念願叶って犬を我が家に迎え入れたのはいいけれど、愛犬の落ち着きがなく「『待て』をしつけないと外に連れていけない……」と困っていませんか?
待ては愛犬の安全を守り、他者とのトラブルを防ぐのに欠かせない基本的なしつけのため、できるだけ早く覚えさせたいですよね。
本記事では、待てを愛犬にしつける必要性やポイント、具体的なステップなどを解説します。
実用性の高いアドバイスを多数掲載したので、本記事の内容を実践して訓練し、愛犬と安全で幸せな暮らしを築いていきましょう!
アイキャッチ画像出典:https://unsplash.com/ja/%E5%86%99%E7%9C%9F/%E8%8C%B6%E8%89%B2%E3%81%A8%E7%99%BD%E3%81%AE%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%BC%E3%83%88%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%88%E3%81%AE%E5%AD%90%E7%8A%AC-UBe0cuOPLCI
なぜ犬に「待て」をしつける必要があるのか?
「待て」は愛犬の安全を守ったり、行動を制御したりするために欠かせない、とくに重要なしつけです。
愛犬が待てを覚えていると、興奮して走りだしたり、他の人やペットに飛びついたりするのを防げるほか、交通事故や誤飲事故防止にも役立ちます。
また愛犬に待てをしつけていると、自身の感情よりも飼い主の指示を優先するようになるため、かんしゃくやわがままが少ない性格に育てられるでしょう。
つまり愛犬と安全で楽しい生活を過ごすためには、待てのしつけは必須だと言えるのです。
子犬と成犬では待てをしつけるタイミングが違う
待てをしつけるタイミングは、子犬と成犬のケースで異なります。
子犬のケースでは、子犬を家に迎え入れ、環境に慣れてリラックスできるようになってから行いましょう。
子犬にしつけを始めるタイミングは、家に迎えてから1〜2週間ほどが目安です。
一方、成犬は環境に慣れるまでに時間がかかる傾向があるため、家に迎えてから2週間〜1ヶ月ほどを目安にしつけを始めると良いでしょう。
しかし上記の期間はあくまで目安として、愛犬の様子をよく観察し、まずは新しい環境に慣れてからしつけを始める点を重視してください。
待てをしつける際の4つのポイント
今回の章では、愛犬に待てをしつける際のポイントを4つ解説します。
愛犬に待てをしつける前に、あなたは訓練の環境やご褒美を準備しなければなりません。
準備不足でしつけを開始すると、訓練がスムーズに進まなくなるため、本章を読んでしつけの準備をしっかり整えましょう。
- 「おすわり」ができるか確認する
- 集中できる環境を用意する
- 短い時間からスタートする
- ご褒美を準備する
「おすわり」ができるか確認する
待てをしつける前に、まずは愛犬が「おすわり」ができるか確認しましょう。
おすわりは待ての基本姿勢のため、愛犬がまだおすわりを習得していない場合は、待ての前に覚えさせる必要があります。
なお、早く待てをしつけたいからといって、愛犬のおしりを抑えて無理におすわりを覚えさせてはいけません。
愛犬がしつけに恐怖心を持つと、他のしつけも上手くいかなくなってしまうため、基本のしつけでも焦らず根気強く訓練しましょう。
集中できる環境を用意する
待てのしつけは、愛犬が集中できる環境を用意してから実施しましょう。
愛犬はテレビがついていたり、子どもが遊んでいたり、目の前にごはんやおもちゃがあったりするとしつけに集中できません。
また、しつけを始める際は必ず自宅での訓練からスタートしましょう。
家の外は、見慣れない人や自動車の音など犬にとっての刺激が溢れているため、まずは自宅で静かな刺激の少ない環境を整えることが訓練の成功に繋がります。
短い時間からスタートする
待てのしつけは短い時間から始めて、少しずつ秒数を延ばしていきましょう。
一足飛びに長時間の待てを訓練して失敗が続くと、愛犬はストレスを感じます。
愛犬が訓練を嫌いになると、待て以外のしつけも嫌がるようになるため、今後の訓練に余計な時間と労力を強いられるでしょう。
待てを最初から長時間しつけるのは困難なため、1〜2秒の訓練から始めて成功体験を積み重ねるのが大切です。
ご褒美を準備する
待てをしつける際は、おやつやおもちゃなどの「ご褒美」を準備しましょう。
愛犬が上手く待てをできたら、すぐにご褒美を与えてください。
おやつやおもちゃ、誉め言葉などで愛犬を労ってあげると、「飼い主の指示に従ったら良いことがある!」と覚えてくれます。
愛犬が「しつけは楽しいもの」だと覚えれば、積極的に指示に従ってくれるようになるため、失敗しても叱らずに成功したら褒める方法でしつけましょう。
犬に待てをしつける5つのステップ
今回の章では、愛犬に待てをしつける5つのステップを紹介します。
犬は人間とは異なり、新しい物事を次から次に覚えるのではなく、1歩ずつ前に進むようにゆっくり成長します。
