「Wi-Fiでネット利用するためにルーターが欲しいけど、選び方が分からない」「今の自分におすすめのWi-Fiルーターを知りたい」という人は多いと思います。
最近は「動画鑑賞」や「ゲーム」、「オンライン会議」など、日常で当たり前のようにインターネットを利用するようになりました。
より快適なネット環境を整えるため、Wi-Fiルーターを導入したいが、ルーターは製品によって性能が大きく異なる上、種類が多く、何を比較して選べばいいのか迷ってしまいますよね。
この記事では、Wi-Fiルーターの「特徴」や「便利機能」、「製品を選ぶ時のポイント」などについて解説し、用途別におすすめの製品も紹介していきます。
- Wi-Fiルーターの基本的な「特徴」が分かる
- Wi-Fiルーターの「選び方」が分かる
- Wi-Fiルーターの「便利機能」が分かる
- おすすめのWi-Fiルーターが分かる
- Wi-Fiルーターの設置設置が分かる
「アイキャッチ画像出典:https://pixabay.com/ja/illustrations/wlan-%e3%82%a6%e3%82%a7%e3%83%96-%e3%82%a2%e3%82%af%e3%82%bb%e3%82%b9-3131127/」
これだけは押さえておきたい!Wi-Fiルーターの基本的な特徴
Wi-Fiルーターを選ぶ前に押さえておきたい「特徴」が3つあります。その3つの特徴は次の通りです。
- 通信規格がある
- 2つの周波数帯がある
- 同時接続台数が決まっている
通信規格がある
通信規格とは、IEEE(アイ・トリプル・イー)という学会が定めた、異なる通信機器同士が共通の手順で通信できる決まり事のことです。
規格の正式名称は、「IEEE 802.11○(○にはアルファベットが入る)」といい、IEEE802を除いた「11+アルファベット」に省略した通称を使うことも多いです。
11b → 11a → 11g → 11n(Wi-Fi4) → 11ac(Wi-Fi5) → 11ax(Wi-Fi6)の順に新しく、新しいものほど通信速度が早く、安定しています。
2つの周波数帯がある
Wi-Fiに使われる通信規格は「5GHz帯」と「2.4GHz帯」の2つの周波数の帯域に分けられます。それぞれの特徴は次のとおりです。
電波干渉が少なく、安定した高速通信の「5GHz帯」
5GHz帯は、対応機器が少ないため電波干渉が少なく安定した通信が可能です。また、通信速度も速く、動画の再生や大きいファイルの転送も快適です。
しかし、「障害物に弱い」という弱点があります。壁や家具などに遮られている場合は、2.4GHz帯より繋がりにくくなります。
障害物に強く、対応機種の多い「2.4GHz帯」
2.4GHz帯は対応機種が多く、ほとんどのWi-Fi機器を接続できます。また、障害物に強いため、壁や家具に遮られていても電波が届きやすく、Wi-Fiが途切れません。
しかし、対応機種が多いという長所は、「同じ周波数帯を使用する機器が多い」という短所にもなります。そのため、5GHz帯と比べて、通信速度が遅くなりがちです。
同時接続台数が決まっている
Wi-Fiルーターに同時接続できる端末の台数には限度があり、その最大接続台数は製品によって大きく異なります。
Wi-Fiルーターを使用してネットに接続するのは、パソコンやスマホだけではありません。昨今では、テレビやゲーム機、スピーカーまでもがWi-Fiでネットに接続します。
同じ「一人暮らし」でも、生活スタイルや、ネットの使い方によってWi-Fiに繋ぐ端末数は大きく変わるので注意が必要です。
これでもう悩まない!Wi-Fiルーターはこうやって選ぶ!
