「格安simに替えたいけど遅いって本当?」「格安simに変更して携帯料金を抑えたいけど通信速度が心配…」と、悩んでいませんか?
大手キャリアと比べて料金が安くなるのは良いものの、使い勝手が悪くなるのは避けたいですよね。
この記事では、格安simの通信速度について詳しく解説しています。
後半では格安simに向いている人の特徴や選び方も紹介しているので、読み終える頃には格安simを使うべきか判断することができますよ。ぜひ最後まで読んで、参考にしてみてください。
- 格安simに替えたいが通信速度が心配
- 格安simの通信速度が大手キャリアと比べてどのくらい遅いのか知りたい
- 格安simが向いている人の特徴を知りたい
(アイキャッチ画像出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1441526)
格安simが遅い理由とは
格安simが「遅い」と言われる大元の理由は、大手キャリアの回線を借りているからです。格安sim提供会社は大手キャリアに固定費を支払い、通信設備や回線を借りて私達に通信サービスを提供しています。
どの回線も利用者同士で分け合って利用しているため利用者数が多いと遅くなりますが、大手キャリアは広範囲に大容量の独自回線を持っているので、利用者数が増えてもスムーズな通信速度を保つことが可能です。
一方で、格安simの場合は会社によって大手キャリアから借りている回線の量や範囲が決まっています。
限られた範囲内での回線の提供になるため、利用者数が多い時間帯など回線の利用量が増えるとすぐに混雑してしまい、ユーザーにとっては「遅い…」と思われる原因となっているんです。
大手キャリアを「移動体通信事業者(MNO)」、自社の回線を持たずに格安simを提供している会社を「仮想移動体通信事業者(MVNO)」と言います。
実質的に回線を持っていないものの通信サービスを提供している事業者であるため、「仮想」という言葉がついています。
- 移動体通信事業者(Mobile Network Operator):大手キャリア。自社の回線を持っている通信会社。
- 仮想移動体通信事業者(Mobile Virtual Network Operator):大手キャリアから回線を借りて格安simを提供している通信会社。
「遅い!」と感じない通信速度とは
一般的にインターネット検索やSNSを閲覧するにあたって遅いと感じない通信速度は「10Mbps」程度です。
スマホで何をするかによって変わってきます。遅いと感じない程度の通信速度を、利用内容別に以下にまとめました。
利用内容 | 遅いと感じない目安の通信速度 |
メール・LINE | 1Mbps |
インターネット検索・閲覧 | 1〜10Mbps |
SNS閲覧 | 1〜10Mbps |
SNS画像・動画投稿 | 10Mbps |
動画視聴 | 5〜25Mbps |
オンライン会議 | 10〜30Mbps |
オンラインゲーム | 30〜100Mbps |
時間帯や利用環境にもよりますが、10〜30Mbps程度あればスマホを快適に利用するには十分と言えますね。
普段から頻繁にスマホで動画を視聴するなら、ストレスなく楽しめる通信速度は25Mbps以上です。
オンラインゲームをする場合は、最低でも30Mbpsないと「遅い」と感じる原因となってしまいます。スマホで快適にゲームをしたいなら、より速い通信速度の格安simを契約しましょう。
格安sim提供会社によっても通信速度は変わってきます。日頃の使い方からどの程度の通信速度が必要かを把握して、格安sim提供会社を選ぶ際の基準にしてみましょう。
「bps(ビット・パー・セカンド)」は、通信速度の単位です。1秒間にどのくらいのデータを転送できるかを表しており、「ビー・ピー・エス」と読まれます。
速度が速くなるにつれて、頭文字に「K(キロ)」「M(メガ)」「G(ギガ)」が追加されます。
- 1,000,000,000bps=1,000,000Kbps=1,000Mbps=1Gbps
格安simは遅い?大手キャリアの通信速度比較
大手キャリアと比べると、どうしても格安simの通信速度は遅い印象がありますよね。
しかし実は、「遅い」とは言うものの日常的に使うには問題ない程度の通信速度なんです。
以下に、大手キャリアと利用者数の多い格安simのおおよその通信速度と一般的な月額料金をまとめました。
通信事業者 | 通信速度 | 月額料金目安 | |
格安sim | IIJmio | 下り最大1288Mbps 上り最大131.3Mbps |
約440〜2,000円 |
mineo | 下り最大838Mbps 上り最大110Mbps |
約880〜2,178円 | |
BIGLOBE モバイル |
下り最大150Mbps 上り最大25Mbps |
約980〜1,700円 | |
大手キャリア | au | 下り最大3.7〜4.2Gbps 上り最大481Mbps |
約2,000〜9,000円 |
Softbank | 下り最大3.0Gbps 上り最大298Mbps |
約2,000〜9,000円 | |
docomo | 下り最大4.9Gbps 上り最大1.1Gbps |
約2,000〜8,000円 |
最大通信速度はタイプや対応エリア、対応機種により異なり、月額料金はプランに応じて変わってきます。あくまでひとつの目安として参考にしてください。
大手キャリアと格安simとでは、通信速度の差が一目瞭然ですね。また、表記の料金はあくまで基本料金です。オプションを付ける場合は追加で支払う必要があるため、実際の月額料金はもっと高くなります。
通信速度が安定しているかは別の話になりますが、まずは日常使いする上で十分な通信速度があるかどうかが格安sim提供会社を決める目安になります。
あなたのスマホの使い方を振り返ってみて、本当に大手キャリアほどの通信速度が必要か、利用料金を加味した上で検討してみてください。
通信速度の「下り」は受信、「上り」は送信を表します。インターネット上から受け取るか(下り)、インターネット上に転送するか(上り)で対応する通信速度が変わってきます。
