駐車場経営は不動産投資の中では初期費用があまりかかりません。ですが、実際にどのくらいの費用が掛かるでしょうか?
「空地を所有しているから駐車場として活用したい」「駐車場経営で不労所得を得たい」と考えている方向けに初期費用や駐車場運営の方法についてわかりやすく解説しています。ぜひ最後までご覧ください。
(アイキャッチ画像出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1259533?title=%E3%83%91%E3%83%BC%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%82%A8%E3%83%AA%E3%82%A2&searchId=565289814)
駐車場経営の初期費用は0円?
結論から説明すると、駐車場を経営するにあたって土地を所有していれば「初期費用は0円」にすることができます。
ですが、どの場合でも初期費用がかからない訳ではありません。以下の2つの方法で初期費用を0円にすることができます。
- 土地を駐車場運営している会社に貸す
- 最初の一定期間の収入で初期費用分を返済する
土地を駐車場経営している会社に貸す
駐車場の経営は個人だけでなく、経営を生業にしている会社に土地を貸して運営を委任することができます。
会社に土地を貸して、地代をもらうことで収益を得ます。この際は土地の舗装費用や機械の設置費用は会社持ちとなるので、こちらは初期費用が掛かりません。
最初の一定期間の収入で初期費用分を返済する
土地を駐車場経営会社に貸さずに、初期費用である土地の舗装や機械の購入・設置費用を会社に負担してもらいます。
駐車場経営で収入が入ったら、負担してもらった初期費用分を返済することで初期費用を掛けずに済みます。
駐車場を経営するための初期費用
駐車場の経営方法は「月極駐車場」「コインパーキング」の2つに分けられます。それぞれの駐車場を経営するにあたって以下の費用が掛かります。
月極駐車場
月極駐車場は、賃貸等の条件を決めて月単位で貸し出す駐車場です。初期費用は「約106万円~248万円(10坪・10台収容と想定した場合)」程掛かります。
設備名 | 工事名 | 初期費用 | 合計 |
未舗装(砂利敷) | 整地
区画ロープ張り 車止めブロック設置 |
約 3,000円/㎡
約 40円/m 約 3,500円/個 |
約106万円(10台収容) |
アスファルト舗装 | 整地・アスファルト舗装
ライン引き 車止めブロック設置 |
約 5,000円/㎡
約 13,000円/台 約 3,500円/個 |
約248万円(10台収容) |
駐車場を未舗装(砂利敷)にするかアスファルト舗装をするかによって金額は大きく異なります。
コインパーキング
コインパーキングは、利用者に時間単位で貸し出す駐車場です。初期費用は「約468万円(10坪・10台収容と想定した場合)」程掛かります。
設備名 | 工事名 | 初期費用 | 合計 |
アスファルト舗装 | 整地・アスファルト舗装
ライン引き 車止めブロック設置 機器・看板等の設置 |
約 5,000円/㎡
約 13,000円/台 約 3,500円/個 約 2,200,000円/敷地 |
約468万円(10台収容) |
コインパーキングでは機器の設置等のためにアスファルト舗装でなければなりません。また精算機、看板や照明等の設置もしなくてはならないので初期費用は月極駐車場と比較すると高くなります。
駐車場を経営のための初期費用はまだかかる?
さらに、初期費用には追加で以下の費用が掛かる場合もあります。
- 建物があるなら解体費用
- 土地が山や農地なら造成費用
- 土地を持っていないなら土地購入費用
駐車場予定地に建物があるなら解体撤去しなくてはなりません。土地が山地や農地で高低差が激しかったり、地盤が柔らかいと土地を改造しなくてはなりません。そもそも土地が無ければ買わなくてはなりません。
上記の費用は場所や時期によって様々なので専門業者へ見積もりを取ることで金額を確認しましょう。
駐車場経営で初期費用を早く回収するには?