次に、Wi-Fiルーターの選び方を解説します。Wi-Fiルーターを選ぶ際に考えるべきポイントは次の3つです。
- 使用環境
- 通信速度
- 接続台数
使用環境:実際の居住環境より余裕のある製品を選ぶ
まずは、Wi-Fiを使う環境を確認しましょう。「一戸建ての家」のように部屋がいくつもある広い空間で使用する場合と、「一人暮らし向けのワンルーム」で使う場合では、必要となる性能や機能が異なります。
ポイントは、実際の居住環境よりも少し余裕のある製品を選ぶことです。というのも、各メーカーが公開しているルーターの情報は、家の中心に設置した場合の”理論値”だからです。
つまり、実際に設定する場所が家の隅になる場合は、設置場所から遠い部屋には電波が届きにくくなります。
「1LDKの部屋に住んでいる場合は、2LDK向けの製品を選ぶ」というように、「実際の居住環境よりも少し余裕のある製品を選ぶ」ようにしましょう。
通信速度:「アンテナの数」と「通信規格」を確認
Wi-Fiの通信速度は、主にWi-Fiルーターの「アンテナ数」と「通信規格」に左右されます。通信速度にこだわる場合は、この2点を押さえて製品を選びましょう。
本数に比例して通信速度が速くなる「アンテナ数」
アンテナ数は、本数が多いほど通信速度は速くなります。例えば、電波受信用のアンテナが4本、送信用のアンテナが4本ある製品は「4×4」と記載されます。
なお、Wi-Fiルーターの中にはアンテナが外から見えない「内蔵タイプ」と、外見から視認できる「外付けタイプ」があります。
「目に見えているアンテナ数=Wi-Fiルーターのアンテナ数では無い」ということを覚えておきましょう。
最新規格ほど通信速度が速くなる「通信規格」
通信規格は新しい規格ほど通信速度は速いです。また、新しい規格は下位互換を持つため、古い規格の機器とも通信が可能です。
ポイントは「IEEE802.11ac」に対応した製品を選ぶことです。というもの、最新の規格は「IEEE802.11ax」ですが、この規格に対応する機器は多くありません。
高速な光回線に加入しているのに、古いWi-Fiルーターを使用している場合は「11ac(Wi-Fi5)」や「11ax(Wi-Fi6)」対応のモデルに買い替えるだけで通信速度が向上するでしょう。
接続台数:実際に接続したい台数より、対応台数が多い製品を選ぶ
Wi-Fiルーターは製品ごとに「同時接続が可能な台数の上限」が設定されています。そのため、Wi-Fiルーターを選ぶ時は、あらかじめ”何台の機器を同時に接続したいのか”を考えておく必要があります。
ポイントは、実際に接続したい機器の数よりも、多くの台数を接続することができる製品を選ぶことです。
Wi-Fiルーターは、同時に接続している機器が少ない方が通信速度は遅くなりにくいです。ストレスなくWi-Fiを利用するためにも、接続台数には余裕がある製品を選ぶようにしましょう。
知ってた?Wi-Fiルーターにある便利な機能を4つ紹介!
Wi-Fiルーターには様々な機能がありますが、今回はその中でも特に便利な機能を4つ紹介します。
- ビームフォーミング
- MU-MIMO(マルチユーザーマイモ)
- バンドステアリング
- メッシュWi-Fi
ビームフォーミング
ビームフォーミングとは、「電波の届きにくい場所でも通信速度が落ちにくくなる機能」です。
通常、Wi-Fiの電波は360°あらゆる方向へ飛びますが、このビームフォーミング機能があれば特定の通信機へ向けて電波を飛ばすことができます。
ただし、Wi-Fiルーターに接続する機器もこの機能に対応していないと使用することができません。
MU-MIMO(マルチユーザーマイモ)
MU-MIMO(マルチユーザーマイモ)とは、「複数の端末で使用しても通信速度が安定する機能」です。
この機能がないWi-Fiルーターに複数の端末が接続されている場合、データ送信は端末1台1台順番に切り替えて通信します。そのため、順番待ちによる通信速度の低下が発生します。
一方、この機能があるWi-Fiルーターなら、複数の端末へ同時にデータ送信することが可能です。そのため、通信速度を下げることなく、安定した通信を行うことが可能になります。
バンドステアリング
バンドステアリングとは、「電波の状況に応じて、使用する周波数帯を自動で切り替える機能」です。
例えば、5GHzの周波数帯が混んでいる場合には、自動で2.4GHzの周波数帯に切り替え、より快適な通信をサポートしてくれます。
もちろん、Wi-Fiルーターがどちらか一方の帯域にしか対応していない場合には使用することができません。
メッシュWi-Fi
