転職活動を経て無事転職先が決まっても、初めて転職する人は「会社の辞め方がわからない」「どんな準備が必要かわからない」と不安になってしまいますよね。
会社を退職するときに正しい手順を踏まないと、手続きが難航する上に不要なストレスを抱えてしまうことにもなりかねません。
この記事では、円満退職に向けてどのような準備が必要か、どのような手順で手続きを進めればいいのかを紹介しています。ぜひ最後まで読んでくださいね。
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可能な限り円満退職を目指す
会社を退職する理由は人それぞれですが、基本的には円満退職を目指しましょう。
会社と会社は思わぬところで繋がっているものです。退職した会社での評判が、巡り巡って転職先の会社に届いてしまうこともあります。
また、もう退職するからと不平不満を口にしたり雑に仕事をすると、残った同僚にも迷惑がかかります。
パワハラや不当な扱いが理由でない限り、会社の規則に従って退職手続きを進めるようにしましょう。
事前準備を怠らない
社員が退職すると相談してきたとき、ほとんどの場合会社側は引き留めをします。このとき準備が出来ていないと、退職が受け入れてもらえなかったり何度も面談を繰り返すことになります。
今から紹介することを準備しておけば、そのような無駄な手間を省ける可能性が高まります。順番に見ていきましょう。
- 就業規則を確認しておく
- 退職理由を決めておく
- 「退職する」という意思を固めておく
- 既に退職した同僚に話を聞いておく
就業規則を確認しておく
法律的には、退職日の14日前に申し出をすれば退職は可能です。しかし、ほとんどの会社は1か月以上前に申し出をするよう、就業規則に定めています。
社員の退職にあたり、会社側は人員補充を考えたり事務手続きをしなければいけません。また退職する当人も仕事の引き継ぎ準備が必要ですし、引き継いでくれる同僚の仕事の調整も必要です。
このあたりのことを考慮して、退職の申し出から1か月以上猶予を持たせているケースが多いのでしょう。他にも退職時の手続きについて定められていることがあるので、就業規則は事前に確認しておきましょう。
退職理由を決めておく
退職の申し出をすると、必ず退職理由を聞かれます。もし退職理由がネガティブな内容の場合、別の退職理由を考えておいた方がよいでしょう。
例えば人間関係が理由だった場合、そのまま上司に話してしまうと「改善するから考え直してくれ」と引き留めの口実を作ってしまうことになります。
転職先が決まっている場合、引き留めにかかる時間は無駄でしかありません。「新しくやりことが出来た」や「家業を継ぐ」など、ポジティブな理由の場合は引き留めされづらくなります。
嘘の退職理由を言っても大丈夫なのかと不安になるかもしれませんが、何も問題ありません。少なくとも退職までに嘘だとバレないような理由を決めておきましょう。
「退職する」という意思を固めておく
会社から引き留めがあるとき、「給与をアップする」「仕事の負荷を下げる」といった良い条件が提示されることがあります。
このとき、少しでも悩む素振りを見せてはいけません。上司から「もう少し考えてくれ」と言われ、なかなか退職の申し出を承諾してくれなくなる可能性があります。
逆に意思が固いことをアピールできれば、無駄な引き留めが行われることはないでしょう。何を言われても「もう決めたことです」と即答できるように、心の準備をしておきましょう。
既に退職した同僚に話を聞いておく
もし退職した同僚と連絡が取れるなら、退職の申し出をする前に話を聞いておくのも有効です。
会社にもよりますが、退職時には以外とこなさないといけないイベントが多いです。例えば社内外への挨拶だったり、直属の上司だけでなく社長に話を通さないといけなかったりします。
退職手続きについて事前に知っておけば心の準備が出来ます。想定していない事態が起きて慌てることのないよう、情報収集をしておくとよいでしょう。
会社の辞め方 手順①直属の上司に退職を申し出る
事前準備が出来たら、直属の上司に退職を申し出ましょう。社員の退職はインパクトが強いので、周りの同僚に気取られないよう会議室など二人きりで直接会話する時間を設けるのがマナーです。
アポイントを取るときの連絡はメールや電話でいいですが、そこでは退職の意思は伝えず、「折り入って話がある」ぐらいに留めておきましょう。
