転職をすると決めたら必ず要るのが『職務経歴書』です。しかし、いきなり「必要だから書こう」と思っても書き方がわからないですよね。
「転職はしたいけど、自分をアピールできる自信がない」「職務経歴書に書けるほど立派な仕事をしていない」などと、自分であきらめてしまっていないでしょうか。
この記事では、そんなあなたに「職務経歴書の書き方」について説明しています。この記事を読めば、採用担当者に良い印象を与えてしっかりアピールできる職務経歴書が書けるようになるでしょう。
転職活動はこれから長く付き合っていくであろう相手に、自分の人間性を見てもらう機会です。この記事を最後まで読んで、自分の良さが伝わる職務経歴書を書きましょう。
(アイキャッチ画像出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/5158824)
職務経歴書の書き方3つの手順
職務経歴書の書き方は、大きく分けると以下の3つの手順があります。
- 自分のキャリアを振り返ろう
- 構成を考えよう
- 全体をチェックしよう
転職活動には「履歴書」と「職務経歴書」を用意する必要があります。「履歴書」は基本的な情報の確認に使われる書類で、「職務経歴書」は今までの業務内容や実績を詳しく確認する書類です。
「職務経歴」は転職経験が多くても、在籍したすべての会社について書く必要があります。もし職務経歴が長くなってしまう場合は、履歴書と書く内容を分けるなど工夫するようにしましょう。
次の章から「職務経歴書の書き方3つの手順」について、1つずつ詳しく説明していきます。社会人としての経験がしっかり表現できるよう、じっくりと読み進めていきましょう。
職務経歴書の書き方① 自分のキャリアを振り返ろう
職務経歴書を書く手順の1つ目は「自分のキャリアを振り返ろう」です。自分の今までのキャリアをふり返って、「自分がどういう人間で、これからどうなりたいか」を考えてみましょう。
おすすめは、仕事の経験やその時の感情などを「すべて書き出す」という方法です。考えながら書くよりも「書き出すこと」に集中し、その後に整理する方が自分らしい表現が見つかると思います。
転職を決意したということは、仕事に対して「もっとこうしたい」という気持ちがあったからだと思います。そういった気持ちも言葉にして、職務経歴書に書いてみましょう。
あなたの人間性がわかる「素直な気持ち」を表現できるまで、自分を深掘りしてみてください。
職務経歴書の書き方② 構成を考えよう
職務経歴書を書く手順の2つ目は「構成を考えよう」です。どんな資料にも言えることですが、いきなり書き出すのではなく全体の構成を考えることが大切です。
まずは書く内容を箇条書きにしてみると良いでしょう。その上で並び順やバランス、話の流れなどを考えていきます。
構成ができたら、イメージを膨らませながら清書します。「見やすく・わかりやすく」を意識して、余白を多めにとったり具体的な事例を入れたり工夫しましょう。
職務経歴書の書き方③ 全体をチェックしよう
職務経歴書を書く手順の3つ目は「全体をチェックしよう」です。当然ですが、書いた後には必ずチェックをしましょう。
いくら内容が良くても、誤字脱字が多かったり文章の構成がおかしかったりすると悪い印象を与えてしまいます。せっかく頑張って書くのですから、最後まで丁寧に確認しましょう。
書いたあとに少し時間をおいて、冷静に読み返してみると良いでしょう。声に出して読んでみて、違和感がないことを確認するのもおすすめです。
職務経歴書には何を書けば良い?
