最近、テレビや雑誌で「格安SIM」という言葉をよく見聞きしますね。
以下のように格安SIMとは何だろう。と気になってはいるけど、不安や疑問があって一歩踏み出せない方もいるのではないでしょうか。
- 格安SIMって一体なに?
- 「格安」というくらいだから安いのだろうけど、どうして?
- サービスの質や回線が悪かったら嫌
この記事は格安SIMをまったく知らない方でも分かるように詳しく紹介しています。ぜひ最後まで読み進めて、格安SIMを知るところから始めましょう。
(アイキャッチ画像出典: https://www.pakutaso.com/20210951249iphone-53.html)
格安SIMの「SIM」とはいったい何なのか
まず、格安SIMの「SIM」について知っていきましょう。SIMとは、「Subscriber Identity Module」の頭文字をとったもので、日本語では「加入者識別モジュール」という意味です。
スマホを電話機として使うために必要な情報が記録されています。そして情報が記録されたカードは「SIMカード」と呼ばれており、これはどのスマホにも必ず装着されています。
SIMカードをスマホに入れるとどうなる?
ここからは具体的な例を使って解説していきましょう。現在使用しているスマホがあり、そこに入っているSIMカードを抜いて、新しく買ったスマホに入れるとします。
すると、現在使用しているスマホは電話番号や契約者の情報が無くなる為、電話回線を使う機能(電話をかける、SMSの送受信など)は利用出来なくなります。
一方、SIMカードを入れた新しいスマホはそれが可能になるのです。ちなみに電話番号は元のままです。
自分の電話番号が記録されているのはスマホ本体ではなく、「SIMカード」ということです。
格安SIMはどのように登場したのか
そんな格安SIMはどのように登場したのか、気になりませんか?数年前までは「スマホを買おう」と考えたら、
大手キャリア(ドコモ、au、ソフトバンク)でスマホ本体と、プランを選んで契約するという方法しか無かったですよね。一体なぜなのかを簡単に紐解いていきましょう。
なぜ大手キャリアでしか契約する方法が無かったのか
理由はスマホ本体がその会社の通信業者が指定するSIMカードしか、認識できないように設定されていた為です。このことを「SIMロック」と言います。
そのため、auで購入したスマホ本体はauのSIMカードとだけ、ソフトバンクで購入したスマホ本体はソフトバンクのSIMカードとだけでしか使えませんでした。
しかし2015年、このようにSIMのロックがかかっている状態での契約方法しか無かった時代は終わりました。総務省から大手通信業者によってかけられていたSIMロックを解除するように通達が出たのです。
これにより契約者のリクエストがあれば、SIMロックを解除してスマホ本体をフリーに(SIMフリー)しなければならなくなったのです。現在では、最初からSIMフリーのスマホを購入出来るようになっています。
格安SIMの登場
スマホのSIMロックが解除されていれば、大手キャリアでスマホを購入した後、他の会社のSIMカードを購入して別のプランに変えることも出来ます。
そのため、SIMを使ったビジネスを始める会社が次々と登場しました。こうした会社は大手キャリアよりも安い価格で通信を行えるサービスを売りにしていた為、「格安SIM」と呼ばれるようになりました。
格安SIMが安い2つの理由とは
格安SIMのこと、またそれがどのように登場したのかが分かったところで、ここでさらに疑問に感じるのは、
どうして大手キャリアよりも安い価格でサービスを提供できるのかという点ではないでしょうか。理由は大きく2つあります。
格安SIMのサービスを提供している会社は自前の回線を持たない
格安SIMのサービスを提供している会社は「MVNO」と呼ばれ、数多く存在しています。
MVNOとは携帯電話サービスを提供するのに必要な設備(基地局)などを持たず、大手の携帯電話会社の設備を借りているため、安く提供出来ているのです。
「設備を借りる」と聞くとお金がかかってしまうように感じますが、すでにある回線を借りるため初期投資がかかりません。
また設備のレンタル料以上に、メンテナンスや基地局の増設など、携帯電話サービスの設備を自前で持つコストの方が大きいのです。
店舗が無い、または限定している
格安SIMのサービスを提供している会社は店舗を持たず、主にオンラインでのサービス提供を行っています。店舗を持っている会社もありますが、そうした場合でも店舗数を限定しています。
