「登録販売者の給料は安い」と思っていませんか?確かに勤務地や雇用形態により、登録販売者の給料は大きく変動します。
しかし、登録販売者資格は1度取得すれば転職や復職に役立つ、大変需要の高い資格です。
今回は、登録販売者資格の給料が低いと思われる理由を、勤務地や雇用形態などの条件ともに解説します。
私が登録販売者として学んだ給料の実態やメリット、将来性についても解説しますので、是非参考にして資格を取得してみましょう。この記事を最後まで読むと、登録販売者の給料は決して安くないことがわかりますよ!
(アイキャッチ画像出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/492299)
登録販売者資格は手軽に取れるのに便利!
登録販売者とは、一般用医薬品販売資格「登録販売者資格」の保有者です。ドラッグストアなどの店舗管理責任者として働くことができ、医薬品コーナーの90%以上を占める第二類医薬品と第三類医薬品を販売できます。
医師や薬剤師とは違い、医大を卒業する必要がなく独学でも合格することができます。資格取得費用もテキスト代や受験費用、交通費のみなので、2万円ほどあれば資格自体は取得できるでしょう。
資格取得と2年間毎月80時間の実務経験経て、3年目から1人前として活躍することができます。その2年間は研修期間なので資格手当はつきませんし、1人での店舗運営はできません。
勤務先により研修中でも資格手当がついたり、お給料を貰いながら勉強会に参加したりする事もできます。
登録販売者資格4つのメリット
登録販売者がどのようなものか理解できたところで、次は資格のメリットについてご紹介します。
登録販売者資格のメリットは以下4つです。まとめましたので、詳しく見ていきましょう。
- 勤務地を選べる
- 収入アップや昇進を狙いやすい
- 復職しやすい
- 日常生活にも役立つ
勤務地を選べる
勤務地を自由に選べるかは勤務先によりますが、ドラッグストアや薬局、コンビニなどで求人があるため全国で働くことが可能です。
収入アップや昇進を狙いやすい
資格を持っているだけで資格者手当がつくため、社員はもちろん、パートやバイトだったとしても優遇され時給に手当が上乗せされます。
また、実務経験を経て3年目の1人前になれば店舗責任者として働けます。社員から店長へ、パート・バイトから社員やフルタイムのパート・バイトに登用されることも多いです。
復職しやすい
1度資格を取得すれば、ブランクがあっても復職することができます。その際、過去5年以内に実務経験が2年以上あることは絶対条件です。
5年以上全く店舗勤務や薬の販売に携わらなかった場合、復職してから2年間の実務経験を再度積む必要があります。一方、5年以内に1人前として勤務していたのであれば、すぐに資格手当もつくでしょう。
日常生活にも役立つ
薬の知識が頭に入っているため、普段自分や家族が体調不良の時安心です。
薬の選び方だけでなく、養生法や病院に行かないと治らないと判断することも学びます。
私も資格を活かし、自らの体質に合った市販薬を探すなど日々行っています。
登録販売者の給料は安い?
登録販売者は薬に関わる重要な仕事だとわかりましたね。メリットも多く、取得して損がないことがわかったところで、次は気になる給料を見てみましょう。
2021年6月末時点での、登録販売者の給料は全国平均月収22万円、全国平均年収356万円です。全国でも勤務地域により差があり、社員の平均年収が1番高いのは東京都です。
一方、社員の平均年収が1番低いのは四国であり、アルバイト平均時給が最も低いのは九州・沖縄でした。参考に以下、表にまとめました。
正社員平均年収 | アルバイト平均時給 | |
東京 | 329万円 | 941円 |
四国 | 284万円 | 875円 |
九州・沖縄 | 285万円 | 839円 |
社員平均年収が300万円前後というのは決して高くないと言えます。以下の表は、サラリーマンの年代別平均年収です。
サラリーマン平均年収 | |
20代 | 350万円 |
30代 | 450万円 |
40代 | 550万円 |
50代 | 650万円 |
サラリーマンと比べると相場は安く見えますね。しかし、登録販売者は働く地域だけでなく勤務先でも大きく給料の変動があるので、まだ希望は捨てないでくださいね!
