せっかくチンチラを飼い始めたのであれば、できるだけ健やかに育ってほしいですよね。そのために、健康診断はかなり重要な要素になってきます。
「チンチラを飼っているけれど、長くなってきたからそろそろ健康診断を受けさせた方がいいかな?」
そんな人に向けて、今回はチンチラの健康診断に向けて何をしたら良いのかを解説していきます。これを読んで行動すれば、チンチラの健康状態をより良くすることができます。
出典元:https://pixabay.com/images/id-3785819/
診断の前に知っておきたいチンチラの前知識
チンチラを飼っている際に、これは病気なのかな?と勘違いしないよう、事前に知っておきたい知識をまとめました。
- 歯が永久に伸び続けるということ
- トイレを覚える子もいれば覚えられない子もいる
- 他の小動物より平均寿命が長い
歯が永久に伸び続けるということ
伸びすぎてしまうと、エサを食べる際に支障をきたす恐れがあります。もしくは、エサ自体が食べられなくなるということもあり得るため、ケアをしてあげましょう。
トイレを覚える子もいれば覚えられない子もいる
チンチラの場合、トイレを覚えられない子の方がたくさんいるでしょう。とくに、うんちに関しては、いたる場所でしてしまう子が多いです。
他の小動物より平均寿命が長い
チンチラの平均寿命は10年以上と言われています。その中でも、それ以上長生きする子もいるので覚えておきましょう。
チンチラの健康管理
チンチラは、もちろん動物であり生き物なので、人間と同じで病気になったりすることもあります。
しかしながら、チンチラというものは「頑張り屋さん」な側面もあるため体調が悪くともあまり表に出しません。元気そうにしていたのに、病気になっていたということも起こり得ます。
なので、些細な変化も見逃さないことを意識しましょう。すぐに実践できる項目は、以下の通りです。
- チモシーをしっかり食べているか
- 排尿や排便はいつも通りか
- いつもとは違う変わった行動をしていないか
チンチラの病気の種類
チンチラの特に多い病気をいくつかピックアップしました。事前に知っておくといざという時に役に立つと思います。
- 不正咬合(ふせいこうごう)
- 熱中症
- 皮膚糸状菌症(ひふしじょうきんしょう)
- 脱毛症
不正咬合(ふせいこうごう)
不正咬合は、前歯が伸び続けてしまう病気です。とはいっても、前歯が伸び続けてしまうこと自体は自然なことではあるのですが、通常は前歯が噛み合って自然に削れるので問題ないです。
ところが、不正咬合は噛み合わせが悪く、自然に削れることがないので自然と前歯が伸び続けてしまいます。
熱中症
高温多湿である日本の夏では、チンチラにとって非常に厳しいです。そのため、温度管理ができていないと熱中症の危険性があります。発症すると食欲が減り、横に倒れてしまいます。
耳の内側や舌、くちびるが赤くなり、息切れや脈が速くなるといった症状が見られます。ひどくなると痙攣を起こしたりよだれを垂らすようになってしまいます。
熱中症は、脳や心臓、腎臓などに後遺症を残すこともあるので非常に注意が必要です。
皮膚糸状菌症(ひふしじょうきんしょう)
皮膚糸状菌(白癬(はくせん))の感染による皮膚疾患になります。鼻や耳、手足野崎などに起こりやすいです。主に、脱毛やフケなどの症状が出ます。
ひどくなると、患部に炎症が起き、かさぶたになってしまうことも。飼育環境やストレスによる免疫低下で感染しやすくなります。小さい頃に多く見かけやすい病気です。
脱毛症
チンチラは3ヶ月ごと、大人は春と冬に換毛期が存在します。それとは別に、部分的な脱毛が起こることがあります。脱毛症では、主にわき腹や尻尾などで部分、まだらな脱毛が見られ、地肌が見えるようになります。
原因として、ストレス、栄養不足、ホルモン異常、遺伝的要因、環境など様々なことが挙げられます。
その中で特に多いのが、ストレスによる毛噛みです。時には、毛がまだらに抜けたり、皮膚を傷つけてしまう恐れがあります。
元気だけど健康診断は必要?
