転職(退職)理由は、中途採用の面接ではよく聞かれる質問のひとつですが、前向きな理由ではない為、答えにくいと思っている人が多いのではないでしょうか?
「無理にポジティブにしようとしても、噓がばれるんじゃないの?」「前向きな転職(退職)理由ってどんなもの?」などといった人もいるかと思います。
この記事では、なぜ転職(退職)理由が聞かれるのかといった疑問から、転職理由を前向きに言い換えた例、転職理由を上手に答えるポイントなどについて紹介しますので、ぜひ参考にして見て下さい。
出典:https://www.pakutaso.com/20130627164web-4.html
なぜ転職(退職)理由を聞かれるのか?
面接で転職理由を聞く理由は主に、リスクマネジメントとモチベーション把握をするためです。
リスクマネジメント
多くの場合、転職理由と退職理由は同じような内容になるため、同じような理由で入社後、すぐに辞めてしまわないかをチェックしています。
モチベーション把握
「応募者が自社で活躍してくれるか?」「前職の退職理由がやる気の問題ではないか?」を確認するためモチベーション把握をします。
企業の売上貢献などにも繋がるため、どういう意識を持って仕事に取り組んでいるのかもチェックされています。
転職(退職)理由を掘り下げて前向きな想いに気付こう
退職理由はネガティブな理由の人が多いのではないでしょうか。しかし、ネガティブな理由をそのまま面接官へ伝えてしまうとマイナスな印象を与えてしまいます。
紙とペンを用意して「なぜ転職したいのか?」「転職で何を解決したいのか?」「どうしてこの会社に入社したいのか?」などを自分が納得できるまで自問自答を繰り返しましょう。
紙に書き起こすことで整理しやすくなります。転職(退職)理由を深堀することで、本当の理由、前向きな気持ちが隠れていることに気付くかもしれません。
リフレーミングを活用してネガティブをポジティブへ変換しよう
「どうしてもネガティブな内容になってしまう…」という方にはリフレーミングという手法をおすすめします。
リフレーミングとは、物事の見方を変えてみることで物事の捉え方や意味を変化させることで、心理療法などに活用されています。
同じ物事でも、人によって捉え方や感じ方は変わるため、ある人から見たら短所でも違った見方をすれば長所にもなりえます。
ネガティブな内容を前向きな内容に言い換えたリフレーミング例を紹介します。
- 優柔不断 → 慎重
- 口下手 → 聞き上手
- 飽きっぽい → 好奇心旺盛
- 頑固 → 信念が強い
- 消極的 → 協調性がある
- 空気が読めない → 空気を変えることができる
- 貯金があと10万しかない → 貯金がまだ10万もある
このようにどんな物事にもポジティブとネガティブな面があります。ネガティブだから駄目だと思わずに見方を変えてみましょう。
ネガティブな転職理由を前向きに言い換えた例
ネガティブな転職(退職)理由を、前向きに言い換えた例を紹介しますので、自分の転職(退職)理由と比べて参考にしてみてください。
- 愚痴などが蔓延している職場の人間関係に不満がある → 人間関係が良い職場で皆と一緒に気持ち良く働きたい
- 上司や職場の人と合わない → 上司や職場の人とストレスなく協力しながら仕事をしたい
- 残業が多い → メリハリを持って効率的に働いて成果を挙げたい
- 仕事が忙しい → スキルアップのための学びができる環境で働きたい
- 給与が安すぎる → 自分の働きぶりを正当に評価してくれる会社で働きたい
- 仕事がつまらない → 自分の希望にあった活躍の場で働きたい
- ノルマが厳しい → 顧客のために、1件1件とじっくり腰を据えてやり取りしたい
転職(退職)理由に前向きな意味が含まれていることに気付くことは大切です。モチベーションや自信にもつながってくるので前向きに考えるようにしましょう。
前向き回答でも注意しないといけないキーワード
どんな物事にも2面性があるということは、前向きな回答でもマイナスな印象を与えてしまう恐れがあるということです。
ここでは前向きな回答でも注意しないといけないキーワードについて紹介します。
「キャリアチェンジ」
前職と違った職種で働きたいという想いはチャレンジ精神を感じられますが、キャリアの実績と達成状況によっては挫折、中途半端という印象を与えてしまいます。
「ステップアップ、スキルアップ」
