犬に噛まれた時は傷口の処置が分からなかったり、傷が浅いと病院に行くべきか迷ってしまいますよね。
しかし、適切な処置を怠っていると、感染症の症状に苦しんでしまうことになります。
本記事では犬に噛まれた時にする応急処置の3つの手順と感染症リスクについて解説しており、傷口への迅速な対処と感染症への予防ができるようになりますので是非参考にしてください!
(アイキャッチ画像出典:https://pixabay.com/ja/photos/cbd-%e7%8a%ac%e3%81%ae%e3%81%8a%e3%82%84%e3%81%a4-%e7%8a%ac%e3%81%8c%e5%99%9b%e3%82%80-5255430/)
犬に噛まれた場合の応急処置
犬に噛まれた場合は下記の3つの手順をとって応急処置を行う必要があります。
- 水で洗い流す
- 止血する
- 病院を受診する
犬に噛まれた時は、傷口から病気に感染しないことと出血をいち早く止めることを念頭において、すぐに応急処置を取らなければなりません。
感染症にかかってしまうと症状に苦しんだり、最悪の場合死に至ってしまう可能性があります。
次の章から詳しく解説していきますので、犬に噛まれてすぐの行動が結果を左右すると考え、迅速に対応しましょう。
①水で洗い流す
まず1つ目に行わなければいけない手順が、犬に噛まれた傷口を水で洗い流すことです。
この際には、感染予防の効果を高めるためにも、5分以上患部を流水で洗い流すことが重要になってきます。
流水による感染予防効果は滅菌された水でも、水道水でもあまり変わりません。
そのため、まずはきれいな水よりもいち早く水で洗い流すことに意識を向けて、周囲にそのような場所がないか探すようにしましょう。
②止血する
次に行う必要があるのが、犬に噛まれた傷口を止血することです。
動脈などの血管が傷ついていない場合は、患部を心臓よりも高く上げて10分を目安にガーゼやタオルなどで出血している部分を圧迫することで止血できます。
吹き出すように出血していたり、脈打つように出血している場合は、強く圧迫しながらすぐに救急車を呼ぶ必要があります。
この時に傷口をこすったりして止まりかけていた血が再出血しないように注意しましょう。
③病院を受診する
最後に、傷口の大きさや痛みに関わらずなるべく早い段階で病院を受診することが重要です。
確かに犬に噛まれた傷口が浅ければ、「病院に行かなくてもいいのではないか」と思うかもしれません。
しかし水で洗い流したからと言っても、犬に噛まれた場合は傷口が汚染されていて感染症のリスクがあります。
処置として抗生物質やワクチンの接種が必要になってきますので必ず病院を受診ましょう。
犬に噛まれたら何科を受診して処置を行うべき?
犬にもし噛まれた場合は、病院の形成外科、整形外科、外科、皮膚科のいずれかを受診しましょう。
特に外科や皮膚科は外傷に対する処置の専門知識を持っている医師が多いため、可能であればこれら2つのどちらかを受診することをお勧めします。
また、後に紹介する感染症に対するワクチンが摂取できるかどうかも病院を選ぶポイントです。
傷口が骨まで達するぐらい深くなってしまっている場合は、一般的なクリニックでは難しいため、総合病院を受診しましょう。
病院で行われる犬に噛まれた傷口の処置は?
病院で行われる処置としてまず初めに行われるのが犬にかまれた傷口の洗浄です。
その後、軽症であれば傷口を針で縫ったりはせずに軟膏での処置が数週間行われます。
傷口が化膿してしまっている場合は、手術をおこなって再度水で流し、汚染物質を取り除きます。
次の章から、予想される感染症とそのリスク、病院で行われる処置について詳しく解説していきますので、傷が浅いからと言って侮らない様しましょう。
犬に噛まれた傷口で狂犬病リスクがある場合の処置
狂犬病はそのウィルスを保持している犬に噛まれた時に発症してしまう病気です。
1か月から最長8年という非常に長い潜伏期間が特徴であり、有効な治療法がないため、発症すると致死率がほぼ100%であると言われています。
一方で、感染の可能性がある時に連続してワクチンを接種した場合、発症を防ぐことが出来ます。
日本では50年以上発症事例がないためあまり気にする必要はありませんが、海外で噛まれた際は、真っ先にワクチンの接種を行いましょう。
犬に噛まれたら破傷風に対する処置を行おう
次に、破傷風は破傷風菌を持つ犬に噛まれてその傷口から感染する可能性があります。
病気の症状としては、けいれんや手足の麻痺、全身の筋肉がこわばるなど体の運動能力に影響を及ぼしてします。
処置としては破傷風ワクチンを打つことで症状を抑えることが出来、価格も保険がきくため、200~300円で摂取することが可能です。
日本人は幼少期にこのワクチンを接種しており、発生する可能性は低いですが、念のためワクチンを受けておくと良いでしょう。
犬に噛まれた時にパスツレラ症に感染する場合も
パスツレラ症は、パスツレラ属菌を保有している犬に噛まれることで感染する病気であり、犬の約75%がこの菌を保有しています。
症状としては咳や傷口の痛み、発熱などの軽いものから、気管支炎や肺炎などです。
この感染症は、ペニシリン等といった抗生物質を投与することで症状を改善することができます。
この病気はワクチンがないことから発症例も多い感染症ですので、過度なスキンシップは避けるようにしましょう。
犬に噛まれたら迅速な処置が必要
このように、犬に噛まれた場合は感染症のリスクがあるため迅速に対応しなければなりません。
その際は下記の3つの手順を行って症状の悪化を防ぐようにしましょう。
- 水で洗い流す
- 止血する
- 病院を受診する
どんなに犬に噛まれた傷が浅かったとしても、抗生物質やワクチンを接種するために病院を受診することは絶対にしてください。
犬に噛まれたとしても焦らずに、適切な応急処置をできるようになりましょう。