最近、「サステナブルファッション」が様々なメディアで取り上げられていますね!
でも、「具体的にどのようなものがサステナブルファッションと言われているのか」、「実際のサステナブルファッションがどんな見た目か」など、気になっているのではないでしょうか?
今回は、最近話題の「サステナブルファッション」に関して、どのようなものがそれに該当するのか、具体的なブランドやコーデを例に挙げてご紹介します。
これを読めば、ステナブルファッションについて一通り理解して、さらに興味を持つことができますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね!
(アイキャッチ画像出典:https://images.unsplash.com/photo-1490481651871-ab68de25d43d?ixid=MnwxMjA3fDB8MHxwaG90by1wYWdlfHx8fGVufDB8fHx8&ixlib=rb-1.2.1&auto=format&fit=crop&w=1170&q=80)
サステナブルは、世界的に重要なキーワード
サステナブルとは、「持続可能な」という意味です。現在、世界人口の増加や人類の経済活動によって、日々、地球の資源や良好な環境は減っています。
このままでは未来の地球でわたしたちは生活を維持できないかもしれないリスクがあり、それは人一人の努力ではどうにもならないものです。
そこで、2015年に国際連合の総会において提唱されたのが、昨今話題のSDGs(Sustainable Development Goals, 持続可能な開発目標)」です。
このSDGsの言葉の中で使われているのがSustainable (サステナブル)であり、今後の世界はこれを基本方針に進んでいきます。そのため、サステナブルがこれからの世界の重要キーワードなのです。
サステナブルが法律に!?フランスの事例
ファッションの国といえばおなじみのフランスでは、世界に先立って「サステナブル」が法律に組み込まれた事例があります。
2020年に「廃棄対策・循環型経済に関する法律」が公布され、これによって、洋服店で売れ残った商品の在庫の廃棄が法律で禁止されました。
フランスはファッション大国ということもあって、年間に大量の洋服が流通することから、以前から企業による在庫廃棄が問題となっていたそうです。
このような動きはこれからの世界で広がりを見せることが予想されますので、「サステナブル」が世界基準になる日はそう遠くない未来かもしれません。
サステナブルファッションとはどのようなものか?
では、サステナブルなファッションとは具体的にどのようなものを指すのでしょうか?代表的なサステナブルファッションの条件は、以下の3つです。
- 製造の際、資源、エネルギーを無駄遣いしないこと
- 製造および輸送の際、環境に配慮していること
- 長く使用できる丁寧なつくりであること
製造の際、資源、エネルギーを無駄遣いしないこと
一枚の洋服を製造するのに必要なものは、素材の綿や合成繊維だけではありません。
素材を加工するための大量の水や着色料、工場を稼働させるための電力など、様々な資源やエネルギーが使われています。
電力を発生させるためには、当然、発電所が必要ですし、発電所は大量の二酸化炭素を放出します。
サステナブルなファッションには、こうした資源やエネルギー面において、環境負荷をなるべく下げた製造工程、手法が求められます。
製造および輸送の際、環境に配慮していること
サステナブルファッションを製造するために、工場から有害物質や塗料を大気や川に放出するわけにはいけません。
また、完成した製品を運搬する際、車や飛行機が大量の二酸化炭素を出すことは好ましくなりません。
サステナブルファッションには、製造工程でなく、運送においても環境負荷を可能な限り減すことが求められています。
長く使用できる丁寧なつくりであることこと
消費者のもとに届いた製品がすぐに使い物にならなくなれば、消費者はまた購入することになり、それは結果的に大量消費を招いてしまいます。
どれほど環境や資源、消費エネルギーに考慮した製品でも、大量に消費されれば、廃棄による二酸化炭素の発生や埋め立てによる環境負荷が増大してしまいます。
そのため、サステナブルファッションには、長く使用できる頑丈さはもちろん、一時の流行りに流されない普遍的な価値を消費者に提供することが求められています。