自分のキャリアプランをしっかりと考えていて成長意欲も高いという点は良いことですが、見方を変えると「自分のため」というスタンスなので自己中心的という印象を与えかねません。
会社・社会へ利益を還元するという視点を含めた回答するようにしましょう。
転職理由を上手に答えるポイント
転職(退職)理由はデリケートな内容であることが多いため、答えるのが難しいかと思います。マイナスな印象を与えないように上手に答えるポイントを紹介します。
噓の転職理由を作らない
噓の転職理由は、微妙な表情や仕草によって大抵の場合、噓がばれてしまいます。また、噓の理由で入社しても、入社後に辛くなるだけです。
面接官も前職に対する不満があったことは理解しているはずですので、伝え方には気を付ける必要がありますが、誠実に受け答えした方が良い印象を与えるでしょう。
不満・愚痴だけに終始せず、状況と行動を具体的に説明する
前職の不満、愚痴だけを話すと他人のせいにする人、問題解決能力がない人と判断されかねません。
単なる不平不満にならないように前職での問題に対してアクションを起こしたけど解決できなかったなどと具体的な例を話して志望動機や入社意欲へつなげるといいでしょう。
転職理由と志望動機には一貫性を持たせる
転職理由と志望動機に一貫性がないと、本当の理由は別にあるのではないかと疑われてしまいます。
転職理由を前職の不満ではなく、自分の理想とするキャリアプラン、働く目的を実現するために最適でなかったという観点で考えると本音の理由に近づくため一貫性を持たせやすいです。
言わないことを決めておく
複数の理由により退職したという人も多いと思いますが、全てを正直に話すとマイナスな印象を与える可能性が高まります。
転職理由として伝えることは、その企業へ転職することで解決されることだけにとどめて、出来るだけ一つに絞って簡潔に答えるようにしましょう。
自信をもってはきはきと丁寧に話す
自信なさげにボソボソと喋ると、前向きな意見を言ったとしても面接官は「噓を言っているのではないか?」「精神的に弱いのではないか?」とネガティブに捉えてしまいます。
転職理由は答えずらい話題ではありますが、前向きな姿勢と熱意が伝わるように自信をもってはきはきと丁寧に話しましょう。
【人間関係編】前向きな転職理由の例文
人間関係を退職理由として挙げるのは、どの会社でもあてはまりますので面接においては好ましくありません。
人間関係が悪いから退職したということは、裏を返せば「人間関係が良いところでチームワークを活かして働きたい」という気持ちの表れとも言えます。
「前の会社では、個人のノルマを重視されていて、個人で行動することが多く、チーム間のコミュニケーションが僅かでした。
しかし、私はチームで団結して一つの目標に向かって邁進し、成果を挙げたいという想いが強く、退職を決意しました。」
【給与・評価編】前向きな転職理由の例文
給与への不満をそのままぶつけると、お金のことしか考えていないとマイナスな印象を与えてしまいます。
自分の働きぶりを正当に評価してくれる会社で働きたいという前向きな気持ちがあるはずなので、そこを踏まえて伝えましょう。
「前の会社では、年功序列の給与体系だったため、若手が成果を挙げても評価されない、給与額に反映されないことがほとんどで、モチベーションがそがれたこともあります。
そのため、若手でも成果を正当に評価してくれる実力主義の会社に転職して、実力を発揮したいと考え退職を決意しました。」
【多残業】前向きな転職理由の例文
あまりに残業が多かったり、サービス残業などの無駄な残業があると嫌気がさして退職を考える人もいます。
しかし、残業が全く無いという会社は稀です。「うちにも残業あるけど…大丈夫?」とマイナスな印象を与えてしまいます。
「前の会社では、残業することが当たり前という社風があり、上司より先には帰りにくい雰囲気でした。
残業することは厭いませんが、メリハリを持って効率的に業務に取り組むことで、より高い成果をあげたいという想いが強くなり、退職を決意しました。」
【まとめ】どんな転職理由にも前向きな気持ちは含まれている
この記事では、なぜ転職(退職)理由が聞かれるのかといった疑問から、転職理由を前向きに言い換えた例、転職理由を上手に答えるポイントなどについて紹介しました。
きっかけはネガティブな理由が多いかと思いますが、どんな転職(退職)理由にも前向きな気持ちは含まれています。
自分の前向きな気持ちに気付けたら、転職活動もより前向きに頑張れるはずですので、自分の本当の気持ちと向き合ってじっくりと考えてみて下さい!