不動産売却をしたいが「この家はいくらで売れるのだろうか?」「不動産の査定はどうやって調べたらいいのだろうか?」とお悩みではありませんか?
今住んでいる家の価格はどれくらいなのか、将来のためにできるだけ良い条件で売りたいが、どうしたら信用のおける不動産会社に依頼できるのか知りたいですよね。
この記事は、どのようにして不動産の適正な査定価格がわかるのか、また不動産一括査定サイトを利用した不動産会社の選び方などをわかりやすく解説しますので最後までお付き合いください。
(アイキャッチ画像出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/882586?title=%E3%83%91%E3%82%BD%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%81%A7%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0%E9%81%B8%E3%81%B3&searchId=3258434223)
不動産売却の査定の方法
不動産査定の方法は、机上査定と訪問査定の2種類あります。それぞれについて説明します。
机上査定(簡易査定)
机上査定は現地を見ないでおこなう簡易査定ともいわれる方法です。不動産会社が電話や事前のアンケートを参考にしながら、立地や土地の大きさ、マンションなら階数や方角を見て査定価格を算出します。
実際に現地を見ないので、建物の雰囲気や近所のようすなどがわからず、査定の精度は低くなりがちです。机上査定はまだ売却の検討段階という方に向いています。
訪問査定
訪問査定は、机上査定と同じく書類上の査定もおこなった後に、現地に行って建物の劣化具合や設備の状況、建物から駅までの様子など細かくチェックポイントして価格を決定する方法です。
不動産会社と媒介契約を結んで売却の価格を決める時には、訪問査定を受けて算出した査定価格を使います。具体的に1年以内に売却を考えている人は訪問査定を依頼すると良いでしょう。
査定の価格はどのように決めるのか
不動産の価格は以下の3つの手法を組み合わせて算出します。それぞれどのような手法で特徴があるのか見ていきましょう。
- 取引事例比較法
- 原価法
- 収益還元法
取引事例比較法
取引事例価格法は、売却する不動産と条件の近い不動産の過去の取引事例を選んで比較する方法で、土地やマンションの査定に使われることが多いです。
選んだ不動産の平均坪単価を算出し、算出された出された単価に売却する不動産の坪数を掛け合わせて、その金額をベースに個別事情(広さ・間取り・築年数など)を考慮して査定結果を出します。
原価法
原価法は今建っている建物を取り壊したと仮定して、同じ建物をもう一度立てた時にいくら費用が掛かるのかを計算します。その価格から建物の老朽化だけを差し引く査定方法です。
まず、再度取得するのに必要な費用(再調達原価)を算出します。次に建物がある場合は、築年数による価格の低下を割引いて減価修正を行います。おもに、一戸建ての建物部分の査定に利用されることが多いです。
国税庁のホームページでは、住宅の耐用年数は、木造で22年、鉄筋コンクリート造で47年、鉄骨造(厚さ44㎜超)で34年、鉄骨造で(厚さ3~4㎜)で27年となっています。
収益還元法
収益還元法はその不動産が将来どのくらい稼ぎだせるのか、その収益力の基づいて不動産を査定する方法で、アパートなどの投資用不動産の査定に用いられます。収益還元法には、直接還元法とDCF法の2種類あります。
不動産売却の一括査定サイトを活用してみよう
どのようにして不動産会社を選んだらいいのか、1つの方法として不動産の一括査定サイトの活用をおすすめします。一括査定サイトは複数の不動産会社に査定を依頼できるインターネットサービスのことです。
査定依頼は完全無料で、不動産会社が紹介費をサイト側に支払うことで成り立っています。売りたい不動産の情報を一度登録するだけで、複数の不動産会社の査定結果を比較することができます。
