愛犬と安全に散歩するためには待てをしつける必要がありますが、「待てをしつけるのは難しいのではないか」と不安になりますよね。
しかし、段階ごとに教えたりコツをつかんだりすれば、待ては簡単にしつけられるのです。
そこで本記事では、愛犬へのしつけをスムーズにするために、以下の5点のポイントを詳しく解説します。
- 待てのしつけが得意な犬と苦手な犬
- 待てをしつけるまでに行う3つの事前準備
- 犬に待てをしつける6つの段階
- 犬に待てをしつける4つのコツ
- 犬に待てをしつけてはいけないタイミング
記事を最後まで読んで、待てをしつけた愛犬を外出先での事故やトラブルから守りましょう。
アイキャッチ画像出典:https://pixabay.com/ja/photos/%E3%83%9A%E3%82%AD%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%82%BA-%E7%8A%AC-%E3%83%9A%E3%83%83%E3%83%88-%E5%8B%95%E7%89%A9-76185/
犬には待てのしつけが得意なタイプと苦手なタイプがいる
犬には待てのしつけが得意なタイプと苦手なタイプがいます。犬のタイプごとにおすすめのしつけ方が変わるため、しつける前にあなたの愛犬のタイプを確認しましょう。
犬のタイプ・特徴・主な犬種・おすすめのしつけ方は下記にまとめています。
犬のタイプ・特徴・主な犬種・おすすめのしつけ方まとめ |
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犬のタイプ | 特徴 | 主な犬種 | おすすめのしつけ方 |
待てのしつけが得意なタイプ |
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待てのしつけが苦手なタイプ |
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待てが得意な犬はたっぷりと褒めてモチベーションを上げたり、しつける場所をどんどん変えて犬の適応力を高めたりしましょう。
待てが苦手な犬はストレスに弱いため、厳しく叱るのはやめましょう。また初めのうちはしつける時間を短くしたり、同じ場所でしつけたりすると、犬の集中力が高まりますよ。
犬に待てをしつけるまでに行う3つの事前準備
犬に待てをしつけるまでに行う事前準備は下記の3つです。それぞれの詳細については以下にまとめています。
- おすわりをしつける
- 犬が集中できる環境を作る
- ごほうびを用意する
愛犬に待てをスムーズに覚えてもらうために、しっかりと準備しましょう。
おすわりをしつける
犬に待てをしつける前におすわりをしつけましょう。なぜなら、おすわりは待ての基本姿勢を教えるしつけだからです。
また犬はおすわりの姿勢の方が立った姿勢よりも楽であり、飼い主の表情を見やすくなるため、しつけに集中しやすくなります。
犬に待てをスムーズにしつけるために、待ての前に必ずおすわりをしつけましょう。
犬が集中できる環境を作る
しつけを始める前に犬が集中できる環境を作りましょう。なぜなら、集中できる環境でしつけると、犬が待てを覚えやすくなるからです。
例えば、テレビの音が響いたり人通りが多かったりして刺激が強い場所では、犬の関心がしつけから興味のある対象へと逸れやすくなりますよ。
静かで落ち着いていたり、犬がリラックスできたりする環境を作り、犬がしつけに集中できるようにしましょう。
ごほうびを用意する
犬に待てをしつける前にごほうびを用意しましょう。なぜなら、犬に動かないメリットを教える必要があるからです。
フード・おやつ・おもちゃ・誉め言葉など、犬が喜ぶごほうびを用意し、待てを成功させたらごほうびを与えましょう。
また、ごほうびが犬にとって魅力的であればしつけを聞き入れやすくなるため、犬が好きなものや興味を引くものを用意してくださいね。
犬に待てをしつける6つの段階
