消防士といえば、消火や救急など有事の際に助けてくれる職業です。公務員でもある消防士の給料はどのくらいなのでしょうか?
「公務員である消防士の給料は高い!」という声もあれば「危険と隣り合わせの仕事の割に安い!」という意見もあります。
この記事では「消防士の給料はどのくらいなのか」「消防士として勤めるならどのくらい給料があがるのか」や消防士の仕事内容についてわかりやすく解説しています。どうぞ最後までご覧ください。
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【消防士の給料】平均年収
結論からお伝えすると、消防士の平均年収は「約630万円」です。
総務省による公務員の実態調査によると消防職の給与月額は「約394,000(各種手当込)」となります。毎月の給料に毎年のボーナスを加算すると年収は「約630万円」というような計算です。
日本人の平均年収は約430万円と言われているので消防士は平均よりも高い収入です。危険と隣合わせの仕事をする消防士ですが、「年収が多い!」と感じる方も「思ったより少ない」と思う方もいるかと思います。
(参考資料:令和2年地方公務員給与の実態)
【消防士の給料】初任給
消防士は地方公務員ですので、初任給は各自治体によって様々です。今回は3都市の初任給を取り上げます。
都市名 | 金額 | |
高卒 | 大卒 | |
東京都 | 178,300円 | 211,100円 |
仙台市 | 161,500円 | 194,000円 |
大阪市 | 156,100円 | 183,400円 |
東京都が群を抜いて一番高く設定されており、その他の都市は約20万円弱という調査結果となっています。
消防士に限らず、すべての公務員にいえることですが高卒よりも大卒の方が初任給は数万円高い傾向にあります。また、高卒よりも大卒の方が今後昇進が早いです。
上記の3都市以外の初任給についてはこちらのページをご覧ください。
(参考資料:令和2年地方公務員給与の実態)
【消防士の給料】年齢別
消防士は年功序列制度ですので、年齢が高くなれば比例して給料も高くなります。各年代の平均給料について解説していきます。
年齢 | 平均給料(年収) |
20代 | 約5,500,000円 |
30代 | 約7,300,000円 |
40代 | 約8,400,000円 |
20代では約5,500,000円と低めですが、経験を積み昇進をすることで30代には約7,300,000円まで上がります。
この計算はあくまで平均です。前項でも述べましたが、消防士の給料は各自治体で異なるので地域によっては差があります。
【消防士の給料】地域別ランキング
今度は消防士の平均給料を都道府県別にランキングし、上位5都市をご紹介します。(各種手当は除く)
順位 | 都市名 | 平均給料 |
1 | 神奈川県 | 364,348円 |
2 | 茨城県 | 357,104円 |
3 | 大阪府 | 348,580円 |
4 | 和歌山県 | 348,178円 |
5 | 千葉県 | 346,216円 |
2位の茨城県と3位の大阪府の間で差が約1万円です。また、上位5都市の半数以上が関東ではありますが、大阪府や和歌山県の関西地方の都市もランキングしています。
「令和2年 地方公務員給与の実態」を見ても他の都市は30万円~34万円の給料で設定されていることがわかります。
【消防士の給料】各種手当
消火活動・救急活動など、消防士には様々な仕事があります。あなたもよくご存じかと思いますが、危険な仕事をするのが消防士です。
消防士は特殊な業務に専念する際は手当がつきますが、どのような手当があるのかご紹介していきます。
- 火災等現場出勤手当
- 救急業務手当
- 消防深夜業務手当
火災等現場出勤手当
火災等現場出勤手当は火災を消火する業務に専念した際は1回の現場あたり380円支給されます。3時間以上業務にあたった場合は410円に上がります。
救急業務手当
救急患者の搬送に従事した職員に支給される手当です。1回の現場あたり200円支給されますが、救急救命士免許を有する職員は1回あたり350円支給されます。
消防深夜業務手当
消防深夜業務手当は勤務時間が深夜(22:00~5:00)に割り当てられた際に1回の深夜業務につき780円支給されます。
消防士の仕事内容
危険の伴う消防士の仕事ですが、具体的にどのような仕事内容なのか解説していきます。
- 消火・救急・救助
- 点検・訓練
- 事務
消火・救急・救助
消防士といえば消火・救急・救助をイメージするかと思います。あなたの想像通り、消火活動や救急車での病院への搬送、事故・災害での救助活動をします。
点検・訓練
火災や事故がない時は車両や器具の点検、有事に備えて訓練をすることも消防士の仕事です。いつでも出動できるように器具と肉体の準備は常に整える必要があります。
事務
消防士でも事務作業をする部署もあります。消防本部で人事や施設管理、建物の消防設備の検査・指導など多岐にわたって業務があります。
消防士の階級
消防士にも階級が割り当てられます。どのような階級があるか以下のようにまとめました。
- 消防総監
- 消防司監
- 消防正監
- 消防監
- 消防司令長
- 消防司令
- 消防司令捕
- 消防士長
- 消防副士長
- 消防士
一番下の階級が消防士、トップが消防総監となり、最前線での消火活動は主に消防士や消防副士長が担い、消防士長が指揮・指導を行います。
現場に出るのは消防司令捕までです。消防司令以上の階級では消防署や本部にて指揮にあたることがほとんどです。
消防士として昇進するには?
現場に出て経験を積むだけでは消防士として昇進することはできません。昇任試験を受けて合格することで昇進することができます。
また、昇任試験を受けるためにも経験年数が必要です。例えば、消防副士へ昇任するには「消防士として満5年以上の勤務実績が必要」という条件があります。
この経験年数の条件は各自治体の消防本部によって異なるのでご注意ください。
高卒に比べて短大卒や大卒は経験年数が短く設定されている自治体もあります。
消防士になるには?
高卒でも大卒でも消防士になることができます。まずは「消防士採用試験」に合格する必要があり、この試験に加えて年齢や身長などの条件があります。
消防士採用試験に合格したなら「消防学校」へ約半年間通い、勉強の毎日です。各自治体によりますが、消防学校は基本全寮制で集団行動を身に着けることも学びます。そして消防学校を卒業後に配属先が決まります。
消防士採用試験を合格、消防学校を卒業というステップを踏んで晴れて消防士になることができるのです。
まとめ:消防士は給料が高いが危険と隣り合わせ!
今回は消防士について解説しました。消防士の給料は日本人の平均年収よりは高く設定されています。その分危険な業務を全うしなくてはなりません。
また、消防士は地方公務員なので各自治体で給料も多少変わってきます。もし入隊したい自治体があるのであれば一度ご自身で調べてみてください。
消防士になるためには試験を突破し、消防学校を卒業しなくてはなりませんが、国民から頼られる消防士になることができます。消防士を目指す方はまずは試験の突破を目指して頑張ってください!