家でインターネット通信を可能にするために欠かせないモデムとルーター。
あなたはモデムやルーターの役割、説明できますか?「Wi-Fi接続で…何かをしている機器。」といった程度の認識で、実はよく理解できていない、という方も多いのではないかと思います。
本記事では、モデム・ルーターの見た目と役割の違いやインターネットとの関係性、また関連機器であり混乱しやすいモデムとONU、ルーターとハブの違いについても解説していきます。
万が一、モデムやルーターが故障した時などに基礎知識がないと、何に対処しなければよいのか分からず困るかもしれません。これを機にモデムやルーターについて知り、違いを理解しておきましょう!
出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1843423?title=wifi%20%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%BC&searchId=3755069353
モデムとルーター、どっちも必要?
Wi-Fi接続に関連する機器であるモデムとルーター。一見するとほとんど同じものであるかのように思えますよね。
何をしている機器かよく分からない上、モデムはWi-Fiの契約時にその業者からレンタルできますが、ルーターは自分で購入しなければならない場合もあります。
「モデムとルーター、片方だけでインターネットに接続できないの?」と思ってしまいそうですが、結論としては複数の機器と接続する場合「両方必要」です。
その理由は2つの機器の役割にあります。見た目は似ているように見えますが、実は全く違う役割を果たしているのです!
モデムやルーターとインターネットの関係性
まずはじめに、モデムやルーターとインターネットの関係性について確認しておきましょう。
自宅のWi-Fi環境でパソコンやスマホをインターネット接続する場合、モデムやルーターは以下のように接続されています。
インターネットとは世界中の情報機器(コンピューターなど)を接続するネットワークです。
自宅にモデムやルーターを設置することでWi-Fi接続ができるようになり、インターネット通信が可能となります。
つまり、モデムやルーターがあるおかげで、PCでのGoogle検索などができるというわけですね!
【見た目】モデムとルーターの違い
ではここで突然ですが、皆さん。モデムとルーター、見分けがつきますか?
「家になんかあるけど…どっちがどっち?」なんて方も結構いらっしゃると思います。(当初は私もそうでした。笑)
以下でモデムとルーターの見た目の特徴を説明します。これを機に、まずはモデムとルーターの見分けがつくようになってくださいね!
モデムの見た目
モデムはこんな感じ。一般的にはルーターに比べて点灯するランプの数が多くなっています。
しかし、機種によってランプの項目も異なるため、ランプの数や項目でモデムを判別するのは困難です。
モデムにあってルーターにないものはモジュラージャックと言われる電話端子のついたケーブルの差し込み部分。
モジュラージャックの接続口があれば、それはルーターではなくモデムです。
ルーターの見た目
ルーターは複数の通信機器を接続できるようにするためのもので、接続口が3個以上ついているのが一般的です。
モデムとの大きな違いは、このLANケーブルの接続口を3個以上もっていること。ルーターには最低でも3個のLANケーブル接続口があります。
LANケーブル接続口の数を確認できれば、モデムとの違いは一目瞭然ですね!
「ルーター内蔵型モデム(下記参照)」の場合、モデムでもLANケーブル接続口が3つ以上存在します。
モジュラージャック接続口とLANケーブル接続口3つ以上があれば、ルーター内蔵型モデムであると判断しましょう。
【役割】モデムとルーターの違い
上の図の通り、自宅でのインターネット通信を仲介しているモデムとルーター。ここからは両者の違いについて見ていきましょう。
モデムとルーターは、ひとことで説明するとそれぞれ次のような役割を果たしています。
- モデムの役割
デジタル信号とアナログ信号を相互に変換する - ルーターの役割
複数のデジタル機器をネットワークに接続する
このように、モデムとルーターはそれぞれ違う役割を果たしています。しかしながら、それぞれの役割を聞いても「いまいちピンとこない…」という方もいらっしゃいますよね。
以下でモデムとルーターについて詳しく説明していきますので、モデムとルーターの違いをしっかりと理解していきましょう!
デジタル信号とアナログ信号を相互変換する「モデム」
モデムというのは、「電話回線」においてパソコン等のデジタル信号と電話線などのアナログ信号を相互変換する機器のことです。
モデムと電話機は、モジュラーケーブルと呼ばれる電話線によって接続されています。パソコンなどのデジタル機器から発せられたデジタル信号はモジュラーケーブルを介して伝わっていきます。
しかしながら、モジュラーケーブルはアナログ信号しか伝達できません。デジタル信号は理解できないのです。
そこで必要なのがモデムです。モデムを介してデジタル信号をアナログ信号に変換することで情報の伝達が可能になっています。またモデムはデジタル信号→アナログ信号だけでなく、その逆の変換も行っています。
モデムとONUの違い
「ONU」という言葉は少し馴染みが無いかもしれませんが、モデムと似たような役割を果たしているため知っておくとモデムをさらに理解しやすくなります。確認しておきましょう。
ONUは「Optical Network Unit(光学ネットワーク)」の略で、「光回線」においてデジタル信号と光信号を相互変換する機器のことです。
混同しがちですが、モデムは電話回線において用いられるのに対し、ONUは光回線において用いられます。ですので、モデムとONUは別物です。
しかしながら、両者とも「異なる種類の信号を相互変換する機器」ですので、似たような役割を果たしています。
インターネット接続における交通整理役「ルーター」
ルーターとは、パソコンやスマホなど複数の機器がインターネットに同時接続できるよう、交通整理をしてモデムやONUに信号を集約、またはモデムやONUから信号を分配するためのものです。
ルーターがなければ、インターネット接続ができるのはモデムやONUに直接接続できる機器1台のみです。しかし、ルーターを使用することで複数の機器の接続が可能になっているのです。
ただし、現在ではモデム(あるいはONU)にルーターの機能が備わった一体型モデムも存在しています。
ルーターとハブの違い
ルーターの説明を見て、「ハブと同じなの?」と思った方がいらっしゃるかもしれません。しかしながら、ルーターとハブは別物です。
ハブは複数の機器をLANケーブルで接続することで信号を1つに取りまとめるだけの集線装置です。一方ルーターは、目的のサイトまでのルートを確保するための交通整理を行っています。
モデムやONUに直接ハブをつないでも、複数の機器でインターネットに同時接続することはできません。ハブを使用する場合でも、ハブとモデム・ONUの間にはルーターが必要です。
ルーター内蔵型の一体型モデムもある!
ここまで、モデムとルーターの役割についてお話してきました。どちらもインターネット接続に欠かせないものであることはご理解いただけたかと思います。
ここで紹介しておきたいのがモデムとルーターの機能が両方備わった、ルーター内蔵型モデムです。外観としては、モジュラージャックと複数のLANポートをもっているのが特徴です。
一体型であれば、ルーターとモデム別々のものよりもスペースをとらない上、ルーターとモデムの接続設定も不要となるため手軽に導入できます。
まとめ:モデムとルーターは全くの別物!
今回は、モデム・ルーターの見た目と役割の違いやインターネットとの関係性、また関連機器であるONU、ハブとの違いについて解説しました。
ここでもう一度、モデムとルーターの役割について復習しておきましょう。
- モデムの役割
デジタル信号とアナログ信号を相互に変換する - ルーターの役割
複数のデジタル機器をネットワークに接続する
これらの機器について理解しておけば、家のインターネット環境を整える際やトラブル発生時に役立つこと間違いなし!ぜひ基礎知識として身につけておいてくださいね!