自宅でのインターネット通信には欠かせないWi-Fiルーター。
快適にWi-Fiを利用したいと考えているものの、おすすめのルーターはどういったものなのか、またどのような基準で購入すべきか分からない方も多いのではないでしょうか。
今回はWi-Fiルーターを選ぶ上で知っておきたい基礎知識やルーターの選び方、またおすすめWi-Fiルーターについて紹介していきます。
Wi-Fiルーターの購入を検討されている方は、ぜひ参考にしてくださいね。
(アイキャッチ画像出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/4326151?title=Wi-Fi%E3%80%80%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%BC&searchId=1459045503)
最低限押さえておきたい!Wi-Fiルーターの基礎知識
まず、Wi-Fiルーターを選ぶにあたって最低限知っておいてほしいことがあります。それはWi-Fiルーターの通信規格についてです。
以下で通信規格について簡単に説明していきたいと思います。必須の知識ですので、必ず目を通しておきましょう!
通信規格(無線方式)についての基礎知識
Wi-Fiには「IEEE 802.11」という国際規格があり、「11a」「11b」「11g」「11n」「11ac」「11ax」の6規格が存在しています。
なお、現在主流となっているのは「11n」と「11ac」の2種類です。
なお、「11n」「11ac」「11ax」はそれぞれ、「Wi-Fi4」「Wi-Fi5」「Wi-Fi6」とも呼ばれています。
現在主流の「11n」「11ac」2種類は以下のような仕様になっています。
世代 | 最大通信速度(理論値) | 周波数帯域 | |
11a(IEEE 802.11a) | 第1世代(1997年) | 54Mbps | 5GHz |
11b(IEEE 802.11b) | 第2世代(1999年) | 11Mbps | 2.4GHz |
11g(IEEE 802.11g) | 第3世代(2003年) | 54Mbps | 2.4GHz |
11n(IEEE 802.11n) | 第4世代(2009年) | 600Mbps | 2.4GHz/5GHz |
11ac(IEEE 802.11ac) | 第5世代(2013年) | 6.9Gbps | 5GHz |
11ax(IEEE 802.11ax) | 第6世代(2019年) | 9.6GMbps | 2.4GHz/5GHz |
「Mbps」というのは通信速度の単位であり、数字が大きいほど1秒間に可能な通信容量が大きくなります。
またWi-Fiルーターの周波数帯域は2.4GHzと5GHzがあり、それぞれ以下のような特徴があります。
2.4GHzの特徴
2.4GHzは対応製品が多く、壁や天井などの障害物があってもある程度は通り抜けることができるため遠くまで電波が届きやすいというメリットがあります。
一方で対応製品が多い分、電波の干渉を受けやすいためやや不安定であり、通信速度が低下してしまうといったデメリットが存在します。
5GHzの特徴
5GHzは2.4GHzとは反対で、電波干渉が起こりにくいため通信速度が早いのが特徴です。そのためより快適にWi-Fiを利用できるでしょう。
しかしながら障害物の影響を受けやすく、壁やドア、家具などによって電波が妨げられて届かなくなることもあるため注意が必要です。
Wi-Fiルーターの選び方~基礎編~
ここまで、Wi-Fiルーターを選ぶ上で必要な通信規格に関しての説明をしてきました。ざっくりとした特徴は理解していただけましたでしょうか。
ここからはいよいよWi-Fiルーターの選び方について、またルーターを選ぶ際に確認しておきたいポイントについて具体的に述べていきます。
通信規格(無線方式)
通信規格には上記のような種類がありますが、快適に利用したい場合は「11n」、「11ac」、「11ax」のいずれかに対応しているものを選ぶのがベストです。
「11n」は「11ac」には劣るものの問題なく快適に利用できる通信速度をもっており、2.4GHz帯と5GHz帯の双方の周波数帯域を使うことができるというメリットもあります。
