまうのです。
これは新しいマットに交換したときに起きやすく、微生物の働きが活発であることが原因です。
飼育ケースに穴を開けて通気性をよくしたり、マットを加湿しながら数日置いてガス抜きしたりすることでガス抜きができます。
また、腐葉土はガスが発生しないので、クヌギマットではなく腐葉土を使うのも手ですね!
カブトムシの幼虫の飼い方④:全く動かない時の対処方法
幼虫が全く動かないとき、生きているのか不安になりますよね?でも、死んでいるわけではありません!
幼虫が死んでいる場合は体がしぼんで黒く変色します。逆にいうと、体が変色していなければ、生きている証拠なので安心してくださいね!
幼虫が動かないことには以下の2つの原因が考えられます。どちらも死につながるような理由ではないので、焦る必要はありませんよ!
- 気温が低い
- さなぎの準備をしている
気温が低い
幼虫が全く動かない理由の1つ目は「気温が低い」ことです。幼虫は寒い冬を越すために気温が低いと冬眠状態に入ります。
春になり、気温が上がれば、また元気に動き出すので安心してくださいね!
さなぎの準備をしている
幼虫が全く動かない理由の2つ目は「さなぎの準備をしている」ことです。さなぎになる準備ができた幼虫はエサを食べなくなり、周りの土を押し固めて自分の体を収める空間を作ります。
するとだんだん動かなくなり1か所に留まるようになります。うまく成長が進んでいる証なのでそっと見守ってあげてください!
カブトムシの成虫の飼い方①:飼育に必要な設備・道具7選
次にカブトムシの成虫の飼育の仕方についてご紹介していきます。
成虫と幼虫では飼育に必要な設備や道具が異なるものがあります。以下で成虫の飼育に必要な設備・道具を7つご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください!
- 飼育ケース
- 昆虫マット・クヌギマット
- 朽ち木
- 昆虫ウォーター
- 昆虫ゼリー
- エサ台
- ディフェンスシート
飼育ケース
成虫を育てる場合も、飼育数によってケースの大きさを分けましょう。幼虫と同じように1匹に対して少し大きめのケースを用意してください。
以下では飼育数に応じて必要な飼育ケースの大きさを表にまとめてあるので、購入時の参考にしてください。
成虫の飼育数 | 必要な飼育ケースの大きさ |
1匹 | Sサイズのケース(横20㎝×奥行15㎝×高さ18㎝くらい) |
3匹程度 | Mサイズのケース(横30㎝×奥行20㎝×高さ25㎝くらい) |
5匹程度 | Lサイズのケース(横35㎝×奥行25㎝×高さ30㎝くらい) |
おすすめの飼育ケースは幼虫の時と同じ「コバエシャッター」です。成虫は強い力でケースのふたを開ける可能性がありますが、このケースはふたもしっかり閉まるため、問題ありませんよ!
以下に、成虫の飼育数と対応する「コバエシャッター」の大きさを示しますので、参考にしてください!
成虫の飼育数 | 対応する「コバエシャッター」の大きさ |
1匹 | 小(横23㎝×奥行15.3㎝×高さ17.3㎝) |
3匹程度 | 中(横29.8㎝×奥行19.5㎝×高さ21㎝) |
5匹程度 | 大(横37㎝×奥行22.1㎝×高さ24㎝) |
昆虫マット・クヌギマット
成虫の場合でも、マットは必要不可欠です。できるだけ自然な環境に近づけて、成虫にストレスを与えないようにしましょうね!
成虫の飼育におすすめのマットは幼虫と同じです。この記事でご紹介したマットは幼虫と成虫兼用なので、1つ買っておけば成虫になったときに買い替える必要がないため、非常に楽ですよ。
朽ち木
成虫が転倒し、ひっくり返ったときに周りにマットしかないと起きあがることができず、そのまま死んでしまうことがあります。
成虫を長生きさせるためにも転倒用に朽ち木をケースに入れておきましょう。公園で拾った木でも構いませんが、虫が湧く可能性があります。
そうならないためにも、以下の商品のように人の手で加工された朽ち木がおすすめですよ!
