「ムササビをペットとして飼いたいが、飼っている人が見つからない」「そもそもモモンガとムササビの違いは何?」とお悩みではありませんか?ムササビの生態や飼うために必要なものを調べるのは大変ですよね。
この記事を読めばムササビを飼うことについて理解できますし、モモンガとムササビの違いも解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。
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ムササビの生態
ムササビは、ネズミ目リス科リス亜科ムササビ属に属するの哺乳類の一種です。日本固有種で本州から九州と四国に生息しています。
個体差はありますが、全長は50~80センチくらいあり、体重も0.7キロ~1キロくらいあります。メスは縄張りを持ちますが、オスは特に縄張りをもちません。
夜行性であり、地面の上で生活することはせず樹木の上で生活します。そのため大木の樹洞や民家の屋根裏がムササビの巣になります。
基本的には雑食ですが、木の上で生活するためドングリやカエデの若葉等を食べて生活するようです。
ムササビとモモンガの違い
「体を広げて空を滑空するのだからモモンガとムササビは同じ動物じゃないの?」と思われる方に向けてムササビとモモンガの違いを説明します。
- 大きさが違う
- 見た目が違う
- 生息地が違う
大きさが違う
まず、尻尾を含めた全長ですがムササビは全長50~80センチくらいあるのに対して、モモンガの全長は20~30センチです。ムササビと比べるとモモンガの方が一回り小さいですね。
そして体重ですが、ムササビは700グラム~1000グラムになりますが、モモンガは150~200グラムです。ムササビと比べてモモンガはとても軽いです。
見た目が違う
ムササビとモモンガは見た目が違います。一つ目はムササビにある白い模様。ムササビの頭部側面には耳の周りに白い模様があります。一方でモモンガは全身茶色でそれ以外の模様はありません。
そして尻尾の形も違います。ムササビは円柱状の形をしており、長さも25~40センチと長いですが、モモンガは10~15センチ程度の長さで平たい形状をしています。
生息地が違う
ムササビとモモンガでは生息する地域が違います。ムササビは日本固有種で本州から九州と四国に生息しています。
一方、モモンガは世界中に生息しており、ペットとして多く流通している「フクロモモンガ」の場合はオーストラリア北部から南東部、ニューギニア島、ビスマルク諸島などの温帯から熱帯の森林に生息しています。
他にも「アメリカモモンガ」は、アメリカ、メキシコ、周辺の北米及び中米に生息しています。
日本のムササビはペットとして飼えない
ムササビとモモンガの違いを理解していただいたところで、「モモンガじゃなくてムササビを飼いたい!」と思われる方もいるかもしれませんが、残念ながらムササビはペットとして飼育することはできません。
ムササビは鳥獣保護法という法律で守られいるため、ペットとして飼うことは禁止されています。
ですが、一部例外もあります。それはムササビを一時的に保護し、再び野生に返すための飼育であれば問題ありません。ただしこれをするには鳥獣保護員にならないといけません。
鳥獣保護法とは
正式名称は「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」といいます。これでは長いので一般的には「鳥獣保護法」と呼んでいます。
鳥獣保護法とは日本国内に生息する野生の哺乳類や鳥類について、捕獲・飼育の規制や、生息環境の保護、個体数の調整、狩猟に関する制度などを定めた法律のことです。
鳥獣保護員とは
鳥獣保護員とは、鳥獣保護区の管理、鳥獣に関する各種の調査など鳥獣保護事業の実施に関する業務を補助する職員のことを言います。
鳥獣保護員になるには特に資格などは必要ありませんが、自治体の非常勤職員になる必要があります。また自治体の非常勤職員公募に応募する際に鳥獣保護法の知識や鳥獣に関する知識が要されることになります。
カオジロムササビならペットとして飼える!
ムササビをペットにすることはできませんが、中国に分布するカオジロムササビならペットにすることができます。
大きさはムササビと同じくらいの全長50~80センチであり、性格は凶暴です。顔周りが白い模様をしており、目の周りと胴体がレッサーパンダのような赤褐色の毛色をしています。
また、希少な動物なので、一般的なペットショップでは販売しておらず、ネットで探してみても生態価格は約30万くらいします。
カオジロムササビをペットにするときの注意点
カオジロムササビの性格はかなり凶暴で飼育が困難といわれています。
犬用のキャリーケースを巣の代わりにしようものなら、一日でボロボロになります。ですので、もしカオジロムササビを飼育するならケージは頑丈なものを用意しましょう。
また、カオジロムササビの噛む力は強いので、触ろうとしたら指を食いちぎられる可能性があります。カオジロムササビと仲良くなるにはかなりの気合が必要になりそうですね。
モモンガならペットにできる!
