不動産投資を始めようとしているが、どこの銀行からローンを組もうか悩んでいませんか?
不動産投資の場合、物件の金額が大きいためローンを組むときの金利が1%違うだけで、返済額が数千万円も違ってきます。
そのため、なるべく安くローンが組める銀行を見つけることが重要です。しかし、たくさんの銀行からどこが安いのかを見つけ出すのは大変ですよね。
この記事では、銀行からお得にローンを組むために、それぞれの銀行の特徴やお得にローンを組むためにやっておくべきことについて解説していきます。
(アイキャッチ画像出典:https://pixabay.com/ja/photos/%e3%82%bb%e3%83%bc%e3%83%ab-%e5%a3%b2%e3%82%8c%e3%81%9f-%e6%89%8b-%e7%bd%b2%e5%90%8d-%e5%ae%b6-3701777/#content)
不動産投資で覚えておきたい銀行の種類について
不動産投資でオススメの銀行を知る前に、まずは銀行の種類や特徴について理解をしておきましょう。
なぜなら、不動産投資は立派な事業です。そのため、銀行選びを間違えてしまうと次のようなことが起こりえます。
- 金利の高い銀行からローンを組んでしまう
- 審査が通らず、収益物件を逃す
- 不動産事業がうまくいかないときに、貸し渋り・貸し剥がしに合ってしまう
- 銀行との上手な関係性が築けず、損をしてしまう
金利だけで今後付き合っていく銀行を判断するのではなく、まずはそれぞれの銀行の特徴を理解して判断していきましょう。
まずはじめに、銀行には大きく分けて以下の4つに分類できることを知っておきましょう。
- メガバンク(都市銀行)
- 地方銀行
- 信用金庫・信用組合
- ネット銀行
次からはそれぞれの特徴について詳しく解説していきます。不動産投資の基本になるのでしっかりと理解していきましょう!
メガバンク(都市銀行)の特徴
一つ目の銀行は、「メガバンク(都市銀行)」です。代表的なのは、みずほ銀行・三菱UFJ銀行・三井住友銀行です。
メガバンク(都市銀行)に共通する特徴を下記にまとめてみたので、確認してください。
- 全国規模の業務展開を行っている
- 大企業や上場企業を取引先にしている
- 国際展開も積極的に行っている
- 株式会社なので利益が出ることを目的としている
- ローンの金利は「1%前後」と最も安い
- 融資の審査基準がとても厳しい
大手銀行ということもあり、大企業や上場企業などを取引先にしています。そのため、不動産投資を始めたての個人にはローン審査が通りません。
不動産投資の規模が大きくなると、より多くの資金が必要になるので、将来的に使うことになります。
地方銀行の特徴
2つ目の銀行は、「地方銀行」です。千葉銀行・静岡銀行・京都銀行など地方の名前がついている銀行が当てはまります。
地方銀行に共通する特徴を下記にまとめてみたので、確認してみてください。
- 本店のある都道府県内が主な営業地域である
- 株式会社なので利益を目的にしている
- 中小企業を取引先にしている
- ローンの金利は1.5~4.5%と地域によって異なる
- メガバンクと比較して審査基準は柔軟
- 融資期間が20~25年とやや短い
地方銀行は、年々不動産投資の融資条件が厳しくなっています。そのため、個人のローン審査が通りにくくなっています。
また、金利が高いので不動産投資で利用する場合は、キャッシュフローが多く出る物件の購入を検討する必要があります。
信用金庫・信用組合の特徴
3つ目の銀行は、「信用金庫・信用組合」です。地域発展のために設立された相互扶助の非営利組織です。
信用金庫・信用組合に共通する特徴を下記にまとめたので、確認してみてください。
- 相互扶助の非営利組織なので、利益優先ではない
- ローンの金利は「2%前後」である。信用によって金利は下がる
- 担当者が親身になって相談に乗ってくれる
- 審査のスピードが速い
- 融資条件に柔軟性がある
- 融資エリアが限定される
- 融資の上限額が低い
信用金庫・信用組合の場合、融資金額は少ないものの、地域密着型のため融資を受けやすいです。
また、信用を担保にしているため、個人の信用が積みあがっていればいるほど融資条件がよくなります。
ネット銀行の特徴
4つ目の銀行は、「ネット銀行」です。インターネット上でサービスを提供している銀行です。
ネット銀行で有名なのは、楽天銀行や住信SBIネット銀行などです。実店舗がないため、手数料が安いのが魅力的です。
ネット銀行に共通する特徴を下記にまとめたので、確認してみてください。
- 手続きがすべてインターネット上で行える
- 金利は1~2%前後と低い
- 担当者との直接面談ではないため、ローン審査が厳しくなっている
- 相談がしにくい
ネット銀行の場合、直接面談ではないので信用を築くのがとても大変です。
また、個人の人柄や思いなどではなく実績ですべてを評価されるので、初めての不動産投資での利用はオススメできません。
不動産投資でローンを組むのにオススメの銀行は?
