「歯科技工士の資格はどうやって取得できるの?」「歯科技工士の試験って難しい?」「どんな仕事をしている職業なの?」といった悩みを抱えていませんか?
資格の勉強をするにしても、お金がかかることには何事も一歩踏み出すのに勇気がいりますよね。
国家資格の歯科技工士は、最近流行りのインプラントによって需要が高まっていて、仕事に困らないと言われています。さらに、夜間部を併設しているため、転職しようとしている方でも安心して通うことが可能です。
本記事では、歯科技工士の仕事内容や資格の取得方法、年収、4つのメリットを詳しく紹介します。歯科技工士の知識を得れば、安心して新しい道を切り開くことができますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
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歯科技工士は義歯の作成やメンテナンスを行っている
歯科技工士とは、歯科医師の指示書をもとに歯科技工物(歯科治療に関する入れ歯や詰め物、被せ物、矯正器具、インプラントなど)の作成やメンテナンスを行う人のことを言います。
患者によって口の大きさや歯の形も異なるため、それぞれに適したものを作成する必要があり、かなり細かく正確な作業を行う専門的な職業です。
また、医療系国家資格であるため、一度習得してしまえば歯科医院だけではなく、海外での医療現場でも活躍することができますよ。
歯科技工士の資格を取得する方法
歯科技工士の資格を取得するためには、まず歯科技工士教育機関の専門学校や短大、4年制大学で必要な知識と技術を習得し、定められたカリキュラムを2年以上学ぶ必要があります。
その後、国家試験への受験資格が得られるのです。教育機関自体全国に53校と少ないですが、中には夜間部を併設している学校もあります。
夜間部であれば大体平日の18時~21時頃まで授業を行っているため、仕事をしていたとしても問題なく通うことが可能です。
さらに、学校によっては「教育訓練給付金」という学費の70%が支給される制度もあります。こうした制度を活用することで、350万円の学費が250万円程度まで抑えられるので、うまく活用してみましょう。
歯科技工士資格の国家試験は難しくない!
歯科技工士国家試験では、学説試験8科目80点満点中48点と実地試験80点満点中54点以上の人が合格することができます。
以下、令和3年度歯科技工士国家試験の合格基準ですが、例年の合格率は90%以上と難しくないことが分かります。
学説試験 | 総得点 48点以上/80点 ただし、基礎科目群及び専門科目群別得点のいずれかが、その科目群の総得点の30%未満であった場合は不合格。 |
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実地試験 | 総得点 54点以上/90点 |
受験者数 | 872人 |
合格者数 | 827人 |
合格率 | 94.8% |
引用元:厚生労働省|令和3年度歯科技工士国家試験の合格発表について
歯科技工士の資格を得るためには適正も必要
歯科技工士は人の口の中に入る物(身体の一部)を作成するため、科学的な知識を元に丁寧で正確な技術が必要になります。
そのため、芸術的な意味の技術よりも、利用者にとって害のない機能的なものを作れる知識と技術の精密さを求められます。
一見、手先が器用でないとできない仕事だと思われがちですが、器用さ以上に根気強さが必要なのと同時に、医療専門職として新しい技術や知識を習得する向上心も大切なのです。
歯科技工士の役割
歯科技工士はどういった種類のものを作っているか詳しく紹介していきます。
インレー | 虫歯治療などにより、歯の一部が欠けたり、穴が空いてしまったりした場合に入れる詰め物のこと。金属や強化プラスチックなどで作成して、部分的に装着し歯の形や機能を回復させる。 |
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クラウン | 虫歯治療や事故によって欠けた歯を覆うための被せ物で、範囲が大きい場合に使われることが多い。 |
ブリッジ | 欠損した歯の両隣にある歯を支えとして連結した人工歯を入れること。※健康な歯に負担がかかることがある |
部分入れ歯 | ブリッジと同じ部分的に失った歯を補うもの。取り外しが可能で比較的安値。 |
総入れ歯 | 上下の顎に歯が一本もない場合に用いる義歯のことで、口腔内の粘膜に密着させる。 |
