「自衛隊って仕事はキツイけど給料はとてもいい」あなたは自衛隊に対してこのようなイメージを持っていませんか?多くの人がこのようなイメージを持っていますが、実際の自衛隊の実態はどのようなものでしょうか?
この記事では自衛隊の給料や仕事内容等を解説していきます。最後までどうぞご覧ください。
(アイキャッチ画像出典:https://pixabay.com/ja/photos/%e7%a7%81%e3%81%9f%e3%81%a1%e7%a9%ba%e8%bb%8d%e3%81%97%e3%81%be%e3%81%99-%e8%87%aa%e8%a1%9b%e9%9a%8a-77907/)
【自衛隊の給料】平均年収は?
私達国民や日本を守ってくれている自衛隊員ですが、平均年収は「約640万円」となります。日本人の平均年収が約460万円と言われているので平均以上の年収となります。
命を懸けて防衛したり、災害地に赴き救助するような仕事ですが、「少ない!」と感じる方や「予想してた位だ」と思う方もいるかもしれません。
次項からはそんな自衛隊の給料の仕組みや手当など掘り下げて解説していきます。
【自衛隊の給料】階級と号俸
ではまず給料の仕組みについて解説していきます。自衛官の給料は「階級」と「号俸」によって決まります。
階級
階級とは、一般企業の係長や部長等の「役職」に当たり、昇進することで階級は上がります。下から「士」「曹」「尉」「佐官」「将官」となります。同じ階級でも上から1等陸曹、2等陸曹、3等陸曹と階級があります。
この階級が高ければ高いほど給料も比例して高くなっていきます。
陸上自衛隊 | 海上自衛隊 | 航空自衛隊 |
陸将官 | 海将官 | 空将官 |
陸佐官 | 海佐官 | 空佐官 |
陸尉 | 海尉 | 空尉 |
陸曹 | 海曹 | 空曹 |
陸士 | 海士 | 空士 |
号俸
号俸は勤続年数や仕事の評価によって決まります。1号、2号と数字が上がれば上がるほど給与が多くなります。
2等士階級程度の給料は「約16~18万円」、将官階級ですと、「約71万~100万円程度」となります。また、同じ階級・号俸ですと陸海空で違いはありません。
【自衛隊の給料】初任給
将官階級に憧れはありますが、自衛隊に入隊したら下の階級からスタートしていきます。
詳しくは後述しますが、自衛隊に入るには「自衛官候補生」「一般曹候補生」「幹部候補生」として入る道があります。下の表に各初任給をまとめました。
自衛官候補生 | 約14万円 |
一般曹候補生 | 約17万円 |
幹部候補生 | 約22万円 |
初任給は学歴や今までの職歴等も考慮の上決定されるので一概には言えませんが、おおよそ表のとおりの金額になります。
また、自衛官候補生と一般曹候補生は18歳以上、幹部候補生は20歳以上でなければ受験することができません。
【自衛隊の給料】ボーナス・退職金
自衛隊は他の公務員と同じように夏と冬の年に2回ボーナスが支給されます。多少差異はありますが、春・夏共に給料の2ヶ月分が支給されます。
一般企業では会社の業績によってボーナスの有無や金額が変わってきますので安定してボーナスを受け取れることは、自衛隊に限らずに公務員のメリットと言えます。
また、自衛隊に6か月以上在籍していれば退職時に退職金が支給されます。金額は退職時の勤続年数と階級・号俸によって決まります。
自衛隊はほとんどが身体資本の仕事なので「若年定年制」という特殊な制度を採用しています。士階級では21~35歳前後、曹階級では50歳半ばで退職となります。
【自衛隊の給料】年代別
自衛官になれば階級ごとに年収があがりますが、年功序列制度ですので年齢が高くなるにつれて年収も上昇していきます。20代・30代・40代の年収について解説していきます。
20代
20代の平均年収は「約500万円」となります。入隊時の学歴や職歴で変わってくるかと思いますが、平均するとこの金額になります。20代の年収としてはかなり高いのではないでしょうか?