サステナブルファッションで、わたしたちにできること
サステナブルファッションを、消費者であるわたしたちが手にすることによってなにができるかというと、それはファッションを通じた社会全体の意識の方向合わせです。
1人でも多くの人がサステナブルファッションに身を包むことで、素材を無駄にせず、環境に配慮した製造工程で製造された、長く使える普遍的な価値を持った洋服が社会に出回ります。
SNSやメディアでは、日々、サステナブルファッションを扱った特集やコーデが公開されており、昨今では、それらの発信は決して有名人だけでなく、わたしたちのような一般の人の間でも行われています。
少しずつ人が人に影響を与え合うことで、次に示す「サステナブルファッションが目指す方向」に繋がっていきます。
サステナブルファッションが目指す方向とは
とりわけファッションとは、食と同じくらい世界的な流行やムーブメントになりやすいものです。
そのため、今後、サステナブルファッションが、単純にデザインだけでなく、「サステナブルなものに価値がある」という定義をもって世界的に広がれば、世界中で多くの人がそれらを身に着けることになります。
これによって、これまでのファッションに関する製品のライフサイクルが洗練化され、洋服の製造に費やされてきた資源消費や環境への負荷が世界的に抑えられる大きな力になります。
サステナブルファッションが最終的に目指す理想は、世界中の人がサステナブルな洋服に価値を感じて、自発的に身に着けることです。
サステナブルファッションのメリット
サステナブルファッションを身に着けることは、ただ単に持続可能な世界のためだけではなく、身に着けるあなたのためにもなります。
例えば、オーガニックな天然由来の素材でできた洋服は肌にやさしく、着心地もよいです。そのため、愛着を持って一つの洋服を長く使用することができるはずです。
また、普遍的なデザインの洋服は流行に影響されないので、それらは何年にもわたって長く使用することができます。
長く使用できるということは、毎シーズン新しい洋服を買うことも少なくなりますし、余計な出費を減らすメリットがあります。それによって所有する洋服の数が少なくなれば、家の収納スペースも削減できます。
サステナブルファッションが抱える課題
サステナブルファッションは、現状で下記のような課題によって広がりが抑制されている現実があります。
- 低コスト、大量生産の現実
- 「洋服は流行に乗るための消耗品」という根強い意識
低コスト、大量生産の現実
環境に配慮した素材やエネルギー効率のよい生産ラインを導入しようとすると、どうしても初期コストがかかってしまいます。
世界の洋服の製造を賄っているのは中国や東南アジアの国々が多く、いくら社会がサステナブルを訴えても、実際に製造する人々や現地の工場では、それらを導入する費用や人件費を賄うことは難しいです。
しかし、大量生産を行った方が現地の工場にとっては直接的な利益につながりやすいので、サステナブルよりも利益を優先してしまうことは責めようがないことなのかもしれません。
このように、社会の意識と実際の製造や運送との間にまだまだギャップが存在している現状があります。
「洋服は流行に乗るための消耗品」という根強い意識
これまでの歴史上、世界では様々なファッションのブームがありましたが、ブームはいつまでも続きません。ブームが去った洋服はどうなるのかというと、大抵が再利用されずに廃棄されてしまいます。
洋服は流行りに乗ったものを購入し、着ることがなくなればどんどん捨てていくという風潮は世界的にも一般的な考えとしてまだまだ根強いです。
それがサステナブルファッションの広がりを抑制してしまっている要因にの1つになっていると考えられます。
「流行りに乗って洋服を買ったはいいけど流行が去ったら1年も経たないうちに全く着なくなって、結局捨ててしまった」という経験は、誰しもあるのではないでしょうか?
サステナブルファッションのコーデ
では、近年では実際にどのようなものがサステナブルファッションとして世の中に出てきているのか、一例をご紹介します。
もし、サステナブル=流行に乗れてないという考えを持っている方がいたら、考えが分かるかもしれません!
今回、ご紹介した以外にも、様々なサステナブルファッションのコーデが紹介されているので、ぜひインスタグラムやTwitterで「サステナブルファッション」と検索して調べてみてください!