健康診断は、年に1回程度でもいいので受けた方がいいですね。飼い主から見て、チンチラが元気そうに見えていたとしても我慢している可能性もあるので、ちょっとした変化も見逃さないよう用心しましょう。
そして、いろんな子を診断してきた先生だからこそ気付けることもあるので、チンチラのためを思い、定期的な健康診断に行ってあげましょう。
些細な変化でも、その都度病院に行くことでしっかりとチンチラを診てもらいましょう。そして、飼い主自身も少しずつ知識がついてくることでよりいい環境でチンチラのお世話をすることができます。
チンチラの健康診断にかかる料金
健康診断だから結構な金額がするかもしれないと思う方もいるかもしれませんが、実際の料金はどんな感じなのでしょうか。
結論から言うと、3,000円程度の出費で済みます。5,000円を超えると想像していた人もいたかもしれないので結構良心的な金額ですよね。
料金を見て、出費を出し渋ってしまう人もいると思いますが、このくらいの金額であれば、チンチラを長い目で見て、健やかに過ごしてほしいのであれば必要な出費だと思えるはずです。
チンチラの健康診断の流れ
病院に着いたら、受付に名前を伝えて、チンチラの健康診断受診の旨を伝えましょう。問診票を書いて受付完了になります。人間である私たちと同じ手順ですのでご安心を。
その後、席で待っていると先生に呼ばれ、先生がチンチラを抱っこしてコミュニケーションを取りながら、触診していきます。そして、気になる症状を飼い主から聞きながら必要な情報を確認したりします。
事前に、質問しておきたいことをまとめていくと、スムーズに診断を受けられるでしょう。診断が終わったら、受付に戻って会計をしたら、無事健康診断終了となります。薬を処方された場合、ここで受け取れます。
健康診断に行く前に準備しておきたいこと
診療時間というのは限られています。その中で、日々どんなリズムでチンチラをお世話しているのかをいかに伝えるのかが大切です。
スムーズに説明できるようにするツールがあるといいでしょう。方法はいろいろありますが、紙にしおり形式にしてまとめたり、スマホで写真を撮っておくというのも有効です。
- 内容を一目でわかるよう、簡潔にすること
- 可能な限り写真を用意しておくこと
- チンチラのゲージのレイアウトがわかる写真
- あげている牧草やおやつの量や種類がわかる写真
- 普段うんちをどのくらいしているかがわかるような写真
- 遊ばせている環境の写真
チンチラを診断してもらえる動物病院のチェック
チンチラを診察してもらえる動物病院というのは、あまり多くありません。事前に、自分が通える範囲内で動物病院があるかチェックしておきましょう。
参考までに、チンチラを診てもらえる病院をまとめたサイトがあるのでチェックしてみてください。
参考サイト:日本チンチラ協会様
診察してもらえる動物病院を探す方法は上記のものがありますが、まずはチンチラを購入した生体販売店に質問してみるのも手です。
基本的には、回答してもらえると思うのですが、もし回答をもらえなかった場合は、あまり良いお店じゃなかったと考えた方がいいでしょう。
チンチラを健康な状態を保つために意識したいこと
チンチラを飼っているからには、普段から可能な限り、健康な状態にしてあげたいですよね。健康状態を保つために意識しておきたいポイントをいくつかピックアップしました。
- 昼中は静かに休養させる
- 急激なエサの変化に注意する
- エサの鮮度のチェック
- 肥満状態かどうかのチェック
- ゲージの底を定期的に掃除
昼中は静かに休養させる
昼中は、静かに休養をさせてあげましょう。巣箱などの落ち着ける場所を用意してあげるといいですね。こういったことを怠ると、神経質になったりするので注意が必要です。
急激なエサの変化に注意する
急なエサの変化やダイエットは、下痢を引き起こします。エサを変えるためには、数週間程度かけて徐々に変えていくようにしましょう。
エサの鮮度をチェック
あげているエサは、開封してからどれくらい経っているか確認しておきましょう。また、保管状態も悪いと、チンチラに悪影響を及ぼす可能性もあるので注意しておきたいです。
肥満状態かどうかのチェック
チンチラの背骨と胸のあたりを触ってみましょう。骨を肌から感じ取れるようであれば、正常な体型です。感じ取れない場合は、肥満なのでちょっとだけ食事量を調整してあげましょう。
ゲージの底を定期的に掃除
ゲージ底の敷き材も、今一度チェックしてみましょう。時には、古くなってしまった干し草などを食べてしまい下痢になってしまうこともあります。
また、抜け毛や分泌物も一緒に溜まってくるので、定期的に清潔にしてあげましょう。
チンチラの健康診断に関してまとめ
ここまで、チンチラに関しての健康診断周りの情報をまとめてきました。要点だけ押さえておさらいしておきましょう。
- チンチラは頑張り屋さんな面もあるので、いつもと違うサインを見逃さないこと
- 年に一回程度は健康診断に定期的に行くこと
- 健康診断に必要な費用は、3000円程度なので出し渋らないように
- 診断前にわかりやすい資料や写真を簡潔に用意するとよりスムーズに
これで、チンチラの健康に関する知識はある程度付いたでしょう。より健やかにチンチラと一緒に過ごせるように願っております。それでは、良きチンチラライフを!