「他の犬や人が近づくと、『待て』が全く伝わらなくなってしまう……」「外出先でも待てるように、しつけをしたい」と悩んでいませんか?
愛犬にとって外の世界は誘惑がありすぎて、なかなか言うことを聞いてくれないですよね。
実は、しつけには段階的なアプローチがあり、誰でも簡単に「待て」を教えることができます。
本記事では、愛犬に「待て」のしつけが必要な理由やタイミング、注意点、手順を紹介します。
本記事で紹介している方法を実践すれば、外出先でも「待て」ができるように変わりますので、最後までご覧ください。
アイキャッチ画像出典:https://pixabay.com/ja/photos/%E3%82%A8%E3%83%AB%E3%82%B5%E3%83%AB%E3%83%90%E3%83%89%E3%83%AB-%E6%95%A3%E6%AD%A9-%E5%85%AC%E5%9C%92-%E7%8A%AC-1782203/
犬に「待て」のしつけが必要な理由

「待て」をしつけることは、愛犬との生活をより安全で快適にするために欠かせないものです。
なぜなら、犬の衝動的な行動を予防し、さまざまな状況でのトラブルや危険の回避に繋がるからです。
たとえば、犬が外出中に車道に飛び出そうとしたり、突然リードが離れてしまったりする瞬間が挙げられます。
また、他の犬を見たときに興奮してしまい、急に走り出したり吠えたり、飛びついたりして困る場合があるでしょう。
興奮状態でも「待て」のしつけがしっかりと伝わると、犬を素早く落ち着かせ、事態をコントロールできるのです。
犬に「待て」をしつける前の準備

無計画にしつけを始めると、諦めてしまう可能性があります。なぜなら、しつけが思うように進まず、飼い主がイライラするからです。
そのため、計画的にしつけを始めましょう。次の章では、犬に「待て」をしつける前に準備することを3つ解説します。
- タイミングが合っているか確認する
- 集中できる場所を確保する
- おやつを準備する
タイミングが合っているか確認する
犬に「待て」のしつけを始めるタイミングが合っているか確認しましょう。しつけを始めるタイミングの目安は、子犬の場合、飼い始めてから1〜2週間です。
成犬の場合は、子犬よりも環境に慣れるまで時間がかかる傾向にあるため、2週間〜1ヵ月後に開始すると良いでしょう。
犬を飼い始めて間もない時期は、新しい環境に適応し、リラックスできるようになるための大切な時期です。
そのため飼い始めの時期に「待て」のしつけを始めても、飼い主の指示に注意を払えず、うまくいかない可能性があります。
犬が、新しい環境に慣れてから、「待て」のしつけを始めてみましょう。
集中できる場所を確保する
「待て」のしつけには、集中できる場所を確保しましょう。テレビの音や子どもの遊ぶ声、散らかったおもちゃが多い場所では、集中力を保てません。
そのため静かな部屋を選ぶ、時間を決めて家族にも静かにしてもらうなど、犬が集中できる環境を作ってあげましょう。
集中できる場所があると、犬の集中力が向上し、より早く「待て」のしつけを身につけられます。
おやつを準備する
犬に「待て」を覚えると、良いことがあると認識してもらうために、おやつを準備しましょう。
おやつには、愛犬の好物や、毎日与えているドライフードが一般的に使われています。
おやつの与えすぎが心配な場合は、小粒でカロリーが低いものやジャーキーを小さくちぎったものを、与えましょう。
また、おやつに興味を示さない犬には、おもちゃを使用してもよいです。
犬に「待て」をしつける時の注意点

犬に「待て」をしつける時の3つの注意点を理解して、愛犬との絆をより深めていきましょう。
- 短時間から始める
- 食事時の「待て」は避ける
- 声の大きさに注意する
1つ目の注意点は、「短時間から始める」ことです。
最初は1秒や2秒といった短時間から始めましょう。長時間の「待て」から始めると、愛犬がストレスを感じてしまいます。
2つ目の注意点は、「食事時の『待て』は避ける」ことです。
食事を待たせると、食べる時の勢いが増し、早食いに繋がります。早食いは喉のつまりや肥満の原因のため、食事時の「待て」は、やめましょう。
3つ目の注意点は、「声の大きさに注意する」ことです。
大きな声で「待て」と言ってしまうと、愛犬に恐怖心を与えてしまいます。落ち着いた声で指示を出し、愛犬が「待て」に成功した時は、笑顔で褒めましょう。
犬に「待て」をしつける手順3ステップ

