不動産投資とはどんな投資なのでしょうか。「不動産投資は不労所得が手に入る」と耳にしたことはありませんか?「不動産みたいなそんな大層なモノ扱えないよ」って思ったことありませんか?
本記事では「不動産投資」という名前だけ聞いたことある方や、別世界の投資だと思っている会社員の方に、不動産投資についての基本的な知識やメリット・デメリットを分かりやすく説明していきます。
成功するかどうかは別の話になりますが、不動産投資は意外に誰でもできちゃう投資なのです。基本から勉強していきましょう!
(アイキャッチ画像出典:https://pixabay.com/ja/illustrations/%E3%82%AD%E3%83%BC-%E5%AE%B6-%E5%AE%B6%E3%81%AE%E9%8D%B5-%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0-2114044/)
不動産投資とは?
早速、不動産投資について説明していきましょう。不動産投資とは、不動産(建物)を購入し、「使いたい人」に貸すことで、家賃収入を得るという形の投資のことをいいます。
不動産投資のおおまかな流れは下記の通りです。流れをイメージしながら記事を読み進めていくと内容が入ってきやすいですよ。
- 資金を集める
- 不動産を購入する
- 管理を委託する
- 使ってもらう
- 家賃をもらう
不動産投資で得られる収益は、上記の家賃収入の「運用益」(インカムゲイン)と、不動産を購入後、不動産の価格が上昇したタイミングで売却し、利益を得る「売却益」(キャピタルゲイン)です。
不動産投資では運用益を基本とします。なぜなら、家賃自体の変動が小さく、安定した収益が見込めるからです。
一方で不動産は価格変動が小さいため、流動性が少なく、すぐに買い手が見つからないので、売却益で安定して利益を得るのは難しいのです。
不動産投資の種類
不動産投資にはいくつかの種類があります。以下から、不動産投資のパターンを2つ紹介しますね。
- ワンルーム投資
- 一棟買い投資
ワンルーム投資
分譲マンションの一室を購入するという投資パターンです。一室だけなので、購入価格は安いもので200万円、高くて4000万円程と比較的安価に投資ができます。
一方で、規模を拡大させたいけど新たに物件を探す必要がある場合は、複数区分の管理が必要なため、効率の悪い投資となってしまいます。
一棟買い投資
集合住宅や戸建て住宅を一棟丸ごと購入する投資パターンです。一棟買いの場合は、安くても4000万円と非常に高い買い価格になります。
しかし、所有している建物の全部屋における家賃収入を獲得できる可能性があるため、大きな儲けが期待できます。
不動産投資と他の投資の違い
不動産投資と他の投資で何が違うの?って思いますよね。以下から、不動産投資とその他の投資(株式投資)の違いを2つ紹介しますね。
- 資産の形態
- かかる費用
資産の形態
まずは資産の形態です。不動産には形があり、モノ自体に価値がある「実物資産」で、株式は換金できる権利「金融資産」とされています。
実物資産と金融資産の1番の違いは現物があるかどうかです。現物は存在する限り、無価値になることはありませんが、株式など有価証券は会社が倒産、解散すると無価値になります。
また、金融資産は時事刻々と変化する世界情勢に直接的な影響を受けますが、実物資産は価格変動が穏やかな傾向にあります。
かかる費用
株式投資は1000円から始めれるものもありますが、不動産投資は安くても200万円ほどかかります。
株式投資の方がリスクが小さそうに感じますが、低資金であれば売却益を主とするのがセオリーであり安定した収入を得るのは難しいです。一方で不動産投資は安定した収入が期待できるのでリスクが小さいといえます。
とは言っても投資にリスクはつきものです。不動産投資のリスクについては、第4章の「不動産投資のデメリットとは?」で説明しています。
不動産投資のメリットとは?
