今までペットを飼った経験がなく、「しつけはいつから、何を始めればいいか分からない!」と困っていないでしょうか。
実は犬や猫には、学習がよく進む期間があるということが研究によって分かっています。その期間であれば効果的にしつけをすることができるのです。
この記事を読むことで、しつけを始めるベストなタイミングや、最低限するべきしつけの内容が分かります。
ご自身が初めてペットを飼うときの参考にしていただければと思います。
アイキャッチ画像出典:https://pixabay.com/ja/photos/%E7%8A%AC-%E3%83%A9%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%89%E3%83%BC%E3%83%AB-%E3%83%9A%E3%83%83%E3%83%88-1861839/
しつけはペットと人の両方が幸せになることが目的
人が社会で生きる上で守るべきルールが必要なのと同じように、ペットにもルールを守ってもらう必要があります。
部屋中を噛んだり、トイレ場所を覚えてくれなかったりしたら飼い主は大変ですよね。
ペット側も人に迷惑をかけること自体は望んでいません。可能なら正しいことをして、飼い主から褒められたいはずです。
周囲の人や別のペットに迷惑をかけず、幸せに暮らしていくためのルールを教えることがしつけなのです。
しつけのタイミングは「社会化期」が良い
ペットにしつけをするベストなタイミングは一般的に「社会化期」が良いと言われています。
そもそも社会化期とは、感覚器や運動機能が発達し、様々なものに慣らすことに適した時期のことです。
この時期から、外界に対する強い好奇心と学習意欲を見せ始めますので、最もしつけに適した時期と言えます。
しつけだけでなくバイクや車などの大きな音がするものや、飼い主以外の人、動物病院などに慣れさせることもこの社会化期が良いでしょう。
犬の社会化期はいつから?
犬の社会化期は生後3~12週間の間です。以下は犬に関する論文から一部引用したものです。
犬の社会化期は 3 週齢頃から 12 週齢で,社会化されていないと問題行動を起こす確率が高くなると言われている。
引用:http://130.34.141.6/e-dbase/dp/tmarg/tmarg84.pdf
人から譲り受けた場合は生後3週間経つまで待つようにしましょう。
ただし、ペットショップで犬を買った際は既に社会化期を迎えているため、家に着いたらすぐしつけを始めてOKです。
これは「動物の愛護および管理に関する法律」で生後56日(8週間)未満の犬及び猫販売または販売のための引き渡し、展示を禁止されているためです。
猫の社会化期はいつから?
猫の社会化期は生後2~7週間の間です。犬よりも社会化期が早く訪れ、期間も犬より短いことが特徴です。以下は猫に関する論文から一部引用したものです。
2.2 ネコ-ヒト間
ネコがヒトとの関係を築く際に重要なのは,“社会化期”と呼ばれる時期にヒトと十分に接し,社会化されることである(McCune, McPherson, &Bradshaw, 1995 山崎訳 1997)。ネコでは生後2~7週の間がヒトに対する社会化の感受期である(Karsh & Turner, 1988)。
引用:https://www.jstage.jst.go.jp/article/janip/advpub/0/advpub_59.2.1/_pdf/-char/ja
犬のときと重複しますが「動物の愛護および管理に関する法律」では、8週間未満の犬や猫をショップで買うことはできません。
よって買ったときには既に社会化期を過ぎてしまっているため、なるべく早くしつけを教えるようにしましょう。
ペットのしつけはいつからでも手遅れではない
先ほどしつけを始める時期は社会化期が良いと言いましたが、社会化期を過ぎてしまったからと言って手遅れだというわけではありません。
あくまでしつけに最適な期間は社会化期であるというだけです。たとえ老犬であってもしつけをすることは可能です。
大切なのは正しいしつけを続けることです。老犬であるため、すぐにできるようにならないかもしれませんが、焦らずに「できたら褒めること」を確実に進めていきましょう。
ペットにするべき最低限のしつけ
では具体的にどのようなしつけが必要か紹介します。ペットと生活する上で、最低限必要なものに絞りました。
そのため今回は「おて」や「おすわり」のように、できなくても生活するうえで支障がないものは省略していきます。
前提条件として、「失敗しても感情的にならない」ようにしましょう。
犬が何か失敗したとき、叩いたり怒鳴りつけたりすればペットにとっても飼い主にとっても不幸なことです。できたら褒める、できなかったら無言のままでいることを着実に積み重ねていきましょう。
トイレの場所
トイレを決められた場所でしてくれないとあとで掃除が大変ですよね。トイレの場所は確実にしつけをしておきたいところです。
排泄をしそうだったらトイレのサークルに連れていき、排泄するまで待ちます。排泄ができたらご褒美をあげて褒めるようにしましょう。
朝起きた後や、水を飲んだ後、散歩などで体を動かした後は排泄しやすい傾向にあります。
トイレを覚えるまでは特に気を付けて観察するようにし、排泄したそうに見えたらトイレへ連れていくと良いです。
エサを与えるのときの「まて」と「よし」
ペッが自由に食べる習慣が付いてしまうと、肥満の原因になります。また、散歩中に有害なものを食べてしまう可能性もあります。
そのためペットには必ず食事には飼い主の許可が必要なのだ、ということ教える必要があります。
エサをおねだりされても甘やかして与えてしまってはいけません。必ず飼い主が主導権を握り、待つことができたらご褒美としてエサを与えることが必要です。
噛んでいいものと、いけないものを教える
ペット自身はただ遊んでいるつもりでも、指を強く噛まれたり家具を噛んでボロボロにされたら大変です。
噛んでいるところを見つけたら「ダメ!」と言い、ペットに噛んではいけないものを伝えましょう。
ただし歯の生え変わり時期にはどうしても噛みたくなるものです。噛んでも大丈夫なおもちゃを用意し、思う存分遊ばせてあげるとペットとしても満足するはずです。
しつけがうまくいかない原因は飼い主にある?
地道にしつけを続けていてもなかなかペットが覚えてくれない場合、飼い主に問題があるかもしれません。
自分のペットは賢くないと考えるのではなく、1度しつけの仕方を見直しましょう。
以下にしつけをするときのNG行動をまとめました。自分に当てはまるものがないか確認し、改善することが必要です。
- 飼い主の気分によって叱るときと褒めるときの基準が異なる
- 家族間でしつけの方法が異なる
- 叱り方が「怒鳴る」「叩く」などの恐怖による支配になっている
- 褒めてばかり、または叱ってばかりいる
- 叱るタイミングが遅く、ペットはなぜ叱られたのか理解できていない
まとめ:ペットのしつけはいつから?
今回はペットのしつけはいつからするべきかと、最低限するべきしつけの内容について解説しました。
犬の社会化期は生後3~12週間、猫は2~7週間です。可能なら社会化期が終わるまでに最低限のしつけを教えておきましょう。
しつけに関して不安が残る場合は、ペットショップの店員さんに聞いてみるという選択肢もあります。
しつけの注意点をしっかり確認していおき、人とペットの両方が幸せになれるしつけを心がけましょう。