このように店舗運営をするための様々なコストをカットしている為、提供するサービスの価格を低く抑えることが出来ているのです。
格安SIMのメリットとは
格安SIMの基本的なことを知ったところで、ここからはメリットについて確認していきましょう。
- 月々の支払いを大幅に安くできる
- 利用プランが細かくてシンプル
- 契約期間や解約金などの縛りが少ない
メリット① 月々の支払いを大幅に安くできる
「格安SIM」というだけあって、1番の魅力は月々の支払いの安さです。プランによって上下はあるものの、
大手キャリアとの契約では月に6,000~9,000円程度かかっている人が多いのではないでしょうか。オプションをつけるとさらに高額になることもあります。
一方、格安SIMに変えると、大手キャリアとの契約とほぼ同条件でも半額以上支払いを安くすることが可能です。
メリット② 利用プランが細かくてシンプル
格安SIMは「月に何GBまで高速で通信出来るか」の上限を、細かく選択することが出来る会社が多いです。以下で利用プランの例を紹介します。
- スマホではほとんどインターネットを利用しないから1GBのプランで料金を安くしよう。
- 動画、ゲームなどインターネットを使うから大容量のプランにしよう。
このように利用する人によって、多種多様な選択ができ、料金プランは後から変更も可能です。もともと月々の支払いが安い格安SIMですが、無駄のない料金プランを選択することでより安く利用できるようになります。
メリット③ 契約期間や解約金などの縛りが少ない
大手キャリアではほとんどの場合、2年以内の解約で解約金が発生してしまいます。
また、更新月を逃すと勝手に自動更新されてしまうのも特徴です。私も更新期間を覚えておらず、知らぬ間に自動更新されていたことがありました。
一方、格安SIMでは最低契約期間が短い、もしくは設けられていない会社もあり「縛り」が少なくなっています。
利用する方の用途やタイミングに応じて、プランの変更や契約の解除が気軽に出来るのは嬉しいですよね。
格安SIMのデメリットとは
格安SIMのメリットをあげてきましたが、デメリットもいくつかあるのでこちらも紹介していきますね。
- キャリアメールが使えない
- 対面でのサポートが受けづらい
- 通信速度が大手に比べて遅い
デメリット① キャリアメールが使えない
大手キャリアの「@docomo.ne.jp」「@ezweb.ne.jp」「@softbank.ne.jp」といったメールアドレスを使うことが出来ません。
しかし、GmailやYahooメールといった無料メールアドレスが広く使われており、設定も難しくないのでそちらを利用すれば、大きな問題は無いでしょう。
デメリット② 対面でのサポートが受けづらい
格安SIMのサービスを提供している会社のほとんどは、人件費を削減するため大手キャリアのような店舗での対面サポートは行っていません。申し込みも初期設定も基本的に自分で行う必要があります。
大手キャリアの場合、申し込みから実際の使用まで、店舗で丁寧にサポートしてくれますよね。そのため機械の操作が苦手な人、対面でのサポートを希望する人には不向きかもしれません。
最近では店舗が増えている会社や、遠隔操作でサポートをしてくれるところもあります。対面でのサポートを希望する方はそこも会社を選ぶ基準として探すと良いでしょう。
デメリット③ 通信速度が大手に比べて遅い
格安SIMは、大手の携帯電話会社の設備を借りることにより、通信サービスを提供しています。
回線が込み合っている時には、回線を保有している大手キャリアの顧客が優先されるため、格安SIMの利用者は通信速度が遅くなる可能性があります。
このため朝の通勤・通学時間、夕方の帰宅時間などに利用することが多い人は少々不便に感じるかもしれません。
格安SIMとは?なぜ安いの?初心者に向けて徹底解説 まとめ
格安SIMのことを初心者に向けて詳しくまとめてみました。格安SIMの最大の魅力はスマホを大手キャリア(ドコモ、au、ソフトバンク)よりも月々の支払いを安く利用できることです。
現在の月々の支払いが高いと感じる方は、1度プランを確認してみると、意外と使用していない機能が見つかるかもしれませんよ。
料金プランも多種多様なので利用する人の用途やタイミングに応じて、プランの変更や契約の解除が気軽に出来ます。
格安SIMが気になった方は、自分に現在必要な機能を明確にして、自分に合った料金プランやサービスを検討してみてはいかがでしょうか。