次はみなさんが1番知りたい不動産投資のメリットです。以下から、不動産投資のメリットを5つまとめて紹介しますね。
- 安定した収入を獲得できる
- 節税効果がある
- インフレへのリスクヘッジができる
- 生命保険の代わりになる
- 年金対策にも役立つ
安定した収入を獲得できる
不動産投資の1番のメリットは長期的に安定した収入が獲得できるということです。
不動産は価格が高いため、最初のうちはローン返済にお金が回り利益獲得は難しいでしょう。しかし、ローンの返済が完了すると、その後は住みたい人、使いたい人がいる限り家賃をもらい続けることができます。
つまり不動産投資での家賃収入は不労所得となり、働かずとも暮らせる未来もあるでしょう。
節税効果がある
不動産投資をすることで、自分の全所得に対して節税につながることがあります。
不動産投資をしている会社員の場合、課税所得は給与所得と不動産所得の合算で算出します。つまり、不動産所得が赤字の場合は所得税を節税できるということになります。よく分かりませんよね(笑)説明します。
まず不動産所得は総収入から必要経費を引いた金額のことで、不動産投資の場合、物件の購入金額を分割して毎年必要経費として計上できるのです。この経費を減価償却費と言います。
つまり、家賃収入は得ながらも、家賃収入よりも減価償却費を含めた経費が上回れば赤字扱いになりますので、全所得に対して節税できるということになります。
インフレへのリスクヘッジができる
インフレとは物の価値が上がり、お金の価値が減少する状態を指します。インフレ時に貯金や預金をしている人たちは、価値が低下したお金を保有していることになります。これって少し損ですよね。
現金ではなく不動産や株式という形の資産を持っていれば、その資産はインフレ時でも物価に連動した価値上昇が見込めます。
そして不動産投資の最大の特徴は、不動産の価値と家賃が連動していないということです。日本では特に、大きな景気変動においても、家賃の変動率は極めて低く安定しているのです。
つまり、不動産投資は景気に左右されずに一定で安定した家賃収入を得れる強みがあるのです。
生命保険の代わりになる
ご自身が亡くなった時の家族のことを考えて、生命保険に入っている方も多いでしょう。不動産投資はそんな生命保険の代わりにもなります。
ローンの契約者が亡くなり、家族の生活に大きな障害が出る場合、「団体信用生命保険(団信)」が降り、ローンがまだ残っていても精算してくれます。
そして、引き続き入居者がいれば家賃収入を得続けることができますし、空室が続き、家賃収入が入らなくなれば、売却することもできるのです。
年金対策にも役立つ
日本ではいま「人生100年時代」と言われ、少子高齢化が進んでいます。そんな中「将来年金もらえるのかな。」「受給額減らないかな。」と老後の生活が不安ですよね。
現在では、企業型確定拠出年金やiDeCoなど、年金対策がいくつかあります。不動産投資も年金対策の1つと言っても良いでしょう。
理由は単純です。空室にならない限り、長期的に安定した家賃収入が獲得できるからです。老後働けなくなっても、不労所得として収入を得続けれるのです。
不動産投資のデメリットとは?
投資というからにはもちろんリスク、デメリットもあります。以下から、不動産投資におけるデメリットを8つまとめて紹介しますね。
- 高い費用がかかる
- 空室リスクがある
- 天災リスクがある
- 老朽化リスクがある
- 損害賠償リスクがある
- 流動性が低い
- 賃貸滞納リスクがある
- 金利上昇リスクがある
高い費用がかかる
不動産投資では物件価格とは別に初期費用と運用費用がかかります。それら諸費用は物件価格の6〜10%と言われています。
1000万円の物件であれば、物件価格とは別に、諸費用として60〜100万円は必要であると認識しておきましょう。
初期費用としては下記のような費用が必要になります。1番大きく占めるのは仲介手数料です(物件価格の3%+6万円が上限)。不動産会社を通さず、直接売主から購入する場合、仲介手数料は発生しません。
- 仲介手数料
- 火災保険料
- ローン関係費用
- 印紙税
- 登記関係費用
運用費用(ランニングコスト)としては、下記のような費用が必要になります。管理費や修繕積立費は空室リスクを避けるためにも重要な費用になります。
- 固定資産税
- 都市計画税
- 管理費
- 修繕積立費
空室リスクがある
不動産投資は部屋を使ってくれる人がいれば、家賃収入を得ることができますが、逆に「使いたい人」「住みたい人」がが存在せず空室となれば収入は0になります。
空室を避けるためには、お客様の満足度を向上させる他ありません。
都心の場所、駅近の場所など人気の場所を選ぶことも大事ですし、入居率が高い管理会社を選ぶことも大切です。
賃貸管理や建物管理、日常的な清掃はお客様が安心して住めるかどうかを決める大事な要素になります。管理会社の手数料だけで判断してしまうのは危険です。
天災リスクがある
不動産投資にとって天災はリスクになります。特に日本は地震大国ですので注意が必要です。
天災により、倒壊に至らなくても、マンションの一部破損してしまうことはあります。その際、修復対応が遅かったり、ちょっとしたことで破損してしまうような脆弱なマンションに住みたいとは到底思いません。