犬に待てをしつけるには段階を設ける必要があります。まずは簡単な段階から教え、犬が簡単な段階を覚えたら難しい段階を教えましょう。
いきなり難しい段階を教えても、犬には難しすぎてしつけの内容を覚えられませんよ。
また、犬に待てをしつける6つの段階は以下の通りです。待ての覚えやすさには個体差があるため、飲み込みが悪い場合も焦って段階を飛ばさずに教えましょう。
- おすわりの状態で1~2秒待つ
- 1秒ずつ待つ時間を延ばす
- 待てを教える
- よしを教える
- 1歩ずつ距離を延ばす
- しつける場所を変える
おすわりの状態で1~2秒待つ
犬の正面に立ち、ごほうびを用意した状態で犬におすわりをさせます。
犬がおすわりの状態で1~2秒間待てたら、ごほうびを与えましょう。
犬が待ちきれずにおしりを浮かせたり動いたりした場合は、ごほうびは与えずにもう1回繰り返してください。
犬がおすわりの状態で2秒間待てるようになるまで、毎日少しずつしつけましょう。
1秒ずつ待つ時間を延ばす
犬がおすわりした状態で2秒間待てるようになったら、待つ時間を1秒ずつ延ばします。上手にできた時にはごほうびを与えてしっかりと褒めましょう。
ただし、犬が待てなくなったりイライラしたりしたら、犬が待てができる秒数まで戻してやり直しましょう。無理に長く待たせると、犬が待てをしたくなくなりますよ。
犬がおすわりの状態で10秒間待てるようになるまで、毎日少しずつしつけましょう。
待てを教える
犬が10秒間待てができるようになったら「待て」の言葉を教えます。犬がおすわりをしてから2秒ほど経ったタイミングで「待て」と言いましょう。
「待て」と言った後、さらに10秒間待ち、犬が上手に待てたらごほうびを与えて褒めてください。
犬に「今は動かないで」と伝わるように、目線や声のトーンを意識すると覚えてもらいやすくなりますよ。
犬が「待て」と言われたらおすわりの状態で10秒間待てるようになるまで、しつけを繰り返しましょう。
よしを教える
犬が「待て」の言葉を覚えたら、次に「よし」の言葉を教えます。「よし」は「動いてもOK」を意味する解放の合図です。
犬が待ての状態で待機できた後に「よし」と言ってごほうびを与えると、犬はよしの意味を理解します。
また、よしのタイミングをランダムにすると効果的にしつけができます。例えば、3秒待たせた後に「よし」と言ったり、5秒待たせた後に「よし」と言ったりしましょう。
「よし」と言う時間がバラバラだと、犬は「いつ解放されるかわからないから、じっとしておこう」と思うようになりますよ。
1歩ずつ距離を延ばす
「よし」を教え終わったら、あなたと犬の距離を1歩ずつ延ばします。
まずはあなたが1歩距離を開けて「待て」と言い、次に「よし」と言って1歩距離を縮めてごほうびを与えましょう。
成功したらだんだんと距離を延ばしていきます。ただし、1回上手にできてもすぐに距離を延ばさずに、同じ距離で5回ほど成功したら1歩ずつ歩数を増やしましょう。
最終的に、5歩延ばした距離で待てができるようになるまでしつけましょう。
しつける場所を変える
犬が5歩延ばした距離で待てができるようになったら、しつける場所を変えます。音が響きやすい室内や公園など、犬にとって刺激の多い場所でも待てを教えましょう。
ただし、待つ時間や距離は縮めて最初の段階からやり直しましょう。なぜなら、新しい環境は誘惑が多いため、犬の関心がしつけから逸れやすくなるからです。
また、しつける場所を変えるときは、刺激が少ないところから多いところへと段階を踏むとスムーズにしつけられます。
どんな状況でも犬が待てをできるようにするために、さまざまな場所でしつけてくださいね。
犬に待てをしつける4つのコツ
待てのしつけにはコツがあります。コツを踏まえずにしつけると、犬が混乱したり、しつけの内容を聞き入れなくなったりする可能性が高まるのです。
そこで、犬に待てをしつけるコツを4つ紹介します。しつけをスムーズに進めるために、ぜひ確認してくださいね。
- 指示語を統一する
- しつける時間は短めにする
- うまくいかないときは前の段階に戻る