ここまでの銀行の特徴を踏まえて、不動産投資でローンを組むのにオススメの銀行は、「信用金庫・信用組合」です。
信用金庫・信用組合がオススメな理由は、以下の4つがあります。それぞれについて詳しく解説していきます。
- 事業資金の融資が受けやすい
- 貸し渋り・貸し剥がしをしない
- ビジネスマッチングをしてくれる
- 信用が蓄積されていく
事業資金の融資が受けやすい
信用金庫・信用組合は、「地域発展のために設立された相互扶助の非営利組織」です。
営利目的ではないため、小額の資金であっても融資を受けやすくなっています。そのため、不動産投資を始めたばかりの方にオススメできます。
しかし、大手銀行と比べて金利が2.0~2.5%と高いことが難点です。
ただし、取引実績が増えて、個人の信用が高くなると、大手銀行並みの金利(1%)で借りることができます。
貸し渋り・貸し剥がしをしない
大手銀行の場合は、営利目的のため事業の成績を評価されてしまいます。
そのため、業績が悪くなると融資を貸し渋ったり、貸し剥がしが行われてしまいます。
しかし、信用金庫や信用組合は業績が悪くても信用で判断してくれます。そのため、信用が構築できていればどんな時でも融資をしてもらえます。
ビジネスマッチングをしてくれる
信用金庫・信用組合は、「地域発展」という目的があります。そのため、その地域に強いネットワークを持っています。
不動産投資でも担当者によっては、もっと良い収益物件を紹介してもらえたり、よい不動産屋を紹介してもらえます。
非営利目的であることも、情報に信頼性が増し、お互いの信頼関係の構築に良い影響をもたらしてくれます。
信用が蓄積されていく
信用金庫・信用組合は、「個人の信用」がとても重要になってきます。
信用金庫・信用組合は利用すればするほど、信用が蓄積されていきます。そのため、融資に有利な条件が付くことがあります。
大手銀行は、業績を信用としているため常に利益を出し続けなければなりません。事業を常にプラスに持っていくはとても大変です。
そういった意味でも、信用を担保にローンを組めるというのは、信用金庫・信用組合の魅力でもあります。
信用金庫・信用組合の違いと選ぶポイント
信用金庫・信用組合の違いについて解説していきます。似たような名前ですが、設立目的や組織体系に違いがあります。
信用金庫と信用組合のそれぞれの特徴について以下にまとめているので、確認してみてください。
- 設立目的は、地域経済の発展を目指している
- 会員と呼ばれる出資者によって構成されている
- 融資を必要としている中小企業や個人を援助している
- 対象者としては、特定の地域内に住所がある人や従業員300人以下または資本金9億円以下の事業者
信用金庫について詳しく知りたい方は、近くの信用金庫窓口で話を聞いてみましょう!