天災は上記で説明した空室リスクに繋がりますし、オーナーとしては修繕費用を負担しなければいけません。
これら天災リスクを回避するためには、火災保険や地震保険の加入、また、地震や火災に強い建物を、建築物の構造の視点から見極める知識が必要になります。
老朽化リスクがある
不動産と呼ばれる実物資産には老朽化が付き物です。老朽化は入居者数が減る原因になりますので、日頃から定期的な点検やメンテナンスが必要になります。
そのためには修繕費を負担する必要がありますが、問題のある毎に突発的に修繕費を支払っていては心が持ちません。
修繕ノウハウをもった管理会社のもと修繕費用を計画的に積み立てることで、ご自身のお財布管理がしやすくなるでしょう。
損害賠償リスクがある
先で説明した老朽化により、外壁が剥がれたり、漏水するなど住民に危害を加える可能性は大いにあります。
そして、オーナーには営繕(えいぜん:建築物の新築、増築、修繕および模様替)管理の義務があり、無条件で損害責任が発生してしまいます。
そうならないために、先で説明したように、建物の定期点検や必要に応じたメンテナンスが必要になるので、適切な管理会社を選択しましょう。
流動性が低い
不動産は、株式やFXに比べて流動性(売買の量・換金のしやすさ)が低いため、売りたいときに買い手が見つからず、現金化に時間がかかってしまうことがあります。
一方で、価格変動が穏やかであるため、安心して保有しておける資産であるともいえますね。
賃貸滞納リスクがある
住居人の中には、賃貸を滞納する人がいるかもしれません。そうなると、予定していた収入が入らない状態で次の入居者を募集できないといったネガティブな状態に陥ります。
そうならないために、入居時の審査基準に厳格な条件を追加しておくなど、事前に対策を行うことが大切です。
金利上昇リスクがある
不動産購入においては、100%自己負担できない場合、金融機関からお金を借りる必要があります。
現在はゼロ金利政策が続いており、超低金利で金融機関から借り入れすることができますが、景気が落ち着けば金利上昇は避けられません。
ローン金利の支払いを減らすためには、不動産購入金額の内、自己負担額の割合を多くしたり、固定金利を選択するといった対策が必要になってきます。
不動産投資は「お金持ち」じゃなくてもできる
不動産投資は、高収入で、お金持ちにしかできない投資だと思っていませんか?僕も初めはそう思っていました。
実際にはローンを組んで始める人が多いのが現状です。一般的に融資金額は個人の年収の10〜20倍が上限と言われており、年収500万円の人が5000万円や1億円を借り入れすることも夢じゃないのです。
しかし、金融機関から借り入れする際には、ある一定の審査基準があります。全額借り入れすることができない場合もありますので、最低準備資金額は押さえておいた方が良いです。
例えば、1000万円の物件を購入する際は、頭金100万円(物件価格の10%)、諸費用60〜100万円(物件価格の6〜10%)を準備できれば大丈夫でしょう。
不動産投資で成功するための必要な要素とは?
ここでは不動産投資で成功するための必要な要素を3つ紹介していきます。要素が自分にハマらないからと言って諦めないでください。本気で「やりたい」気持ちがあれば人間は変われます!
- 努力する
- 意志を持つ
- 長い目で物事を見る
努力する
まず一番大切なのは、努力することです。不動産投資では「投資の知識」「税金の知識」「建築物の知識」「国内外の情勢」そして「現地調査」「売主との交渉」など多分野の知識・スキルが必要になります。
「努力するなんて当たり前だろ」と思うかもしれませんが、努力量の足りていない努力や間違った努力は努力ではありません。安定した収入を得るために、正しい努力を本気でやりましょう。
意志をもつ
次に大切なのは自分の意志をしっかりと持つことです。不動産会社の意見に流されず、自分の意志で選んだ不動産を購入することが大切です。
不動産の購入に至った理由が、他者が納得いくレベルで説明できれば良い物件選びができたと言えるでしょう。不動産に愛着を持つことができれば、自然と「住みやすい」「使いやすい」不動産になるでしょう。
長い目で物事を見る
不動産投資は基本的に数十年という期間で行う投資です。すぐに儲かるものではありませんし、数年間は家賃収入をローン返済に充てることになります。
目先の収支に一喜一憂して短絡的な判断を繰り返していては成功はできないでしょう。将来の目標、1年単位での目標を決め、逆算してやるべきことを整理していきましょう。
まとめ「不動産投資とは」
ここまで不動産投資の基本的な知識からメリット、デメリットまで説明してきました。さいごに、不動産投資における3つのポイントを本記事のまとめとして紹介します。
- 景気に左右されず安定した家賃収入が期待できる
- 数多くのリスクも伴う
- サラリーマンでも200万円準備できれば、誰でも始めれる
以上です。最後まで読んでいただきありがとうございました。これから不動産投資を始めてみたい方は、始める手順を把握した上で、物件の探し方の勉強から始めてみてはいかがでしょうか?