そのため、愛犬に待てを完璧にしつけるには1ヶ月以上かかると考えて、じっくり訓練に取り組みましょう。
- おすわりで待たせる
- 1秒ずつおすわりの時間を延ばす
- 「待て」と「よし」を教える
- 待ての状態で1歩ずつ離れる
- 外でも練習する
おすわりで待たせる
まずは愛犬に1〜2秒ほどおすわりをさせ、きちんと待てたら、おやつをあげて褒めましょう。
ポイントは、おすわりの状態からおしりが浮く前に声をかけておやつを与えることです。
おしりが浮いてからおやつを与えると、愛犬は動いてもご褒美をもらえると覚えてしまうので、「動かなかったから褒めてもらえた」と認識させるように心がけます。
もし、1〜2秒のおすわりを我慢できなかった場合は、おやつは与えずにもう1度トライしてみましょう。
1秒ずつおすわりの時間を延ばす
1〜2秒のおすわりができるようになったら、待つ時間を1秒ずつ延ばしていきます。
いきなり10秒待たせるのではなく、3秒が成功したら4秒、4秒が成功したら5秒のように小さなステップの積み重ねが大切です。
また1〜2秒のおすわりと同じく、決めていた秒数分のおすわりを我慢できなかった場合は、おやつは与えずに再チャレンジします。
なお、しつけの時間が5〜10分を超えると愛犬の集中力が切れてしまうため、あまり長時間の訓練にならないよう気を配るのも重要です。
「待て」と「よし」を教える
10秒のおすわりができるようになったら「待て」と「よし」を教えます。
おすわりの状態から2秒ほど経ったころに「待て」と声をかけ、10秒ごろに「よし」と声をかけて、きちんとできたら褒めてあげましょう。
「待て」と「よし」を教える際のポイントは、コマンドとハンドサインを統一することです。
コマンドとは、愛犬に指示する言葉を指し、代表的なものに待て・よし・おすわりなどがあります。
一方、ハンドサインとは愛犬に指示する仕草を指し、待ての際は犬の顔の前に手をかざす動きを用いるのが一般的です。
訓練の度にコマンドやハンドサインがバラバラだったり、家族で統一されていなかったりすると、愛犬はどの指示が正しいかわからずに混乱してしまいます。
そのため、しつけを始める前に家族でコマンドやハンドサインについて話し合っておくと良いでしょう。
待ての状態で1歩ずつ離れる
10秒の「待て」と、解除の「よし」のコマンドを覚えたら、待ての状態の愛犬から2〜3歩離れてみましょう。
犬は飼い主が動くと一緒に動いてしまうため、「よし」の声がかかるまで待ての状態を解除しないよう訓練する必要があります。
距離を取るときも秒数の訓練と同じく、3歩が成功したら4歩、4歩が成功したら5歩のように少しずつ離れる距離を延ばしていきます。
また、1度成功しても次の段階へすぐに移行せずに、同じ歩数で4〜5回成功したら次の歩数へ進むようにしましょう。
外でも練習する
自宅での待てがしっかり身についたら、最後は屋外での訓練です。
家の外は、見知らぬ人や自動車の音、草木、虫など犬にとっての刺激に溢れています。
待てが自宅ではできても家の外ではできないと、いざという時に愛犬の事故を防げないため、外でも待てるように訓練しましょう。
ただし交通量や人通りの多い場所での訓練は、事故やトラブルに発展する可能性があるため、最初の外の訓練は庭や公園で実施するのがおすすめです。
しつけより大切なのは環境に慣れさせること
愛犬に待てをしつけるためのポイントやステップを解説してきましたが、しつけよりも大切なのは「愛犬を環境に慣れさせること」です。
愛犬が家でリラックスできないうちにしつけを始めても、知らない場所で知らない人に指示されている状態になってしまい、しつけ自体に苦手意識を持ちかねません。
まずは愛犬が家の雰囲気や家族、環境音などに慣れるのを最優先にし、アイコンタクトをとって、体に触れても嫌がらないほどのたっぷりの愛情を注いであげてください。
【まとめ】犬のしつけは焦らずじっくり取り組もう!
本記事では、愛犬に待てをしつける必要性やポイント、実際のステップなどを解説しました。
これまでの内容をまとめると以下のとおりです。
- 待ては愛犬との安全で楽しい生活のために必要
- 待てのしつけは愛犬が環境に慣れてから行う
- しつけのために最適な環境を整える
- 待てのしつけは小さなステップを積み重ねる
- しつけより大切なのは愛犬が環境に慣れること
愛犬のしつけは短期間では完了しないため、小さな成功体験を積み重ね、根気強く訓練していくのが重要です。
しつけに焦ってイライラすると、愛犬にも苛立ちが伝わり、しつけそのものを嫌いになってしまう可能性もあります。
そのため、飼い主のあなた自身も愛犬もストレスを感じずにしつけを進めるためには、失敗を叱るのではなく成功を褒める気持ちが大切です。
せっかく「家族に迎えたい」と思える犬に出会えたのですから、愛犬と幸せに暮らすためにも、待てを楽しくしつけましょう!
- 名前:白藤 聡(しらふじ そう)
- 連絡先:soushirafuji@gmail.com
- SNS URL:https://x.com/sou_shirafuji_