ここまでは「職務経歴書の書き方」について説明しましたが、そもそも職務経歴書はどのような構成になっているのでしょうか。職務経歴書に書く主な内容は以下の4点になります。
- 職務要約
- 職務経歴
- 資格・スキル
- 自己PR
職務要約
「職務要約」は自分の職務経歴について簡単にまとめた『概要』です。書いている内容全体を簡単に説明することで、後の詳しい内容が理解しやすくなります。
職務要約は200~300文字ぐらいでまとめましょう。転職回数が多いと長くなってしまいますが、できるだけポイントを絞って書くようにしてください。
職務経歴
「職務経歴」は今まで在籍した会社、仕事について1社ずつ書きます。在籍企業名、在籍期間を書いて、自分がしてきた業務内容を書きましょう。
職務経歴は『職務経歴書』の中心になる項目で1社ずつ具体的に書く必要があるので、詳細は次章で説明します。
資格・スキル
「資格」は『普通自動車第一種運転免許』など正式な名称を書いて、取得年月日を書きましょう。希望する業種で使える資格を持っていた方が良いですが、資格が多ければ良いという訳ではありません。
「スキル」は資格と比べるとわかりづらいので、イメージできるように具体例を加えると良いでしょう。書く欄がなければ、自己PRも使って説明してみてください。
自己PR
「自己PR」は自分の強みを書きましょう。わからない場合はまわりの人に聞いてみると、意外な発見があるかもしれません。
自分には強みがないと思っていても、「正直なところ」「行動力があること」など自分では気付いていないものがきっとあります。自分では当たり前でも、他の人から見たら立派な強みなのです。
「職務経歴」欄の具体的な書き方
職務経歴書の中で1番書くことに悩むのが「職務経歴」ではないでしょうか。ここでは職務経歴の書き方について深堀りしていきましょう。
職務経歴には、以下の内容を1社ずつ書いていくことになります。
- 勤務先会社名
- 雇用形態
- 在籍期間
- 業務内容
- 担当業務
- 成果・実績(形に残るものがあれば)
- 習得したスキル
- 工夫したこと、学んだこと
特に大切なのは「習得したスキル」と「工夫したこと、学んだこと」です。その仕事を通して自分がどう考え、どんな選択をして、なにを学んできたかを考えましょう。
例えを出してみると「建築の設計補助をすることで、図面を正確に書くスキルや設計者が書く線には1本1本意味があることを学んだ」のようなことです。具体的で相手に伝わる書き方を考えてみましょう。
職務経歴書の書式は自分に合ったものを選ぼう
「職務経歴書」は「履歴書」と比べると決められた形式がありません。職務経歴書の書式には以下の3つの形式がありますので、自分が使いやすいものを選択しましょう。
- 逆編年体形式
- 編年体形式
- キャリア形式
逆編年体形式
「逆編年体形式」は、新しい仕事から順に業務内容や実績を書いていく形式です。一番多く使用されているのがこの形式になります。
今の仕事を一番に書くことで、現在の自分を中心に表現できるようになっています。書式をあまり気にしないのであれば、この形式を使うのが良いでしょう。
編年体形式
「編年体形式」は仕事の経験順に書いていく形式です。キャリアの一貫性やステップアップしてきたことを強調するときに有効です。
転職経験があまりなくて書くことが少ない場合も、この編年体形式で書くのが良いでしょう。
キャリア形式
「キャリア形式」は仕事の業務内容やプロジェクトごとに分類して書ける形式です。専門性の高い職種などで、アピールしたいポイントが明確な時に有効です。
『自分の強み』が明確でよりアピールしたい場合は、このキャリア形式を使ってみると良いでしょう。
採用担当者は職務経歴書のどこを見る?
ところで、採用担当者は「職務経歴書」のどこを見ているのでしょうか?
採用担当者は「採用したらあなたの経験をどう活かせるか」「転職の目的などを自分の言葉でしっかり書いているか」などを見ています。
そこから考えると、職務経歴書には「採用してもらえたら私の経験をこう活かせる」「転職の目的を自分の言葉でしっかり説明している」などがわかる必要があります。
採用担当者はたくさんの人を相手にして、多くの職務経歴書を見なければなりません。1人1人にかける時間は少なくなりますので、読みやすい職務経歴書を書くように心がけましょう。
職務経歴書等は送る時にも注意しよう
職務経歴書等の提出方法にもマナーがあります。書類の内容だけでなく提出の仕方にも注意をしましょう。
提出方法には、主に以下の3種類が考えられます。採用担当者がテレワークをしている場合もありますので、提出方法については事前にしっかり確認しましょう。
- 持参
- 郵送
- メール
持参
持参する場合は折れたり汚れたりしないように、クリアファイルに入れてから封筒に入れましょう。職務経歴書等を折らずに入れられる大きさの封筒を使用してください。
採用担当者に手渡しする場合は、しっかり両手で渡すようにしましょう。
郵送
郵送の場合もクリアファイルに入れてから封筒に入れましょう。クリアファイルは雨が降った場合に、濡れるのを防ぐという意味もあります。
宛名は会社名の後に「御中」と書くか、「採用ご担当者様」と書きます。宛名の左側に「応募書類在中」と書くもの忘れないようにしましょう。
メール
メールの場合は、必ずPDFファイルに変換しましょう。エクセルやワードでは相手のパソコン環境によって、うまく表示できない可能性があります。
また、メールを送るときはパスワードを設定し、暗号化して送るようにしましょう。
まとめ:職務経歴書の書き方でうまく相手を惹きつけよう
今回は「採用担当者に良い印象を与える職務経歴書の書き方」について説明しました。
採用担当者も人間ですので、「これをこう書けば良い」という絶対の法則はありません。結局のところ、自分なりに丁寧に書いた「人間性が伝わる職務経歴書」が一番相手を惹きつけると思います。
相手に良い印象を与えられる職務経歴書が書けるよう、この記事を読み終わったらすぐに行動しましょう。自分を振り返って『自分の強み』を書き出すなどは、何度やっても良いことです。
職務経歴書を書くことで自分を振り返った経験は、新しい仕事をしていく今後にきっと良い影響を与えます。自分にプラスになることですので、前向きに考えて職務経歴書を完成させましょう。