昆虫ウォーター
昆虫ウォーターの使用用途は幼虫の時と同じで、マットが乾燥しないようにすることです。
しっかりと保湿することやマットに栄養を与えることができる以下の商品がおすすめなので、是非購入してみてください!
昆虫ゼリー
成虫は幼虫と違って、マットは食べません。その代わりとなるエサが必要です。成虫に与えるエサは栄養価が高い昆虫ゼリーにしましょう。
たまにスイカを与える方がいますが、スイカには水分が多く、カブトムシがお腹を壊したり、虫が湧いたりするため、控えてください。
昆虫ゼリーは以下の商品がおすすめです。大手のフジコンが手掛けているので信頼性があり、100個入って1,000円以下なので非常にお得ですよ。
エサ台
エサ台がないと昆虫ゼリーがカブトムシによってひっくり返り、土やふんで汚れてしまいます。私たちが床に落ちたご飯を食べると身体を壊すことがあるのと同じ危険性があります。
汚れたご飯は食べたくないですよね。したがって、エサ台は必須です。以下の商品は16gのゼリーが2つ入るので、1晩に昆虫ゼリーを2つ食べるカブトムシには最適ですよ!
ディフェンスシート
幼虫の時と同じく成虫になってもコバエは悩みの種です。コバエの侵入を防ぐためにもディフェンスシートは必須でしょう。
ディフェンスシートを使って、少しでも飼育の手間を減らしませんか?おすすめの商品は幼虫の時と同じです!これがあるとコバエに対する労力が少なくなるので、ぜひ購入してください!
カブトムシの成虫の飼い方②:管理方法
ここではカブトムシの成虫の管理方法についてご紹介していきます。成虫にももちろん管理方法がありますよ。
幼虫の管理方法をご紹介した時と同じようにあなたが抱く可能性のある疑問とその回答を以下に表でまとめたので、成虫を管理するときの参考にしてください!
管理するときの疑問 | 回答 |
飼育ケースの温度と湿度は? |
|
クヌギマットの交換頻度は? | 約2週間 |
飼育ケースはどこに置けばよい? | 直射日光に当たらない静かな場所 |
クヌギマットはどのくらいの量を入れればいい? | ケースの深さ10㎝くらいまで |
マットの乾燥を防ぐためにいい方法はないか? | マットの上に落ち葉を入れておくと乾燥防止になる |
ちょうどいいエサの量が分からない | 夕方あげたエサが翌日朝に少し余るくらいがちょうどよい |
ダニや線虫が発生したらどうすればいい? |
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クワガタと一緒に育ててよい? | 喧嘩する可能性があるため、出来るだけ分けた方がよい |
カブトムシを産卵させるための方法
カブトムシを繁殖させたいという方がいるかと思います。その方へ向けて、カブトムシの繁殖方法をここで解説します。
産卵方法はいたって簡単です。7月~8月頃にオスとメスを同じケースに入れておけば、ほとんどの確率で産卵させることができます。
メスは20~30個の卵を産み、卵は10日ほどで孵化します。産卵を確認したら、昆虫マットをクヌギマットに交換しましょう。クヌギマットの交換頻度は10日に1度です。
取り換えたマットを新聞紙に広げ、卵と幼虫を確認したら、親と別のケースに移し替えてください。あとは、ご紹介した幼虫の飼育方法を確認しながら育ててあげましょうね!
まとめ:カブトムシの正しい飼い方を実践しよう
カブトムシを立派に育てたいと思ったことのある方が多いのではないでしょうか?そんな中、せっかく飼育したのにすぐ死んでしまったという苦い経験をした人も少なくないはずです。
カブトムシを飼育するためにはカブトムシがどんな環境に生息していて、飼育時に何を注意しなければいけないのかを知ることが大切です。
あなたはこの記事を読んでカブトムシの飼育に必要なことを十分学ぶことができたと思います。
さあ、カブトムシの飼い方を学んだあとは実践あるのみです!この記事でご紹介した飼育に必要な設備・道具を実際に揃え、立派なカブトムシを育てあげましょう!