猫は気まぐれで、とてもわがままに見えます。また、様々なシーンでしつけにも手を焼きますよね。
例えば家具で爪を研いだり、カーテンによじ登ったり。叱られてもちっとも反省しないし、知らんぷり。どうしたらそういったわがままをやめてくれるんでしょうか?
今回は、猫がなぜわがままに見えるのか、猫のわがままについての解説や、困った時の対処法を書いていますので、ぜひ読んでみて下さいね。
(アイキャッチ画像出典:https://images.pexels.com/photos/2215599/pexels-photo-2215599.jpeg?cs=srgb&dl=pexels-tranmautritam-2215599.jpg&fm=jpg)
猫がわがままな3つの理由!
猫は名前を呼んでも反応しなかったり、おもちゃを買ってきても興味を示さなかったりしますよね。でも、自分が構って欲しい時だけすり寄ってきます。
そんな時はわがままだな、と思いますよね。実は猫がわがままに見えるのは、人間から見た価値観の違いにもあるんです。では、猫がなぜわがままに見えるのか、3つの理由を説明していきますね。
①猫は基本的に単独行動
猫は基本的に単独行動をする動物です。血縁関係にあるメス同士が一緒に行動する事はあっても、オスはほぼ単独で、発情期にメスと会うくらい。
猫は人間と違って、周りに合わせるという価値観がありません。人間から見たらそれがわがままに見えるのでしょう。ただ自分よりも強い猫に気を使う面はあります。
②猫は無視がマナー
例えば「猫の集会」で新参者が入る場合、他の猫を無視して毛繕いを始めたりしますがこれは、「あなた達を警戒していませんよ」という事を知らせているんだそうです。
人間の場合だと無視は失礼に感じますが、実は猫は無視がマナーだという事があります。
猫は飼い主の声を聞き分ける事ができるんだそうです。自分を可愛がってくれる飼い主の事は、態度はそっけなくてわがままに見えても、分かっているそうです。
③猫は距離感を大切にしている
猫は距離感を大切にしています。同居のペット含めた家族に近すぎず、離れずに接しているようです。
猫は必要な部分、例えばご飯が欲しい時だけすり寄ってきて、食べ終わったらどこかに行ってしまうなどの時は、人間からしたらわがままに見えます。
このように、猫は必要な時だけ依存しますが、しかし依存しすぎてベタベタする、という事はないようです。
猫がわがままに見えるのは、人間から見た価値観の違いがあります。人間にとってのマナーが猫にとってはマナーでないなどが、猫をわがままだと感じる理由になっているのです。
猫と犬のしつけの考えた方は違う?
群れを作って生活する犬は、元々リーダーに従うという習性があります。一方、野生時代に単独生活を送ってきた猫は、自分の身を守るために何でも自分で判断する動物です。
「犬は賢くておりこうなのに、猫は言う事を聞かないし、芸もできない」と言われる事もありますが、それは誤解です。
猫は学習能力が無いわけでも、知能が低いわけでもありません。犬のように他者の命令に従う必要もなかっただけなのです。
なので、教えれば「お手」「お座り」を覚える能力はありますが、必要がないので覚えようとしないだけなのです。
猫のわがままをしつける時に叱る事に意味はない?
一つ屋根の下で暮らすにはしつけも必要になってきます。しかし猫は叱ってもあまり意味がないと言われています。なぜ叱られてもあまり意味がないのでしょうか?
猫がわがままだと感じる時、多くは飼い主がして欲しくない事をした時でしょう。冒頭お話しした「家具で爪を研ぐ」「カーテンによじ登る」などした時はつい叱ってしまいますよね。
しかしこれは猫が自分の本能のままにした行為であり、飼い主に悪い事をしたとは思っていません。
猫は良かれと思って自分で判断してやっているので、その行動について叱られたり褒められたりしても、あまり理解しないようです。
猫のわがままをしつける時に頭ごなしに叱らない
やんちゃな猫を叱る時に注意したいのは、「頭ごなしに叱らない事」です。頭ごなしに叱ってしまうと、猫が自分の身を守るために、攻撃的な行動を取ってしまう場合があるのです。
やんちゃが悪化すれば、しつけは難しくなってしまいます。くれぐれも大声で叱ったり、叩いたりすることが無いようにしましょう。
やんちゃな性格を根本から改善させるのでなく、ある程度許すのも、猫といい関係を築くための一つの方法です。ストレスなくしつけをすることは飼い主の精神的なストレスを減らす事にもつながっています。
わがままな猫をしつける方法
猫には学習能力があります。猫は、どうしたら寝ている飼い主を効果的に起こす事ができるのかを分かっています。これも学習能力によるものです。
それを利用して猫のわがままをしつける方法を具体例をあげながら、紹介していきます。
飼い主の気を引きたくてやっている場合
猫にどうしても直してもらいたい習慣があれば、猫の学習能力を利用して直すことも不可能ではありません。
