アニメーターは若者が後を絶たないほどの人気の職業で給料がどれぐらいか気になる方も多くいるのではないでしょうか?
もし、給料を知らずに憧れだけで、アニメーターの仕事について、給料が安く激務で思っていた仕事ではなかったと嫌な思いをして働くと大変ですよね。
この記事では給料が安く激務で思っていた仕事ではなかったと思わない為にも、新人の給料(年収)、アニメーターの給料が低い理由、アニメーターが給料を上げる方法について紹介しています。アイキャッチ画像出典https://pixabay.com/ja/photos/%e9%89%9b%e7%ad%86-%e3%83%8e%e3%83%bc%e3%83%88%e3%83%96%e3%83%83%e3%82%af-%e3%82%b9%e3%82%bf%e3%83%83%e3%82%af-762555/
アニメーターの平均給料
2015年に日本アニメーター演出協会が発表したデータによると、アニメーターの全世代の平均年収は322万円でした。
さらに、アニメーターの中でも20代が担当することの多い動画担当者の平均年収は111万円でスキルアップをして原画担当者になると281万円となります。
国税庁の「平成 26 年分民間給与実態統計調査」によると20代前半の民間企業の平均年収が248万円で動画担当者の平均年収と比較するとアニメーターの若手時代の年収はかなり低めであることが読み取れます。
アニメーターの生涯給料
アニメーターの年齢別による年収と月額給与を以下の表にまとめてみました。
年齢 | 年収 | 月額給与 |
20~24歳 | 190万円 | 16万円 |
25~29歳 | 235万円 | 20万円 |
30~34歳 | 260万円 | 22万円 |
35~39歳 | 295万円 | 25万円 |
40~44歳 | 330万円 | 28万円 |
45~49歳 | 370万円 | 31万円 |
50~54歳 | 400万円 | 33万円 |
55~59歳 | 395万円 | 33万円 |
60~65歳 | 270万円 | 22万円 |
上記の表のデータをもとに、20歳~65歳までアニメーターを続けた場合の生涯年収は約1億4000万円です。中卒男性の平均生涯年収は1億7000万で3,000万円ほど低い数字です。(参考JAniCA)
それでもアニメーター志望の若者が後を絶たないほどの人気の職業で、現在アニメ業界を支えているアニメーターは、駆け出し時代の生活を犠牲にしてでも働きたいという強い信念を持って業界に入った人たちです。
若手の多くは、アルバイトを掛け持ちして生活費を補っているか、親からの援助を受けながら生活しているのが現状でそのようなアニメーターが日本のアニメ産業を支えてくれています。
新人の給料
アニメーターは仕事をこなすほど収入は増加しますが1日の作業量に限界があり、新人のうちは月に数万円程度しか稼げない人も少なくありません。
「アニメーション制作者実態調査報告書2019」によると、20代前半の新人で年収154.6万円、20代後半は245.7万円、30代前半が365.2万円です。
新人のうちは単価の安い仕事中心で、出来高制で給料が安くなります。経験を積み単価の高い原画担当、作画監督の仕事もできるようになれば、収入は少しずつ上がります。
業界全体で実力主義の面も大きくどれだけ速く上手く仕事をこなすかが出世へと繋がります。
ベテランの平均給料
アニメーター全体の年収は確かに低いですが、決して低い人ばかりではありません。
20年以上アニメーターとして働いているベテランアニメーターの平均年収は350万~400万で作画監督、監督クラスになると監督料が支払われ600万以上の人もたくさんいます。
監督や作画監督は監督料のおかげで年収は上がりますが、作業量をカット数で割っていくと原画担当や動画担当よりも低く労働と費用が見合わないという問題点があります。
もう少し給料がアップしてくれたらうれしいと想いながら働いているベテランアニメーターも数多くいます。
アニメーターの給料が低い理由
アニメーターの給料が低い最大の原因は「供給過多」です。低賃金で激務の仕事が続き人が去っていき、人材がいなくなるとビジネスが成り立たないので一般的な会社は給料を上げます。