メッシュWi-Fiとは、「Wi-Fiルーターから離れた場所でも安定した通信が可能になる機能」です。
この機能は、親機(Wi-Fiルーター)と子機(サテライト機)を使いWi-Fiエリアを拡張します。また、「Wi-Fi中継機」と異なり、子機自体が親機と同じ役割をするため、親機への負荷が集中しません。
子機が多ければ多いほど広い範囲をカバーできますが、その分コストが大きくなるので注意が必要です。
おすすめのWi-Fiルーター《1人暮らし向け》
一人暮らしにおすすめのWi-Fiルーターは、バッファロー(BUFFALO) の「WCR-1166DS」です。このルーターのおすすめポイントは4つあります。
- 手のひらに乗せられるほどのコンパクトサイズ
- ビームフォーミング機能搭載
- 高速通信規格の「11ac」
- 有線LANポート搭載
コンパクトである上に、ビームフォーミング機能により集中的に電波を接続機器へ送れます。また、有線LANポートもあるため、Wi-Fi電波が不安定な時でも安定してインターネットが使用できます。
おすすめのWi-Fiルーター《家族で使う人向け》
家族など大人数で使用する人におすすのWi-Fiルーターはエイスース(ASUS)の「RT-AX3000」です。このルーターのおすすめポイントは4つあります。
- 4本の外付けアンテナ&11ax(Wi-Fi6)対応で高速通信
- ビームフォーミング機能搭載
- MU-MIMO機能搭載
- メッシュ機能搭載
料金は少しお高めですが、通信速度は最高レベルです。それに加え、専用子機によりメッシュネットワークを構築することができるため、通信範囲も文句なしのルーターです。
おすすめのWi-Fiルーター《価格重視の人向け》
コスパ重視のWi-Fiルーターが欲しい人におすすめのWi-Fiルーターはバッファロー(BUFFALO) の「WSR-300HP/N」です。このルーターのおすすめポイントは3つあります。
- とにかく安い
- 「縦置き」「横置き」「壁掛け」に対応
- 有線LANポート搭載
このルーターはとにかく安いです。そんな格安ルーターにも関わらず、1000Mbpsの高速通信に対応した有線LANポート&独自のアンテナ設計による安定したWi-Fi環境を実現しています。
おすすめのWi-Fiルーター《機能重視の人向け》
機能重視のゲーマーにおすすめのWi-Fiルーターはエイスース(ASUS)の「TUF GAMING TUF-AX3000」です。このルーターのおすすめポイントは6つあります。
- 4本の外付けアンテナ&11ax(Wi-Fi6)対応で高速通信
- ビームフォーミング機能搭載
- MU-MIMO機能搭載
- バンドステアリング搭載
- メッシュ機能搭載
- 有線LANポート搭載
とにかく高性能です。また、ゲームの通信を優先させる独自機能もあり、複数のデバイスと同時に接続しても快適なプレイが楽しめます。高いセキュリティ機能を備えているのも魅力の一つです。
通信速度が変わる?Wi-Fiルーターのおすすめ設置場所
同じWi-Fiルーターを使用していても、その設置場所によって通信速度が遅くなるケースがあります。Wi-Fiの接続をより安定させるために意識するポイントは次の2つです。
- 床から高さ「1〜2m」のところに設置する
- なるべく「部屋の中心」に設置する
床から高さ「1〜2m」のところに設置する
Wi-Fiルーターは、ルーターを中心に360°球体状に電波を飛ばすように設計されています。そのため、床に直接設置してしまうとその広がりが無駄になるのです。
また、高い位置に設置することで電波の邪魔になる障害物も少ないです。これにより安定して電波を遠くまで飛ばすことが可能になります。
なるべく「部屋の中心」に設置する
Wi-Fiの電波は遮蔽物があるとその分弱くなる性質があります。そのため、ルーターの周りには遮蔽物がないようにすることが望ましいです。
特に、Wi-Fiルーターと接続機器との間に「水」や「金属」、「コンクリート」を挟むと通信が不安定になりやすいです。
自分に合ったWi-Fiルーターを選んで、ネットをより快適に
いかがだったでしょうか?Wi-Fiルーターの「特徴」や「選び方」、「便利機能」について解説し、用途別におすすめのWi-Fiルーターを紹介しました。
また、同じ製品を使用していても、その設置場所によってWi-Fiルーターの性能を最大限引き出すことができない場合があることも説明しました。
住んでいる環境や、使用目的は人それぞれです。今回の記事を参考に自分に合ったWi-Fiルーターを選んで、より快適にネットを利用しましょう。