猫が食卓の上に乗って騒いだり、高いところに乗って下ろしてと鳴いたりなど、気を引きたくてやっている行動に関しては無視が一番です。
反応してしまったら猫の思うつぼなので、反応しないでいれば「この方法じゃだめなんだ」と学習してくれます。
わざとではない場合
例えば猫がタオルの上に乗るのがだめなら、タオルを取り上げます。その存在を猫から分からなくしてしまうのです。
そこに代わりの座布団を用意します。そのタオルはだめだけど、この座布団ならいいよと、猫用の座布団や代用品を用意します。そしていい子ね、と頭を撫でてあげましょう。
2週間くらいすれば「この座布団は怒られない」と分かってきますし、褒められたり、ご褒美がもらえる事にも気付きます。
そうなるとタオルと座布団を両方差し出した場合に、座布団を選ぶようになるでしょう。
わがままな猫をしつける効果的なトレーニング方法
「負の罰」と「正の強化」というトレーニング方法で、猫のしつけを有効的に行なっていきましょう。
負の罰
「負」は「何かを引く事」取り上げて目の前から無くす事です。「罰」とは行動を辞めさせる事を意味します。
猫が飼い主の気を引きたくてやっている行動に反応しない、無視する事が、実際その場にいてたとしても、取り上げてしまった事と同じ効果があります。だから猫はその行動をしなくなっていくのです。
正の強化
「正」は「何かを与える事」、「強化」は「行動を続けさせる事」を意味します。
取り上げた代わりに代用品を渡し、褒めたりご褒美をあげる事で猫に学習させるという事ですね。
対照的に「正の罰」という方法がありますが、それはわがままをしたら叩いたりして、分からせるという方法です。
しかし大切な家族である猫にその方法は無理ですし、してはいけない事ですよね。
わがままな猫をしつける時に道具や音を利用する
「負の罰」や「正の強化」意外に、道具や音などでしつけをする方法もあります。3つ紹介しますね。
①クリッカーを使う
わがままな猫をしつける方法で、ほかにクリッカーを使うという方法があります。クリッカーとは音がカチッと鳴るアイテムの事です。
これと、おやつを使って根気よくトレーニングを行えば、して欲しい行動を取るようにはなりますが、して欲しくない事をしつけるには向いていません。
②びっくりさせる
猫がして欲しくない行動をした時は、大きな音を鳴らす、水をかけるなどで、猫が嫌がる事をします。
びっくりさせて覚えさせるという方法です。しかし全く効かない猫もいますから完璧な方法とは言えません。
③嫌な匂いをつける
家具や壁にいたずらをする猫には、あらかじめいたずらする場所に嫌な匂いをつけて、近寄らせない方法もあります。そうする事で「ここでは遊びたくない」と思わせます。
猫は柑橘系や、ハッカ、香辛料の匂いが苦手とされています。ただし、猫はアロマオイル、エッセンシャルオイルなどの成分を代謝できず中毒を引き起こす可能性があるので、注意して下さい。
猫のわがままをしつける時に環境作りも大切
猫のわがままに頭を頭を抱える前に、生活環境を見直してみるのも良い方法です。
例えばトイレの粗相に悩まされている場合、トイレの大きさは猫に合っているかなどを考えます。大きさは体がすっぽりと入る大きさで、猫の頭数プラス1〜2つあるのが理想的と言われています。
いじって欲しくないものは戸棚に直す、入って欲しくない場所には衝立を立てるなどです。
猫と暮らすにはある程度の譲歩も必要ですが、飼い主が困らないように工夫する事も大切です。
噛み癖のある猫のしつけは?
噛み癖のある猫はしっかりと叱りましょう。噛み付いたら「こら!」「だめ!」と短く言って飼い主はその場から離れましょう。
「噛まれた!痛い!」と言って大騒ぎすると、遊んでいると猫が勘違いしてしまうため、注意が必要です。噛み癖をつけないためには、子猫の頃からのしつけが大切です。
子猫は噛む力が弱いものの、可愛いからと言って人間の手や指で遊ばせていると成猫になってからトラブルになる可能性もあります。猫用のおもちゃで遊ばせるようにしましょう。
なでたり、遊んだりしている時に噛まれた場合は、「もう触らないで」の合図の場合があります。基本的に猫は独立心の高い動物なので、かまい過ぎに注意しましょう。
猫のわがままをしつける効果的なトレーニング方法とは?まとめ
猫がなぜわがままに見えるのか、猫のわがままについての解説や、困った時の対処法を書いてきました。
猫がわがままに見えるのは、人間との価値観の違いがあるようで、猫にとってはそれが普通という場合が多いようです。
猫は叱られる意味が分からなかったり、大声で叱られる事をただ怖いと感じるだけなので、叱る事にあまり意味はありません。
しかし同じ屋根の下に住むなら、ある程度のしつけは必要です。そんな時は頭ごなしに叱るのではなく、猫の学習能力を利用してトレーニングしながら、しつけをしていく事が肝心です。