また「11ac」は通信速度が早く、5GHz帯の周波数帯域であるため安定した電波が得られます。そのためルーターに比較的近い場所であれば快適に利用できるでしょう。
現段階での最新規格「11ax」はまだ普及しておらず、対応機器が少ないため「11n」「11ac」(「Wi-Fi4」「Wi-Fi5」)のいずれかに対応していれば十分でしょう。
接続環境(利用人数、間取り)
各メーカーの商品解説ページを見ると、利用可能な人数や部屋の間取り、戸建て向き・マンション向きなどその製品が対応しうる接続環境について記載されています。
ここを確認することで自分の家に合ったWi-Fiルーターを選ぶことができますので、Wi-Fiルーターを探す際には接続環境についても調べてみてください。
ただし記載事項はあくまでも目安ですので、利用人数などにやや余裕のあるものを選んだほうが快適に利用できるでしょう。
アンテナの種類
アンテナ選びも快適にWi-Fiを利用する上で重要な要素の一つです。Wi-Fiルーターのアンテナには内蔵タイプ・外付けタイプの2種類があります。
内蔵タイプであれば置き場所に困ることはありませんが、アンテナの向きを変えることができず水平方向にしか電波を飛ばすことができません。そのためマンションなどワンフロアの家に適しています。
一方で外付けタイプはアンテナの角度を自由に変えることができるため、上階の方向へ電波を飛ばすことができます。2階建て・3階建ての家(一戸建てなど)に適しているといえます。
よりこだわりたい方へ!Wi-Fiルーターの選び方~応用編~
上記ではWi-Fiルーターを選ぶ際の基本的な基準をお話しました。しかし中には「もっと快適にWi-Fiを利用したい!」というように、Wi-Fi環境にこだわりたい人もいるでしょう。
ここからは家でもっと快適に、ストレスなくWi-Fi接続ができるような環境にするために知っておきたいWi-Fiルーターの選び方を紹介していきます。
MU-MIMO
MU-MIMOとは、アンテナごとに異なる信号を複数の機器に送信できる技術のことをいいます。複数の機器に対し、同時にデータを送信することができるため通信速度の低下を防ぐことができます。
またMU-MIMOには、Wi-Fi接続機器のある場所に電波を集中的に届けることができる機能「ビームフォーミング」が搭載されています。
ビームフォーミングによって通信範囲は30~40%広がり、通信速度は150%にまで向上するとされており、iPhoneやGalaxy、Xperiaなど多くのスマホがビームフォーミングに対応しています。
そのためMU-MIMOの技術が用いられたWi-Fiルーターを使うことで、ルーターから離れた場所でも安定した電波が得られ、複数のユーザーが高速通信で利用できるようになるでしょう。
バンドステアリング/オートチャンネルセレクト機能
バンドステアリング機能(オートチャンネルセレクト機能)とは、状況に応じて、Wi-Fiで使用される周波数帯域2.4GHzと5GHzの適切な方を選び自動接続してくれる機能です。
バンドステアリング機能が搭載されたWi-Fiルーターを使えば、2.4GHzと5GHzの両方の長所を生かした接続ができるためよりスムーズなWi-Fi接続が期待できます。
IPv6対応
自宅で動画を見ている時、接続が不安定になって動画が止まってしまうなどといった経験をしたことはありませんか?その原因の1つに、「IPv4」という通信方式を利用していることが挙げられます。
そこでおすすめなのが「IPv6」という最新の通信方式です。IPv6はIPv4の後継の接続方式となっています。
インターネット利用者が増加する時間帯に混み合って通信速度が低下していたIPv4に対し、IPv6では接続方式が改善されたことによってより高速な通信が可能となりました。
IPv6対応のルーターを選ぶと、通信速度が改善されるため今よりも快適に動画などをを見ることができるでしょう。
家中どこでも快適に接続したい人におすすめのWi-Fiルーター
「Wi-Fiが届かないからここではパソコンが使えない…」「この部屋でスマホを使うとWi-Fi接続がすぐに切れてしまってイライラする…」そんな経験はありませんか?