初期費用に掛かった金額を駐車場経営で早く回収するにはどんな点を抑えておくべきかもご紹介します。
- 場所に合った方法での運営
- 周りの環境を考慮しての料金設定
- 情報収集を怠らない
まず、駐車場はどこを予定していますか?繁華街ならコインパーキングが利用されるかもしれません。住宅街やアパートが多い地域では月極駐車場の需要があるかもしれません。その場所に適切な方法で運営しましょう。
また、周りの駐車場の料金も確認しましょう。相場より高ければ利用率が低くなります。少し安めに設定したり料金設定を1ヶ月や1時間ではなく、1日や10分単位にしたりする等利用しやすいように設定しましょう。
周りの情報収集も必ずしましょう。周りにどんな建物が建築されているか、自分のところより安い駐車場がないか等を常にチェックしましょう。
駐車場経営の初期費用:月極駐車場のメリット・デメリット
月極駐車場のメリット・デメリットはどのようなものか確認しておきましょう。
メリット:初期費用を抑えて、安定的な収入がある
前述したように月極駐車場は未舗装(砂利敷)にすることで初期費用を抑えることができます。また、月単位での契約があるので安定的に収入が入ってくる点も魅力です。
デメリット:空きやトラブルが生じる可能性がある
月極駐車場は空きができると収入が入ってきません。また、利用者同士のトラブルや違法駐車等の発生があれば対応しなくてはなりません。
駐車場経営の初期費用:コインパーキングのメリット・デメリット
次にコインパーキングのメリット・デメリットも確認しましょう。
メリット:収益率が高い
コインパーキングは稼働率と収益率が比例しているので利用者が多ければ多いほど収益に直結します。また、ゲートやロック板を設置するので違反駐車されにくい点もあります。
デメリット:初期費用が高い
なんといっても初期費用の高さが目につきます。機器を設置しなくてはならないので月極駐車場よりも百万円単位で金額が変わります。また、精算機や防犯カメラ等のランニングコストが掛かる点もデメリットでしょう。
駐車場を経営するための手順
では、実際に駐車場を経営するにはどのような手順を踏むのかを解説します。
- 運営に向いている立地かどうかを確認する
- 運営会社や工事業者とプラン・工程を立てて工事をする
- 利用者が入るように宣伝する
収益が出ない土地を駐車場にしても意味がありません。複数の運営会社に相談しながら立地条件を確認しましょう。
土地を確定したら経営プランや設備の詳細を打ち合わせし、実際に工事に入ることができます。
利用者がいなけば好立地でも収益は出ません。宣伝もしっかり行って利用者を確保しましょう。
固定資産税が高くなる!
駐車場の固定資産税について確認しましょう。特に建物が建っていた土地を駐車場にする予定なら要注意です。
一般的な住宅用地であれば、固定資産税の減税措置が設けられていますが、駐車場は更地とみなされ減税措置が適用されません。
結果、住宅用地を駐車場として使うなら固定資産税が約6倍にも跳ね上がります。
また、精算機等やロック板等の機器にも固定資産税が掛かるので税金面で気を付けなければなりません。
確定申告でお得に節税!
駐車場経営は毎年行われる確定申告をすることで節税することができます。
特に「青色申告」をすることで、白色申告と比較して17万円多く基礎控除を使えます。前述した固定資産税についても確定申告をすることによって、経費として扱い控除することが可能です。
また、駐車場経営で赤字になった場合は「損益通算」をすることで来年の黒字と相殺することができ、節税することができます。
青色申告は少々手間がかかりますが、白色申告を比較すると得することが多いので是非活用しましょう。
駐車場経営で不労所得を得ましょう!
今回は駐車場経営について解説しました。駐車場の経営方法によって初期費用は百万円単位で変わってきます。ですが、運営会社を通すことで初期費用を掛けないで駐車場経営をすることができます。
また、駐車場経営は立地がとても大切です。専門のプロとしっかり打ち合わせをしてから工事にとりかかりましょう。各自治体や税務署で固定資産税や節税についてもよく調べることも大切です。
駐車場経営は収益が出るなら不労所得になります。興味があるなら土地について調べるところから始めてみてください。