ムササビは鳥獣保護法によって、ペットとして飼育することはできませんが、モモンガならペットとして飼育することができます。
ペットとして有名な種類はフクロモモンガです。販売価格は約3万から9万で販売しており、一般的なペットショップでの取り扱いは少ないです。
インターネットで取り扱いのあるペットショップを探してみるか、フクロモモンガのブリーダーを探してみましょう。
ペットショップのコジマでは様々はペットを提供しています。もちろんフクロモモンガもいますので一度覗いてみてください。
モモンガの飼育に必要なもの
モモンガの飼育に必要なものは以下になっています。種類が多いですが、一つづつご説明します。
- ケージ
- 保温器具
- 温度計
- 登り木
- エサ入れ
- 水入れ
- エサ
ケージ
フクロモモンガは野生では木の上で生活する生き物です。ですのでケージも高さがあるものを選ぶといいでしょう。
保温器具
フクロモモンガは熱帯~亜熱帯で生活する生き物です。そのため保温器具は必須になります。ただし、コードを噛む子もいるので注意が必要です。
温度計
モモンガにとって適切な気温を知るために必要です。また、保温器具が必要以上に温度を上げてないかを見るためにも温度計を用意しましょう。保温器具の中には設定した温度で自動的に保温を止めるものもあります。
登り木
モモンガは木登りが大好きな動物です。ケージの中に登り木を用意するといいでしょう。
エサ入れ
エサ入れは、モモンガがひっくり返さないように陶器製の重みのあるものが良いでしょう。
水入れ
水入れはケージに取り付けれるものがいいと思います。用意する水は水道水で大丈夫です。もしも心配な場合は浄水器を使用したり、煮沸してカルキを飛ばし、冷めたお湯を使用してもいいでしょう。
エサ
エサはモモンガ専用のエサを用意しましょう。また、モモンガは夜行性であるため、エサを与えるタイミングは夕方にしましょう。
「フクロモモンガを飼うためにいろいろ準備するのが面倒」という方は、以下の「初めての飼育セット」がおすすめです。
先ほど説明したものがすべてひとまとまりになって購入することができます。
モモンガを飼育する時の注意点
モモンガを飼育する際は以下に記載している内容に注意しましょう。
- ストレスに気を付ける
- 動物病院を探しておく
- ケージから出したときは目を離さない
ストレスに気を付ける
可愛いモモンガと早く打ち解けて、手に向かって滑空させてみたい!と思う気持ちもわかりますが、モモンガにとっては環境に慣れていくことが優先です。
モモンガのケージをのぞき込んでみたり、大きな音を立てることはストレスを与えてしまうため控えましょう。
モモンガは臆病で繊細な性格ですが、焦らず打ち解けていくと人慣れします。人慣れすると手に向かって滑空してくれるでしょう。
動物病院を探しておく
モモンガはペットとして飼育できますが、犬や猫と比べるとマイナーな動物です。そのためモモンガを診察できる動物病院をあらかじめ探しておきましょう。
モモンガが体調不良を起こしてから動物病院を探していては最悪の場合死に至る可能性もあります。ちょっとした変化でもすぐに相談・受診できる病院を見つけておきましょう。
ケージから出したときは目を離さない
モモンガとある程度仲良くなったら、ケージから出して遊ばせたいと考えることもあるでしょう。ですがケージから出したら絶対に目を離さないようにしましょう。
モモンガは小さいため、家具の隙間に落下してしまったり、浴槽やトイレの水たまりで溺れてしまったりしてしまいます。
さらに犬や猫などの他のペットを飼っている場合はモモンガがいたずらされたりしますし、電気コードをかじって感電してしまうこともあります。
ですのでケージからモモンガを出した場合は絶対に目を離さないようにしましょう。
モモンガはペットとして懐く?
モモンガは比較的人馴れしやすい動物です。ですが性格は臆病で繊細。そのため懐かせるためには慌てずゆっくりとモモンガに接してみましょう。
モモンガをペットとして迎えた最初はケージの中に入れてそっとしておきましょう。また、モモンガに「飼い主のニオイ」を覚えさせるため、一日履いた靴下をケージに入れてみるのも効果的です。
モモンガが飼育環境に慣れたころ(約1ヶ月間くらい)から少しづつ手からエサをあげてみてもいいかもしれません。
最初は警戒しますが、徐々に飼い主の手を「エサをくれる手」と認識すると、モモンガから手にすり寄ってきますよ。
ムササビはペットとして飼えないが、モモンガなら飼える!
ムササビは鳥獣保護法によって、ペットとして飼うことはできません。ですが凶暴なカオジロムササビや、フクロモモンガであればペットとして飼うことはできます。
モモンガであればカオジロムササビよりも生態価格はお手頃ですし、臆病で繊細な性格ですが懐いてくれる可能性もあります。
モモンガはペットとしてまだまだメジャーではありませんが、丸い目や手に向かって飛んでくる様子はとってもかわいいので、飼育を検討している方は先ほどご紹介したペットのコジマをのぞいてみてはいかがでしょうか?