- 送信例:メールやLINEを送る、SNSに写真をアップロード
- 受信例:メールの受信、音楽や画像・動画のダウンロード
格安simのメリットは「安さ」
格安simの一番のメリットは「安さ」です。大手キャリアと比較してみると、差が一目瞭然ですね。「安いと質も悪いの…?」と不安に思うかもしれませんが、安さにはそれなりの理由があります。
独自回線を持っていないため回線を運営する費用もかからず、基本的にサポートもオンラインでのやり取りとなるため、コストを抑えて運営することができているんです。
他にも、格安sim提供会社は実店舗を持たないこともコストを抑えられているひとつの理由です。会社によっては店舗を持たずにサービスを展開しているところもあります。
格安simの通信速度は大手キャリアに比べると遅くなりますが、とにかく安いです。スマホで大きなデータ通信をすることがなく「月々のスマホ料金を下げたい」という方におすすめです。
格安simは遅い!?デメリットとは
一方で、格安simのデメリットは「通信速度が遅いと感じることがある」ことです。
前述した通信速度比較でもわかるように、格安simは回線が混雑しやすいという特徴があるため、通信速度は大手キャリアに比べると遅いと言えます。
他にも、困ったときのお客様対応が充実していないことや、プランの多さや保証の面で大手キャリアに劣る部分があります。
「不具合があったらまずは専門家に相談したい」「どんなときでも快適な通信速度でイライラすることなくスマホを使い倒したい!」という方は、大手キャリアでの契約の継続がおすすめです。
- 利用者の多い時間帯は通信速度が遅いと感じることがある
- お客様対応が充実していない
- 大手と比較して保証が軽め
こんな人は格安simに向いている!9つの特徴
ここまで紹介したメリット・デメリットを踏まえて、格安simに向いている人の特徴をまとめました。
当てはまる項目が多かったら、格安simに乗り換えても十分に使うことができますよ。
- スマホの主な利用用途はインターネット検索やSNS、連絡手段
- スマホで動画視聴やオンラインゲームをしない
- 基本的にWi-Fi環境下で利用している
- 通信がたまに不安定になっても許せる
- 契約の手続きをオンラインで完結できる
- 問題が起こっても自力で解決できる
- サポートへの問い合わせが基本不要
- 複数の端末を持っている
- シンプルな機能・プランが良い
店舗でのサポートに頼ることなく基本的に自分で調べながら完結できる方は、状況によって通信速度が遅くなることを許容できるのであれば、格安simが向いていると言えます。
不要なコストを抑えて使うことができるので、日常使いに問題がない範囲で使う上では十分と言えるでしょう。
実際に格安simを利用している方の口コミでも、固定費が下がることを大きなメリットと感じている方が多いです。
https://twitter.com/yukichiyakugaku/status/1639258141266247685
https://twitter.com/TrAdeTrAvelers/status/1627210989811957761
「遅い…」と悩まない!格安simの選び方
自分に合った格安simを選ぶポイントは、通信速度とサービス内容です。
提供会社によって「通話し放題」「データ量のシェア・繰越可能」「sim機能とデータ容量を組み合わせるプラン」などの様々なサービスがあるので、あなたのスマホの使い方に合った会社を選びましょう。
格安sim提供会社によって、大手キャリアと契約している回線の多さや通信設備は異なります。
あとから「全然通信できない!」と後悔することがないように、契約しようと思っている格安sim提供会社が契約している回線があなたの生活圏内をカバーしているかどうかを必ず確認しておきましょう。
おすすめの格安sim提供事業者3選
格安simを取り扱っている通信会社は、大手キャリアのサブブランドとそれ以外の会社に分けられます。いくら「安い」とは言え聞いたことがない通信会社だと、保証やサービス面で不安になりますよね。
保証やサービス面の不安が強い方は、お客様対応が手厚い大手のサブブランドの格安simへの切り替えを検討してみてもいいでしょう。
ここでは、大手のサブブランドじゃなくても安さと通信速度を重視したい方向けに、利用者数の多いおすすめの格安sim提供会社を3つ紹介します。
特徴をみて「良さそう!」と思う格安sim提供会社があったら、チェックしてみてはいかがでしょうか。
- IIJmio(アイアイジェイミオ)
- OCNモバイルONE
- NUROモバイル
IIJmio(アイアイジェイミオ)
IIJmioは、大手企業や官公庁を中心に約13,000社の法人に導入されており、低価格でありながら品質の良い通信に定評のある格安sim提供会社です。
契約条件はなく、解除料金は基本的にかかりません。料金プランもシンプルで、使いたいsimの機能とデータ量を好きなように組み合わせられるため、無駄なく契約することができます。
格安sim提供会社ではあるもののサポートも充実しており、webチャットや電話、メール、Twitterなどの様々な手段で相談することができるのも強みです。
「ギガ放題」などキャンペーンを行っていることもあるので、キャンペーン期間に申し込むとお得に使うことができますよ。
会社名称 | 株式会社インターネットイニシアティブ (Internet Initiative Japan Inc.) |
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設立年月 | 1992年12月 |
対応回線 |
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月額目安料金 |
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通信速度 (プラン最大、公式情報) |