上司と話すときは、退職理由や退職日など準備していた内容を元に退職の意思が固いことを伝えます。「引き留めても無駄」ということを最初から伝えておくことが重要です。
会社の辞め方 手順②承諾を得たら退職願の準備をする
上司から退職の承諾を得たら、退職願の準備をします。よくドラマなどで見る「退職届」や「辞表」と異なり、退職願はあくまで「退職を申し出る」ための書類です。
一方退職届は、退職確定後に会社で事務手続きなどに使用される書類です。辞表は役員や公務員が退職時に使用するものなので、一般の会社員が使用することはありません。
退職願は口頭での申し出だけで良い場合もあります。この辺りは就業規則に記載されているはずなので、確認しておきましょう。
会社の辞め方 手順③退職日を決める
退職願が受理されたら、上司と退職日を決めます。退職までにやるべきタスクを整理して、現職場に迷惑が掛からないようなスケジュールにしましょう。
有給休暇が残っている場合は、どれくらい消化するかも上司と相談しましょう。全て消化できればいいのですが、タスクが残ってしまうような消化の仕方はNGです。
もし想定しているよりも残タスクが多い場合は、最悪転職先に入社日の延期を相談しましょう。現職場での仕事を片付けるためと説明すれば、多少は許容してくれるはずです。
会社の辞め方 手順④業務の引き継ぎを行う
業務の引き継ぎを漏れなく行うことは、円満退職のためにも非常に重要なことです。
特に自分だけが抱えている仕事があれば、後任者に丁寧すぎるぐらいに引き継ぎを行いましょう。口頭だけでなく、メールや電子ファイルなど形に残すことも有効です。
引き継ぎは後任者だけでなく、「誰に何を引き継いだか」ということをチーム内で共有できるといいでしょう。しっかり引き継ぎをしていることが伝わり、安心感を与えることができます。
仮に引き継ぎをしていなかったことで会社に損害を与えるようなことがあると、最悪の場合損害賠償を請求されることがあります。現職場での最後の大仕事だと考えて取り組みましょう。
会社の辞め方 手順⑤社内外への挨拶を行う
取引先への挨拶は、感謝の気持ちを伝えるため、後任者の紹介をするためにも必ず行いましょう。基本的にはメールで構いませんが、重要な取引先は上司・後任者を伴って対面での挨拶が好ましいです。
挨拶文の内容は大部分は定型文でいいですが、取引先別にエピソードを加えて感謝の気持ちが伝わるようにしましょう。同時に後任者を上手に紹介できると、取引先の担当者も安心できます。
社内への挨拶も欠かせません。もしかしたら退職後に、別の仕事で取引先相手になる可能性もあります。お世話になった先輩・上司、ともに仕事をした同僚にも感謝を伝えましょう。
会社の辞め方 手順⑥最終出社日までしっかり仕事する
仕事の引き継ぎや事務的な手続きが終わったとしても、手元に仕事が残っている場合は責任を持ってやり遂げましょう。
逆に手が空いてるからといって、職場でダラダラする姿は見せないほうがいいでしょう。他の人のモチベーションにも関わりますし、良い印象は持たれません。
退職するとはいえ、退職日を迎える日まではその会社に所属している会社員です。いい加減な仕事をして、周りに迷惑をかけるようなことは控えましょう。
会社の辞め方 手順⑦貸与されていたものを返却する
当然ですが会社から貸与されていたものは返却しないといけません。以下の一覧に挙げるものは私が実際に退職時に返却したものです。
- ノートパソコン
- 携帯電話、スマートフォン
- USBメモリー
- 業務で使用した書類や会社支給の備品
- セキュリティカード
- 社員証
- 通勤定期代の残額
- 健康保険証
- JRのエクスプレスカード
- 就業規則
- 名刺(自分のものだけでなく取引先のも)
会社によって貸与されるものが異なるので、上記はあくまで一例です。就業規則に退職時の返却物が記載されているはずなので確認しておきましょう。
ちなみに健康保険証は最終出社日ではなく、退職日以降郵送で返却することも可能です。最終出社日から退職日までの期間が長い場合は、通院の可能性を考えて郵送での返却がよいでしょう。
まとめ:スムーズに後腐れなく退職をしよう
退職は当人にとって、今までのしがらみを捨てて新しくチャレンジできる前向きな機会です。しかし元の会社や同僚たちから見ると、人員が減ったことで一時的に仕事の負荷が高まることになります。
その負荷を高めないようにどれだけ努力できるかが、円満退職の重要なポイントになります。
立つ鳥跡を濁さず。会社が定めた退職の手続きに乗っ取り、身の回りを整理してスムーズで後腐れのない退職をしましょう。