働く場所で違う?登録販売者の給料
勤務先でも給料は大きく変動します。登録販売者資格はドラッグストアだけでなく薬局やコンビニ、ディスカウントストア、医薬品のテレフォンセンターなど多くの企業が求人を出している人気の資格です。
特に登録販売者多い3カ所の平均的な給料を、地域や雇用条件も併せて表にまとめました。
正社員・首都圏 | 正社員・地方 | バイト・首都圏 | バイト・地方 | |
ドラッグストア | 20~25万円 | 19~23万円 | 1,000~2,000円 | 940~1,300円 |
薬局 | 20~27万円 | 13.5~26万円 | – | – |
コンビニ | 22~25万円 | 18~22万円 | 1,000~1,300円 | 900円 |
社員はそれほど高い給料とは言えませんが、パートやバイトとしては他のパートやバイトの相場より100~300円高いと言えます。
さらに、正社員だけでなくパートやバイトにも時給にプラスして資格手当がつきます。勤務先により資格手当込の表記かもしれないのでしっかりと確認しましょう。
また、登録販売者資格を持ち4年目20代社員でも、年収が450万円を超えることは可能です。その理由を次の章で解説します。
登録販売者の給料|社員
平均年収の目安がわかったところで、実際に私が勤務していた東海地方のドラッグストアを例に「平均給料枠を超えた給料を貰える可能性」を解説します。
地方ドラッグストアで正社員として勤務した場合、平均年収は19~23万円であり、これは事実でした。入社1年目つまり実務経験2年を終えていない頃の手取りは20万円弱。
しかし、3年目になると1人前として店舗責任者として勤務でき、基本給が上がり資格者手当が1万円貰えます。企業によりますが、正社員として勤務すれば、成績次第で手取り25万円まで上げることができます。
さらに、資格保有により役職手当や夜間勤務手当などの手当を受けやすくなるため、登録販売者の給料は一概に低いとは言えません。ボーナスを加えると4年目でも年収手取り450万円は可能です。
登録販売者の給料|パート・バイト
では、パートやバイトの給料は安いのでしょうか?こちらも実際に私が勤務していた東海地方のドラッグストアを例に解説します。
地方ドラッグストアでパートやバイトとして勤務した場合の時給は、940~1,300円です。資格を持っていないパートやバイトの時給は850~1,000円とすると、100~300円高いことになります。
また、パートやバイトでも2年間の実務経験を経て店舗責任者として勤務することも可能ですし、社員なることもできます。
特に資格を持って夜勤務することで時給も上がり夜間勤務手当もつくため、時給850円で他のパートやバイトをするよりはるかに稼ぐことができるでしょう。
登録販売者の給料と将来性
セルフメディケーションが推進されているこれからの時代、登録販売者資格は需要の高まりつつある資格と言えます。
セルフメディケーションとは、病院に頼らず自身の健康管理を自ら行うことです。市販薬で治せる病気は病院に行かず、登録販売者や薬剤師のいるドラッグストアや薬局に行き、症状の相談をして薬を購入します。
もちろん薬の販売だけでなく、症状によっては薬を販売しないと判断したり、受診を勧めることもあります。
ドラッグストアなら病院より気軽に、待ち時間なく行けますし他の買い物もできるので、今後求人が多くなり将来的に給料が上がる可能性は大きいと言えるでしょう。
登録販売者の給料とやりがい
登録販売者は給料とは別に、資格手当が毎月5,000~10,000円支給されます。すると、年間6~12万円も資格を持っているだけで多く稼ぐことが可能です。
資格を持っていない状態から取得することで、給料や時給は上がることになるでしょう。また、資格試験合格後2年間の実務経験を終えると店舗責任者として働くことができるため、やりがいは十分に感じられます。
第一類医薬品などの取り扱いがある店舗で、薬剤師不在の場合販売は第一類医薬品などの販売はできません。
しかし、店舗開店と、第二類医薬品や第三類医薬品の販売は可能です。もちろん店舗の構造によりますので、確認しましょう。
登録販売者は給料を貰いながら取得できる!
登録販売者資格は通信講座や独学で3~6カ月勉強することで取得することが可能です。入社して、実務経験を積みながら資格勉強を行います。
もちろん試験勉強は座学なので勤務時間外に行うことになりますが、実務経験には接客や薬の陳列、整理整頓も含まれます。給料を貰いながら資格が取得できるなんてありがたいですよね。
また、勤務先によっては月1回程度研修で模擬試験を受けたり、受験料免除などの制度があり全て1人でやらなければいけないわけではないので安心してください。
登録販売者の給料と特徴まとめ
今回は、登録販売者の給料が安いと思われる理由と、その特徴についてご紹介しました。
- 登録販売者の給料は、勤務先や地域、雇用形態により変化する。
- 給料は安く見えるが、資格者手当があるため資格を持っているだけで年間6~12万円貯まる。
- 薬の販売だけでなく店舗責任者として勤務できるため、給料アップや昇給しやすい。
- セルフメディケーションが推奨されているため、今後需要と共に給料は上がる可能性が高い。
簡単に取得することができ、昇進もしやすい資格で取っておいて損はないです。勤務地により給料は異なるため、資格を活かして働く場合良く調べてから入社することが大切です。
試験日は地域により異なるので、早速今から勉強して試験合格を目指してくださいね!