しかし、アニメ制作業界にはそのような動きが無いのが現状です。理由はアニメ業界への就職希望者が多いからです。
低賃金、長時間労働、無休に耐えることが出来ず、多くの人がアニメ業界を去っていきますが毎年それ以上の新人アニメーターが入ってくるので人材の雇用に困ることがありません。
需要と供給のバランスが合っておらず、供給過多で雇う側に有利な状況で、動画担当の新人アニメーターはいくらでも代えが利きます。これが、アニメーターの給料が安い大きな理由へと繋がっています。
アニメーターが給料を上げるスキルアップ方法
「動画担当」は新人アニメーターが担当して、給料は完全出来高制で、描く絵の1枚あたりの単価は200円が相場で1ヶ月で500枚描いたとしても月収10万円で残業代もありません。
原画担当になると、1カットあたり3000円~5000円が相場となり、月100カット描けば「30万円~50万円」の収入を得ることが出来ます。
実力が認められ動画担当 から原画担当へ出世を果たした人に給料アップが待ち望んでいます。
低賃金の動画担当時代を耐え、出世を意識して仕事をこなし、実力を認めさせる、これがアニメーターの仕事で給料を上げていく方法です。
原画担当のアニメーターの平均給料
原画担当のアニメーターの平均年収は200万~300万ほどで動画担当より収入は高くなります。
「拘束料」というものがあり他の制作会社の仕事が出来ない代わりに拘束料が発生します。興味のある作品の仕事を自由に受けることが出来ないですが入ってくる仕事の数と収入は安定します。
また大手の制作会社で働き、CMや劇場版の作画を受けられると、CMや劇場版などは製作費が多く回ってくるので単価の高い仕事をすることも可能です。
このように、高単価の仕事も積極的に受けることことができると原画担当として平均年収よりも高い年収を稼げるようになります。
海外でのアニメーターの平均給料
日本のアニメーター全体の平均年収は322万で、それに対しアメリカのアニメーターの平均年収は650万と約2倍の差があります。
もちろんアメリカのアニメーターが全てこの年収ではないですが比較的高い収入を得ています。
海外では芸術関連の仕事をする者に対し、保証制度が確立されていて、福利や保険などの社会保障制度もしっかり整っています。
アメリカだけでなくフランスなども国の保証制度があり平均年収は約336万と日本より少し高いくらいですが保証制度や独自の長期有給休暇があることを考えると優遇の違いがあります。
アニメーターと他職種との平均給料比較
2015年に日本アニメーター演出協会が発表したデータによるとアニメーターの全世代の平均年収は322万円で一般的に年収が低いといわれていますが、その技術や働く企業によって金額に大幅な差があるようです。
以下にアニメーターの平均給料と他の職種との平均給料(年収)を比較してまとめました。
- 日本の平均年収:422万円
- アニメーターの平均年収:322万円
- イラストレーター:309万円
- アートディレクター:482万円
アニメーターの平均年収は、日本の平均年収422万円と比較して、100万円ほど低い数字となっています。
また、類似職のイラストレーターは309万円と下回っていますが、人気のあるアートディレクターは482万円であることからも考えて、アニメーターの平均年収は決して高い現状と言えないことが分かります。
動画担当から給料の高い原画担当を目指そう
アニメーターの中でも20代が担当することの多い動画担当者の平均年収は111万円とかなり低い数字です。
給料は完全出来高制で、描く絵の1枚あたりの単価は200円が相場で1ヶ月で500枚描いたとしても月収10万円で残業代もなくかなり過酷な仕事です。
しかし、原画担当になると、1カットあたり3000円~5000円が相場となり、月100カット描けば「30万円~50万円」の収入を得ることが出来てアニメーターとしての道が開けます。
低賃金の動画担当時代を懸命に耐え、出世を意識して仕事をして実力を認めさせて原画担当になり給料アップを目指しましょう。