不動産を売却するなら、相場を知るための最初のツールとして利用するのは大変便利です。不動産会社選びで、売りたい不動産の売値が数百万円変わることもあります。一度利用してみてはいかがでしょうか。
不動産売却のおすすめの一括査定サイトを3つ紹介します
一括査定サイトによって得意としている物件の種類は異なっています。例えばマンション売却に強いサイトや、土地や投資用物件に強い不動産会社と多く提携しているところなど、それぞれ特徴があります。
全国的にも利用者が多く信頼できる一括査定サイトを3つご紹介しますので、参考にしてみて下さいね。
イエウール
イエウールは、株式会社Speeeが運営している不動産一括査定サイトです。特徴は査定対象の多さにあります。中古マンションや一戸建てはもちろん、アパート・土地・ビルなども対象に入ります。
すまいValue
すまいValueは、大手不動産業者6社が運営主体となっている不動産一括査定サイトです。大手ならではのネットワークを生かして、全国47都道府県の物件の査定ができます。
SUUMO不動産売却
SUUMO不動産売却は、株式会社リクルート住まいカンパニーが運営する不動産一括査定サイトです。加盟店の数も2,000社と非常に多く、同時に査定ができる数も10社と多いのも魅力です。
不動産売却の一括査定サイトのメリット
不動産一括査定サイトを利用したら、どのようなメリットがあるのか解説します。
- 査定依頼が無料で手軽にできる
- 相場価格がわかる
- 不動産会社選びに役立つ
査定依頼が無料で手軽にできる
一括査定サイトの最大のメリットは、無料でインターネットから査定依頼できるので、パソコンやスマホから手軽に申し込みが可能なことです。一度に複数の不動産会社に査定できるので時間や手間が省けます。
相場価格がわかる
一括査定サイトを利用すると、複数の査定結果を比較することで相場の価格がわかることも大きなメリットです。相場を知らずに高く設定してしまうと売れ残る可能性があるので、相場価格を知ることは大切です。
また複数の不動産会社が同じ情報を用いて査定を行うので、同じ条件で査定額の比較ができます。
不動産会社選びに役立つ
一括査定サイトは、住んでいる地域の複数の不動産会社を紹介してくれます。不動産会社の担当者に訪問査定してもらうことで、不動産会社の特徴や強み、担当者の力量を比較できることがメリットです。
査定依頼をしたからといって、必ず依頼先の不動産会社と契約をしなくてはいけないという決まりもないので、安心して利用できます。
不動産売却の一括査定サイトのデメリット
不動産の一括査定サイトはメリットだけでなく、利用することでいくつかのデメリットが存在します。主なデメリットは以下の通りです。
- 不動産会社から一度に連絡が来る
- 不提携の不動産会社から査定を受けられない
- どの会社の査定価格が正しいのか判断が難しい
不動産会社からの一度に連絡が来る
一括査定サイトに登録することで、すぐに不動産会社から物件に関する連絡が一度に来ます。連絡を受けると、今度は営業電話やメールが頻繁に来るので対応が大変になることがあります。
不提携の不動産会社から査定を受けられない
一括査定と提携を結んでいない不動産会社からの物件の査定の依頼はできません。自分が調べたいと思った不動産会社が登録してしていなければ、自分で会社に査定依頼をする必要があります。
どの会社の査定価格が正しいのか判断が難しい
一括査定サイトは登録している不動産会社が問い合わせ一件につき、いくらかのお金を支払うことで成り立っています。契約が決まれば高額の仲介手数料を得られるため、お金を支払ってでもサイトに提携しています。
売主が少しでも高く売りたいと思うと、査定額を高く見積もってくる不動産会社を選びがちになります。相場より高めに設定してくる業者もいるので注意が必要です。
不動産売却の査定の時にしておきたいポイント3つ
実際に不動産会社に不動産査定の依頼を出すときに、準備しておきたいポイントが3つあります。
- 必要な書類をそろえておく
- 不具合・修繕の必要はあるのか
- 土地・一戸建ての場合は境界線が明確になっているか
必要な書類をそろえておく
不動産査定がスムーズに進めるために必要な書類は、物件の登記済権利書、固定資産税納税通知書、専有面積がわかる資料などです。耐震診断報告書やアスベスト使用調査報告書もあれば用意しましょう。
