転職活動では、様々な場面で応募先の企業とメールのやりとりしなければなりません。
メールのやりとりで、選考結果が左右されるわけではありませんが、メールの書き方や言いまわしで、「採用担当者に悪い印象を与えてしまうのではないか」と不安になることも多いですよね!
この記事では、ビジネスメールのルールやマナー、転職活動で役立つメールの例文を紹介しています。転職活動中の方にとって、参考になる内容となっていますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね!
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社会人の常識!ビジネスメールの基本構成を知ろう
まず最初に、ビジネスメールを作成する際の基本構成とルールを説明します。これは、転職活動の時だけでなく、採用後、企業で働く上でも役立つ部分もあるので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
ビジネスメールの基本構成は、件名・宛先・挨拶・本文・締め・署名の6項目です。それぞれの項目の書き方について、詳しく見てみましょう。
件名
件名は、メールを受信して一番最初に目に入る項目ですよね。件名には、簡潔に要件と名前を書きます。一目で、「誰が」「何のために」連絡をしてきたのかが分かるよ件名を意識しましょう。
先方からのメールに返信をする場合は件名は変えず、「Re:〇〇(元々の件名)」で返信するのがベストです。
先方も日常業務などで忙しい中でメールを確認しています。少しでもスムーズなやりとりができるように意識しましょう。
宛先
次に宛先についてです。本文冒頭に誰に宛てたメールなのかを明確に記載します。宛先では、相手の会社名・所属部署・役職・名前を記載するのが一般的です。
会社名を書く時は(株)や(有)のように省略せず、「株式会社」「有限会社」のように、正式名称で書きましょう。
挨拶
次に、本文の書き出しに当たる挨拶についてです。書き方は、「お世話になります。」の後に自分の名前を書き加えるのが最も一般的な書き出しになります。
転職活動で必要な連絡をする場合、選考の段階に応じて「〇日の△時から面談をさせて頂きました□□(自分の名前)です」など付け加えると、相手も思い出しやすくなります。
本文
挨拶が終わったら、本文を書いていきます。本文には、メールを送った目的・用件を端的に分かりやすく書くことが求められます。最初に要旨や結論を書き、その後に詳細を書くようにしましょう。
用件を詳細に書く場合は、5W1Hを意識するようにしましょう。そして、情報の漏れがないか、確認も忘れずに行いましょう。
締め
本文を書き終えた後は、締めの挨拶を書きます。一般的な書き方は「よろしくお願いいたします」ですが、忙しい中メールを読んでくれたことに対する感謝の気持ちを添えると、好印象に繋がるでしょう。
- ご多用の折恐れ入りますが、何卒よろしくお願い申し上げます
- お忙しい中、貴重なお時間を頂き、ありがとうございます。
署名
最後に署名を加えます。署名には、名前・郵便番号・住所・電話番号・メールアドレスを記載しましょう。
珍しい名前や間違われやすい名前の場合、名前の横に括弧で読み仮名を付け加えると親切ですね!
以下に署名のテンプレートを紹介します。迷った際はぜひ、参考にしてみてください。
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△△△△(自分の名前) |
〒123−4567 〇〇県〇〇市〇〇町1丁目23ー45 |
電話 :111−2222−3333 |
メール :abcde@example.co.jp |
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これだけは絶対守りたい!ビジネスメールの5つの基本マナー
ここからは、メールを書く時、返信する時、どのようなことに気をつけたらいいのか、必要最低限、知っておきたいマナーを5つ紹介します。
返信は24時間以内にする
1つ目は、メールの返信は24時間以内にするということです。メールの返信は早いに越したことはありません。メールを開いたらすぐに返信するように心がけましょう。
日程調整のメールで、すぐに予定が分からない場合でも「〇日までにお返事をさせていただきます」など、何らかの返信をするようにしましょう。
メールを送る時間帯は始業前、終業後を避ける
2つ目は、就業時間内にメールを送信するということです。就業時間内に送ることで、相手はメールを受信した日の内に内容を確認することができ、その後のやりとりがスムーズになります。
メールに関しては、マナー違反になる時間帯は特にありませんが、就業時間内に送信するのがベストでしょう。
本文を引用して返信する
3つ目は、本文を引用して返信するということです。メールの返信をしようとすると、これまでのやりとりが残っていますよね。
全部残してしまうと、メールが長くなって迷惑になるのではないかと考えてしまいますが、これらのやりとりは、全て残したまま返信するのがマナーです。
これまでのやりとりを残しておくことで、過去のメールを見返す手間が省けるため、ビジネスシーンでは、本文を引用して返信するようにしてくださいね。
色文字や太字、絵文字などの装飾は避ける
4つ目は、ビジネスメールでは本文の装飾はしないということです。「相手が読みやすいように」という配慮で文字を強調しても、相手のメールソフトによっては文字化けなど、正しく反映されない場合があります。