せっかくWi-Fi環境があるのに、うまく接続できない部屋があると具合が悪いですよね。
一軒家で比較的広いお家に住んでいる方や、Wi-Fi接続ができる機器を多く持っている方におすすめしたいのが「メッシュWi-Fi」です。
メッシュWi-Fiを利用することで広範囲に電波を行き渡らせることができます。以下がメッシュWi-Fiの特徴です。
- 複数の機器を同時接続しても安定した接続が得られる
- 広範囲での快適なWi-Fi利用が可能になる
- スマート家電やIoT家電との接続が容易
メッシュWi-Fiを使うことで快適なWi-Fi接続が可能になる一方、費用面などのデメリットもあります。
自宅の広さやWi-Fi利用状況に応じて検討してみてくださいね。
おすすめ!Wi-Fiルーターの売れ筋ランキング
ここからは具体的なWi-Fiルーターについて紹介していきます。まずは売れ筋ランキングを見ていきましょう。
(価格.com売れ筋ランキング出典:https://kakaku.com/pc/wireless-router/ranking_0077/(2021/06/04 ~ 2021/06/10 の集計結果))
1位:Aterm WG2600HS2PA-WG2600HS2
電気機器メーカーNECのAtermシリーズ。独自の技術によって電波強度をアップさせたWi-Fi5(11ac)対応Wi-Fiルーターです。
「ハイパワーシステム」と呼ばれる、今までは電波が届きにくかった部屋でも快適に通信できる機能が備わっており、また上述のビームフォーミングやMU-MIMO、IPv6にも対応しています。
機能が充実しており、どの部屋でも安定した電波が得られやすいこのWi-Fiルーターは、特に同居家族の人数が比較的多い家庭におすすめです。
- 通信規格:IEEE802.11a/b/g/n/ac
- 接続環境:3階建て(戸建て)/4LDK(マンション)/18台/6人
2位:Aterm WX3600HP PA-WX3600HP
第1位と同様、電気機器メーカーNECのAtermシリーズ。1位のAterm WG2600HS2 PA-WG2600HS2以上にハイスペックな通信規格で、接続環境もパワーアップしています。
またこのWi-Fiルーターは、世界中で繋がるネットワーク「WAN」ポートや8ストリーム(アンテナ数8つ)が採用された高性能Wi-Fi6無線ルーターです。
こちらも機能が充実しており、快適なWi-Fi接続が期待できます。
- 通信規格:IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax
- 接続環境:3階建て(戸建て)/4LDK(マンション)/36台/12人
3位:AirStation WSR-5400AX6-MB
こちらはバッファローのAirStationシリーズ。大容量・多台数通信に強いWi-Fi規格「Wi-Fi 6(11ax)」やIPv6にも対応しています。
また5GHz4本、2.4GHz2本のハイパワーアンテナを内蔵しているため、遠く離れた場所でもWi-Fi接続が可能な上、通信速度も抜群です。
たくさんの台数の端末と同時に通信ができるため、家中みんなが快適にネットを楽しむことができる上、スマホなど端末の待ち受け時間を制御しバッテリーを自動的に節約する機能「TWT」にも対応。
こちらも安定した電波を得ることができる、高スペックなルーターです。
- 通信規格:IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax
- 接続環境:3階建て(戸建て)/4LDK(マンション)/30台/10人
一人暮らしの人におすすめのWi-Fiルーター
続いて、一人暮らしの方におすすめのWi-Fiルーターを紹介します。
AirStation WSR-1166DHPL2
バッファローAirStationシリーズのWi-Fiルーターです。リーズナブルな価格でありながら、IPv6やMU-MIMOにも対応しており快適なWi-Fi環境を得ることができます。
1GBを超える動画やアプリ、音楽データのダウンロードや再生、同期作業など大容量を短時間で転送する高速規格「11ac」に対応しており、ビームフォーミング搭載によりさらに安定感のある通信を実現しています。
一人暮らしの方にもってこいの、非常にコスパの良いWi-Fiルーターです。
- 通信規格:IEEE802.11a/b/g/n/ac
- 接続環境:2階建て(戸建て)/3LDK(マンション)/12台/4人
AirStation WSR-300HP/N
こちらもバッファローAirStationシリーズのWi-Fiルーターです。とりあえず安いWi-Fiルーターを探している!という方におすすめしたいのがこちらです。
コンパクトかつ安価で購入しやすく、11nの通信規格にも対応しているため、これから一人暮らしを始める方はまずこれを選んでみてはどうでしょうか。
ただし性能は上記のものと比べるとやや劣るため、高速通信を求めている方には少々物足りないかもしれません。
- 通信規格:IEEE802.11b/g/n
- 接続環境:1R(マンション)
マンション住まいの人におすすめのWi-Fiルーター