犬に「待て」をしつけることは、飼い主との信頼関係を築きあげます。また、衝動的な行動や興奮を抑えるためにも大切です。
ここからは、初めて犬のしつけに挑戦する方でもわかりやすいように、基本的な手順を3ステップで説明します。
- 「お座り」を教える
- 「待て」のしつけを教える
- 外出先でも練習をする
手順①「お座り」を教える
犬に「待て」をしつけるためには、まず「お座り」を教えます。なぜなら、犬が座ることで姿勢が安定し、「待て」をさせやすくなるからです。
以下の「お座り」の手順を参考にさっそく実行してみましょう。
- 飼い主がおやつを手に握る
- 愛犬の注意を引く
- 手に握ったおやつを愛犬の鼻の高さにもっていく
- 鼻の高さからゆっくりと頭上へ移動する
- 愛犬がおやつを追いかけて頭を上げる
- 自然とおしりが地面についたら「お座り」と声をかける
- おやつを与えて褒める
自然とお座りになるように、おやつの位置や動かすスピードを確認しながら、丁寧に行うことがポイントです。
愛犬が「お座り」を理解するまで、繰り返し練習しましょう。
「お座り」ができたら、次に「待て」を教えます。
手順②「待て」のしつけを教える
愛犬が「お座り」の状態で安定できるようになったら、「待て」のしつけを始めます。以下の手順で、段階を踏んで愛犬に「待て」を教えてみましょう。
- 「お座り」をしてから2秒ほど経ったタイミングで「待て」と伝える
- 上手に2〜5秒待てたら「おやつ」をあげて褒める
- 目と目が合ったら「よし」と伝える
- 飼い主が愛犬の後ろに回る
愛犬の目を見て、落ち着いた態度で指示を出すことがポイントです。この短い成功体験を積み重ねて、愛犬の理解を深めていきます。
次に、愛犬が2〜5秒の「待て」をマスターしたら、10秒待つトレーニングに挑戦してみましょう。
- 「待て」と伝え飼い主が愛犬の正面から1歩下がる
- 10秒待てたら「よし」と伝える
- おやつを与え褒める
同じ距離で安定して「待て」ができるようになったら、距離を少しずつ延ばしていきます。成功のたびに褒め、距離を延ばすことで、愛犬の制御する力をさらに養っていけます。
「待て」のしつけは、愛犬との信頼関係を深める絶好のチャンスです。根気強く、愛情を持って練習を続けていきましょう。
手順③外出先でも練習をする
自宅で「待て」ができたら、外出先でも「待て」のしつけをしましょう。
犬にとって外の世界、特に公園は誘惑が多いので、自宅内の練習だけでは十分な実践を積めません。
そのため少しずつ外の環境で「待て」のしつけに慣れさせると、外出先でも「待て」ができます。
具体的にはリードをつけたり外したりする時や、交差点を渡る時に「待て」のしつけをすると、犬の飛び出しを防げます。
まずは、家の庭や玄関前から始めて、慣れてきたら近所の歩道や誘惑の多い公園で「待て」のしつけをしましょう。
しつけがしにくい犬種は?

犬のしつけが、思うように進まない場合、しつけがしにくい犬種の可能性があります。
以下の表に、しつけがしにくい犬の特徴や理由、犬種をまとめましたので、参考にしてみてください。
しつけがしにくい犬種と特徴の一覧表 |
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犬種 | 特徴 | 理由 |
秋田犬・シベリアンハスキー | 独立心が強い | 自己判断で行動をする傾向がある |
シュナウザー・ジャックラッセルテリア | 警戒心が強い | 見知らぬ人や犬に対して攻撃的 |
ボーダーコリー・パピオン | 賢すぎる | 飼い主の指示を疑問視しやすい |
プードル | わがまま | 分離不安・吠える |
独立心や警戒心が強い、賢い犬種はしつけに苦労する場合があります。
なぜなら、自分の判断を優先させる傾向があるので、飼い主の指示を受け入れにくいからです。
しつけがしにくいとされる犬種の特徴を理解し、寄り添いながら信頼関係を築いていきましょう。
【まとめ】しつけを継続して愛犬をリスクから守ろう

本記事では、犬に「待て」のしつけが必要な理由やタイミング、注意点、手順を解説しました。
解説した内容をまとめたので、確認していきましょう。
- 「待て」のしつけは交通事故や興奮、暴走、誤飲を防ぐためにも必要
- しつける前にタイミングや集中できる場所、おやつを準備
- 短時間から始める
- 食事前の「待て」は避ける
- 声の大きさに気をつける
- 少しずつ外の環境で「待て」のしつけに慣れさせる
- 独立心や警戒心が強い、賢すぎる犬種は根気と理解が大切
愛犬が「待て」のしつけを覚えないと、外出先での飛び出しや興奮状態での暴走などによって、事故に繋がる可能性があります。
一方「待て」のしつけをしっかりと理解している犬は、飼い主の指示に従えるので、危険な状況を避けられます。
また、日々の生活の中で愛犬との信頼関係を深め、より充実した時間を過ごすことができるでしょう。
愛犬に「待て」を教えることは、予想できない危険から命を守る大切なしつけです。
今日から少しずつでもしつけを始め、愛犬が安全に、そして快適に生活できるようにしましょう。
- 名前:古田康子
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