サステナブルファッションを取り扱うブランド
続いて、世界的に推し進められているサステナブルファッションを積極的に取り入れて、その普及に貢献しているブランドをいくつかご紹介します。
- Patagonia(パタゴニア)
- NIKE(ナイキ)
- ユニクロ
- rrrrrrrrr(ナインアール)
- tennen(てんねん)
Patagonia(パタゴニア)
アウトドアメーカーとして世界的に認知されているPatagoniaは、サステナブルの活動においては世界のどのメーカーよりも進んでいるとされています。
その背景には、近年のサステナブルに向けた社会の動きよりもずっと前から、リサイクル素材を使用した製品や、余計な加工を加えないオーガニックコットンを使った製品の開発を続けてきたことにあります。
その証拠に、Patagoniaは2019年に国際連合から「地球大賞」という環境部門における最高の賞を受賞しています。
Patagoniaの製品は、アウトドアブランドとしての機能面と、カジュアルさを併せ持つため、普段着として映えるものが多いです。特に、フリーストップスには定評があります。
NIKE(ナイキ)
世界的なスポーツブランドであるNIKEも、サステナブルファッションへの取り組みを行っているメーカーとして有名です。
現在のナイキが手掛ける製品のうち、約80%に何らかのリサイクル素材が使用されています。特に、リサイクルのポリエステルを使用した商品の開発は昔から精力的に取り組んでいるそうです。
リサイクルのポリエステルは、新規のポリエステルと比較して二酸化炭素の排出量を最大で30%削減させることができるということで、世界的に影響力の大きいNIKEの取り組みは、世界をリードしていますね。
ナイキは、そのブランドロゴとスポーツウェアメーカーとして得意分野であるスタイリッシュなデザイン性から、スポーティで活発な印象を与えるコーデが可能です。
ユニクロ
今や世界的なブランドとなった日本のユニクロも、サステナブル活動に取り組んでいます。特に、自社のすべての製品をリサイクル、リユースすることを目標とした「RE.UNIQLO」という活動が有名です。
店舗にある服の回収ボックスに入れた服は世界の難民キャンプに寄贈されることで、服のリユースに貢献しています。
また、回収を促進するため着なくなったユニクロの製品を店頭に持っていくことで、ユニクロで使えるデジタルクーポンを付与するサービスも過去に実施していました。
ユニクロは取り扱う製品の種類がとても多く、組み合わせ次第でカジュアルにもフォーマルにも対応できる万能性があります!全身ユニクロは、いまやコーデの一つのジャンルです!
rrrrrrrrr(ナインアール)
rrrrrrrrrはサステナブルファッションを前面に押し出したブランドです。過剰に生産することなく、用途にも困らない長く使える製品を取り扱うことをコンセプトにしています。
また、輸送による環境負荷を考慮して中間の卸売業者を介さない販売手法にこだわっています。
そして、すべての服は佐賀県で製造されており、人と環境にやさしい生地で、手入れにも余計なエネルギーを使用しないための配慮が施されているという特徴があります。
rrrrrrrrrの製品は、すっきりした印象を与えるデザインと、手入れのしやすさや着心地を重視したものが多いので、忙しい人でもパパッと着て、外に出掛けることができます。
tennen(てんねん)
tennenは、その名前の通り、オーガニックにこだわった「ゴミにならず、土に還る服」をコンセプトに洋服をつくっています。
そもそも洋服は、ボタンやファスナーなどが組み合わさっていることから一般的にリサイクル効率が悪いところに目を付け、リサイクルがしやすいよう一つの服を単一の天然素材で製造する取り組みを始めているそうです。
こちらのブランドも100%日本製であり、今後の日本国内のサステナブルファッションの普及に大きく影響を与えるかもしれません。100%リサイクル素材でできた製品の完成が楽しみですね!
tennenの製品は、デザインのシンプルさと天然素材の着心地と丈夫さを、とにかく追及しています。そのため、何年たっても流行りに流されず、長く使える普遍的なファッションが実現できます!
「サステナブル」はファッションから始めよう!
ここまで読んだあなたは、サステナブルファッションがどのようなものか、もうわかったのではないでしょうか。
- 製造の際、資源、エネルギーを無駄遣いしないこと
- 製造および輸送の際、環境に配慮していること
- 長く使用できる丁寧なつくりであること
サステナブル(持続可能な)社会になるよう、まずは一人一人ができる取り組みとして、ファッションから取り組んでみましょう!
上記に紹介したブランドのHPを覗けば、ただ単にサステナブルの取り組みという目的だけではなく、あなたが純粋に気に入るファッションアイテムとしての製品にも出会うことができるかもしれませんよ。
興味をもったら、まずは行動してみましょう!それがきっと、世界を変えるスタートです!