- 待てができたら褒める
指示語を統一する
待てをしつけるときは、指示語を統一しましょう。なぜなら、指示語をバラバラに使うと、犬は指示の内容が分からずに混乱するからです。
例えば「待て」と「止まれ」はどちらも待てを表す指示語ですが、犬にとっては「待て」と「止まれ」は違う音に聞こえます。
そのため「待て」と言ってしつけていた犬に、いきなり「止まれ」と言っても犬は指示内容が理解できません。
犬を混乱させてしつけの進行を遅らせないために、待てをしつけるときは指示語を統一しましょう。
しつける時間は短めにする
犬は集中力が低いため、待てをしつける時間は短めにしましょう。長時間同じしつけを繰り返すと、犬が飽きてやる気をなくす可能性があります。
一度飽きた犬は「待て」と言っても聞き入れなかったり反抗的な態度を取ったりするため、しつけがうまくいきません。
待てをしつける時間は1回につき5分から10分程度に、しつける回数は1日につき1回から2回程度にしましょう。
ただし、犬にも個体差があるため、しつける時間や回数は犬の様子や性格に合わせて調整してくださいね。
うまくいかないときは前の段階に戻る
しつけがうまくいかないときは、無理に先に進めようとせずに前の段階に戻りましょう。
また、しつけがうまくいっているかどうかを判断するために、しつけの最中は犬の様子を観察してください。
犬が不安そうにしたり、待てに従えなくなったりしたら、しつけを中断して前の段階のしつけをやり直しましょう。
根気強く待てを教えれば犬は必ず覚えるため、焦る必要はありません。うまくいかないときは、前の段階に戻ってしつけてくださいね。
待てができたら褒める
犬は褒められると嬉しい生き物であるため、待てができたらたっぷりと褒めましょう。喜んだ犬は今後も教えられた内容に従いたいと思うため、待てをスムーズにしつけられます。
待てができたら「えらい!」や「できたね!」と言ってあげたり、頭や背中を撫でたり、ごほうびを与えたりしましょう。
ただし「待て」と言ったすぐ後に褒めると、犬は待ての意味が分からなくなるため、褒めるタイミングは一定の時間が経過してからにしましょう。
【禁止】犬に待てをしつけてはいけないタイミングとは?
犬に待てをしつけてはいけないタイミングは、強い欲求や感情を抱くときです。具体的には以下の4つのタイミングです。
- ご飯やおやつを与える前
- 散歩に行く前
- 遊びたいとき
- 怒っているとき
強い欲求や感情を抱くときに待てを強要すると、犬はストレスを感じたり不安や恐怖を覚えたりして、心身に悪影響を及ぼします。
健やかな状態で犬をしつけるためにも、強い欲求や感情を抱くときに待てをしつけるのは止めましょう。
ただし、短時間のおすわりであれば、犬の心身に負担はあまり掛かりません。
そのため、ご飯や散歩の前など、強い欲求や感情を抱くタイミングで犬に落ち着いてもらいたいときは「おすわり」と言って興奮を静めましょう。
【まとめ】愛犬に待てをしつけよう!気長に教えても大丈夫!
この記事では、犬に待てをしつける6つの段階と4つのコツなど、5点のポイントを紹介しました。
犬に待てをしつける6つの段階は以下の通りです。1つ1つ確実に教えていきましょう。
- おすわりの状態で1~2秒待つ
- 1秒ずつ待つ時間を延ばす
- 待てを教える
- よしを教える
- 1歩ずつ距離を延ばす
- しつける場所を変える
犬に待てをしつける4つのコツは以下の通りです。スムーズに教えるためにも、きちんとコツをつかみましょう。
- 指示語を統一する
- しつける時間は短めにする
- うまくいかないときは前の段階に戻る
- 待てができたら褒める
犬には個体差があるため、しつけてもすぐに待てを覚えてもらえない可能性があります。しかし根気強くしつければ、気長に教えていても犬は必ず待てを覚えます。
ぜひこの記事に書かれた方法で、あなたも楽しくゆっくりと愛犬に待てをしつけてくださいね。
- 名前:小川路 孝博
- 連絡先:ogaogawajiwaji@gmail.com