マンションは建材として、Wi-Fiルーターの電波を通しにくい鉄筋コンクリートなどがが使われています。
また家全体が長方形になっているため、同心円状に広がるWi-Fiの電波がどうしても遠くまで届きません。
マンションは一般に、Wi-Fiルーターにとって不向きな環境ですので、オーバースペック気味のルーターを選ぶことをおすすめします。
ではマンションにおすすめのWi-Fiルーターを見ていきましょう。
AirStation WSR-2533DHPL
- 11ac(5GHz)に加え、2.4GHzの256QAMに対応した無線LANルーター。5GHz帯は最大1733Mbps、2.4GHz帯は最大800Mbpsの高速通信が可能。
- 子機側の位置や距離を判別し、転送速度・安定性を向上させるビームフォーミングに対応し、さらにiPhoneやiPadを察知する「ビームフォーミングEX」にも対応。
- 新旧それぞれのWi-FiルーターのAOSS/WPSボタンを押すだけでネットワークSSIDとパスワードを自動で引き継いで設定ができ、他社製ルーターにも対応している。
(出典:https://kakaku.com/item/K0001078410/)
こちらはバッファローのAirStationシリーズ。マンション向けのWi-Fiルーターとしては比較的安価かつ高性能で、非常にコストパフォーマンスの良いおすすめのルーターです。
11acの通信規格及びビームフォーミングだけでなく、さらにiPhoneやiPadを察知する「ビームフォーミングEX」にも対応しています。
新旧それぞれのWi-FiルーターのAOSS/WPSボタンを押すだけで簡単に設定を引き継ぐことができ、他社製ルーターに対応していることも特徴の一つです。
また5GHz帯は最大1733Mbps、2.4GHz帯は最大800Mbpsの高速通信も可能となっており、機能が充実しているため部屋の端の方にいても快適にWi-Fiを利用できるでしょう。
- 通信規格:IEEE802.11a/b/g/n/ac
- 接続環境:3階建て(戸建て)/4LDK(マンション)/18台/6人
Archer A2600
続いてはTP-LinkのArcherシリーズです。こちらは3本の外部アンテナと1本の内蔵アンテナが搭載されており、アンテナの向きを自由に変えることができるのが特徴です。
アンテナの向きを変えることで目的の場所へ電波を届けやすくなり、Wi-Fi利用時の通信がより快適になるでしょう。
また低価格な上、ビームフォーミング技術やMU-MIMO、バンドステアリングなどの機能も充実しているため、環境的に不利なマンションでも十分なWi-Fi環境を得ることができます。
- 通信規格:IEEE802.11a/b/g/n/ac
- 接続環境:3階建て(戸建て)/4LDK(マンション)/48台
一戸建て住まいの人におすすめのWi-Fiルーター
最後に、一戸建て住まいの方向けのWi-Fiルーターを紹介したいと思います。
AirStation WSR-2533DHPL
バッファローのAirStationシリーズ。3階建ての戸建て住居にも対応できる、十分な性能を持った通信規格11acのWi-Fiルーターです。初期設定も簡単で、手軽に良いネット環境が手に入ります。
5GHz帯は最大1733Mbps、2.4GHz帯は最大800Mbpsの高速通信が可能で、ビームフォーミング・ビームフォーミングEXにも対応しています。
迷った時はこのWi-Fiルーターを導入しておけば、快適にWi-Fiを利用できるでしょう。
- 通信規格:IEEE802.11a/b/g/n/ac
- 接続環境:3階建て(戸建て)/4LDK(マンション)/18台/6人
Aterm WG2200HP PA-WG2200HP
最後はNECのAtermシリーズです。スタイリッシュな見た目の良さに加え、MU-MIMOやビームフォーミングも搭載されており十分なスペックを持ち合わせています。
またアンテナに関しても、5GHz帯は4ストリーム(アンテナ4本)、2.4GHz帯は3ストリーム(アンテナ3本)と豊富に備わっており高速規格「IEEE802.11ac」も採用されています。
5GHz帯で最大1733Mbps、2.4GHz帯で最大450Mbpsの高速通信が可能で、安定した電波を得ることができることも特徴です。
他にも接続機器一覧、電波強度、接続周波数帯などをスマホやタブレットで確認できる「見えて安心ネット」機能が新たに搭載されており、注目のルーターと言えるでしょう。
- 通信規格:IEEE802.11a/b/g/n/ac
- 接続環境:3階建て(戸建て)/4LDK(マンション)
まとめ:自宅に合ったWi-Fiルーター選びを
今回はWi-Fiルーターを選ぶ際に知っておきたい基礎知識やWi-Fiルーターの選び方、またおすすめのWi-Fiルーターについて紹介してきました。参考になっていれば幸いです。
同居家族の人数や一軒家・マンションなど、住んでいる条件によっても選ぶべきWi-Fiルーターは異なります。
あなたの求めているWi-Fi環境と価格とのバランスをとりながら、最適なWi-Fiルーターをぜひ探してみてくださいね。