査定時にそろっていれば、できるだけ正確な査定結果を得られやすくなります。
不具合・修繕の必要はあるのか
不動産を売却する際に、不具合や修繕状況を不動産会社に伝える必要があります。不具合がある場合、それが修繕可能なレベルかどうかを把握しておくことが大切です。
値下げのポイントになりうるものですが、しっかりと伝えなくては後でトラブルになってしまう可能性があります。
土地・一戸建ての場合は境界線が明確になっているか
土地や一戸建ての売買において、もっともトラブルになりやすいのが境界線についてのトラブルです。境界線について調べるのは手間がかかります。
境界線が明確になっているのか、問題となる可能性がある部分があるのか把握しておきましょう。境界線に問題なければ査定時間を短くできます。
不動産売却の査定のチェックポイント4つ
不動産売却の査定は、依頼する不動産会社によって変わってきますが、売却査定で見るポイントが4つありますのでチェックしていきます。
- 近隣の物件取引事例
- 公示価格・路線価
- 立地条件
- 物件の条件
近隣の物件取引事例
近隣の取引価格事例は、査定金額を決める重要なポイントです。相場はいくらなのか、どういった条件の物件がどれくらいの価格で取引されているのか、売却価格を決める参考になります。
不動産会社が運営するサイトの公開情報をチェックするのも良いですが、国土交通省の土地総合情報システムを使うことで、簡単に信用できる情報が得られます。
公示価格・路線価
公示価格と路線価は国が定める土地の標準価格です。公示価格は土地に、路線価は道路に対して定められます。公示価格の詳細は、国土交通省地価公示・都道府県地価調査になります。
路線価の詳細は、財産評価基準書路線価図・評価倍率評です。これらの公的な評価は、実際の売却価格を決める際の参考になります。
立地条件
立地条件は不動産の価値を大きく左右します。立地条件というと、駅やバス停など公共交通機関との距離や、役所・学校などの公共施設、銀行・郵便局など金融機関との距離などがあげられます。
また、スーパーやコンビニが近くにあるか、周辺の緑の多さや静けさ、治安状況など、生活の便利性や閑静な住環境は、査定額にも良い影響を与えます。
物件の条件
立地条件と同じく物件の条件も、不動産の価値も大きく作用します。物件自体の外観や設備は、査定額にも影響してきます。
具体的に、住宅の設備では収納や防犯対策の有無、部屋の間取り・生活動線・日当たりや風通しなど、快適さも確認します。マンションであれば管理状況やエントランスもチェックポイントです。
不動産売却の査定を依頼する会社を選ぶポイント
不動産売却の査定の方法や一括査定サイトについて解説してきましたが、筆者も複数の不動産会社に査定を依頼して体験してみました。その時に感じた不動産会社を選ぶポイントを紹介します。
- 連絡のスピードが速い
- 担当者のていねいな対応と嘘をつかない誠実さ
- 不動産売却の知識をどれくらい持っているのか
- 過去に同じエリアや物件種別での売却実績がある
- 査定額の根拠のをきちんと説明してくれる
一括査定サイトから2件、その他2件の合計4件の不動産会社に査定を依頼しました。査定価格だけでも500万円の差がありました。高く査定する根拠などもいろいろでしたが、しっかり説明できたのは1件だけです。
実際に体験してみて一番大切だと感じたのは、査定価格も重要ですが信頼できる不動産会社に依頼したい、この担当者なら安心して任せられるという人間性も選ぶ最大のポイントです。
不動産の査定をして良い条件で売却しよう
今の家の売却を考えているならば、適正な査定価格を知ることが大切で、それには不動産会社選びが一番重要です。
不動産一括査定サイトを利用することで、査定額の比較と不動産の相場がわかるだけでなく、きちんと売却してくれるパートナーを見つけられる可能性が高まります。
今の物件が不動産会社の選び方によって良い条件で売れたら、車1台分買えるくらいの差額が出るかもしれません。信頼できて安心して任せられる不動産会社に出会えますように、参考になれば嬉しいです。