またビジネスメールでの絵文字は、「公私混同している」と思われてしまう可能性があるため、使用しないのがベストでしょう。
正しい敬語を使う
5つ目は敬語を正しく使用するということです。敬語は社会人として求められる最低限のマナーの1つですよね。
話し言葉と比べて、メールなどの書き言葉は文字で残ってしまいますので、誤った敬語を使うのは避けたいものです。間違えやすい敬語をいくつか紹介しておきますので、参考にしてくださいね。
間違った敬語 | 正しい敬語 |
了解です・わかりました | 承知しました・かしこまりました |
御社(話し言葉) | 貴社(書き言葉) |
見ました | 拝見いたしました |
とりあえず | 取り急ぎ |
よろしかったでしょうか | よろしいでしょうか |
伺わせていただきます | 伺います |
では、ここから転職活動で考えられる7つのシチュエーションを想定して、例文を紹介していきます。
転職活動でのメール送信場面① 応募時の書類添付
1つ目は、求人に応募する際に送るメールです。応募する際には、履歴書や職務経歴書を添付することが多いため、それらを想定したメールの例文を紹介します。
- 件名:××職応募の件(自分の名前)
- 株式会社〇〇〇〇 採用ご担当者様
- お世話になっております。私は、△△△△と申します。
- 貴社のホームページで求人情報を拝見し、是非とも応募させていただきたくご連絡を差し上げました。
私はこれまでの□□の仕事に就いており、その経験を××職でも活かせるのではないかと存じております。
本メールに履歴書と職務経歴書を添付しております。
ご多忙のところ恐縮ですが、ご高覧賜りますようお願い申し上げます。
こちらから連絡をする際に誰に連絡をすればいいのか分からない場合は、上記のように「採用ご担当者様」という宛名で送るようにしましょう。
転職活動でのメール送信場面② 面接日程の調整
2つ目は、採用試験など面接の日程を調整する際に送るメールです。相手から候補日を指定される場合と自分が候補日を設定する場合の2パターンの例文をご紹介します。
- 件名:Re:〇〇〇〇(件名はそのまま)
- 株式会社〇〇〇〇 人事部 〇〇様
- お世話になっております。△△△△と申します。
- この度は面接日程のご連絡、誠にありがとうございました。
頂きました日程の中から、下記でお伺いさせて頂けますでしょうか。
・〇〇月〇〇日(□)14:00〜 ABCビル△階
お忙しい中、貴重なお時間をいただき、ありがとうございます。
当日は何卒よろしくお願いいたします。
先方から面接の候補日を設定してもらった場合、まずはそのお礼を述べます。その後、本文より面接日程や場所を引用し、認識に違いがないか確認をするようにしましょう。
- 件名:Re:〇〇〇〇(件名はそのまま)
- 株式会社〇〇〇〇 人事部 〇〇様
- お世話になっております。△△△△と申します。
- この度は面接日程のご連絡、誠にありがとうございました。
希望日程をお送りさせていただきます。
・第一希望:〇〇月〇〇日(□)14:00〜
・第二希望:〇〇月〇〇日(□)11:00〜
・第三希望:〇〇月〇〇日(□)13:00〜
ご多用の折恐れ入りますが、何卒よろしくお願い申し上げます。
こちらから面接の候補日を指定する場合は、最低でも3つは候補日を挙げるようにしましょう。
転職活動でのメール送信場面③ 面接のお礼
3つ目は、面接後に送るお礼のメールです。面接をするにあたって、相手に時間を割いてもらっていますので、その日のうちにしっかり感謝を伝えましょう。それでは、例文をご紹介します。
- 件名:中途面接のお礼(△△△△:自分の名前)
- 株式会社〇〇〇〇 人事部 〇〇様
- お世話になっております。本日□時より面接をしていただきました△△△△と申します。
- 本日はお忙しい中、貴重なお時間を頂戴し、誠にありがとうございました。
本日の面接を通して、貴社の事業内容や企業理念についてのお話を伺い、より一層貴社で仕事をしたいという気持ちが強くなりました。
まずは、面接のお礼を申し上げたく、メールいたしました。
今後とも引き続き、よろしくお願いいたします。
転職活動でのメール送信場面④ 内定を承諾する際のメール
4つ目は、内定をもらって承諾をするときに送るメールの例文を紹介します。
- 件名:Re:〇〇〇〇(件名はそのまま)
- 株式会社〇〇〇〇 人事部 〇〇様
- お世話になっております。△△△△と申します。
- この度は、採用のご連絡を頂き、ありがとうございます。謹んでお受け頂きますこと、ご返信いたします。
いち早く、貴社の一員として貢献できるよう努めて参ります。皆様と一緒に働ける日を楽しみにしております。
今後ともよろしくお願いいたします。
返信が遅れると内定辞退と判断される場合もありますので、すぐに返信するようにしましょう。
転職活動でのメール送信場面⑤ 内定を保留する際のメール
「内定をもらったけれど、ほかにも採用試験を受けた先がある」という場合、すぐに内定承諾できないこともあると思います。
5つ目の場面は、そういった内定をすぐに承諾できず、少し待ってもらいたい場合に送るメールの例文を紹介します。
- 件名:Re:〇〇〇〇(件名はそのまま)
- 株式会社〇〇〇〇 人事部 〇〇様
- お世話になっております。△△△△と申します。
- この度は、採用のご連絡を頂き、ありがとうございます。
すぐにでもお返事をすべきところ、誠に恐縮ではありますが、返答を◯月◯日まで猶予を頂けないでしょうか?