- 設立目的は、構成している組合員の利益や発展に貢献することを目指している
- 構成員のことは、組合員と呼ばれている
- 組合員は、特定の地域にある中小企業や個人がなっており、お互いに資金を融資しあう機関である
- 対象者は、従業員300人以下または資本金3億円以下の事業者
信用組合についてもっと詳しく知りたい方は、近くの信用組合窓口で話を聞いてみましょう。
それぞれを比較したうえで、選ぶポイントについては次のことを意識しましょう。
- 金利の優遇はどのくらいあるのか
- 担当者の対応は問題ないか
- 自分の不動産事業と方針が合っているか
- 今後も長く付き合っていける雰囲気か
- 話を親身になって聞いてくれているか
不動産投資ローンをする前に信用金庫・信用組合で信用を作る方法
不動産投資で、オススメの銀行は「信用金庫・信用組合」ですが、個人の信用がとても重要になってきます。
そこで、信用の積み上げ方について解説していきます。誰でも実践できることなので、不動産投資を始める人はすぐにでも実践してみましょう。
信用金庫・信用組合で信用を積み上げる方法は、「預金口座を開設し、その口座に定期的に積み立てを行うこと」です。
信用金庫・信用組合は、信頼が重要なので初めて利用する人を嫌います。そのため、融資を受けたいと考えている銀行の口座を開設し利用している証拠をまずは作りましょう。
銀行以外に不動産投資でローンが組める金融機関
ここまで、銀行からローンを借りる前提で話を進めてきましたが、銀行以外にもローンが組める金融機関が2つあるので紹介します。
- 日本政策金融公庫
- ノンバンク
日本政策金融公庫
1つ目の金融機関は、「日本政策金融公庫」です。民間金融機関の取り組みを補完し、事業に取り組む人を応援するための金融機関です。
政府が運営している金融機関のため、融資期間は10~15年と短いですが、低金利でローンを組むことができます。
審査基準も個人の信用よりかは、不動産投資家としての事業性を評価する傾向にあり、他の金融機関では融資できない物件でも融資を受けられることがあります。
日本政策金融公庫をもっと詳しく知りたい方は公式ホームページを確認しましょう。
ノンバンク
2つ目の金融機関は、「ノンバンク」です。代表的なのは、オリックス銀行や三井住友トラスト・ローン&ファイナンスです。
ノンバンクとは、貸付のみを行う金融機関で、クレジット会社や消費者金融、信販会社などが該当します。
ローン金利は3~4.5%と比較的高いですが、審査基準は柔軟で融資期間が長いことが特徴です。
都市銀行や地方銀行でも融資が受けれない物件でも融資を受けることができる可能性があるので、覚えておきましょう。
不動産投資ローンの金利の種類
不動産投資で利用すべき銀行が分かったら、借り方についても少し確認しておきましょう。
借りる方法によって金利も変わってくるため、金利の種類について理解を深めておきましょう。
ローンを組むときの金利の選択としては、3種類の方法があります。それぞれ詳しく解説していきます。
- 変動金利
- 選択型固定金利
- 全期間固定金利
変動金利
変動金利とは、「金融情勢の変化に伴い、返済途中に借入金利が変動するタイプ」です。
借り入れ後に金利が低下すれば、返済額が減少します。しかし、金利の変化は予測できないため定期的な確認と見直しが必要です。
ある程度のリスクを承知の上で、金利を少しでも安く抑えたいのであれば選択を検討してみましょう。
選択型固定金利
選択型固定金利とは、「契約者が定めた一定期間に限り固定金利が反映されるタイプ」です。
変動金利と比べると金利は高いが、金利の変動リスクを気にしなくて済むので、精神的には楽でしょう。
一定期間が経過した後は、再び固定金利か変動金利いずれかを選択することができます。金融情勢をみながら返済を続けたい人はぜひ検討してみましょう。
全期間固定金利
全期間固定金利は、「借入時の金利がずっと変わらない金利プラン」です。
金利の変動を受けないのでリスクが低く魅力的ですが、変動金利に比べて金利が高いことを理解したうえで利用しましょう。
完済までの支払いシミュレーションもしやすいので、金利の変動リスクが不安な方はぜひ検討してみてください。
不動産投資ローンには2種類の方法がある
不動産投資のローンには、2種類の方法があります。それぞれの融資条件や借入額の上限が異なるので、確認しておきましょう。
- アパート・マンションローン
- プロパーローン
アパート・マンションローン
アパート・マンションローンとは、あらかじめ設定された融資条件や審査基準を満たすと融資を認めてもらえる方法です。
物件や投資家によって審査基準が変わらず、結果が出るまでの期間が短い傾向にあります。
借入金額の上限は、年収で判断されることが多いです。一般的には、年収の7~8倍を目安に上限が設定されています。
プロパーローン
プロパーローンとは、投資家の資産や事業実績を見て融資を決める方法です。
不動産投資家のあらゆる情報を総合的に判断しながら、審査を進めていくので審査結果が出るまで期間が長くなります。
しかし、審査が通ればかなりの信頼を得られるので、借入金額に上限が引き上げられやすいです。
審査期間が長くなっても、より多くの融資を受けたい場合はぜひ検討してみてください。
不動産投資でお得にローンが組める銀行のまとめ
ここまで、不動産投資でローンを組むためのオススメの銀行について解説してきました。
不動産投資でローンを組むのにオススメなのは、「信用金庫・信用組合」です。ローン金利は大手銀行と比較すると高めです。
しかし、信用を積み上げるほど、大手銀行と同じくらいの金利でローンを組むことができます。信用を積み上げるには、口座を開設して定期的に口座を利用しましょう。
他にも、ローンの組み方や方法によって金利が変動するため、自分に合った銀行や金融機関、ローンの組み方で検討してみましょう。