30代
30代の平均年収は「約750万円」です。徐々に昇進し、30代になると佐官階級になる人も出てきます。30代で大きく年収が上がる、という人も珍しくありません。
40代
40代の平均年収は「約870万円」程度です。自衛官候補生・一般曹候補生と幹部候補生とでは年収の差が開きますが、平均してこの金額になります。
【自衛隊の給料】各種手当
自衛隊は仕事柄、危険な業務をすることがあります。そのような業務に専念した際は給料に手当が支給されます。
以下の表に各種手当についてまとめました。自衛隊の手当は数多くあるのでその中からいくつか取り上げて解説します。
手当の種類 | 業務内容 | 支給額 |
爆発物取扱作業等手当 | 不発弾やサリンの処理、放射能の除染作業 | 10,400円以下/日 |
航空作業手当 | 航空機に搭乗しての業務 | 8,500円以下/日 |
異常圧力内作業等手当 | 潜水・潜水艦救難潜水艇に搭乗の業務 | 12,000円(潜水深度>450m) |
死体処理手当 | 特定の施設で特定の人員が行う死体処理 | 4,000円以下/日 |
災害派遣等手当 | 大規模な災害時の捜索救助や水防活動 | 1,600円/日(危険な地域では 3,240円/日) |
国際緊急援助等手当 | 海外での法人等の保護 | 15,000円以下/日 |
海上警備等手当 | 海賊対処や立入検査等 | 4,000円以下/日 |
どの手当も単価は高く設定されていますが、どの業務も命に係わる危険と隣り合わせの仕事です。
【自衛隊の給料】残業代はない?
自衛官には残業代がつく、ということはありません。正確には給料の中に一定の時間の残業代が含まれており、超過分の残業については支給されません。
自衛隊は昼夜を通しての訓練や、何日も続けて訓練をすることも珍しくありません。また、災害派遣時や国の防衛時も時間に縛られずに業務にあたらなければなりません。
訓練や業務に専念する際の時間管理が難しいため、超過分の残業代をつけないシステムを導入しています。
自衛隊の仕事内容
自衛隊の仕事は国の防衛や災害救助のイメージが強いですが、ほかにも様々仕事があります。
外国からの武力侵攻や内乱などの非常事態があった際の出動、外国の航空機等が領海・領空を侵した際は退去措置を取らなければなりません。国際緊急援助活動のために海外へ赴くこともあります。
訓練も仕事の1つです。射撃訓練や武具の手入れ、体力づくりや遠泳訓練等あります。また、音楽科等の特殊な配属先では日頃の訓練の他にも演奏するための訓練があります。
ほかにも様々な仕事があるので、あなたが気になった仕事内容を調べてみましょう。
自衛隊員になるには?
自衛隊の給料や仕事内容について解説してきました。そんな自衛隊に入るには3つのルートがあります。
- 自衛官候補生になるルート
- 一般曹候補生になるルート
- 幹部候補生になるルート
自衛官候補生になるルート
自衛官候補生は自衛官としてすぐに現場で働きたい方に適しています。入隊し自衛官候補生として3ヶ月間の訓練後、陸士・海士・空士として働きます。
一定期間の任期を満了後は自衛官を継続するか民間企業へ就職するかを選べます。
一般曹候補生になるルート
「定年まで自衛官でいたい」「将来は幹部を目指してる」という人は一般曹候補生が適しています。入隊し2年9カ月後に陸曹・海曹・空曹へ昇進します。その後は全国の部隊に配属されます。
幹部候補生内部選抜試験を突破すれば幹部になることもできます。
幹部候補生になるルート
幹部候補生になるには「防衛大学」を卒業しなくてはなりません。自衛隊員のリーダーを育成するための超難関大学に入学し、卒業する必要があります。ですが、卒業ができれば入隊段階で幹部となることができます。
最後に:自衛隊の給料は高いが危険と隣合わせ
自衛隊について給料や仕事内容等を解説してきました。自衛隊は一般企業に比べると高い給料が支給されます。ですがその分、国の防衛や災害派遣、日々の厳しい訓練という業務が待っています。
自衛官として将来的に幹部を目指すなら体づくりだけではなく、頭も鍛えて防衛大学の卒業や幹部候補生内部選抜試験を突破しなくてはなりません。
大変ですが仕事のやりがいもあり、毎年多くの方が自衛官になるために応募しています。
この記事を読んでより興味を持ってくださったのであれば自衛隊のHPから情報収集することをおすすめします。最後まで読んで頂いてありがとうございました。(自衛隊HP)