現在、選考段階の企業が複数あり、そちらの結果を踏まえた上で、最終的に判断したいと考えております。
こちらの都合で大変申し訳ありませんが、ご検討の程、何卒よろしくお願い申し上げます。
返答の猶予期間は、平均で2〜3日以内、長くても1週間がマナーですので、注意しましょう。
転職活動でのメール送信場面⑥ 内定を辞退する際のメール
6つ目は内定をもらったけれど、辞退したい場合に送るメールです。
複数企業の内定をもらった場合、内定を承諾する企業以外には内定辞退の連絡をしなければいけません。そういった場合の例文をご紹介します。
- 件名:内定辞退のご連絡(△△△△:自分の名前)
- 株式会社〇〇〇〇 人事部 〇〇様
- お世話になっております。この度、内定のご連絡をいただきました△△△△と申します。
光栄なご連絡をいただきながら誠に恐縮ですが、熟慮した結果、貴社の内定を辞退させていただきたいと考えております。
選考に際し、貴重な時間を割いていただいたにも関わらず、誠に申し訳ございません。また、メールでのご連絡になりましたこと、重ねてお詫び申し上げます。
末筆ではございますが、貴社の益々のご発展をお祈り申し上げます。
内定辞退のメールで注意したいのが、締めの挨拶の言葉です。今後関係性が続くわけではないので、締めの挨拶として「よろしくお願い致します」を使用するのは不自然です。
「貴社の益々のご発展とご活躍を祈念しております」などの定型文を使用するようにしましょう。
転職活動でのメール送信場面⑦ 選考を辞退する際のメール
最後に紹介するのは、一度応募はしたけれど辞退したい場合に送るメールです。止むを得ない事情で選考辞退することはあると思います。そんなときに送る例文をご紹介します。
- 件名:選考辞退のご連絡(△△△△:自分の名前)
- 株式会社〇〇〇〇 人事部 〇〇様
- お世話になっております。先日、面接日程のご連絡をいただいた△△△△と申します。その節は誠にありがとうございました。
○月○日(□)に面接のお約束をしていましたが、一身上の都合により、選考を辞退させていただきたくご連絡を差し上げました。
日程の調整をしていただいたにも関わらず、誠に申し訳ございません。身勝手なお願いで恐縮ですが、何卒お許しをいただきたく、お願い申し上げます。
本来であれば直接お詫びすべきところですが、メールでのご連絡になりましたこと、重ねてお詫び申し上げます。
末筆ながら、貴社の益々のご発展とご活躍を祈念しております。
時間を割いてもらったにも関わらず辞退すること、メールでの連絡になったことを必ず謝りましょう。
そして、内定辞退のメールと同様、選考辞退についても今後、関係性が続くわけではないので、「よろしくお願い致します」は使用しないようにしましょう。
ビジネスメールのマナーを知って転職を有利に!
最後に、今回紹介したビジネスメールのルールやマナーについて振り返ります。
- ビジネスメールの基本構成は、「件名」「宛先」「挨拶」「本文」「締め」「署名」の6項目で構成する。
- メールの返信は24時間以内にする。
- メールを送る時間帯は始業前、終業後を避ける。
- 本文を引用して返信する。
- 色文字や太文字、絵文字などの装飾は避ける。
- 敬語を正しく使用する。
ビジネスメールのルールやマナーを理解して、自信を持って転職活動に挑みましょう。