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公式HP | https://www.iijmio.jp/ |
OCNモバイルONE
OCNモバイルONEは、インターネット接続サービスを提供している会社が運営している格安simです。格安simは通信が不安定なことが多いなかで、安定した通信速度で利用できる格安simのひとつです。
下りの通信速度はお昼時の実測値でも40Mbpsと速く、上りも遅めとは言え安定して通信することができます。
プランはシンプルで、月額の通信料に利用しただけの通話料金と、契約したオプション料金が追加される仕組みです。
よく通話をする方は、3パターンから選べるかけ放題のオプションも用意されているので、申し込むことでお得に利用できますよ。
会社名称 | エヌ・ティ・ティレゾナント株式会社 |
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設立年月 | 2003年12月 |
対応回線 |
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月額目安料金 |
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通信速度 (昼時、実測目安) |
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公式HP | https://service.ocn.ne.jp/mobile/ |
NUROモバイル
NUROモバイルは、ソニーグループの技術によりデータ通信量を予測し、通信帯域の割当を動的に変更することで、ユーザーが効率よく回線を利用できる仕組みを持っています。
そのため、よく使われているお昼の時間帯も下りで200Mbps程度を維持することができます。また、通信制限下でも1Mbpsと速い速度を保つことができているのも、この仕組みがあるからです。
プランも安くてシンプルな構成でありながら、「映画やドラマをストレスフリーな通信速度で使いたい!」という人向けに最大40GBが使えるプランも用意されています。
制限下でも速い通信速度で利用したい方は、契約を検討してみてはいかがでしょうか。
会社名称 | ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社 (Sony Network Communications Inc.) |
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設立年月 | 1995年11月 |
対応回線 |
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月額目安料金 |
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通信速度 (平均値、公式情報) |
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公式HP | https://mobile.nuro.jp/ |
いつでも高速通信したいなら格安simは向かない
格安simに向いていない人の特徴は、通信速度にこだわりがある場合です。
「いつでもどこでも何をしていても高速通信したい」「通信速度に悩まされたくない」という方は、大手キャリアを使用していたほうがストレスなく使えるでしょう。
格安simに向いていない人の特徴を以下にまとめました。当てはまる項目が多い場合は、格安simよりも大手キャリアの方があなたに合っていると言えます。
- 日常的に高画質の動画を見る習慣がある
- スマホでのオンラインゲームが趣味
- 動画をダウンロードする
- 頻繁にWeb会議をする
- 大きいファイルのアップロードをよくする
- 困ったときはすぐに専門家に相談したい
日常的に高い負荷がかかる使い方をしている場合や、サポートの手厚さを重視したい場合は、格安simには向いていません。
通信速度やサポートの手厚さにこだわるのであれば、料金を支払ってでも大手キャリアと契約することをおすすめします。
大手キャリアで契約を続けている方の口コミでは、安さよりも通信速度の速さやサポートの手厚さを重視する声が多くあります。
https://twitter.com/fortunate_wing/status/1621268324532506624
格安simが遅いときの対処法
格安simに変えようとは思うものの、切り替えたあとに「遅い…」と感じたら後悔しそうと思っていませんか?
ここでは、格安simの通信速度が遅いと感じたときに自分でできる対処法を紹介します。
「このくらいならできそう!」と思ったら、格安simへの変更を前向きに検討してみてはいかがでしょうか。
- モバイルデータ通信のON、OFFを切り替える
- スマホを再起動する
- 画質を落とす
- 場所や時間帯を変える
使いたいときに「通信速度が遅くて使えない!」とあまりにもストレスを感じるようなら、契約した格安simの通信会社があなたに合っていない可能性があります。
そうは言うものの、実際に使ってみてしかわからないこともあります。まずは調べた上で「良さそう」と思った格安simを使ってみましょう。
使ってみた上で何をしても解決しないことが多い場合に他の格安sim提供会社を再検討するのでも遅くはありませんよ。
【まとめ】格安simに切り替えて固定費を下げよう!
格安simの通信速度は大手キャリアには劣るものの、日常的に使う上ではそこまで大きな問題はありません。
いつでもどこでも高速な通信速度で快適にスマホを使うことにこだわるなら、格安simに替えないほうがいいでしょう。
しかし、基本的にWi-Fi環境下で日常的に使用していて、何よりも月々の固定費を下げることを目的としているなら、格安simに切り替えることをおすすめします。
あなたの住まいが格安simの通信対象範囲内なら、切り替えを前向きに検討してみましょう。