インプラント | あごの骨に金属のインプラント体を埋め込み、その上に人工の歯または義歯を取り付ける歯科治療のこと。 |
歯科技工士の資格が取れると、平均年収400万円
日本歯科技工会「2021年歯科技工士実態調査」によれば、勤務者の平均年収は300万~400万円未満が25.6%と比較的安定していることが分かっています。
全体の平均でも、300~400万円未満が20%、200~300万円未満が18.8%、400~500万円未満が14.5%と収入は一般企業とさほど変わらないのです。
さらに、自営業の方が給料水準が高い傾向があるため、技術を学び独立を目指した方がいいと言われています。
歯科技工士は独立開業を目指す人が多い
歯科技工士は国家資格で独立開業が認められているため、キャリアプランとして独立を目指す人が多くいます。
例えば、歯科技工所に勤めて技術や経営を学んだ後に、独立して自分の会社を持つことも可能です。スキルさえ身につけていれば、自宅での開業や歯科技工所の開業できるでしょう。
さらに、若い歯科技工士を雇えば、人材育成にも貢献できますので、歯科技工士は頑張り次第でさまざま可能性があるのです。
現在の歯科技工士の勤務状況は若手不足
日本歯科技工士会「2021歯科技工実態調査報告書」によると20~30代の合計が全体の23.6%しかいなく、平均年齢も49.3歳と若手不足が問題となっています。
試験の合格者数についても2009年では1,431人でしたが、2022年には827人と減少傾向にあるのです。
若手が入社しても、給与・労働時間・将来性といった不安から離職率も高いため、現役で働いている歯科技工士は40~50代がほとんどで、他の業界と比べても高齢化が進んでいるところが課題となっています。
国家資格である歯科技工士のメリット4つ
国家資格である歯科技工士を目指してもらうために、4つのメリットを紹介していきます。メリットを理解したことで、歯科技工士のキャリアプランに役立ててくださいね。
- 国家資格のため、仕事が安定している
- 義歯(入れ歯)は必須なため、仕事がなくなることはない
- 就職先も色々存在する
- 男女差なく働くことが可能
国家資格が必要な仕事なため、安定している
歯科技工士は国家資格が必要な仕事なため、社会的にも信用された安定した仕事と言えます。
専門学校や大学、短大などの歯科技工士教育機関で、所定の科目を2年以上学べば国家試験の受験資格が得られ、さらに合格率も高いことから一生の仕事にすることも可能です。
義歯(入れ歯)は必須なため、仕事がなくなることはない
歯は身体と同様に年齢とともに問題が起こる部分であり、現代の超高齢化社会という時代に合っているため、仕事に困ることはありません。
また、インプラントや入れ歯、詰め物など歯科技工士に求められる技術も多様になっているので、今後もニーズは高まることが予想されます。
就職先も色々存在する
歯科技工士は、歯科技工所(デンタルラボラトリー)という、技工物の製作を専門に請け負う会社に勤務することが多いです。
他にも、歯科医院内にある技工室(院内ラボ)や科材料メーカー、歯科技工士教育機関に勤務している方もいます。
さらに、日本の歯科技工士は、世界的にも高評価を受けており、中には海外で活躍している日本人歯科技工士もいるのです。
男女差なく働くことが可能
基本座って仕事をする歯科技工士は、年齢や男女差なく働くことができます。
女性であれば、出産や子育てで仕事を離れたとしても、技術があればその後の現場復帰も可能なのです。歯科技工士の資格さえ持っていれば、生涯に渡って仕事ができるでしょう。
まとめ【歯科技工士の資格があればどこでも働ける】
歯科技工士は歯科技工士教育機関(全国53校)の専門学校や短大、4年制大学で必要な知識と技術を習得し、定められたカリキュラムを2年以上学ぶことで、国家試験への受験資格が得られます。
合格率も90%以上と高い合格率なため、学校でしっかり勉強していれば受かることができるでしょう。
- 国家資格のため、仕事が安定している
- 義歯(入れ歯)は必須なため、仕事がなくなることはない
- 就職先も色々存在する
- 男女差なく働くことが可能
現在、仕事をしている方だとしても、夜間部に通えば平日の18時~21時頃まで授業を行っているため、仕事終わりでも通学は可能です。
学費も高額ですが、教育訓練給付金制度があるところでは、支払った学費の70%をハローワークが支給してくれるところもあります。こうした制度を活用することで、無理なく新しい資格を取得できるでしょう。